異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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エイクラー乱獲ダンジョン!

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「すごい、本当にツルツルになるわ。」
「でしょう?チハルちゃんの養殖場で育ててるスライムでも化粧品として作ってるのよ。」
「それをこっちで販売してるの?」
「少しだけね、あまり出すと大騒ぎになるから。」
 茜、美咲、智美、真冬は捕獲したスライムで盛り上がっていた、その間、千春達は魔物討伐に勤しんでいた。

「そっちいったよー!」
 ダンジョン内にある森、その横の開けた平原を美桜と麗奈は杖に乗りながら魔法を撃ち、魔物を追いかける、5頭の真っ赤な牛の魔物レッドホーンブルは唸り声を上げながら走り回り、千春達の方へ向かってきた。

「はいはーい。」
「わっちが全部いれりゃいっちゃない?」
「私たちも仕事したいじゃん。」
 頼子はビェリーに言うと、千春、サフィーナ、クーネスが並ぶ、頼子と子供姿のビェリーも準備を始める。

「いくよー。」
 千春の掛け声で皆は一斉に足元へアイテムボックスと影の落とし穴を開ける、面白い様にレッドホーンブルは穴へ落ちて行く。

「簡単に捕まりますね。」
 初めて魔物にアイテムボックスを使ったクーネスが言うと、サフィーナは頷く。

「クーネス姉様、アイテムボックスに入った魔物はそのまま生きてますから、出す時は気を付けてくださいね。」
「ええ、わかってるわ。」
 2人が話をしていると、森の方からドラゴンの鳴き声が聞こえた、そして。

「千春、魔物が来るぞ。」
「どれくらい?」
「・・・沢山だ。」
「えええ!?パパドラさん何したの!?」
「殺気を解放して魔物を蹴散らした、恐れた魔物がこっちに向かって来る。」
 ルプの言葉にエーデル、ホーキン、そしてエンハルトが剣を抜く。

「私たちにも仕事が出来そうですね。」
 エーデルは楽し気に話すと、ホーキンも笑みを浮かべながら頷く。

「俺も少しは動かないとな、アリンお前はどうする?」
「私も手伝いますよ、炎系は後が面倒なので雷系で行きます、魔物が集まっている所には行かないで下さいね。」
 アリンハンドは3人に言うと男達も動き始める。

「私ももっと遊びたいわ♪ミタマも行く?」
「吾輩は帰って寝たいにゃ。」
「動かないと太るわよ?」
「太らせてるのはイロハだにゃ。」
 面倒そうに言う三珠、彩葉はニコッと笑みを作ると背中から2本の腕が飛び出る、その手には柄の長いハンマーが握られていた。

「来ます!正面4匹!その右から遅れて3匹です!」
 コンは9本の尾をフワフワとなびかせながら皆に言うと、エーデル達は右へ、正面をアリンハンドが向かう。

「コンさん、他は?」
 彩葉はコンに確認する、コンは鼻と耳をピクピク動かしながら調べる。

「左にそれた魔物がいますけど、こっちには来ないですねぇ。」
「えー?それじゃ私は追いかけて来るわ!」
 彩葉はそう言うと、地面を蹴る、そのまま宙を何度も蹴りながら森の方へ突っ込んで行った。

「さて、私達は回収に回りますかー。」
「そうですね。」
 千春とサフィーナが言うと、クーネスが頷き、頼子とビェリーがついて来る。

「チハルおねーちゃんがんばってー!」
「がんばるよー♪」
 幼女達に応援されニコニコの千春は箒に跨るとエンハルトの方へ向かう、エンハルト達は魔物を見つけると駆けだす、そして。

「はっ!」
 エンハルトの一刀は魔物の首を一瞬で切り落とす、同じくエーデル、ホーキンも一刀両断で魔物を切り伏せた。

「よく切れるな。」
「流石ザイフォン殿が鍛えたオリハルコンソードですね。」
 刀身にはほとんど血も付かず、一瞬で切り落とした魔物は絶命している、そこへ千春達が空から魔物を回収していく。

「ハルトおつかれー。」
「ありがとうチハル。」
 千春にお礼を言うエンハルトは森を見つめる、幾度かドラゴンの鳴き声と魔物の悲鳴が聞こえ、直ぐに静かになる。

「近くの魔物は終わりか。」
 エンハルトの言葉にルプが頷く。

「パパドラとママドラが帰って来るぞ。」
 ルプが言うと、ドラゴンが森から飛び出し向かって来る、両手両足には魔物が掴まれていた、ドラゴン達はビェリーの前に魔物を放り投げると、ビェリーはすぐに影収納していく。

「もう少し欲しいな。」
 パパドラはそう言うと森を見つめる。

「結構獲っとるばい?」
 ビェリーはパパドラに言うが、パパドラは首を振る。

「獲物が小さいからな、数日分にしかならないだろう?」
「・・・ルプよりデカいっちゃけど、これ。」
 パパドラが投げて来た魔物、見た目は鹿だが鋭い牙と殺意丸出しの大きく鋭い角をを収納しながらビェリーは呟く。

「イロハが帰って来るにゃ。」
 三珠は森に突っ込んで行った森を見つめながら言うと、森から彩葉が飛び出す、そして空中で方向を変えながら長いロープを引き上げる。

「たくさんとったどー!」
 ドール彩葉はロープを両手で持ち、背中から出た腕で武器をブンブン振りながら三珠に言う。

「沢山とったにゃー。」
「あっちにいたの片っ端から捕まえて来たわ♪」
 先程よりも小柄な鹿、異常に牙の長い猪、そして熊を数頭ロープで貫通させたまま引きずる。

「収納するばーい。」
「おねがーい!」
 ビェリーは彩葉の狩った魔物を収納していく。

「ロイロ、おかえり。」
 ロイロはダンジョンの天井近くから皆の動きを見ていたが、皆が集まり戻って来たのだった。

「近くの魔物は小動物以外はおらんな。」
「そっか、それじゃそろそろお昼にする?」
 スマホで時間をチェックする千春、このエリア階層は何故か天井が空の様に青く光り、外に居るような錯覚になる、千春と頼子はピクニックセットを取り出し、レジャーシートを広げていく。

「手伝うわね、」
 茜はそう言うとシートを受け取り広げる。

「お話終わりました?」
「細かい話は戻ったらする事になったわ。」
「ユキママも美容の仕事するんです?」
「お手伝いをする事になったわ、あと、あっちに届ける仕事もね♪」
「あ、持って行っていいんだ。」
「宇迦之御魂様の許可した者に販売してるそうなのよ、それを私達が運ぶ事になりそうね。」
 千春と茜は話をしながら準備をする。

「レイママもです?」
 千春は弁当を受け取っている真冬に問いかける。

「ええ、アカネさんと一緒に仕事する事にしたわ。」
「あっちで仕事してないんです?」
「パートはしてるけれど、辞めてお手伝いする事にしたの。」
「パートしてるんだ・・・妖怪なのに。」
「妖怪でも生きていくためには食べる必要があるのよ?」
「そりゃそうだ。」
 アハハと笑いながら千春は答える、そして準備が終わり、男達もそれぞれのシートに座る。

「これは美味しそうだな。」
 エンハルトは大きな箱を開けると、色とりどりのサンドイッチを見て微笑む。

「こっちはおにぎりとソーセージ、玉子焼き、唐揚げだよん。」
 千春はもう1つの弁当箱を見せながら言う。

「ユラちゃ~んこっちで手あらいますよ~♪」
 モリアンは子供達を呼ぶと、サフィーナの水魔法で手を洗わせる。

「千春、今日は呼ばないの?」
「呼んだら足りなくない?」
 頼子は誰とは言わないが千春に問いかけると、千春は苦笑いで答えるしかし2人、いや、皆は無言の圧を感じていた。

「・・・アイトネさ~ん。」
『はぁ~い!』
「たべるの?」
『食べたい!』
「たりなくね?」
『ルノアーちゃん呼ぶ?』
「いやいやいや!料理人呼んでもダメでしょ!」
『んー・・・あ、シャリーちゃん今王宮の食堂に居るわ♪』
「ちょっと?アイトネさん?」
 アイトネは宙を見つめながら念を飛ばしているそれを見た千春はため息をつく。

「追加の弁当か?」
「多分ね。」
「まぁアイトネ様のお願いだ、直ぐに作るだろうな。」
「いい迷惑だよねぇ。」
「そうか?」
「そうでしょ。」
「女神からのお願いは嬉しいと思うぞ?」
「そうなの?」
「ああ、女神の願いを面倒に思うのは千春達だけじゃないか?」
「・・・そうかなぁ、でも女神って基本人にお願い出来ないはずなんだけどなぁ。」
 そう言うと千春はアイトネを見る。

『おっけー♪出来たら取りに行くわ♪』
「アイトネ、お願いとかできないんじゃ無かったっけ?」
『お願いはしてないわよ?』
「んじゃどうやって作ってって言ったのよ。」
『ひとり言呟いただけだもーん♪チハルが言ったのよ?忘れたの?』
「・・・言ったわ、お願いしたい事あったらひとり言いえって。」
『ね♪』
「ね・・・じゃないんだけどなぁ。」
 千春とアイトネが話をしている間に、皆は手を合わせ挨拶をする、そしてダンジョンピクニックのお昼が始まった。





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