261 / 418
嵐の来訪者
第229話-ユリの疑問-
しおりを挟む
戦いが動いた。
動き出したのはウェルズから。それまではお互いに牽制しあっていたけど、明確に攻撃を繰り出したのは槍の使い手だ。
ユリの試合の時見せた素早い突きがヤンを襲った。
「あの突きが来た!」
私よりもユリの方が突きに早く反応した。
両手で槍を構え、足に溜めた力と腕に溜めた力を爆発させる様な突き。側から見ていてもあの突きが脅威が分かる。側から見ていても緩急と言う言葉がふさわしく思える。
ヤンの身体に一撃、二撃、三撃、四撃と打ち込んだ。だけど、その攻撃はヤンに届く事はなかった。
「防いだわ!」
一撃目を防いだヤンはその後の全ての攻撃を剣で受け止めた。
その光景にオーランは感嘆の声を上げて、ユリは無言で食い入る様に見ている。
「なんでしょうか。どこか違和感が……」
ユリが自信無さそうに言った。
「違和感って?」
「今の攻撃、速いとは思いました。だけど……、いや、気のせいだと思うのですが……」
「そこまで言われたら気になるじゃない。教えてよ」
「何でしょうか、私の時よりも遅く見えたんです……」
ユリは頭の中で理解できないと言った様子で、言葉尻を下げながら言う。
「ヤンが速いとかじゃなくて?」
「それもあるとは思うんですが……。私の時は初撃を避けたからでしょうか?」
「でもあの時途中からはヤンみたいに防御してた気がするけど」
ユリと二人で首を捻る。
「よく分からないですけど、コンディションの問題じゃないですか?」
オーランが恐る恐ると言った様子で言ってくれた。
「私が怪我をしていたとかもあるとは思うんですが、今は分かりませんね」
「技の調子なんてのは体調によって変わるから、そんな日もあるんじゃないですか」
気持ちは分かるけど、私としてもどこかモヤモヤが止まらない。答えが出ないって言うのはスッキリしない。
私達がスッキリしなくても目の前の戦いは止まらない。
動き出したのはウェルズから。それまではお互いに牽制しあっていたけど、明確に攻撃を繰り出したのは槍の使い手だ。
ユリの試合の時見せた素早い突きがヤンを襲った。
「あの突きが来た!」
私よりもユリの方が突きに早く反応した。
両手で槍を構え、足に溜めた力と腕に溜めた力を爆発させる様な突き。側から見ていてもあの突きが脅威が分かる。側から見ていても緩急と言う言葉がふさわしく思える。
ヤンの身体に一撃、二撃、三撃、四撃と打ち込んだ。だけど、その攻撃はヤンに届く事はなかった。
「防いだわ!」
一撃目を防いだヤンはその後の全ての攻撃を剣で受け止めた。
その光景にオーランは感嘆の声を上げて、ユリは無言で食い入る様に見ている。
「なんでしょうか。どこか違和感が……」
ユリが自信無さそうに言った。
「違和感って?」
「今の攻撃、速いとは思いました。だけど……、いや、気のせいだと思うのですが……」
「そこまで言われたら気になるじゃない。教えてよ」
「何でしょうか、私の時よりも遅く見えたんです……」
ユリは頭の中で理解できないと言った様子で、言葉尻を下げながら言う。
「ヤンが速いとかじゃなくて?」
「それもあるとは思うんですが……。私の時は初撃を避けたからでしょうか?」
「でもあの時途中からはヤンみたいに防御してた気がするけど」
ユリと二人で首を捻る。
「よく分からないですけど、コンディションの問題じゃないですか?」
オーランが恐る恐ると言った様子で言ってくれた。
「私が怪我をしていたとかもあるとは思うんですが、今は分かりませんね」
「技の調子なんてのは体調によって変わるから、そんな日もあるんじゃないですか」
気持ちは分かるけど、私としてもどこかモヤモヤが止まらない。答えが出ないって言うのはスッキリしない。
私達がスッキリしなくても目の前の戦いは止まらない。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
229
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる