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教団と大精霊
第373話-意外な経歴-
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「さて、そしたら俺はここらで帰ろうかね」
「あっ、スウェイさん待って下さい」
「どうした?」
「知りたい事知れましたか……?」
巻き込まれただけでこの場に来てくれたスウェイさん、最初の目的は自分の住んでいる村に何が起こったを知りたかったはずだ。なのにまだその話は出来てない。
「代わりに予想以上に凄いことを聞けたからもういい。この村に何が起こったかはここにいる全員で意見を出しても推測の域を出ないだろう。気を使わせたな」
悔しいけどスウェイさんの言う通りだ。この場に事件の当事者がいないんだから推測しか言えない。
「まぁ待てよ。俺からも話がある」
「なんだいきなり」
スウェイさんに声をかけたのは意外にもヤンだった。
「あんた護衛の仕事につかないか?」
「突然だな」
「まぁ俺らは魔法教団とも揉める立場でな、人数の多いあいつらに対抗するのに護衛はどれだけいても不足しねぇ」
ヤンの提案は確かにありがたい。人手は多いに越したことはない。
「あんたがこの村でやることがあるとかなら素直に引き下がるが……どうだ?」
「ゆっくり休むための里帰りだったんだがな……まぁいいだろうその話乗ろう。俺の名前を騙っていたやつにも少し腹が立っているしな。お前たちといればまた会えそうな気もする」
「その保証はねぇが……とりあえずよろしくな。お嬢も問題ねぇな」
「私も賛成」
誰も異論はないらしい。むしろみんなが小さく拍手をしていた。歓迎の声の代わりに歓迎の音が鳴った。
「そしたら報酬の話は後にして、改めて自己紹介させてもらう」
部屋の奥からわざわざ私の前にやってきた。近くで見ると長身の上に筋肉質な腕が見えているから威圧感と言うか迫力が凄い。
「名はスウェイ=アルバンズ、元はしがない王国騎士団員だ。雇い入れてくれて感謝する。至らぬ所があれば言ってくれ」
「「王国騎士団員!?」」
スウェイさんの自己紹介に反応したのは意外にもヤンとバレルさんだった。
よく見たらチェルさんとユリィも口に手を当てて少し驚いている。無反応は私とテールさんだけ。
「そんな凄いことなの……?」
「そりゃ王国騎士団と言えばエリートの集まりだからな……」
バレルさんが言うならそうなんだろう。
だけどスウェイさんだけはそれを否定した。
「そうは言われているがどこにだって落ちこぼれはいる。馴染めないダメなやつもな」
自分の事を言っているんだろうけど、それはいかんせん肯定しにくい。何より肯定するにも否定するにも材料がない。
「まぁ気は使わずこき使ってくれ。後給金は村に預けておいてくれ、それでいい。後はだな……一つ条件だけ飲んでくれ」
「えーと、できる事であれば……」
「同行中の衣食住はよろしく頼む」
「一個に見せかけて『衣』『食』『住』の三個入ってませんそれ?」
「こりゃ手厳しいね。だめかい?」
「それぐらい大丈夫ですよ。そしたら改めてよろしくお願いします」
お互いが差し出した手を握り交わして私たちの契約は成立した。
「あっ、スウェイさん待って下さい」
「どうした?」
「知りたい事知れましたか……?」
巻き込まれただけでこの場に来てくれたスウェイさん、最初の目的は自分の住んでいる村に何が起こったを知りたかったはずだ。なのにまだその話は出来てない。
「代わりに予想以上に凄いことを聞けたからもういい。この村に何が起こったかはここにいる全員で意見を出しても推測の域を出ないだろう。気を使わせたな」
悔しいけどスウェイさんの言う通りだ。この場に事件の当事者がいないんだから推測しか言えない。
「まぁ待てよ。俺からも話がある」
「なんだいきなり」
スウェイさんに声をかけたのは意外にもヤンだった。
「あんた護衛の仕事につかないか?」
「突然だな」
「まぁ俺らは魔法教団とも揉める立場でな、人数の多いあいつらに対抗するのに護衛はどれだけいても不足しねぇ」
ヤンの提案は確かにありがたい。人手は多いに越したことはない。
「あんたがこの村でやることがあるとかなら素直に引き下がるが……どうだ?」
「ゆっくり休むための里帰りだったんだがな……まぁいいだろうその話乗ろう。俺の名前を騙っていたやつにも少し腹が立っているしな。お前たちといればまた会えそうな気もする」
「その保証はねぇが……とりあえずよろしくな。お嬢も問題ねぇな」
「私も賛成」
誰も異論はないらしい。むしろみんなが小さく拍手をしていた。歓迎の声の代わりに歓迎の音が鳴った。
「そしたら報酬の話は後にして、改めて自己紹介させてもらう」
部屋の奥からわざわざ私の前にやってきた。近くで見ると長身の上に筋肉質な腕が見えているから威圧感と言うか迫力が凄い。
「名はスウェイ=アルバンズ、元はしがない王国騎士団員だ。雇い入れてくれて感謝する。至らぬ所があれば言ってくれ」
「「王国騎士団員!?」」
スウェイさんの自己紹介に反応したのは意外にもヤンとバレルさんだった。
よく見たらチェルさんとユリィも口に手を当てて少し驚いている。無反応は私とテールさんだけ。
「そんな凄いことなの……?」
「そりゃ王国騎士団と言えばエリートの集まりだからな……」
バレルさんが言うならそうなんだろう。
だけどスウェイさんだけはそれを否定した。
「そうは言われているがどこにだって落ちこぼれはいる。馴染めないダメなやつもな」
自分の事を言っているんだろうけど、それはいかんせん肯定しにくい。何より肯定するにも否定するにも材料がない。
「まぁ気は使わずこき使ってくれ。後給金は村に預けておいてくれ、それでいい。後はだな……一つ条件だけ飲んでくれ」
「えーと、できる事であれば……」
「同行中の衣食住はよろしく頼む」
「一個に見せかけて『衣』『食』『住』の三個入ってませんそれ?」
「こりゃ手厳しいね。だめかい?」
「それぐらい大丈夫ですよ。そしたら改めてよろしくお願いします」
お互いが差し出した手を握り交わして私たちの契約は成立した。
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