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3章・冒険ギルド
025・テンプレ発動
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「おお。あれが能力値を測定するマジックアイテムか!」
冒険ギルドの説明を受けた部屋から、隣の能力測定を行う部屋に移動した
俺は、会場に設置されている能力測定器に目を移す。
「へぇ~こっちの測定器って、あっちと違って機械機械しているんだな?」
あっちの世界での測定アイテムは、ただの水晶玉だったのに。
「全員揃ったみたいですね。では今から皆さんの能力値を測定致します
ので、4箇所の測定器のどれかに並び、各ギルド員の指示で測定を受けて
下さい!」
俺が測定器の違いに驚いていると、測定を担当するギルド員のひとりが
集まった新人冒険者達の能力測定をする為、列に並んでくれと声を
掛けると、それを聞いた新人冒険者達が言われた通り、各々の測定器の
列へぞろぞろと並び始めていく。
「お、測定が始まるみたいだな。そんじゃ俺も列に並んで能力測定を
してくるとしますかな。という訳だから成美はそこでしばらく待って
いてくれ。多分能力を測定するだけだろうから直ぐ終わると思うし!」
「うん分かった。良い結果が出るといいね、お兄ちゃん♪」
成美は笑顔で俺にそう言うと、近くにある待機場所に移動して行く。
「......ふ、スマンな我が妹よ。それは無理な相談というものだよ」
何故ならば、その良い結果が出ないように隠蔽スキルを使うからだ。
だって俺のステータスって、魔王を倒せるレベルの能力値なんだぞ。
学生が...ましてや新人が出していい数値のステータスじゃないのは明白。
それに正直、冒険ギルドには成美のお願いで来ただけであって、冒険者を
やるつもりは今のところ、更々ないのだ。
「......とまぁ、そういう事なので当たり障りのない平均値で......いくっ!」
『発動!無用の長物っ!』
俺は測定される前に隠蔽スキル...『無用の長物』を発動させると、レベルと
能力値をあっちの世界の新人冒険者の平均値へと変える。
「これで良し!」
「――では次の方どうぞ!」
「あ、は、はい!」
ステータスの隠蔽をやった直後、測定係のギルド員から呼ばれたので、
俺は早足で測定器の前へと移動していく。
「それでは測定を始めるので、そこの台に置いてある2つの金色のリングを
左右の人差し指にそれぞれ嵌めて下さい!」
「は、はい!これをこことここに...ですね?」
俺は言われた通りに、左右の人差し指にリングをカチャカチャと嵌める。
「え、えっと。こ、これでいいですか?」
「はい、それで結構です。では能力値を測定しますので、そのままの
体勢でいて下さいね!」
測定係のギルド員がそう言うと、機械のスイッチやレバーをポチポチ
ガチャと引いたり押したりしていく。
「よし。では、測定を開始します!」
そして測定する為の本体スイッチを、測定係のギルド員がカチッと
押したその次の瞬間、
ズガァァァァアアアアアア――――――ンッ!!!
測定器が大きな爆発音と共に、粉々に吹き飛んてしまった。
「「はああぁああぁぁぁぁぁあっ!?!?」」
それを見た俺と測定係のギルド員は揃って目を大きく見開いて喫驚し、
目の前の出来事に唖然としてしまう。
「ど、どういう事だ!?な、何で爆発したんだっ!?こ、この測定器は
最新技術で作られてマジックアイテムだぞ!だからこんな欠陥がある訳が
ない!だというのに、測定器が粉々となって壊れてしまうだなんてっ!?
ハッ!?ま、まさか...測定できる限界値を...こ、越えたからなのかっ!?」
測定係のギルド員がそう呟くと、俺の顔を恐る恐る見てくるので、
「いやいやいやいや!そ、そ、そんな訳ないじゃないですかっ!?だって俺、
し、新人冒険者ですよ!?そ、それにこの身体付きを見て下さいよ!ほらほら!
ど、どこをどう見ても普通人の身体でしょうっ!」
俺は動揺を抑えながら、必死にこの状況を言い繕っていく。
「ぐ、ぐむぅ。た、確かに...正直いって、そんな強そうには見えないな?」
「で、でしょう~。自分で言うのもなんですが、俺みたいなモブが平均値を
越える能力を叩き出すなんてそんな馬鹿げた事が到底起こるとは思えません!
し、したがってその測定器に何らかの支障が起きて壊れただけですよっ!」
「おいおい、何もそこまで堂々と自分を卑下するんじゃないの。ふう、この子
の態度を見るに、やっぱり故障でってのが濃厚かもしれんな?取り敢えず、
壊れたこいつを片付けてるとするか。お~いみんな。スマンが壊れて飛び
散ったこいつの回収を手伝ってくれないか~っ!」
測定係のギルド員が周囲の測定担当のギルド員達をここに呼び、そして
壊れて飛び散った測定器を急いで回収していく。
冒険ギルドの説明を受けた部屋から、隣の能力測定を行う部屋に移動した
俺は、会場に設置されている能力測定器に目を移す。
「へぇ~こっちの測定器って、あっちと違って機械機械しているんだな?」
あっちの世界での測定アイテムは、ただの水晶玉だったのに。
「全員揃ったみたいですね。では今から皆さんの能力値を測定致します
ので、4箇所の測定器のどれかに並び、各ギルド員の指示で測定を受けて
下さい!」
俺が測定器の違いに驚いていると、測定を担当するギルド員のひとりが
集まった新人冒険者達の能力測定をする為、列に並んでくれと声を
掛けると、それを聞いた新人冒険者達が言われた通り、各々の測定器の
列へぞろぞろと並び始めていく。
「お、測定が始まるみたいだな。そんじゃ俺も列に並んで能力測定を
してくるとしますかな。という訳だから成美はそこでしばらく待って
いてくれ。多分能力を測定するだけだろうから直ぐ終わると思うし!」
「うん分かった。良い結果が出るといいね、お兄ちゃん♪」
成美は笑顔で俺にそう言うと、近くにある待機場所に移動して行く。
「......ふ、スマンな我が妹よ。それは無理な相談というものだよ」
何故ならば、その良い結果が出ないように隠蔽スキルを使うからだ。
だって俺のステータスって、魔王を倒せるレベルの能力値なんだぞ。
学生が...ましてや新人が出していい数値のステータスじゃないのは明白。
それに正直、冒険ギルドには成美のお願いで来ただけであって、冒険者を
やるつもりは今のところ、更々ないのだ。
「......とまぁ、そういう事なので当たり障りのない平均値で......いくっ!」
『発動!無用の長物っ!』
俺は測定される前に隠蔽スキル...『無用の長物』を発動させると、レベルと
能力値をあっちの世界の新人冒険者の平均値へと変える。
「これで良し!」
「――では次の方どうぞ!」
「あ、は、はい!」
ステータスの隠蔽をやった直後、測定係のギルド員から呼ばれたので、
俺は早足で測定器の前へと移動していく。
「それでは測定を始めるので、そこの台に置いてある2つの金色のリングを
左右の人差し指にそれぞれ嵌めて下さい!」
「は、はい!これをこことここに...ですね?」
俺は言われた通りに、左右の人差し指にリングをカチャカチャと嵌める。
「え、えっと。こ、これでいいですか?」
「はい、それで結構です。では能力値を測定しますので、そのままの
体勢でいて下さいね!」
測定係のギルド員がそう言うと、機械のスイッチやレバーをポチポチ
ガチャと引いたり押したりしていく。
「よし。では、測定を開始します!」
そして測定する為の本体スイッチを、測定係のギルド員がカチッと
押したその次の瞬間、
ズガァァァァアアアアアア――――――ンッ!!!
測定器が大きな爆発音と共に、粉々に吹き飛んてしまった。
「「はああぁああぁぁぁぁぁあっ!?!?」」
それを見た俺と測定係のギルド員は揃って目を大きく見開いて喫驚し、
目の前の出来事に唖然としてしまう。
「ど、どういう事だ!?な、何で爆発したんだっ!?こ、この測定器は
最新技術で作られてマジックアイテムだぞ!だからこんな欠陥がある訳が
ない!だというのに、測定器が粉々となって壊れてしまうだなんてっ!?
ハッ!?ま、まさか...測定できる限界値を...こ、越えたからなのかっ!?」
測定係のギルド員がそう呟くと、俺の顔を恐る恐る見てくるので、
「いやいやいやいや!そ、そ、そんな訳ないじゃないですかっ!?だって俺、
し、新人冒険者ですよ!?そ、それにこの身体付きを見て下さいよ!ほらほら!
ど、どこをどう見ても普通人の身体でしょうっ!」
俺は動揺を抑えながら、必死にこの状況を言い繕っていく。
「ぐ、ぐむぅ。た、確かに...正直いって、そんな強そうには見えないな?」
「で、でしょう~。自分で言うのもなんですが、俺みたいなモブが平均値を
越える能力を叩き出すなんてそんな馬鹿げた事が到底起こるとは思えません!
し、したがってその測定器に何らかの支障が起きて壊れただけですよっ!」
「おいおい、何もそこまで堂々と自分を卑下するんじゃないの。ふう、この子
の態度を見るに、やっぱり故障でってのが濃厚かもしれんな?取り敢えず、
壊れたこいつを片付けてるとするか。お~いみんな。スマンが壊れて飛び
散ったこいつの回収を手伝ってくれないか~っ!」
測定係のギルド員が周囲の測定担当のギルド員達をここに呼び、そして
壊れて飛び散った測定器を急いで回収していく。
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