上 下
19 / 65
3章・冒険ギルド

019・冒険者ルールと心得の説明 その1

しおりを挟む

「コホン、ではまず冒険者ランクの説明をしますね。冒険者にはランクが
あります。登録当初の冒険者ランクは『F級』から始まり、そして最終ランクは
『S級』まで昇級します。但し皆様はまだ仮登録となりますのでランク外ですね」

「仮...登録?」

「それじゃ本採の冒険者になるには、一体どうすればいいんですか?」

「では次はそれを説明致しますね。冒険者になる為には2つの条件を
満たす必要があります。まずは『冒険者ポイント』を貯める...この冒険者
ポイントとは何か、それは後々の説明で教えますね。この冒険者ポイントを
ある程度貯める事で合格となり、本採用のF級冒険者となります」

「......冒険者ポイントを貯めるか。でもその冒険者ポイントとやらを貯めて
合格をしても、やっとF級からのスタートなんだよね?ふう、S級までの道は
果てしなく遠いね......」

「しかし中学生で既にA級冒険者になっている奴もいるらしいって聞いたから、
一概には遠いとは言えないと思うぞ?」

「マ、マジでか!?そいつは夢が広がるねぇ~っ!」

「いやいや、そんなエリートと俺達を一緒にするんじゃない。所詮、俺達は
悲しいけど平凡なんだからさ......」

「ハア~あんた、夢がないねぇ......」

「そうだ、そうだ!平凡が夢を見て、何が悪いってんだいっ!」

「夢を見るのは勝手だけど、現実もちゃんと目視しなって。ふう、やれやれ。
これを纏めなきゃいけないのか、俺?リーダーとして頭が痛い問題だな......」

「はいはい、皆様お静かにして下さいね!」

説明係のお姉さんが新人冒険者達の騒ぎを止めた後、次の説明に入っていく。

「......では、もうひとつの合格方法ですが、このギルドでは毎週日曜日に
本採用を賭けた昇級試験が行われます」

「ほ、本採用を賭けた昇級試験...ですか?」

「はい。その試合でC級以上の冒険者と戦い、見事良い成績を残しますと、
その日からF級冒険者...つまりは『仮』が取れて本採用となります!」

「ほう、C級以上の冒険者と試合して良い成績を取るねぇ。いいじゃん!
ちまちまポイントを貯めるのが嫌な奴、または実力がある奴はその試合で
合格を狙えって訳か!」

「はい、そんな感じですね。そして今日は運良く、その昇級試験がある
日曜日です。この後から試合に挑戦してみてはどうですか?ひょっとしたら
合格出来るやもしれませんよ♪」

「いやいや!C級以上の冒険者と戦って良い成績を残せって......んなもん
無理に決まってんじゃんっ!俺達、F級にすらなっていないんだぜっ!?」

「昇級試験に負けたとしても、本採用へのデメリットは特に何もござい
ませんので、一発合格を賭けてみたい方はチャレンジしてみてはどうですか?
では次に冒険者ランクのご説明に戻りますね。この冒険者ランク、先程は
S級まで言いましたけど、実は例外がございます!」

「れ、例外ですか?それはどんな例外なんですか?」

「それはですね、とある厳しい条件のクエストを幾数クリアしたり、
ギルドに類いのない貢献をもたらした冒険者、これらの冒険者は
特例として『SS級』の冒険者になれます。そしてまた、そのSS級で
それらを加え、更に数ある伝説を残した者のに与えられる『SSS級』の
ランクがございます。然れど、その数は世界中の冒険者を併せて以ても
数名しかいない超レアなケースでございますので、この情報はそこまで
覚えておかなくとも大丈夫ですよ。まぁ、頭の隅っこにでも記憶をして
下さい!」

「ふへぇ~SS級にSSS級か......」

「冒険者レベルってS級までかと思ってたのに、まさかその上にまだ2つも
あるんだな?」

「くふふ、わたしは知ってたよ!この間のテレビでSS級の人がインタビューを
受けているのを見たからさぁ♪」

「でもよ、S級以上って世界中の冒険者達の数を併せても数名程しかいないん
だよな?」

「それを考えるとホント凄い存在だよな、SS級とSSS級冒険者ってさ......」

「はいはい、お静かに。次のご説明に入りますので、皆様お静かにお願い
致しますね!」

新人冒険者達のざわめく中、説明担当の女性が軽く騒ぎを注意すると、

「......それでは、次の冒険者ルールのご説明に入ります......」

電子パットを指でスッとなぞり、ページを次に進める。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

幼馴染達にフラれた俺は、それに耐えられず他の学園へと転校する

あおアンドあお
ファンタジー
俺には二人の幼馴染がいた。 俺の幼馴染達は所謂エリートと呼ばれる人種だが、俺はそんな才能なんて まるでない、凡愚で普通の人種だった。 そんな幼馴染達に並び立つべく、努力もしたし、特訓もした。 だがどう頑張っても、どうあがいてもエリート達には才能の無いこの俺が 勝てる訳も道理もなく、いつの日か二人を追い駆けるのを諦めた。 自尊心が砕ける前に幼馴染達から離れる事も考えたけど、しかし結局、ぬるま湯の 関係から抜け出せず、別れずくっつかずの関係を続けていたが、そんな俺の下に 衝撃な展開が舞い込んできた。 そう...幼馴染の二人に彼氏ができたらしい。 ※小説家になろう様にも掲載しています。

【破天荒注意】陰キャの俺、異世界の女神の力を借り俺を裏切った幼なじみと寝取った陽キャ男子に復讐する

花町ぴろん
ファンタジー
陰キャの俺にはアヤネという大切な幼なじみがいた。 俺たち二人は高校入学と同時に恋人同士となった。 だがしかし、そんな幸福な時間は長くは続かなかった。 アヤネはあっさりと俺を捨て、イケメンの陽キャ男子に寝取られてしまったのだ。 絶望に打ちひしがれる俺。夢も希望も無い毎日。 そんな俺に一筋の光明が差し込む。 夢の中で出会った女神エリステア。俺は女神の加護を受け辛く険しい修行に耐え抜き、他人を自由自在に操る力を手に入れる。 今こそ復讐のときだ!俺は俺を裏切った幼なじみと俺の心を踏みにじった陽キャイケメン野郎を絶対に許さない!! ★寝取られ→ざまぁのカタルシスをお楽しみください。 ※この小説は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた

きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました! 「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」 魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。 魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。 信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。 悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。 かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。 ※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。 ※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です

俺は先輩に恋人を寝取られ、心が壊れる寸前。でも……。二人が自分たちの間違いを後で思っても間に合わない。俺は美少女で素敵な同級生と幸せになる。

のんびりとゆっくり
恋愛
俺は島森海定(しまもりうみさだ)。高校一年生。 俺は先輩に恋人を寝取られた。 ラブラブな二人。 小学校六年生から続いた恋が終わり、俺は心が壊れていく。 そして、雪が激しさを増す中、公園のベンチに座り、このまま雪に埋もれてもいいという気持ちになっていると……。 前世の記憶が俺の中に流れ込んできた。 前世でも俺は先輩に恋人を寝取られ、心が壊れる寸前になっていた。 その後、少しずつ立ち直っていき、高校二年生を迎える。 春の始業式の日、俺は素敵な女性に出会った。 俺は彼女のことが好きになる。 しかし、彼女とはつり合わないのでは、という意識が強く、想いを伝えることはできない。 つらくて苦しくて悲しい気持ちが俺の心の中であふれていく。 今世ではこのようなことは繰り返したくない。 今世に意識が戻ってくると、俺は強くそう思った。 既に前世と同じように、恋人を先輩に寝取られてしまっている。 しかし、その後は、前世とは違う人生にしていきたい。 俺はこれからの人生を幸せな人生にするべく、自分磨きを一生懸命行い始めた。 一方で、俺を寝取った先輩と、その相手で俺の恋人だった女性の仲は、少しずつ壊れていく。そして、今世での高校二年生の春の始業式の日、俺は今世でも素敵な女性に出会った。 その女性が好きになった俺は、想いを伝えて恋人どうしになり。結婚して幸せになりたい。 俺の新しい人生が始まろうとしている。 この作品は、「カクヨム」様でも投稿を行っております。 「カクヨム」様では。「俺は先輩に恋人を寝取られて心が壊れる寸前になる。でもその後、素敵な女性と同じクラスになった。間違っていたと、寝取った先輩とその相手が思っても間に合わない。俺は美少女で素敵な同級生と幸せになっていく。」という題名で投稿を行っております。

俺がカノジョに寝取られた理由

下城米雪
ライト文芸
その夜、知らない男の上に半裸で跨る幼馴染の姿を見た俺は…… ※完結。予約投稿済。最終話は6月27日公開

勇者のハーレムパーティを追放された男が『実は別にヒロインが居るから気にしないで生活する』ような物語(仮)

石のやっさん
ファンタジー
主人公のリヒトは勇者パーティを追放されるが 別に気にも留めていなかった。 元から時期が来たら自分から出て行く予定だったし、彼には時期的にやりたい事があったからだ。 リヒトのやりたかった事、それは、元勇者のレイラが奴隷オークションに出されると聞き、それに参加する事だった。 この作品の主人公は転生者ですが、精神的に大人なだけでチートは知識も含んでありません。 勿論ヒロインもチートはありません。 そんな二人がどうやって生きていくか…それがテーマです。 他のライトノベルや漫画じゃ主人公になれない筈の二人が主人公、そんな物語です。 最近、感想欄から『人間臭さ』について書いて下さった方がいました。 確かに自分の原点はそこの様な気がしますので書き始めました。 タイトルが実はしっくりこないので、途中で代えるかも知れません。

浮気したけど『ざまぁ』されなかった女の慟哭

Raccoon
恋愛
ある日夫——正樹が死んでしまった。 失意の中私——亜衣が見つけたのは一冊の黒い日記帳。 そこに書かれてあったのは私の罪。もう許されることのない罪。消えることのない罪。 この日記を最後まで読んだ時、私はどうなっているのだろうか。  浮気した妻が死んだ夫の10年分の日記読むお話。

処理中です...