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目が覚めたらゲームの世界!?
第18話-原因はフランソワ?-
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陽が暮れる前に校門の方に向かうといつものように数台の馬車が止まっている。その中から自分の家の馬車を探して乗り込む。
馬車引きのアレンがいつも先にこちらを見つけて合図をくれるのがとてもありがたい。ゲームの中だと嫌味なキャラで悪役だったのに家の人には好かれてるのには正直個人の感想では意外だった。
「ありがとう。疲れたわ。今日は早く帰りましょう」
いろんな所を歩いて探し回って、断られ続けた1日はかなりしんどかった。今すぐにでも家に帰って着替えてベッドの上で休息を取りたい気分だった。
「お疲れ様です。今日は夕食も軽めのものにして早く休まれるように致しましょう」
ホリナの気遣いがとてもありがたい。
ちょうど周りも帰り支度を始める時間になったのかぞろぞろと生徒たちの馬車が校門付近に集まるようになってきたようだ。
「アレン。馬車と人が多くなる時間みたいだから運転には気を付けてね。周りの馬車とかに迷惑にならないようにね」
窓から顔を出してアレンへ注意の言葉をかけた。アレンも長年運転しているし心配はないと思うけど、念のため。
窓から顔を引っ込めるとホリナが声を出さずに笑っている。「私何かしちゃったの?」という疑問を抱いてしまう。
「すみません。本当にお嬢様は変わられたなと思いまして」
私の怪訝な表情から心の中を察知したのか、何で笑っていたかの理由を話し出した。
「以前のお嬢様だと失礼ながらそんな周りを気遣う言葉を言わなかったので。2言目には『早く、周りなんか気にせず飛ばしなさい』と言っていたので」
すごい想像できるシーンね。足を組みながら窓に肘を立てながら言っているシーンが頭の中に容易に想像できた。
「そ、そうかしら。私も成長しているのよ」
今の私にはそんな記憶のない事をごまかすようにその場面を流した。
「入学前に道を歩いている生徒がいても飛ばすように指示をしたお嬢様で少し心配でしたが良かったです」
フランソワの流石の悪役ぶりに関心していたけど、その話は何か引っかかる。
「ねぇホリナその生徒って女の子だった? 髪が金色の子だったり?」
「流石に髪の色まで憶えてはいませんが、女の子でしたね。横を通った後に見たら持っていた荷物を道に落としてしまったようで大変そうだったのは覚えていますね。お嬢様が『そんなのあの子がドジなだけ。気にするだけ無駄』と言ったのでそのまま学院へ向かったの覚えていませんか?」
「あー、あー。そんなこともあったかもしれないわね」
それ多分アリスだ―。シャバーニとアリスの出会いアシストしてたの私じゃん。フランソワの馬鹿馬鹿馬鹿! 場面的に絶対フランソワやん!
その事実を知って、私の心身ともに疲労感が最大に達した。
「今日は早く帰って寝よう。もうしんどい……」
「そうですね」
過去のフランソワの行為を恨みながら私は馬車の短い旅に身を預けた。
馬車引きのアレンがいつも先にこちらを見つけて合図をくれるのがとてもありがたい。ゲームの中だと嫌味なキャラで悪役だったのに家の人には好かれてるのには正直個人の感想では意外だった。
「ありがとう。疲れたわ。今日は早く帰りましょう」
いろんな所を歩いて探し回って、断られ続けた1日はかなりしんどかった。今すぐにでも家に帰って着替えてベッドの上で休息を取りたい気分だった。
「お疲れ様です。今日は夕食も軽めのものにして早く休まれるように致しましょう」
ホリナの気遣いがとてもありがたい。
ちょうど周りも帰り支度を始める時間になったのかぞろぞろと生徒たちの馬車が校門付近に集まるようになってきたようだ。
「アレン。馬車と人が多くなる時間みたいだから運転には気を付けてね。周りの馬車とかに迷惑にならないようにね」
窓から顔を出してアレンへ注意の言葉をかけた。アレンも長年運転しているし心配はないと思うけど、念のため。
窓から顔を引っ込めるとホリナが声を出さずに笑っている。「私何かしちゃったの?」という疑問を抱いてしまう。
「すみません。本当にお嬢様は変わられたなと思いまして」
私の怪訝な表情から心の中を察知したのか、何で笑っていたかの理由を話し出した。
「以前のお嬢様だと失礼ながらそんな周りを気遣う言葉を言わなかったので。2言目には『早く、周りなんか気にせず飛ばしなさい』と言っていたので」
すごい想像できるシーンね。足を組みながら窓に肘を立てながら言っているシーンが頭の中に容易に想像できた。
「そ、そうかしら。私も成長しているのよ」
今の私にはそんな記憶のない事をごまかすようにその場面を流した。
「入学前に道を歩いている生徒がいても飛ばすように指示をしたお嬢様で少し心配でしたが良かったです」
フランソワの流石の悪役ぶりに関心していたけど、その話は何か引っかかる。
「ねぇホリナその生徒って女の子だった? 髪が金色の子だったり?」
「流石に髪の色まで憶えてはいませんが、女の子でしたね。横を通った後に見たら持っていた荷物を道に落としてしまったようで大変そうだったのは覚えていますね。お嬢様が『そんなのあの子がドジなだけ。気にするだけ無駄』と言ったのでそのまま学院へ向かったの覚えていませんか?」
「あー、あー。そんなこともあったかもしれないわね」
それ多分アリスだ―。シャバーニとアリスの出会いアシストしてたの私じゃん。フランソワの馬鹿馬鹿馬鹿! 場面的に絶対フランソワやん!
その事実を知って、私の心身ともに疲労感が最大に達した。
「今日は早く帰って寝よう。もうしんどい……」
「そうですね」
過去のフランソワの行為を恨みながら私は馬車の短い旅に身を預けた。
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