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新たなる始まり
第277話-縋る思い-
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「そうね、それが知りたい。この世界にまたこれて正直浮かれてた。聞きたい事もまだまだあるけど、まずはそれね」
「どこから話せばよろしいでしょうか……。単的に申します。貴方の行動力でこの世界の悩みを解決して欲しいのです」
「えっ……? 本当に?」
「はい」
神妙な表情を浮かべるユリィからは冗談でない空気が溢れている。
そんなスケールがでかい事を言われるとは想像もしてなかった。いや、絶対私には荷が重すぎるでしょそれ。
「流石にそれは……私には無理じゃない? 一般人よ私……」
「絶対と言う訳ではありません。ただ、貴方は前に呼ばれてこの世界へ来た際にすごい事を成し遂げられました。それは間違いなく実績です」
「たまたま。偶然よそんなの」
「それでもです。その運命的な偶然にも縋りたい気持ちなのです」
「まぁ無理だとは思う。私なんてせいぜい話を聞くくらいしか出来ないと思うけど……まぁ聞いてみるだけ聞いてみるわ」
「ありがとうございます」
そんな期待した様な顔をされても私としては困惑するしかない。
それでもどちらにしても話を聞かないと収まらないとは思った。
「まずは先程の説明に内容が戻りますが、魔法についてです」
「それは気になってた」
「魔法の源は生命力です」
「生命力? 命削りながら使うって事?」
だとしたら憧れの代物からとんだ物騒なものだと見る目が変わってしまう。生活は豊かになるかも知れないけど代償としては如何なものだろうか。
「使い過ぎればそうなります。ただこの生命力とは休めば回復するものですのでご安心を。そして源は人間の生命力だけではありません」
「他にもあるの?」
「正確に言うと人間の生命力とこの大地の生命力になるそうです」
「吸って使ってるって事? 補助的な感じで」
「はい。その通りです。この話どこかで聞きました? そちらの世界でも一般的だったり?」
「あーそんな事ないから。私の世界の魔法なんてないから。あくまで私の頭の中での理解だから」
ここまで来るとなんとなくだけど予想がついてきた。その説明をすると言う事は……。
「予想だけどさ……もしかして魔法が使える様になったせいでその大地が死にかけてる……とかだったりする?」
「やっぱり知ってらっしゃるじゃないですか!?」
「いや本当に予想だからね!」
漫画とかゲームとかでよくあるやつだよそれ……。
「それ私の手には負えない。どうしようもないじゃない」
「いえ、貴方だからこそお願い出来る事があるんです」
「私だからこそ? 何を?」
「フランソワ様の説得をお願いしたいのです」
気にはなっていた人物の名前を思わぬ形で聞く事になってしまった。
「どこから話せばよろしいでしょうか……。単的に申します。貴方の行動力でこの世界の悩みを解決して欲しいのです」
「えっ……? 本当に?」
「はい」
神妙な表情を浮かべるユリィからは冗談でない空気が溢れている。
そんなスケールがでかい事を言われるとは想像もしてなかった。いや、絶対私には荷が重すぎるでしょそれ。
「流石にそれは……私には無理じゃない? 一般人よ私……」
「絶対と言う訳ではありません。ただ、貴方は前に呼ばれてこの世界へ来た際にすごい事を成し遂げられました。それは間違いなく実績です」
「たまたま。偶然よそんなの」
「それでもです。その運命的な偶然にも縋りたい気持ちなのです」
「まぁ無理だとは思う。私なんてせいぜい話を聞くくらいしか出来ないと思うけど……まぁ聞いてみるだけ聞いてみるわ」
「ありがとうございます」
そんな期待した様な顔をされても私としては困惑するしかない。
それでもどちらにしても話を聞かないと収まらないとは思った。
「まずは先程の説明に内容が戻りますが、魔法についてです」
「それは気になってた」
「魔法の源は生命力です」
「生命力? 命削りながら使うって事?」
だとしたら憧れの代物からとんだ物騒なものだと見る目が変わってしまう。生活は豊かになるかも知れないけど代償としては如何なものだろうか。
「使い過ぎればそうなります。ただこの生命力とは休めば回復するものですのでご安心を。そして源は人間の生命力だけではありません」
「他にもあるの?」
「正確に言うと人間の生命力とこの大地の生命力になるそうです」
「吸って使ってるって事? 補助的な感じで」
「はい。その通りです。この話どこかで聞きました? そちらの世界でも一般的だったり?」
「あーそんな事ないから。私の世界の魔法なんてないから。あくまで私の頭の中での理解だから」
ここまで来るとなんとなくだけど予想がついてきた。その説明をすると言う事は……。
「予想だけどさ……もしかして魔法が使える様になったせいでその大地が死にかけてる……とかだったりする?」
「やっぱり知ってらっしゃるじゃないですか!?」
「いや本当に予想だからね!」
漫画とかゲームとかでよくあるやつだよそれ……。
「それ私の手には負えない。どうしようもないじゃない」
「いえ、貴方だからこそお願い出来る事があるんです」
「私だからこそ? 何を?」
「フランソワ様の説得をお願いしたいのです」
気にはなっていた人物の名前を思わぬ形で聞く事になってしまった。
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