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ガルド城の秘密
第66話-手記の意味-
しおりを挟む「つまり……分からないわね」
「そ、そうですね」
2人で顔を見合わせて悟った。この1枚からでは何も分からないと。
この1枚から読み取れること、それは3代目が書いたという事。『魔法』と呼ばれるものはガルド一族にしか扱うことが出来なかったという事。そして『魔法』の技術をこの城に残したことだ。
「これで実在したとは言いづらい所があるわね」
「そうですね。ただ悲観している事は分かると言うことくらいでしょうか」
なんとも的を得ない文章だった。妄想日記の様な手記。
「でも分かった事はあるわ。つまり初代が技術を残したわけではないって事。それなら当然秘密の部屋の事も出てこないわけよ」
「お言葉ですが、実際に作ったとしても資料には残さないと思いますよフランソワ様」
「た、確かにね。そうよね。なんか舞い上がってたわ私」
「でも確かにフランソワ様の言う通りで技術を隠したのが3代目であるなら、この城のどこかに後から無理やりにでも秘密の部屋を増築したと言う事も考えられますね」
「それ以外だと元から城にあって1番保管に向いた所よね。金庫とかそんなあたりよね。でもそんなとこに隠しているんだったら今の城主が知らないわけない」
この文章は意味不明だけど、私に仮説を1つ立たせた。
仮に本当に技術と呼ばれるものが隠してあるのであれば、隠し部屋、隠しギミックの様な物がある可能性が高いということ。
「ねぇ。今からはどうするべきだと思う?」
「まずは3代目のことを調べてみることが必要と考えますね」
「同感。私はもう1つ確認したい事ができたわ。3代目の事を調べておいてもらえないかしら」
「それは構いませんが。何を調べるんですか?」
「調べるっていうよりかは聞く事かしら」
手元の札をユリに掲げながら、ユリの質問に答える。
「今の城主に本当に隠された魔法を知らないかってね」
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