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嵐の来訪者
第193話-身の回りの変化-
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ヤンが停学処分になってから2日が経った。まだ2日なのかと言う気持ちもあるけど、私にはどうする事もできなかった。
あれから幸いな事に襲われる事もなかった。用心して人気の多いところで過ごしていたからかもしれない。
ただ違和感があった。それは私の周りだ。
みんなの視線が私に注がれている様な気がした。自意識過剰かもしれないけど、あの時の言葉が脳裏に浮かぶ。
「『君の評判にも関わるから、今後はさっき言った様に彼の事は考えた方がいい』」
あんな言葉私は気にしていない、だけど私の周りは捉え方が違うのかもしれない。
そして何より身の回りで変わっている事、それはアン、ユリィ、アリスだった。
「フランソワ様、こちらもお食べください。甘くて美味しいですよ」
「こちらをご一緒にお飲みください、香りがすこぶる良いのです」
アンとアリスがいつも以上に私に気を遣っている。ユリィは変わらない様に見えるが、いつも以上ににこやかな笑顔でその光景を見ていた。
「あ、ありがとう。だけど大丈夫よ。もうお腹いっぱい」
実際普段通りのお昼に二人からのプレゼントを合わせるとかなりの量になっていた。
小食な体なのかフランソワの身体はそんなに食べ物飲み物を入れることは出来ないのに。
「いえ! フランソワ様ならまだ行けますよ!」
「(その根拠は何なの!? むしろ私ってそんなふうに見られてたの!?)」
心の中で叫びながら二人の誘いを断る。
でも二人の気持ちは分かっているつもりだ。
「ありがとう、でもそこまで気を遣わなくても大丈夫、私は元気だから」
騒ぎで私が気落ちしていると思って色々してくれているのは分かっている。だからその優しさは無下には出来ない。
「フランソワ様はお強いですね」
空気を楽しんでいたユリィが言った。
「強くないわ。だけど本当のことよ。だって実際彼の評判が落ちようが私の近衛騎士である事は変わりないもの」
「それは……素晴らしい事ですね」
アリスに言われると何だか照れてしまう。
「ありがとう、でもアリスはもっと素敵じゃない」
「まぁ、フランソワ様!」
周りから見ればむず痒いやりとりでも私に取っては楽しい。ここの所悪いことが続いていた。だから普段の100倍以上に今の状況は楽しいものだった。
フランソワの周りの友達がいなかったら私は少しめげていたも少し思う。
ウェルズが来て、ヤンが停学になって。この世界が嫌になっていたかも知れない。
「だから……ありがとう」
小さく、誰かに向かってじゃなくてみんなに向けて、独り言を呟いた。
「何か言われましたか?」
「なんでもない」
アリスの頭に風に吹かれて飛んできた小さな花びらが綺麗に乗った。まるで、髪飾りの様に。今の私には周りを笑顔にする優しいお姫様の様にも見えた。
あれから幸いな事に襲われる事もなかった。用心して人気の多いところで過ごしていたからかもしれない。
ただ違和感があった。それは私の周りだ。
みんなの視線が私に注がれている様な気がした。自意識過剰かもしれないけど、あの時の言葉が脳裏に浮かぶ。
「『君の評判にも関わるから、今後はさっき言った様に彼の事は考えた方がいい』」
あんな言葉私は気にしていない、だけど私の周りは捉え方が違うのかもしれない。
そして何より身の回りで変わっている事、それはアン、ユリィ、アリスだった。
「フランソワ様、こちらもお食べください。甘くて美味しいですよ」
「こちらをご一緒にお飲みください、香りがすこぶる良いのです」
アンとアリスがいつも以上に私に気を遣っている。ユリィは変わらない様に見えるが、いつも以上ににこやかな笑顔でその光景を見ていた。
「あ、ありがとう。だけど大丈夫よ。もうお腹いっぱい」
実際普段通りのお昼に二人からのプレゼントを合わせるとかなりの量になっていた。
小食な体なのかフランソワの身体はそんなに食べ物飲み物を入れることは出来ないのに。
「いえ! フランソワ様ならまだ行けますよ!」
「(その根拠は何なの!? むしろ私ってそんなふうに見られてたの!?)」
心の中で叫びながら二人の誘いを断る。
でも二人の気持ちは分かっているつもりだ。
「ありがとう、でもそこまで気を遣わなくても大丈夫、私は元気だから」
騒ぎで私が気落ちしていると思って色々してくれているのは分かっている。だからその優しさは無下には出来ない。
「フランソワ様はお強いですね」
空気を楽しんでいたユリィが言った。
「強くないわ。だけど本当のことよ。だって実際彼の評判が落ちようが私の近衛騎士である事は変わりないもの」
「それは……素晴らしい事ですね」
アリスに言われると何だか照れてしまう。
「ありがとう、でもアリスはもっと素敵じゃない」
「まぁ、フランソワ様!」
周りから見ればむず痒いやりとりでも私に取っては楽しい。ここの所悪いことが続いていた。だから普段の100倍以上に今の状況は楽しいものだった。
フランソワの周りの友達がいなかったら私は少しめげていたも少し思う。
ウェルズが来て、ヤンが停学になって。この世界が嫌になっていたかも知れない。
「だから……ありがとう」
小さく、誰かに向かってじゃなくてみんなに向けて、独り言を呟いた。
「何か言われましたか?」
「なんでもない」
アリスの頭に風に吹かれて飛んできた小さな花びらが綺麗に乗った。まるで、髪飾りの様に。今の私には周りを笑顔にする優しいお姫様の様にも見えた。
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