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幼女聖女国民にお披露目!

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「・・・うわぁ。」
「マジか。」
「良く集まったね。」
 千春、頼子、美桜は城の窓から外を覗く、下には王都の国民がエイダン陛下の話を聞いていた。

「このスピーカー何処から出てんだろう。」
 大きくされたエイダンの声は国民に届き、エイダンが話すたびに声が上がっていた。

「それパパ達が開発した魔導マイクとスピーカーだってさ。」
「何作ってんだかなぁ。」
 平然と話す麗奈と苦笑いの青空。

「モートさん、どうです?ユラ達の晴れ舞台。」
 千春は横に立ち腕を組みながらユラ達を見るモートに声を掛ける。

「・・・。」
 千春が問いかけるとニコッと微笑むモート。

「で?昨日ユラ達が作ったパイはどうでした?」
「・・・美味かった。」
「デスヨネー!」
「愛情込めてたからねー。」
「モートさん特別仕様で3人頑張ってたからね。」
「私もアレ食べたかったー。」
「ダメだよミオ、アレはモートさん用で某女神様も涎垂らして見てたくらいなんだから。」
 モートの横で話すJK達、そして。

「ユラ、イーレン、イーナ。」
 エンハルトが3人を呼ぶと、3人は聖女のローブではなく巫女姿でテラスに居るエイダンの横に行く。

わぁ~~~~~!!!!!

 国民からの声が響きユラ達は一瞬たじろぐが、笑みを作りながらエイダンと並ぶ。

「この者達が神モート様に選ばれた聖女である!」
 エイダンは国民に向かい声を上げると更に国民の声は大きくなる、そして声が止まるとユラ達は前に出ると手を振る。

わ~~~~~~!!!!!!!!!!!!

 ビクッと驚く3人、ユラの肩に止まり足をプラプラしながらルルが声を掛ける。

「ユラ、私がついてるわ~♪」
「うん!」
「レン、俺もついてるぜ!」
「ありがとうポポ♪」
 妖精2人はユラ達を安心させるように声を掛けるとイーナの耳元でも声がする。

「イーナ、今日は主役ね♪」
「アルでも良かったのです!アルも聖女なのです!」
「何言ってるの、小さな子だからこそ出来る事があるの、今日は頑張りなさい。」
「がんばるのです!」
 アルデアは蝙蝠の姿のままイーナの肩で呟くように話す。

「ユラ、イーレン、イーナ、この『まいく』と言う物に声を入れるのだ。」
 エイダンはそう言うとマイクをユラに渡す、その姿は城の一面に映し出された魔導プロジェクターで映し出されていた。

「レンちゃんいい?(ぼそっ)」
「だいじょうぶ、イーナちゃんは?(ぼそっ)」
「だ、だいじょうぶなのですっ(ぼそっ)」
「それじゃいくよ、せ~~~~のっ!」
 ユラはマイクを真ん中に持って行くと3人は大きな声で声を出す。

「「「みんななかよく!いいくにをつくりましょー!」」」
 幼女3人は力いっぱい、心を込めて、国全部に声が届けと言わんばかりに叫ぶ。

うぉぉぉおおお!!!!!!!!

 怒号の様に声が響く、それは城を揺るがす程の大きな歓声だった。


---------------------


「うぉぉぅ!すっごい声!」
「これはもう大丈夫じゃん?」
「逆に反乱考える人ってフルボッコされんじゃね?」
「言えてる~。」
「ねぇ、ユラちゃんはこの国の公女になるわけじゃん?」
「公女と言うか公妃?」
「まだまだ先の話だよー?」
 JK達の話に千春が言う。

「イーレンちゃんとイーナちゃんはどうすんの?」
「お父様曰くだけど、成人したらこっちに移住するっぽい事言ってたなー、でも本人の意思を尊重するって言ってた。」
「流石エイダン王様、色々考えてるんだね。」
「でもレンとイーナはユラと一緒に来る気満々なんだよね。」
 千春はテラスで手を振るユラ達を見ながら話す。

「成人って幾つだっけ。」
「こっちだと15だったはず。」
「ラルカちゃんは12だったよね?」
「あれはラルカちゃんの所の氏族がって事らしいよ。」
「へー、国が違えば法も変わるってやつか。」
「それじゃあと8年はのんびりあっちで暮らせるのか、それじゃチハルも寂しく無いね。」
 クスクス笑いながら大愛が千春を見る。

「寂しくないよ!?」
「またまたぁ~♪」
 JK達に揶揄われながら千春は顔を赤く染める。

「チハルおねぇちゃん!おわった!」
「はー!緊張しましたー!」
「イーナは大丈夫だったのです!」
「おつかれさま~♪」
 千春はユラ達の頭を撫でながら迎える。

「チハル、後は他に任せるからもう大丈夫じゃぞ。」
 エイダン国王は動き難そうな服を引きずりながら戻って来た。

「お父様お疲れ様でした。」
「なぁ~に、楽なもんじゃぞ、近隣の国にも報告しておる、どの国もジブラロールに付いた、遺恨も無く無事終了じゃ。」
 エイダンが話すとエンハルトも話す。

「他国からも既に連絡が届いている所が有ります。」
 エンハルトは紙を広げるとエイダンに渡す。

「・・・ふむ、近隣や他国にある氏族からの連絡じゃな。」
「はい、この国、旧ジャシール国に捕らわれた、もしくは奴隷狩りで連れて来られた可能性がある者達の捜査依頼も有ります。」
「うむ、それは今第三騎士団が進めておる・・・生きておればじゃが。」
 少し声のトーンが落ちたエイダンに千春が問いかける。

「お父様、進めてるって何です?」
「うむ、処分した貴族家を中心に奴隷として使われていた獣人や精霊族を保護、そして国民としての登録を開始したんじゃよ。」
「住民登録的な?」
「的ではなくソレじゃな、ソラの父ショウヘイ殿が詳しくてのぅ、まず一番に進めるのがコレだと言う事らしい。」
「そうなんですね。」
「うむ、それからこの国の主要産業である農業、そこに沢山の奴隷が使われておった、そこにも騎士団を派遣しておる。」
「あぁ~、肉体労働ですもんね、大丈夫かな獣人さん。」
 千春の呟きにエンハルトが微笑みながら答える。

「心配しなくていい、逆に王都で保護した獣人達よりも優遇されていたぞ。」
「そうなの?」
「あぁ、貴族と違い農家の者は家族同然の扱いで働いていたようだ。」
「そうなんだ!・・・よかったぁ。」
 自分の事の様に笑みを浮かべホッとする千春。

「問題は・・・まだ有るがな。」
 含みのある話し方で呟くエンハルト、千春は直ぐに問いかける。

「何?何が問題なの?」
「・・・怪我人や虐待された者も見つかっている。」
「・・・やっぱり。」
「あぁ、今の所命にかかわる程の者は見つかっていないが。」
「・・・手伝う。」
「・・・私も。」
「・・・ウチも。」
「・・・やるよ?マジで。」
「・・・やるでしょ。」
「・・・うん。」
 JK達は真面目な顔でエンハルトを見つめる。

「ハルトおにぃちゃん。」
「どうした?ユラ。」
「ユラもてつだう!」
「私もてつだいます!」
「イーナもてつだうのです!」
 幼女3人は手を繋ぎ千春達と同じ様にエンハルトを見つめる、すると蝙蝠が飛び出しアルデアが現れた。

「はぁ、もう、私も手伝う流れよね。」
 アルデアはそう言いつつも満更でもない顔で微笑んでいた。

「アルデアも聖女になったんだ。」
「イーナが聖女になったら私もなるわよ、同じ魂ですもの。」
「へぇ~知らなかった。」
「言って無いもの、それに私が一番魔力の保有量が多いわ。」
「おぉ~!頼もしい♪」
「チハル!世界樹の泉で水取りに行こう!」
「あ、この前大量に使っちゃったもんね。」
「傷にもよるだろうけど・・・またアイトネ様ブースト掛けてもらった方が良いかな。」
『呼んだ~?』
「呼んでないけど呼びました!」
 日葵はアイトネを見ながら言う。

「アイトネ、またMP底上げお願いしていい?」
『いいわよ~♪』
 アイトネの返事を聞き皆は笑みを浮かべる。

「ハルト!怪我人を何処か集める事出来る?」
「あぁ今教会に集めているからな。」
「教会ね!行っても良いよね?!」
「・・・準備をするから暫くまってくれ。」
「どれくらい?」
「2時間で準備をする。」
「了解!」
 千春は敬礼をしながら答える、そして皆はアイトネに連れられ世界樹の木まで飛んで行った。





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