彼女をイケメンに取られた俺が異世界帰り

あおアンドあお

文字の大きさ
上 下
64 / 72
6章・学校

064・見覚えのある女子生徒

しおりを挟む
くたばれやっ!くそイケメェェェンッ!!


俺は心の中でそう叫んだながら、ウザ絡みイケメン野郎の頭上目掛けて
拳を思いっきり降り下ろ―――


「―――こらぁぁあ!あなた達っ!また私の目を盗んで光野君の事を
揶揄っていたわねぇっ!!」

俺の拳がウザ絡みイケメン野郎の頭上に当たる寸での所で、教室のドアが
ガラッという音と共に開き、そして天使の輪がキラキラと美しく輝く長い髪の
女子生徒がその黒髪を靡かせ、俺と陽キャラ三人の下に早足でツカツカと
近づいてくる。

「......ちっ!」

俺は邪魔が入ったとばかりに軽く舌打ちをすると、イケメン野郎の頭上に
目掛けて振り下ろそうとしていた拳を慌ててささっと戻す。

もうっ!

一体どこのどいつだっ!

俺の邪魔をしや...がった......奴...は――――――なっ!?

な、なにぃぃぃいいっ!?

ここ、こ、この子は、さ、さ、さっき助けた女子生徒っ!!?

俺の邪魔をしてくれた人物に、余計な事をと恨み節な顔でキッと睨むと、
そこには朝の登校時に変態イケメン達から助けてあげたあの女子が
凛々しい顔付きで仁王立ちしていた。

「え~あーしらが光野くんを揶揄っている~?委員長が何を言ってんのか
マジ意味不なんですけど~?ねぇ~古島くん~♪」

「そうそう!どこを見てそう思ったかは知らないが、俺達は別にこいつを
揶揄った事なんて一度もなねぇぜ?なぁ、亜依子!」

「うんうん。古島の言う通りだよ!ただわたし達は他愛ない世間話と談笑を
光野を含めて一緒にしていただけなんですけどぉ?ねぇ~心愛?」

「だっよねぇ~くふふ♪」

「あはは♪」

「くかかか♪」

目の前で怒っている女性生徒の説教に、ウザ絡みイケメン野郎と恵美の友達
二人がニヤニヤした顔で互いに向かい合い、相づちをうんうんと打つ。

「なぁおい、光野。俺達、お前と普通に会話していただけだよな?なぁっ?」

そしてウザ絡みイケメン野郎がニヤニヤしたその顔でこっちを見てくると、
俺の肩に回していた腕にグッと力を入れる。

そのニヤケ顔にイラっときた俺は、思わず全力パンチをそのニヤケ面に
めり込ませてやろうかと一瞬思ったが、しかし今はそんなをしている
場合ではない。

なな、な、なんでこの子が俺のクラスにぃぃいっ!?!?

制服が一緒だったから、同じ学校の生徒だとは思ったけれども、

まさかまさかの同じクラスの子だとぉぉおっ!?

目の前で陽キャラ三人に説教をしている女子生徒が、朝の登校中に
変態イケメン達から助け出したあの女子生徒だと気付くと、俺は
思いっきり動揺を露にしてしまう。



―――キ~ンコ~ン、カ~ンコ~ン。



そんな動揺の中、教室内に始業ベルの音が鳴り響く。

「......始業ベルが鳴ってしまいましたか。これからこの連中にたっぷりと
お説教をしなければいけないというのに......取り敢えず説教はまた後にと
いう事で、古島君、それに西城さんと風見さんも先生がくる前にさっさと
自分の席に着きなさい!」

「ういうい~先生怒るとめっさ怖いしぃねぇ~」

「古島も光野くんに構ってないで自分の席に帰るぞぉ~」

「了解了解。もうちょいこいつを揶揄...じゃなかった、こいつと楽しい
談笑をしていたかったが...しゃあない!」

説教をしていた女子生徒に諭された恵美の友達二人とウザ絡みイケメン
野郎は、先生が来る前に自分の席へと早足で戻って行った。

「ふう。やれやれ、あの人達にも困ったものですね...大丈夫でしたか、
光野君?あの人達には私が後からタップリお説教と注意をしておきます
から!」

「そ、そっか。ありがとう......」

「あ、光野君も先生が来る前に自分の席に座った方がいいですよ?」

「う、うん。そだね......」

女子生徒の言葉に、俺は動揺している表情を押し込め、軽く微笑んだ
表情で感謝の言葉を伝えると、目の前の自分の席にそそくさと座る。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!

石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。 クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に! だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。 だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。 ※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます

neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。 松本は新しい世界で会社員となり働くこととなる。 ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。 PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。

俺の好きな人は勇者の母で俺の姉さん! パーティ追放から始まる新しい生活

石のやっさん
ファンタジー
主人公のリヒトは勇者パーティを追放されるが別に気にも留めていなかった。 ハーレムパーティ状態だったので元から時期が来たら自分から出て行く予定だったし、三人の幼馴染は確かに可愛いが、リヒトにとって恋愛対象にどうしても見られなかったからだ。 だから、ただ見せつけられても困るだけだった。 何故ならリヒトの好きなタイプの女性は…大人の女性だったから。 この作品の主人公は転生者ですが、精神的に大人なだけでチートは知識も含んでありません。 勿論ヒロインもチートはありません。 他のライトノベルや漫画じゃ主人公にはなれない、背景に居るような主人公やヒロインが、楽しく暮すような話です。 1~2話は何時もの使いまわし。 亀更新になるかも知れません。 他の作品を書く段階で、考えてついたヒロインをメインに純愛で書いていこうと思います。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

処理中です...