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5章・初登校
054・GTP
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「ええぇい!ちょこまか、ちょこまかと動くんじゃねぇぇぇええっ!」
俺がかつての悲しくもほろ苦い思い出に浸っていると、小鉄が俺を
掴まえて携帯電話を奪い取ろうと、しつこく右に左にと手を伸ばしてくる。
「いや~これでもゆっくり動いているんですけどねぇ。まぁいい、じゃあ
リクエストにお答えして止まってあげるよ。ほれ、これでどうだおっさん♪」
俺は右に左にと動いていた身体をピタリと止める。
「ク、クソガキがぁぁぁあ!どこまで俺をコケにするつもりだぁぁぁあっ!!」
俺の挑発行為に小鉄が顔を激怒で真っ赤に変えると、俺に向かって何度も拳を
力任せに繰り出してくる。
「......やれやれ。動いても怒る、動かなくても怒るって...ちぃ~とばかし
我が儘過ぎじゃねかい......おっさんっ!!」
「な!?は、速い!う、動きが全く見えな――――グハ!?」
俺は軽く嘆息を口から吐くと同時に小鉄へ急接近すると、小鉄の頭上に
踵を思いっきり叩き落とし、変態イケメン同様気絶させる。
「ふう、これでよしっと!」
小鉄を撃退した俺は、アイテムボックスと同様のスキル...『無用の倉庫』
からオリハルコンのロープを取り出し、イケメンと小鉄をグルグル巻きに
して捕縛していく。
そして、
「......そこのキミ、大丈夫かい?」
俺は女子生徒のいる方に歩いて近付く。
「は、はい。ありがとうございます。おかげで助かりました!」
「いえいえ。で、そいつらどうする?」
女子生徒から感謝の言葉を素直に受け取ると、俺はロープで縛り
あげたイケメンと小鉄を指差す。
「そ、そうですね。やった事が事なので開放とはいきませんから、
取り敢えずは『GTP』に通報し、この連中を連行させます!」
「ん?GTP??え、えっと、そのGTPって...何???」
「ええぇぇ!し、知らないんですかGTPの事をっ!?」
「あはは...そちら系にちょっと疎いものでね。す、すまないけど
そのGTPとやらの事を教えて貰ってもいいかな?」
「結構有名な組織なんですけどね......こほん、『GTP』というのは
ですね。冒険者やギルドに関わる人物がスキルを悪用して犯罪人と
なった時、その連中を捕獲する存在です。その名はギルド専用特殊
パトロール強化部隊...通称『GTP』。各ギルドから選考された人達で
結成された組織です!」
俺の知らないという言葉を聞き、信じられないという顔をしつつも、
女子生徒は『GTP』の事を説明してくれた。
「へぇ、そんな部隊があるんだ?」
「はい。冒険者や一部のギルド員は一般人と違って、ダンジョン等で
レベルを上げて身体能力をぐんと上昇させます。そんな連中を普通の
法で捕縛するのはかなり困難...というか、ほぼ無理です。であれば、
そんな連中を捕縛するべく組織が必要となるのは必然。そして結成
されたのがこの『GTP』なのです!」
「......なるほどねぇ」
そういや、説明会のお姉さんも言っていたっけ?
一般人と冒険者とでじゃ、子供と大人の喧嘩レベルだって。
軍隊や近代兵器に楽勝で勝てちゃう連中だもんな、上位ランクの
冒険者ってば。
「......そんな連中を掴まえられる奴が誰もいないとなると、世界中が
混乱して無法地帯と化しちゃうのは想像しなくても分かる......」
......っていうか、
リアルあっちの世界じゃそういう連中が実在したもんな。
俺がGTPの存在に理解と納得をしていると、
「...はい。はい。分かりました。...十分後にですね?はい、では
ここでお待ちしています!」
被害に合った女子生徒が、GTPに電話を掛けて通報していた。
「えっと、今から捕縛隊を連れて十分から二十分後くらいに、
この場所に来てくれるそうです!」
「へぇ~思っていたより、迅速な対応だね?」
GTPってちゃんとした真面目な組織なんだな。
GTPの本拠地がどこにあるかは知らないけど、その時間内にここに
来るなんてさ。
「......でもマズいな」
そいつらと接触したら、この状況の説明や俺の説明とかで色々面倒な事に
巻き込まれてしまう予感がする。
いや予感どころか確定だろう。
......よ、よし逃げるか。
「そ、それじゃ、キミ。お、俺は用事があるので、ここら辺で失礼させて
もらうとするね!」
俺は面倒ごとは絶対に御免被りたいので、急ぎここから離れる事にする。
俺がかつての悲しくもほろ苦い思い出に浸っていると、小鉄が俺を
掴まえて携帯電話を奪い取ろうと、しつこく右に左にと手を伸ばしてくる。
「いや~これでもゆっくり動いているんですけどねぇ。まぁいい、じゃあ
リクエストにお答えして止まってあげるよ。ほれ、これでどうだおっさん♪」
俺は右に左にと動いていた身体をピタリと止める。
「ク、クソガキがぁぁぁあ!どこまで俺をコケにするつもりだぁぁぁあっ!!」
俺の挑発行為に小鉄が顔を激怒で真っ赤に変えると、俺に向かって何度も拳を
力任せに繰り出してくる。
「......やれやれ。動いても怒る、動かなくても怒るって...ちぃ~とばかし
我が儘過ぎじゃねかい......おっさんっ!!」
「な!?は、速い!う、動きが全く見えな――――グハ!?」
俺は軽く嘆息を口から吐くと同時に小鉄へ急接近すると、小鉄の頭上に
踵を思いっきり叩き落とし、変態イケメン同様気絶させる。
「ふう、これでよしっと!」
小鉄を撃退した俺は、アイテムボックスと同様のスキル...『無用の倉庫』
からオリハルコンのロープを取り出し、イケメンと小鉄をグルグル巻きに
して捕縛していく。
そして、
「......そこのキミ、大丈夫かい?」
俺は女子生徒のいる方に歩いて近付く。
「は、はい。ありがとうございます。おかげで助かりました!」
「いえいえ。で、そいつらどうする?」
女子生徒から感謝の言葉を素直に受け取ると、俺はロープで縛り
あげたイケメンと小鉄を指差す。
「そ、そうですね。やった事が事なので開放とはいきませんから、
取り敢えずは『GTP』に通報し、この連中を連行させます!」
「ん?GTP??え、えっと、そのGTPって...何???」
「ええぇぇ!し、知らないんですかGTPの事をっ!?」
「あはは...そちら系にちょっと疎いものでね。す、すまないけど
そのGTPとやらの事を教えて貰ってもいいかな?」
「結構有名な組織なんですけどね......こほん、『GTP』というのは
ですね。冒険者やギルドに関わる人物がスキルを悪用して犯罪人と
なった時、その連中を捕獲する存在です。その名はギルド専用特殊
パトロール強化部隊...通称『GTP』。各ギルドから選考された人達で
結成された組織です!」
俺の知らないという言葉を聞き、信じられないという顔をしつつも、
女子生徒は『GTP』の事を説明してくれた。
「へぇ、そんな部隊があるんだ?」
「はい。冒険者や一部のギルド員は一般人と違って、ダンジョン等で
レベルを上げて身体能力をぐんと上昇させます。そんな連中を普通の
法で捕縛するのはかなり困難...というか、ほぼ無理です。であれば、
そんな連中を捕縛するべく組織が必要となるのは必然。そして結成
されたのがこの『GTP』なのです!」
「......なるほどねぇ」
そういや、説明会のお姉さんも言っていたっけ?
一般人と冒険者とでじゃ、子供と大人の喧嘩レベルだって。
軍隊や近代兵器に楽勝で勝てちゃう連中だもんな、上位ランクの
冒険者ってば。
「......そんな連中を掴まえられる奴が誰もいないとなると、世界中が
混乱して無法地帯と化しちゃうのは想像しなくても分かる......」
......っていうか、
リアルあっちの世界じゃそういう連中が実在したもんな。
俺がGTPの存在に理解と納得をしていると、
「...はい。はい。分かりました。...十分後にですね?はい、では
ここでお待ちしています!」
被害に合った女子生徒が、GTPに電話を掛けて通報していた。
「えっと、今から捕縛隊を連れて十分から二十分後くらいに、
この場所に来てくれるそうです!」
「へぇ~思っていたより、迅速な対応だね?」
GTPってちゃんとした真面目な組織なんだな。
GTPの本拠地がどこにあるかは知らないけど、その時間内にここに
来るなんてさ。
「......でもマズいな」
そいつらと接触したら、この状況の説明や俺の説明とかで色々面倒な事に
巻き込まれてしまう予感がする。
いや予感どころか確定だろう。
......よ、よし逃げるか。
「そ、それじゃ、キミ。お、俺は用事があるので、ここら辺で失礼させて
もらうとするね!」
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