来世はきっと。

出会い

出会い③

「もし良かったらだけど、詳しく色々聞いてもいいかな？君のこともっと知りたいんだ。」
「…別に」
「ありがとう。聞いていいってことは少しは気を許してくれたのかな？」
「勝手に都合よく解釈すんな。」
俺は藍藤の勝手な解釈を否定する。
それから藍藤は俺の好きなものや嫌いなもの、タイプの子まで様々な質問をした。
だが、その沢山の質問の中に俺の身体にまつわることは含まれてはいなかった。
藍藤がこっちを気遣ってなのか、はたまた自然とそうしているのか。
その初めての居心地のよさに気を許してしまいそうになる自分がいて何とも言えない複雑な心境だ。
「ふんふん…君は甘党かぁ。ホワイトチョコレートは好き？」
「うん」
「お~気が合うね。チョコレートスイーツの中で何が一番好き？」
「ガトーショコラ」
「甘めの？」
「苦いのでもいける」
「他には？」
「チャコスフレとか」
「君の名前は？」
「新藤せtｯ」
「！、新藤雪君か～」
「ふざけんな！騙しやがって…」
「ごめんごめん(笑)別に騙すつもりはなかったんだよ。けど、ずっと君っていうのも他人行儀だからさ。」
藍藤の質問のテンポがリズミカルで意識してないうちに名前を言わされてしまった。
怒っている俺とは対照的に藍藤はへらへら笑っていた。
……………………やっぱり信じられねぇ！