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クリパの始まりだ!

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「いらっしゃいませぇ~♪」
 頼子はアリンハンドに声を掛けると手を引く。

「お招きいただき有難うございます。」
「他人行儀だなぁ。」
 ヨリはクスクスと笑いながら男性陣の所へ連れていく。

「チハル王女殿下、食事をお持ちしても宜しいでしょうか?」
 執事が声を掛けて来る。

「はい!お願いしまーす♪」
 返事をするとニッコリと微笑み執事は退室する。

「それじゃプレゼント交換しまーす!」
 頼子は手を上げながら皆に言うと、美桜が折った紙を取り出す。

「よっしゃ、あみだくじの順番くじ引いてね。」
「くじのくじって。」
「公平感あるっしょ。」
 皆は折りたたまれた紙を取り開く。

「3!」
「2~♪」
「5~。」
 それぞれがあみだくじに名前を書き込む。

「それでは!下にある番号のプレゼントを取ってくださーい。」
 頼子はそう言うと皆はプレゼントを手に取る。

「手袋だー!」
 千春は袋を開けると嬉しそうに皆に見せる。

「あ、それうちのだ。」
 大愛は千春にそう言いながら自分の箱を開ける。

「スノードーム!」
「あ、それ私。」
 麗奈は大愛に言う。

「ウチのコレ・・・何?」
「それわたし~、海苔の詰め合わせ、美味しいんだってそれ。」
 青空は美桜に言いながら自分のプレゼントを開ける。

「おぉ~Tシャツだ・・・なんだこれ。」
 青空はTシャツを広げると、わさびとプリントされた絵を見せる。

「可愛いっしょ。」
 花音はニッコリ微笑む。

「何処に来ていくのコレ!?」
「家着用だよ!流石に外で着れないっしょ。」
「いや、今度カノンと遊ぶとき着て行くわ。」
「・・・良いよ、私はカラシのTシャツ着て行くから。」
「なにその調味料シリーズ。」
 青空は呆れながら呟く、そして花音もプレゼントを開ける。

「うわぁお!」
 花音の箱には猫のイラストが描かれたマグカップが入っていた。

「取っ手が尻尾!」
「あ、それわたしー。」
 千春が手を上げながら言う、それぞれがプレゼントを受け取るとキャッキャと騒ぎ始める。

「チハル、俺達もプレゼントが有るんだが。」
「え?マジで?」
「あぁ。」
 エンハルトはそう言うと袋を千春に渡す。

「・・・わお!リボンだ!」
「いつも髪を後ろで縛ってるだろ?」
「うん、ありがと!ハルト!私からはコレ!」
 千春は頑張って作ったハンドタオルをエンハルトに渡す。

「・・・名前、書けたのか?」
「覚えた!」
 エンハルトの名前とジブラロールの国旗が刺繍されたハンドタオルを手に取るエンハルトは千春の手を取りキスをする。

「ちょー!みんなの前で!」
「今更だろ?」
 してやったりな感じを出しながらも嬉しそうにエンハルトは答える。

「はーいエーデルさん。」
 美桜も袋をエーデルに渡す。

「本当は夏っぽいのが良いんだろうけど・・・マフラー編んだの。」
「手作りですか!?」
「うん。」
「・・・家宝にします。」
「いや!使ってね!?」
「ミオさん、これを。」
 エーデルは箱を2つ美桜に渡す。

「2つ?」
「1つは母からです。」
「リュトリュイーズ様から!?」
「はい。」
 美桜は箱を開けると1つはシンプルだが細かな模様の付いたブレスレット、そしてもう1つは瀟洒だがドレスにも合う綺麗なネックレスだった。

「・・・ありがと!」
 エーデルに抱き着く美桜。

「はいアリンさん。」
「これは・・・凄いですね。」
 千春と同じくハンドタオルだが、アリンハンドの名前と魔導士団の軍旗が刺繍された物だ。

「ヨリさんこれを。」
「なにー?」
 箱を受け取るとパカッと開ける頼子。

「・・・!?」
 指輪とアリンハンドを何度も見る頼子。

「受け取っていただけますか?」
「・・・あたりまえぢゃん!!!!」
 目に涙を浮かべながらアリンハンドに抱き着く頼子。

「ソラさんこれを。」
「はい?!」
 プレゼントを渡すつもりだったが、まさか貰えると思っていなかった青空は声をうわずらせながら答えプレゼントを受け取る。

「髪飾りだ。」
「はい、リヴィル領に居るドワーフに作って頂きました。」
「・・・すてるさん・・・これ・・・。」
 青空はミカと一緒に苦労しながらも作り上げたガラスペンを渡す。

「これペンです。」
「これが?」
「はい・・・。」
「有難うございます。」
 ステルは満面の笑みでお礼を言うと手の甲にキスをする。

「トラディさん、はい!」
 大愛は箱をトラディに渡す。

「これは?」
「ベルトです、地竜の革で作ったので軍のお仕事で使っても大丈夫ですよ!」
 微笑みながら説明する大愛にトラディは袋を渡す。

「え?トラディさんも?」
「はい。」
「・・・スカーフだ、2つある。」
「ゼルさんとお揃いで準備しました。」
「ゼルの?」
 大愛に名前を呼ばれペット軍団と一緒に寛いでいた小さなドラゴンゼルが近寄る。

「なんだ?」
「はいゼル、首にこれ付けて良い?」
「いいぞ?」
 大愛はゼルにスカーフを付けると自分にもスカーフを付ける。

「ありがとうございます!トラディさん!」
「トラディ、ありがとう。」
 2人はトラディにお礼を言うとトラディもこちらこそと嬉しそうに答えた。

「カノンさん、これを。」
「・・・なんで皆さんプレゼント交換の事知ってるんです?」
「エンハルト王子殿下に聞きました。」
「あ~、そう言う事かぁ。」
 花音は納得しながらバジェスから箱を受け取る。

「指輪・・・真珠?」
「はい、黒い真珠です。」
「うわぁすごいなぁこんな真珠あるんだ。」
「ハース領に居る人魚達が見つけてくれたんです、彼女達曰く珍しい物だと。」
「・・・ありがとうございます、あ、バジェスさんコレ!」
 押し付ける様に花音はプレゼントを渡す。

「私不器用だから・・・ごめんね?」
 花音は申し訳なさそうに言うがバジェスはプレゼントを見て笑みを零す。

「これは?」
「ミサンガって言うの、コレが自然に切れたら願い事が叶うの。」
「この石は?」
 ミサンガにつけられた石を見る。

「それは水晶だよ、厄除けって言って・・・悪い事を避けてくれるお守りみたいな感じ。」
「ありがとうございます。」
「いえ!たいしたものじゃないので!」
「いや・・・こんな心のこもったプレゼントを貰うのは初めてなので、とても嬉しいです。」
 本当に嬉しそうなバジェスは花音の手を取り手の甲にキスをした。

「みんなサプライズすぎぃ~。」
 麗奈は他人事のように話しながらホーキンをチラッと見る。

「はい、ホーキンさん。」
 麗奈はホーキンに箱を渡すとホーキンは箱を開ける。

「・・・指輪ですか。」
「はい・・・あのぉ手作りしてみました。」
 指輪は2つ入っていた、1つは大きいホーキン用、そして1つは・・・。

「指輪は男性が贈る物かと思っていました。」
「どっちでもいいんじゃぁ~ないかなぁ~?」
 シンプルな指輪を手に取るホーキンは左手の薬指に指輪を嵌めるともう1つの指輪を手に取り微笑む。

「宜しいですか?」
「・・・はい。」
 顔を真っ赤にしながら麗奈は左手を差し出すとホーキンは薬指に指輪を嵌める。

「んふふ♪」
「自分からはこれを、あと母からこちらを。」
「わぁ!可愛い!」
 ガラスの動物を見ると喜ぶ麗奈、そしてもう1つの箱を開けると。

「・・・ラニア様からだ!」
「はい、先日お渡し出来なかったと言う事で。」
「えー、また今度行ったときでよかったのにぃ。」
 パカッとロケットを開けるとプリクラが見え、麗奈は微笑む。

「今度・・・家族全員で写真撮ってくれますか?」
「しゃしんですか?」
「うん!ブレンダー家の皆で写真撮ってこれに入れる!」
 ロケットを握りしめながら麗奈は言うとホーキンに抱き着いた。

「レナ・・・積極的だなぁ。」
 日葵はそう呟くとハチェットを見る。

「もしかしてハチェットさんも聞いてたり?」
「はい、準備してますよ。」
「マジかー。」
 苦笑いしながら日葵はハチェットにプレゼントを渡す。

「凄い。」
「ちょっと頑張りました。」
 ハチェットは細かい細工をされた刺繍を見て驚く、そしてブルーワグの紋章を見ながら微笑む。

「ヒマリ、これを。」
「・・・有難うございます。」
 箱を渡され開ける日葵。

「げ!」
 日葵は見た事のある宝石を目にして声を上げる。

「お?ヒマリ何貰ったの?」
 声に反応して千春がのぞき込む。

「おぉ・・・妖精の涙だ。」
「だよねぇ!?ハチェットさんどうしたのコレ!?」
「シュシュとルペタがヒマリにと・・・それをネックレスにしました。」
「うわぁ~こんなに綺麗になるんだね妖精の涙って。」
 綺麗に磨かれ加工された妖精の涙は美しく光り、金属で編みこまれたチェーンは煌びやかな輝きを発していた。

「ありがとうございます・・・コレ何処につけて行くの?」
 豪華なネックレスを手に取り日葵は落ち着きなく皆を見る。

「いつもつけてたら?」
「ドレスに合いそうじゃん。」
「王妃になるんだし、普段付けで良いんじゃん?」
 JK達はなにげに見慣れた妖精の涙を見ながら他人事の様に話す。

「チハル王女殿下、食事のご準備が整いました。」
「はーい!お願いしまーす!」
「さ!みんなパーティーの始まりだよー!」
「準備が終わるまでみんな外でてー!」
「え!?もしかして今日も!?」
「うん!ね!アリンさん!」
「はい、それでは。」
 アリンハンドは頷くと魔道具で連絡をする、そして皆は外に出ると一筋の光が夜空へ向かう、そして次々と打ち上がる花火を皆はそれぞれの相方と手を繋ぎながら見つめた。


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「良いわね~若い子は。」
「アルデア様も若いですよ。」
「ユーリン・・・私も彼氏欲しい。」
 アルデアはニコニコと、ユーリンは暢気に、シャルルは羨ましそうに呟きJK達を生暖かい目で見ていた。

「アルは若くないですっ!」
「イーナちゃん、アルおねえちゃんわかいよ?」
「見た目だけなのですっ!・・・んぎゃー!いたいいたい!若いですぅ!」
「イーナ、あなたユラと同じ見た目だけれど、あなたも1000歳超えてるのよ?」
「・・・イーナもわかくなかったですぅ。」
 ドラゴンハンドのアイアンクローから解放されたイーナは項垂れ、ユラにヨシヨシと頭を撫でられた。





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