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Time can only move forward
第259話-願ったこと-
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アリスの言葉にどこか恐怖していた。不気味さと言っていいものかは分からない、だけど得体の知れないものが前にいると言う感覚だった。
私にはそこには何も見えない。アリスの視線の先に見えるのはさっきまでと変わらない木々の姿。目を凝らしても、瞬きをしてもその景色は何も変わらない。
「からかってるのよねアリス」
「そんな事はありませんよ。本当にここにいるんです。私だけのお友達、私のお願いを聞いてくれるんです」
「それが貴方の魔法みたいな力の正体ね」
「魔法だなんて。フランソワ様らしくもない」
私は知ってる。アリスが友達と呼び、魔法を使えるようになるその正体を。それが正解かは分からない。ただ、その記載はあった。
「(精霊ってやつじゃないのこれ。ガルド城の下にあった石版……)」
石版に書いてあった事を思い出した。
これが本当に精霊による『魔法』と言うものであれば一つの仮説が立てられる。
首元にあるガルド城でもらったもの。
『魔除けの石』これは確か魔法から身を守るとか言っていた気がする。もしかしてこれがあったから私はアリスの魔法による影響を受けなかったのかも知れない。
そうなるとこれは手放せないし、アリスには教えられない。力づくにでも取られたら私の記憶が残らなくなる。
「私は本気よ」
「それならどうされますか? 私はこのままフランソワ様とずっと一緒の時間を過ごしたいんですが……だめでしょうか?」
可愛らしく言うアリス。昨日までならきっと手放しで誉めていた、だけど今は不気味さの方が優っている。
「そんなの許されるはずないでしょ。私の言う事を聞いて、前の時間に戻して、そしてもう辞めて。アリス……貴方のやっている事は人に対しての冒涜よ」
「冒涜?」
「努力を無かったことにしてる。その人の積み上げたものはどうなるのよ」
「やり直してください。何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も……。私はそうしていますよ。何度もフランソワ様を見てきました。相手にされない時もありました。前回のようにお側に置いてもらった事もありました」
「飽きないの? 何やってるんだろうって思わなかった?」
「そんな事はありません。だって……」
「だって?」
「ずっと! フランソワ様といられるから!」
私は勘違いしていた。フランソワには熱狂的な取り巻きがいる。ずっと友達としていたアンとユリィ。だけど他にもいたんだ。ずっとフランソワを見ていた女の子が。フランソワに憧れて、ずっと一緒に居たいと願った女の子が……。
私にはそこには何も見えない。アリスの視線の先に見えるのはさっきまでと変わらない木々の姿。目を凝らしても、瞬きをしてもその景色は何も変わらない。
「からかってるのよねアリス」
「そんな事はありませんよ。本当にここにいるんです。私だけのお友達、私のお願いを聞いてくれるんです」
「それが貴方の魔法みたいな力の正体ね」
「魔法だなんて。フランソワ様らしくもない」
私は知ってる。アリスが友達と呼び、魔法を使えるようになるその正体を。それが正解かは分からない。ただ、その記載はあった。
「(精霊ってやつじゃないのこれ。ガルド城の下にあった石版……)」
石版に書いてあった事を思い出した。
これが本当に精霊による『魔法』と言うものであれば一つの仮説が立てられる。
首元にあるガルド城でもらったもの。
『魔除けの石』これは確か魔法から身を守るとか言っていた気がする。もしかしてこれがあったから私はアリスの魔法による影響を受けなかったのかも知れない。
そうなるとこれは手放せないし、アリスには教えられない。力づくにでも取られたら私の記憶が残らなくなる。
「私は本気よ」
「それならどうされますか? 私はこのままフランソワ様とずっと一緒の時間を過ごしたいんですが……だめでしょうか?」
可愛らしく言うアリス。昨日までならきっと手放しで誉めていた、だけど今は不気味さの方が優っている。
「そんなの許されるはずないでしょ。私の言う事を聞いて、前の時間に戻して、そしてもう辞めて。アリス……貴方のやっている事は人に対しての冒涜よ」
「冒涜?」
「努力を無かったことにしてる。その人の積み上げたものはどうなるのよ」
「やり直してください。何度も、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も……。私はそうしていますよ。何度もフランソワ様を見てきました。相手にされない時もありました。前回のようにお側に置いてもらった事もありました」
「飽きないの? 何やってるんだろうって思わなかった?」
「そんな事はありません。だって……」
「だって?」
「ずっと! フランソワ様といられるから!」
私は勘違いしていた。フランソワには熱狂的な取り巻きがいる。ずっと友達としていたアンとユリィ。だけど他にもいたんだ。ずっとフランソワを見ていた女の子が。フランソワに憧れて、ずっと一緒に居たいと願った女の子が……。
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