悪役令嬢になりましたので、自分好みのイケメン近衛騎士団を作ることにしました

葉月キツネ

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教団と大精霊

第346話-大精霊の知識-

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「目的……ねぇ」

 意味ありげな流し目。何を言おうか悩んでいるように見える。

「色々あるんだけどね……その中で言うのであれば……」
「あれば?」
「その子たちみたいな精霊憑きを探す事かな」

 指さされたのは私とユリィだった。

「その子からの話ではこの大地が魔法で弱っていると聞きました。それを貴方はさっき肯定していました。ならそれを止めるのが目的じゃないんですか?」
「それもあるね。出来る事なら。何か方法思いつく?」
「いや思いつきませんけど……」
「でしょ。僕にも思いつかないね」
「でも大精霊っていうぐらいなら……」
「全知全能じゃないんだよ、こっちはさ」

 言葉は強めに聞こえるけど、そこまで怒っているようには見えないし聞こえない。むしろ諦めている感じすらする。

「だから僕の目的は同じ精霊を見つける事なのさ。一番手軽だろ」
「見つけてどうするんですか?」
「どうもしないよ。ただ心配なだけさ。精霊は僕と同じだからね」

 チェルさんの納得できそうな答えは明確には出てきていないと思う。それはテイルさんが言わないだけなのか、それとも本心なのか、真偽は分からない。

「その精霊と大精霊ってのはどう違うんだ?」

 バレルさんが尋ねた。
 確かに言われてみたらその違いは明確には分からない。なんとなく大精霊の方が名前的に位が上なのかもしれないぐらいしか思いつかない。

「一緒だよ、同じ精霊。ただ違うのは僕らの方が物知りで出来ることが多いくらいかな」
「例えば?」
「今君たちと話せてる。これが証拠だ」
「そうなのか?」
「精霊は本来契約者としか言葉と意思は交わせない。だけど、僕はこうしてここにいる人間と話すことができるよ」

 確かに私に憑いている精霊の声は私にしか聞こえない。それはユリィも同じはず。

「理屈みたいなのはあるのか?」
「理屈はあるけど説明するのは大変かな」
「それでもご教授願いたいんだが」
「精霊は本来君たちとは違う次元に生きている。精霊毎の世界がある。その次元を君たちそれぞれに合わせて出てくるのが普通の精霊さ」
「あんたは違うんだな」
「こうして君たちの集まっている次元に自由に姿を出せるのが僕さ」
「分かったような分からないような、なんとも言えねぇな」

 なんとなく言いたい事は分かるけど、それが本当にあっているのかと言われたら何とも言えない。
 気がつけばバレルさんの用意してくれていた料理が半分ほどになっている。話していていると時間の経過を忘れてしまっていた。

 
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