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Time can only move forward

第254話-曝け出す難しさ-

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 学院の一年生間ではもう少しでやってくる交流会でざわついていた。それはボッーとしていても自然と耳に入ってくる。私も前は交流会に期待をしていてそわそわしていた事が懐かしい。ただ、今は別のことが頭の中を埋めていた。

「フランソワ様?」
「あっ、ごめん。呼んでた?」
「えぇ、もうお昼ですので……、気分でも優れませんか?」

 ユリィの声が届かないほどに私は考える事に没頭してしまっていた。授業の内容も正直頭に入ってない。
 なんとなく周りの音が聞こえていた状態になっていた。
 耳に入って来てもそれを頭で考える所までは行っていない。

「大丈夫。お腹すいて物思いにふけてただけよ」
「そ、そうでしたか。それなら良かった。差し出がましいかも知れませんが、悩みがあるのであれば、私も相談には少しはなれるかも知れませんので」
「ありがとう。もし私が相談相手を探す時が来たらお願いしようかしら」
「えぇ、是非とも」
「ユリィは困ったら誰かに相談する方?」

 他意はない。ただ気になっただけだ。ユリィには表立って悩みが見えない。だから少し気になってしまった。
 逆にアンはそのあたりが分かりやすい。良くも悪くも表情に出るタイプだ。

「私は……一人で抱え込んでしまう方でしょうか。中々人に頼るのは難しいですね」

 笑いながら言った。照れ隠しにも見えるけどそこまでの真相は私にはわからない。

「そうよね。曝け出すって難しいのよね」
「分かります。親であれ、友人であれ難しいですね」
「ユリィと価値観似てるかも」
「フランソワ様と似ているなんて光栄です。ただ、恐れ多いです」
「そんな事ないわよ」

 彼女にも彼女なりの悩みがあるんだろう。それは中々人に言えない悩みなのかも知れない。

「逆に貴方に心配事があって相談したくなったら私に言って、出来ることはするから」
「そうですね。その時は頼りにさせて頂きます」

 ユリィと二人でここまで話すのは珍しい気がする。いつもはアンがいるから今日は不思議な気分だ。

「ごめんね。そろそろ行きましょう。アリスとアンは先にいってるかしら」
「かもしれませんね」

 ユリィと一緒に教室を出てアリスとアンが先にいるかも知れないいつものお昼を食べる場所へと急いでかけて行く。
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