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年越し蕎麦は美味しいぞ!

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「いただきまぁす!」
「「「「「「いただきまーす!」」」」」」
 千春達は蕎麦を並べ言うとそばを食べ始めた。

「ん~!うみゃ!」
「エビ天でかっ!」
「モチ入りだー。」
「肉うめぇ・・・。」
 頼子達もそばを啜りつつ感想を言う。

「ユラ食べるの上手だね。」
「うん!おかあさまといっしょにらーめん食べてるから♪」
「レンちゃんも上手じゃん?」
「食堂でユラちゃんと一緒にたべてます♪」
「イーナも食べてるのです!」
 おこちゃま組も上手に箸を使いそばを啜る。

「っかぁあ!美味い!」
 ロイロは蕎麦に手を付けず酒を呑んでいた。

「そういえばモートさんは?」
 千春はふとアイトネに問いかける。

『今冥界に行ってるわよ。』
「ありゃ忙しいの?」
『冥界の上層部だもの、それなりに忙しいわよ。』
「へぇ~、こっちの神様やってて大丈夫なの?」
『えぇ、定期的に戻ってるけれど基本こちらに居るし問題無いわよ。』
「モートさんの分も残しておいた方が良いね。」
 そばを食べながら話す千春に宇迦之御魂が声を掛ける。

「千春ちゃん、それじゃそろそろお暇するわね。」
「はい!多分夜に初詣行きますんで!」
「あのカラスが居る神社かしら?」
「はい、近いんで。」
「そう。」
 少しショボンとする宇迦之御魂。

「どうしたんです?」
「どうせなら私の神社に来てくれたら嬉しいかなって。」
「何処にあるんです?」
「京都よ。」
「遠いなぁぁぁ!」
「ルプ、鳥居の道は使える?」
 宇迦之御魂はルプを見ながら問いかける。

「あぁ、俺もビェリーも使えるぞ、コンは使えないのか?」
「コン、あなたにも権限をあげるわね。」
「良いのですか?」
「えぇ、こちらで力を付けたでしょう、もう土地神としても通用するもの。」
 宇迦之御魂はそう言うとコンを撫でる。

「これで鳥居の道を使えるわ。」
 宇迦之御魂はコンを見ながら微笑む。

「近くに稲荷神社作れば早いんじゃない?」
「そんな簡単に作れないでしょ。」
「でもちっちゃな神社とかに狐祀ってる所あるじゃん?」
「あ、見た事あるわ。」
 頼子達が話をしていると宇迦之御魂が思案気に呟く。

「それも有りね。」
「えぇ~ウカさんズルいです!」
「サクヤはこっちに桜があるでしょう。」
「まぁ有りますけどぉ。」
「「・・・。」」
 2柱は桜を見つめる。

「アイちゃん。」
『良いわよ?』
「良いの?」
『えぇ、ここなら門も近いから直通出来るんじゃ無いかしら?』
「管理者のアイちゃんが良しとするなら私も問題無いわ。」
「私も置いて良いかしら?」
「貴女は桜があるでしょう?」
「ずーるーいー。」
「ずるくありませーん。」
 3柱の話を聞いていた千春は首を傾げながら問いかける。

「・・・何の話してるんです?」
「そこに神社作って良いかしら?」
「どこに!?」
「その姫桜の前よ。」
「え?何の神社です!?」
「私よ、わ・た・し♪」
「私も!」
「えぇぇ!?良いの?アイトネ!?」
『問題は無いわよ、複数の星を管理する者も居るし、モートの様に別の管理をしながらこの世界の管理者に加わる者も居るわ。』
「へぇ~・・・アイトネが日本に神社・・・いや、神殿かな、作るのは可能?」
「上位管理者の天照大御神様が了解すれば作れるわよ?」
『私はこちらだけで良いわよ?日本には食事に行ければ満足だし♪』
「って言う事だからそこに神社作って良い?」
「えっとぉ・・・どう思う?」
 千春は頼子に話を振る。

「別に良くね?」
 頼子は美桜を見る。

「何か問題が?」
 美桜は麗奈を見る。

「初詣の話からぶっ飛んだなぁ、でもいんじゃない?ねぇ?」
 麗奈は青空を見る。

「何かしらデメリットとか有ります?」
「無いわよ?初詣が秒で終わるくらいね。」
「んじゃ良いんじゃない?」
 青空は大愛を見る。

「いや・・・初詣もなにも目の前に神様いるんだがな?」
 大愛は日葵を見る。

「なんで願い事言う前に神様の願い事聞いてるのかが不思議でたまらないんですけどね私は。」
 日葵はそう言うと花音を見る。

「・・・もしかして鳥居作ったらそこから日本に移動出来たり?」
「私達は出来るけれど人には無理ね、でも千春の家に置いた鳥居ならルプ達が出来るわよ。」
「でも神社をこっちに作ると。」
「えぇ。」
「その心は?」
 花音はなんとなく分かっていたが宇迦之御魂を見ながら問いかける。

「たまにお供えしてほしいなって・・・餅とか」
「私も♪」
「御稲荷様だからイナリ寿司とかじゃないんですか?」
「・・・イナリ寿司は眷属の好物なのよ、別に私が好きな訳じゃないわよ。」
「私もお餅が良いわ♪」
「そんなにこのお餅良いものなんですか?」
 千春は少し硬くなってきた餅を手にすると問いかける。

「とても良いものよ、世界樹の種で作られた姫桜、木花咲耶姫の眷属桜が集めた魔力、アイちゃんが作った姫桜の杵、聖女のついた餅、偶々でしょうけれど神気が宿っているわ。」
「へぇ~、良いですよ、ウカ様にはお父さん達もお世話になってますし♪」
「ありがとう千春ちゃん!それじゃ作るわね!」
「はい♪」
「アイちゃん制限を少し解除させてもらうわね。」
『どうぞ~♪』
 返事をする千春、ニコッと笑みを返しアイトネに確認を取ると庭に出る宇迦之御魂と木花咲耶姫。

「桜、少し貰うわよ。」
『はーい木花咲耶姫様~♪』
「私は社を、サクヤは鳥居をお願い。」
「はいはーい。」
 2人は目を瞑る、そして手を広げる宇迦之御魂、すると太い桜の木から浮き出る様に小さな神社が現れる、横では木花咲耶姫が同じ様に手を広げ鳥居を作り上げていた。

「すごぉ~い、ちゃんと部屋がある。」
「出来たよ神社。」
「何神社?」
「さぁ?ウカ様の神社なら稲荷神社っしょ?」
「サクヤ様も作ってるじゃん?」
「サクヤ様の加護って安産だったよね。」
「メグ様子供生まれるし有難いじゃん。」
「「「「「「確かに!」」」」」」
 JK達が話をしていると宇迦之御魂は満面の笑みで皆を見る。

「さてと、だれかこの神社の巫女してくれる人~♪」
 小学校の先生が子供達に言うように宇迦之御魂は自分の手を上げながら千春達を見る。

「・・・え”?」
「巫女!?」
「いやいや、巫女って何!?」
「ヨリやれば?お母さん元巫女じゃん。」
「いやいや!それ関係無いからね!?」
「えぇ~巫女って何するの?」
「しらな~い。」
 JK達は宇迦之御魂を見ながら呟く。

『ウカちゃん、この子達私の聖女だからダメー!』
「えぇ~、せっかく作ったのにぃ。」
「ウカさん、あの子は?」
 木花咲耶姫は蕎麦を啜る狐耳の幼女を指差す。

「ユラちゃん!巫女やってみない?」
「みこ?」
「みこって?」
「神殿の神官なのです!イーナは知ってるのです!」
 ユラやイーレン、イーナが話をしていると宇迦之御魂の後ろから声を掛ける者が現れる。

「待て、ユラは俺の所の聖女だぞ。」
 不機嫌そうに話しかけるモート。

「あら、モート君お久しぶり♪」
「何してるんだ・・・はぁ。」
 問いかけながら神社を見るモートは溜息を吐く。

「ちょっとココを見てもらうだけよ、私の眷属でも無いから安心して。」
「そうそう、なんならモートさんの神器を置いても良いのよ?」
「えぇ、私達はちょーっとお餅をお供えしてもらえたら嬉しいだけだから。」
「・・・へぇ、これは中々、欲しがるわけだ。」
 餅を見たモートはそう言うとユラの前に行くとユラに問いかける。

「ユラ、あの神社を管理するか?」
「ユラに出来るの?」
「あぁ特別な事をする必要は無いからな。」
「レンちゃんもいっしょにやっていい?」
「私も?ユラちゃんがやるなら手伝うよ?」
「んー、やる!」
「分かった。」
 モートは微笑み2人の頭を撫でると宇迦之御魂に話しかける。

「俺の神器は置かなくても良い、ユラを巫女にする事を許可しよう。」
「ありがとう♪」
「それじゃ私達はそろそろ日本に戻りましょうか。」
「そうね、そろそろ戻らないと眷属に怒られちゃうわ。」
 宇迦之御魂と木花咲耶姫は皆に挨拶をすると手を振り鳥居に向かって歩く、そして姿を消した。

「アイトネ。」
『えっとね、ほら、ウカちゃんには色々お世話になってるじゃない?チハルのパパさん達とか・・・ね?』
「確かに、そうだな。」
 仕方ないなと思いながらもアイトネを見るモートにユラが声を掛ける。

「モートさま!としこしそばたべます?」
「ん、蕎麦か、作ったのか?」
「おとうさんたちがつくったの!」
「わたしもてつだいました!」
「イーナも手伝ったのです!」
「へぇ、頑張ったんだな、頂こう。」
 機嫌を直したモートはユラ達に連れられテーブルに移動する。

『はぁ・・・怖かった。』
「アイトネが怖がるとか、どんだけ?」
 ケラケラと笑いながら千春が話していると扉が開く。

「おー!食ってるかー!」
「お父さん!おじぃちゃん!」
 別室で宴会を始めたパパさんズが乱入してくる。

「ヨリ!美味いか!」
「美味しいよ、冗談ぬきで。」
「だろう!」
「レナちゃん美味しいか~い。」
「パパ酒臭い!あっち行って!」
「レナちゃぁん!ひどい!」
「ミオ~♪」
「アンチドート!」
「・・・え?あれ?」
 美桜が魔法を掛けるとキョトンとした顔になる啓治。

「アンチドート!」
「アンチドート!」
「アンチドート!」
「おい!やめろ!酔いがさめる!」
「ちょっと!ゴメンって!まってソラ!」
「千春!今はかけないで!」
 聖女軍団は入って来たパパさんズ&爺様にアンチドートを掛けまくる。

「うわぁ・・・酔いがさめた。」
「いや、イサム、前向きに考えるんだ。」
「なんだ?」
「もう一回酔える。」
「・・・だな!ルプ君!ビェリー!あっちで呑むぞ!」
「おう!いくか!」
「いくばい!」
「僕も御相伴にお預かりいたします!」
「うっきぃ!」
「儂も行くかのう~♪」
 のんびり飲んでいたペット達は立ち上がるとパパさんズを連れ部屋を出て行った。

「ダメな親だ。」
「いや、ウチのお父さんいつもあんなんだよ。」
「私の所も呑みに行ったらあんなもんだね。」
「後でまた魔法掛けに行くか。」
「イイネ。」
 悪戯を考えながらニヤニヤと笑みを浮かべる千春達、そして年越しまでのんびりと遊びながら過ごした。




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