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3章・冒険ギルド
019・冒険者ルールと心得の説明 その1
しおりを挟む「コホン、ではまず冒険者ランクの説明をしますね。冒険者にはランクが
あります。登録当初の冒険者ランクは『F級』から始まり、そして最終ランクは
『S級』まで昇級します。但し皆様はまだ仮登録となりますのでランク外ですね」
「仮...登録?」
「それじゃ本採の冒険者になるには、一体どうすればいいんですか?」
「では次はそれを説明致しますね。冒険者になる為には2つの条件を
満たす必要があります。まずは『冒険者ポイント』を貯める...この冒険者
ポイントとは何か、それは後々の説明で教えますね。この冒険者ポイントを
ある程度貯める事で合格となり、本採用のF級冒険者となります」
「......冒険者ポイントを貯めるか。でもその冒険者ポイントとやらを貯めて
合格をしても、やっとF級からのスタートなんだよね?ふう、S級までの道は
果てしなく遠いね......」
「しかし中学生で既にA級冒険者になっている奴もいるらしいって聞いたから、
一概には遠いとは言えないと思うぞ?」
「マ、マジでか!?そいつは夢が広がるねぇ~っ!」
「いやいや、そんなエリートと俺達を一緒にするんじゃない。所詮、俺達は
悲しいけど平凡なんだからさ......」
「ハア~あんた、夢がないねぇ......」
「そうだ、そうだ!平凡が夢を見て、何が悪いってんだいっ!」
「夢を見るのは勝手だけど、現実もちゃんと目視しなって。ふう、やれやれ。
これを纏めなきゃいけないのか、俺?リーダーとして頭が痛い問題だな......」
「はいはい、皆様お静かにして下さいね!」
説明係のお姉さんが新人冒険者達の騒ぎを止めた後、次の説明に入っていく。
「......では、もうひとつの合格方法ですが、このギルドでは毎週日曜日に
本採用を賭けた昇級試験が行われます」
「ほ、本採用を賭けた昇級試験...ですか?」
「はい。その試合でC級以上の冒険者と戦い、見事良い成績を残しますと、
その日からF級冒険者...つまりは『仮』が取れて本採用となります!」
「ほう、C級以上の冒険者と試合して良い成績を取るねぇ。いいじゃん!
ちまちまポイントを貯めるのが嫌な奴、または実力がある奴はその試合で
合格を狙えって訳か!」
「はい、そんな感じですね。そして今日は運良く、その昇級試験がある
日曜日です。この後から試合に挑戦してみてはどうですか?ひょっとしたら
合格出来るやもしれませんよ♪」
「いやいや!C級以上の冒険者と戦って良い成績を残せって......んなもん
無理に決まってんじゃんっ!俺達、F級にすらなっていないんだぜっ!?」
「昇級試験に負けたとしても、本採用へのデメリットは特に何もござい
ませんので、一発合格を賭けてみたい方はチャレンジしてみてはどうですか?
では次に冒険者ランクのご説明に戻りますね。この冒険者ランク、先程は
S級まで言いましたけど、実は例外がございます!」
「れ、例外ですか?それはどんな例外なんですか?」
「それはですね、とある厳しい条件のクエストを幾数クリアしたり、
ギルドに類いのない貢献をもたらした冒険者、これらの冒険者は
特例として『SS級』の冒険者になれます。そしてまた、そのSS級で
それらを加え、更に数ある伝説を残した者のに与えられる『SSS級』の
ランクがございます。然れど、その数は世界中の冒険者を併せて以ても
数名しかいない超レアなケースでございますので、この情報はそこまで
覚えておかなくとも大丈夫ですよ。まぁ、頭の隅っこにでも記憶をして
下さい!」
「ふへぇ~SS級にSSS級か......」
「冒険者レベルってS級までかと思ってたのに、まさかその上にまだ2つも
あるんだな?」
「くふふ、わたしは知ってたよ!この間のテレビでSS級の人がインタビューを
受けているのを見たからさぁ♪」
「でもよ、S級以上って世界中の冒険者達の数を併せても数名程しかいないん
だよな?」
「それを考えるとホント凄い存在だよな、SS級とSSS級冒険者ってさ......」
「はいはい、お静かに。次のご説明に入りますので、皆様お静かにお願い
致しますね!」
新人冒険者達のざわめく中、説明担当の女性が軽く騒ぎを注意すると、
「......それでは、次の冒険者ルールのご説明に入ります......」
電子パットを指でスッとなぞり、ページを次に進める。
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