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二章 新たな出会い
第十話・黒い物体の正体
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「貴様、何故我から逃げるのじゃ?貴様は我と戦う為にここへ
来たのではないのか?」
た、戦う!?
誰が誰とですか!?
もしかして、俺とあなたが...でしょうか?
俺も確かに腕には覚えがあるし、我慢強いだけで別に腰抜けって
わけでもない。
しかし、これは違う!
これは腰抜けって言われなくてもいい案件だと思う!
だって...さっきから俺の背中にかかってくる威圧感が半端ねぇぇえぇぇっ!!
そう言う訳で......
「ふ...戦う?よして下さいな。俺はしがないただのおっさんで、ここには
迷ぉぉおお―――っ!?」
俺は言い訳を語りながらゆっくり後ろへ振り向くと、そこには大きい山の様な
黒い物体が目に映った。
デ、デケエェェェェェェェ―――――――ッ!!!?
な、なな、なんなの、これぇぇえっ!?
どこをどう見てもこの黒い物体、あの伝説の生き物...ドラゴンだよなっ!?
何でだよっ!
俺の今の立場をゲームで例えるなら、まだ最初の冒険段階だぞ!
弱い敵...ゴブさんとか、小動物っぽい魔物とかと懸命に戦ってさぁ。
「くう!中々強かったなこいつ......」
とか言ったり...
「モフモフを倒すのは偲びないが、許してくれよなっ!」
とか言って、ファンタジーをその肌に感じる。
そんな初心者展開を満喫する場面ですよっ!
それなのに...なんで最初に出会す魔物がこんな超大物のドラゴンなんだよっ!
「ふふふ...どうした、人族の子よ。もしや我の姿にビビってしまったか?」
ビビるだと......
そんなの、ビビるに決まってるだろうがぁぁぁああぁぁぁっ!!
こっちは歩くだけで息切れ上等、疲れも取れにくい、運動すれば遅れて
きやがる筋肉痛、そんな負のオンパレードのだたのおっさんだぞっ!
た・だ・の・おっさんっ!!
そんな中年のおっさんが、馬鹿デカイ凶悪そうなドラゴンと対峙して
いるだぞぉぉおおぉぉぉっ!!
だぁあああぁぁっ!
夢や嘘だと言ってくれよぉぉぉおおぉぉぉおっ!!
「......おい、人族の子よ?いつまでそうやって沈黙を守っているつもりじゃ?」
「はぎゃぁあ!!?」
いつまで立っても返事を返さないレンヤに、いい加減痺れを切らしたドラゴンが
レンヤの前に自分の顔をヌッと近づけ、ギロッと睨みを効かせてくる。
「ふ...沈黙なんてトンでもない。ただ、あんたみたいに強そうなドラゴンは
人生の中で初めて見たんでな。ちょいとばかり俺の思考が意表を突かれて
ビックリしてしまい、言葉を出す切っ掛けを失っただけさ......」
睨みに効かせてくるドラゴンを相手に、今にも気絶しそうになる俺だったが、
懸命な言い訳を必死に述べ立てて、ドラゴンのご機嫌を損ねない様に努力する。
「ほう...我にビビっていた訳ではなく、ビックリしていただけとな?」
ドラゴンが俺の言い訳の言葉が気に入らなかったのか、眉をビクッと
動かし、その表情が少しだけ険悪に変わる。
し、しまったぁぁぁああっ!?
もっと媚を売っておくべきだったぁぁああぁぁあっ!!
「ふん、まぁ良い。貴様からは我と戦うという殺気、戦闘オーラを
全く感じられないしのう。さっすれば、貴様の言う事は誠の言葉と
いう事じゃろう。ならば貴様はここに我と戦いに来た訳ではないと
いう事か?」
おほ。これはいい流れ!
「無論だ。俺はこの階層の上にあるトラップに不覚にも引っ掛かって
しまい、この階層に落ちてしまってな......」
「トラップに?それは災難じゃったのう...」
おお!やったぞっ!
何とか、ドラゴンの威圧感が減ってきたぁぁぁあっ!!
「...だから、この階層にあるであろう上にあがる為の階段をくまなく探し
回っていたんだが、その最中、あんたのいるこの部屋の扉を見つけてな。
これが俺がここにいる理由さ...」
俺は戦闘を回避できた歓喜を取り敢えず心の中にしまい込み、ドラゴンへ
この部屋に来るまでの経緯を、詳しく冷静な言葉使いで説明するのだった。
来たのではないのか?」
た、戦う!?
誰が誰とですか!?
もしかして、俺とあなたが...でしょうか?
俺も確かに腕には覚えがあるし、我慢強いだけで別に腰抜けって
わけでもない。
しかし、これは違う!
これは腰抜けって言われなくてもいい案件だと思う!
だって...さっきから俺の背中にかかってくる威圧感が半端ねぇぇえぇぇっ!!
そう言う訳で......
「ふ...戦う?よして下さいな。俺はしがないただのおっさんで、ここには
迷ぉぉおお―――っ!?」
俺は言い訳を語りながらゆっくり後ろへ振り向くと、そこには大きい山の様な
黒い物体が目に映った。
デ、デケエェェェェェェェ―――――――ッ!!!?
な、なな、なんなの、これぇぇえっ!?
どこをどう見てもこの黒い物体、あの伝説の生き物...ドラゴンだよなっ!?
何でだよっ!
俺の今の立場をゲームで例えるなら、まだ最初の冒険段階だぞ!
弱い敵...ゴブさんとか、小動物っぽい魔物とかと懸命に戦ってさぁ。
「くう!中々強かったなこいつ......」
とか言ったり...
「モフモフを倒すのは偲びないが、許してくれよなっ!」
とか言って、ファンタジーをその肌に感じる。
そんな初心者展開を満喫する場面ですよっ!
それなのに...なんで最初に出会す魔物がこんな超大物のドラゴンなんだよっ!
「ふふふ...どうした、人族の子よ。もしや我の姿にビビってしまったか?」
ビビるだと......
そんなの、ビビるに決まってるだろうがぁぁぁああぁぁぁっ!!
こっちは歩くだけで息切れ上等、疲れも取れにくい、運動すれば遅れて
きやがる筋肉痛、そんな負のオンパレードのだたのおっさんだぞっ!
た・だ・の・おっさんっ!!
そんな中年のおっさんが、馬鹿デカイ凶悪そうなドラゴンと対峙して
いるだぞぉぉおおぉぉぉっ!!
だぁあああぁぁっ!
夢や嘘だと言ってくれよぉぉぉおおぉぉぉおっ!!
「......おい、人族の子よ?いつまでそうやって沈黙を守っているつもりじゃ?」
「はぎゃぁあ!!?」
いつまで立っても返事を返さないレンヤに、いい加減痺れを切らしたドラゴンが
レンヤの前に自分の顔をヌッと近づけ、ギロッと睨みを効かせてくる。
「ふ...沈黙なんてトンでもない。ただ、あんたみたいに強そうなドラゴンは
人生の中で初めて見たんでな。ちょいとばかり俺の思考が意表を突かれて
ビックリしてしまい、言葉を出す切っ掛けを失っただけさ......」
睨みに効かせてくるドラゴンを相手に、今にも気絶しそうになる俺だったが、
懸命な言い訳を必死に述べ立てて、ドラゴンのご機嫌を損ねない様に努力する。
「ほう...我にビビっていた訳ではなく、ビックリしていただけとな?」
ドラゴンが俺の言い訳の言葉が気に入らなかったのか、眉をビクッと
動かし、その表情が少しだけ険悪に変わる。
し、しまったぁぁぁああっ!?
もっと媚を売っておくべきだったぁぁああぁぁあっ!!
「ふん、まぁ良い。貴様からは我と戦うという殺気、戦闘オーラを
全く感じられないしのう。さっすれば、貴様の言う事は誠の言葉と
いう事じゃろう。ならば貴様はここに我と戦いに来た訳ではないと
いう事か?」
おほ。これはいい流れ!
「無論だ。俺はこの階層の上にあるトラップに不覚にも引っ掛かって
しまい、この階層に落ちてしまってな......」
「トラップに?それは災難じゃったのう...」
おお!やったぞっ!
何とか、ドラゴンの威圧感が減ってきたぁぁぁあっ!!
「...だから、この階層にあるであろう上にあがる為の階段をくまなく探し
回っていたんだが、その最中、あんたのいるこの部屋の扉を見つけてな。
これが俺がここにいる理由さ...」
俺は戦闘を回避できた歓喜を取り敢えず心の中にしまい込み、ドラゴンへ
この部屋に来るまでの経緯を、詳しく冷静な言葉使いで説明するのだった。
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