悪役令嬢になりましたので、自分好みのイケメン近衛騎士団を作ることにしました

葉月キツネ

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教団と大精霊

第372話-これからの目的地-

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「今の会話の流れだととりあえず嬢ちゃん達の友達のとこでいいんだな」
「えーと。多分」

 思わず私が答えてしまった。なぜかと言うとバレルさんの視線がこっちに向いていたから。そこはテールさんに聞くべきででは……。

「って事は進路は変わらずだなとりあえず」
「ですね。元々そっちに向かってましたし」
「そのついでにテールさんの言っていた封印された魔人探しもって言うのがいいかなーとは思いますけど」
「ありがたい提案だけどどこにあるかなんて分からないからね」
「勿論! だからあくまでついでです。あればって事で」

 あくまでついでに探すと言うスタンスで行けばテールさんとしても気を使う必要もないだろう。

「って事らしいからな。その次はどうするよ」
「つ、次ですか!? いや、まぁアリス次第なのでその先はまだ未定って事で」
「よっしゃ。他のメンバーは何か意見はないか?」

 バレルさんの言葉に誰も反応は無かった。とりあえずこれで当面の目的は決まったらしい。正直さっきまでの空気は重くて敵わなかったからバレルさんの進行はありがたい。

「って事だから後はよろしくなリーダー」

 右を見ても左を見ても皆んなと目が合う。まるでこの部屋の人間全員が私を見ている様だ。私がいつの間にか何か変な事を言ったのかと心配になる。
 いや、そうじゃない。一瞬現実逃避をしていた。分かっていても思わず口に出さずにはいられない。

「……リーダーって私の事ですか?」
「人数も多くなってきたしリーダーは必要だろ」
「かもですけど! それなら私じゃなくてユリィですよ!」
「すみません! こっちに呼んだのは確かに私ですけど正直そう言うのすごーーーーく苦手なのでお願いします優子さん!」

 会って初めて聞くユリィのテンションで私にバトンが投げつけられた。手渡すとか言うレベルじゃない。

「だったら私も向いてないのでここはやっぱりバレルさんが!」
「馬鹿言うなよ。俺はあくまで護衛のつもりだぞ」

 ですよねーー。まったくその通りで私は何も言い返せない。

「ちなみに僕も無理だよ」
「俺もな」

 さっきまで険悪だったヤンとテールさんからも息のあった拒否が飛んできた。
 残るは……チェルさん!

「そうね。人数が多くなって来てたからまとまりは必要だもの。私も優子さんがいいと思うわ」

 にこやかに推薦されてしまった。この場に私がバトンを渡せる人は……いない。

「まぁとは言ってもあくまでまとめ役だと思えよ。責任押し付けるとかじゃねぇんだ」
「は、はい……ですけど……荷が重いです」

 バレルさんのフォローはありがたいけどプレッシャーはすごいかかる。ってか私も得意じゃないんですけどねリーダーって柄じゃないし。
 こんな時にアリスとかフランソワとかアルが居てくれたらなーと心の内でまたもや現実逃避をしてしまう。
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