383 / 418
教団と大精霊
第352話-剣士の戦い-
しおりを挟む
地面から迫り上がってくる岩の突起物を男はかわして二人の方に武器を向けて来たがそれに割って入った。武器同士がぶつかり鍔迫り合いになった。
「ありがと~」
大精霊様の感謝の意を全く持って感じない言葉を聞き流しながら相手の行動を封じる。
ただ違和感があった。それはこの鍔迫り合いから感じる。
「えらく簡単に行かせてくれるな」
鍔迫り合いを止めようとしない。俺が逆の立場ならこの状態を放棄してあの二人に食いかかる。それなら多少なりとも時間がかけられる。
「この先にも誰かいるな」
となると他にも仲間がいるってことになる。俺はまんまとここで足止めされたわけだ。
「いや、いないな」
「は?」
「言葉通りだが。俺はその辺りよく知らないからな」
そんなこと言われてもこっちも困る。
「三人のいて全員止めれると思うほど自惚れてはいない」
謙虚だ。こいつの実力なら多分相手によってそれができるはずだ。
鍔迫り合いからついに動く。迫りくる剣撃を撃ち落としてお互いが攻撃と防御の応酬になる。
数回の応酬が終わって距離を取った。お互いが出方を探すタイミング……だがここで足止めされてる分だけ俺は既に負けている。相手の目的は達成されている。
「お前は結局なんなんだよ。仲間でもねぇやつ守ってんのか」
「間違いではないな。俺がここにいる理由は……一宿一飯の恩だ」
思ってた回答とは全く違ったものが出て来て焦った。
「村に帰ろうとしていたら道に迷ってな。そしたらここで助けてもらったのでな。そのままここで恩を返しているだけさ」
「立派なこったな」
理由はどうであれ恩を返すと言う点であれば立派なことに間違いない。口から出た言葉は本心だ。
「構えろ。行くぞ」
男の言葉が終わると攻めに入った。居合から放たれる横薙ぎは距離が掴めていない今は驚異だ。さっきの攻防だけで武器の間合いの距離は掴めきれてない。
剣を前に構えて防いだ、が反撃に移れない。その理由は目の前にあった。男は身体を反転させて蹴りを繰り出した、回転の力が加わった蹴りは俺の身体の側面を撃った。
飛ばされてしまうが体勢を立て直した。それでもヒットした部分のダメージは大きい。
「驚いたな。今俺に身体をぶつけてくる気だったな」
「あぁ。その前に蹴りが来てびびったけどな」
俺は懐に潜り込もうと画策していた。ただそれより先に相手の行動が早かった、しかもそれを見て一瞬身体が固まった。だが、前に動いていたからこそこのぐらいの被害で済んでいた。
「頭を蹴り抜いたつもりだったんだが、まいったな」
確かにあのまま鍔迫り合いになっていたら俺の頭に蹴りが入っていた。それは俺も確信している。
「君の戦い方、俺のとよく似ているな……」
どうやら相手も俺と同じことを思ってたらしい。
「ありがと~」
大精霊様の感謝の意を全く持って感じない言葉を聞き流しながら相手の行動を封じる。
ただ違和感があった。それはこの鍔迫り合いから感じる。
「えらく簡単に行かせてくれるな」
鍔迫り合いを止めようとしない。俺が逆の立場ならこの状態を放棄してあの二人に食いかかる。それなら多少なりとも時間がかけられる。
「この先にも誰かいるな」
となると他にも仲間がいるってことになる。俺はまんまとここで足止めされたわけだ。
「いや、いないな」
「は?」
「言葉通りだが。俺はその辺りよく知らないからな」
そんなこと言われてもこっちも困る。
「三人のいて全員止めれると思うほど自惚れてはいない」
謙虚だ。こいつの実力なら多分相手によってそれができるはずだ。
鍔迫り合いからついに動く。迫りくる剣撃を撃ち落としてお互いが攻撃と防御の応酬になる。
数回の応酬が終わって距離を取った。お互いが出方を探すタイミング……だがここで足止めされてる分だけ俺は既に負けている。相手の目的は達成されている。
「お前は結局なんなんだよ。仲間でもねぇやつ守ってんのか」
「間違いではないな。俺がここにいる理由は……一宿一飯の恩だ」
思ってた回答とは全く違ったものが出て来て焦った。
「村に帰ろうとしていたら道に迷ってな。そしたらここで助けてもらったのでな。そのままここで恩を返しているだけさ」
「立派なこったな」
理由はどうであれ恩を返すと言う点であれば立派なことに間違いない。口から出た言葉は本心だ。
「構えろ。行くぞ」
男の言葉が終わると攻めに入った。居合から放たれる横薙ぎは距離が掴めていない今は驚異だ。さっきの攻防だけで武器の間合いの距離は掴めきれてない。
剣を前に構えて防いだ、が反撃に移れない。その理由は目の前にあった。男は身体を反転させて蹴りを繰り出した、回転の力が加わった蹴りは俺の身体の側面を撃った。
飛ばされてしまうが体勢を立て直した。それでもヒットした部分のダメージは大きい。
「驚いたな。今俺に身体をぶつけてくる気だったな」
「あぁ。その前に蹴りが来てびびったけどな」
俺は懐に潜り込もうと画策していた。ただそれより先に相手の行動が早かった、しかもそれを見て一瞬身体が固まった。だが、前に動いていたからこそこのぐらいの被害で済んでいた。
「頭を蹴り抜いたつもりだったんだが、まいったな」
確かにあのまま鍔迫り合いになっていたら俺の頭に蹴りが入っていた。それは俺も確信している。
「君の戦い方、俺のとよく似ているな……」
どうやら相手も俺と同じことを思ってたらしい。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
229
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる