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フルール、カレーを食す!
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「チハルさーん!ご飯もらってきましたー!」
モリアンが元気よく部屋に入って来る。
「さんきゅー!流石にご飯炊くコンロたんないから助かった・・・あれ?」
千春は厨房から顔を出しお礼を言うと、モリアンの後ろからご飯を運ぶ料理人とルノアーが居た。
「どうしたの?ルノアーさん。」
「新しいカレーを作ってるって聞いたから、どんなカレーを作ってるんです?」
「ココナッツカレーだよ。」
「へぇ・・・ココナッツて?」
「南・・・こっちだと北か、メラディオ国とかクアータスで採れる木の実だね。」
「こっちで作っているカレーとは違うんだな。」
「うん、こっちで作ってるカレーは日本の大衆食って感じ、今作ってるのは・・・何処のカレーだろ。」
千春は首を傾げながら頼子を見る。
「へ?知らないけど。」
「ミオは?」
「ふぇ?知らないよ?」
「私も知らなーい。」
「エスニックじゃない?」
「いや、ソラそれ国じゃない。」
「南国じゃん?」
「ソレも違うよヒマリ。」
JK達は良く分からずレシピを見ながら作っていたが、国名は見てなかった。
「ネパールとかインドじゃないの?」
鍋を混ぜながら答える陽菜。
「ねーちゃんそう言えば海外行ってたね。」
「ネパールは行ったね。」
「インドもサラサラのカレーだねー。」
「ヒマねーちゃん海外行ってるんだ、すげー。」
「凄く無いよ、見分広げる為に旅行してるだけだから。」
「流石小説家。」
「何が流石なのか分からないけど旅行は楽しいよ。」
「異世界は?」
「めっっっちゃ楽しい!」
陽菜はニッコニコで答える。
「それで、そのココナッツカレーを作ってるのか、ジブラロールでも作れるのかい?」
「うん、ココナッツ無くても作れるし、でも個人的には今ジブラロールで作ってるカレーの方が好き。」
「好みの問題だよねー。」
いくつかの鍋に入ったカレーを見ながら頼子が呟く。
「チハル、ナンも焼けたよ。」
「サフィーに収納してもらってー。」
「リョ!」
美桜は焼いたナンをアイテムボックスに入れてもらう。
「ユラ様のクッキーも焼きあがりました。」
サリナがオーブンからクッキーを取り出す。
「それは粗熱取って保管してー。」
「はい、了解しました。」
サリナはそう言うとクッキーをオーブンから取り出す。
「あとチハルさんコレも出来たが、味見してもらっても良いかい?」
ルノアーが小ぶりな入れ物を見せる、千春は蓋を開ける。
「おぉー!福神漬け出来たんだ!」
「多分レシピ通り作ったから大丈夫だとは思うんだが。」
千春は菜箸で福神漬けをひとかけらつまむと口に入れる。
「ん!」
グッジョブ!と言わんばかりにサムズアップする千春。
「千春材料あったの?」
「んにゃー無かったからクズ野菜を適当に入れてもらったの。」
「へぇ~、美味しそう。」
「美味しいよ、カレーに合いそう。」
「チハル!ラッキョウは?!」
「ミオ、ごめん、ラッキョウは無いよ。」
「・・・ラッキョウが食べたい。」
「買って来れば?」
「・・・うん、ラッキョウの口になったから買って来る。」
千春は美桜を日本に送る。
「ラッキョウってのは出入りする商人にも聞いたが、知ってる者は居なかったんだよな。」
「似たような物でも良いんだけど、まぁ福神漬け有ればいいじゃん?」
ルノアーと千春は話ながら、ココナッツカレーの作り方を説明し、ルノアーはしっかりメモを書き込んだ。
----------------
「良い匂いじゃなぁ。」
「お父様いらっしゃいませ!」
「おぉ、元気じゃな、どうじゃった?」
「はい、メラディオもクアータスも滞りなく!」
「チハルのその言葉は怖く感じるのぅ。」
エイダンはそう呟き苦笑いする、そしてソファーから立ち上がるフルールを見る。
「めらでぃお国からきまひた!フルールでございまふ!」
緊張しているのかカミカミで挨拶をするフルール。
「エイダン・アル・ジブラロールじゃ、この国の王をしておる、よろしくな。」
ニッコリ微笑むエイダンにマルグリットが声を掛ける。
「エイダン、フルールちゃんが委縮してるじゃない。」
「・・・儂何もして無いじゃろ。」
「見た目が怖いのよ。」
「それは仕方ないじゃろ!?」
「おとうさまかっこいいです!」
「ユラはかわいいのぅ。」
ニッコリ微笑みユラを撫でるエイダン。
「それで?メラディオ国の進捗はどうなんじゃ?」
「フルールちゃんが女王陛下になるらしいわ。」
「ほう、それはそれで何かしら面倒が有るじゃろうなぁ。」
「そうね、未婚の女王ですもの。」
「クアータスの方は?」
エイダンは続けて問いかけるとマルグリットがフルールを見る。
「はい、騎士団長のレスク・エントス様が聖女チハル様より英雄王になるようにと指示を。」
「ふむ、問題はないのじゃな?」
「はい、女神アイトネ様が見定めております。」
「問題無いようじゃな。」
そう言うとエイダンはエンハルトを見る。
「はい、問題ありません、後日レスク卿の戴冠、そしてムーサ・アシカ嬢との婚姻の儀に出席致します。」
「分かった、フルール女王よ友好条約に関しては問題無い、それから飛空艇を一隻そちらへ飛ばす様にしよう、貿易も必要じゃろ?」
「はい!是非とも!・・・飛空艇?」
「うむ、ジブラロール王国から空を飛ぶ船、飛空艇を貿易船として動かしておる、本来は他国用じゃったが・・・飛行島があるのでな、今は領内でしか使用しておらぬのだ。」
「・・・はい?」
「その件は後日見てもらえば分かるじゃろ。」
「そうですね、フルールちゃん先程話をした美容品の事もありますから後でお話しましょうか♪」
マルグリットは楽し気に話しかけると、フルールもウンウンと頷く。
「はーい!難しいお話おわりましたー?」
千春はそう言うとお皿を並べて行く。
「聖女様!私もお手伝い致します!」
「フルールちゃんはお客様だから座っててー♪」
「しかし!」
横では当たり前の様に動くJK達と侍女達。
「フルール、ここではあまり身分は気にしない方が良いぞ。」
エンハルトはクスクスと笑いながらフルールに言う。
「そうそう気にしたら負けー。」
ケラケラと笑いながら千春は厨房へ消えて行った。
「大丈夫じゃ、そのうち慣れるじゃろ。」
「そうね、フルールちゃんメラディオが落ち着いたら数日泊りに来たらどうかしら?」
「え?お泊りですか?」
「楽しいわよ?」
「楽しいで済むかのぅ、帰らなくなったら困るぞ?」
「その可能性も有るわね、チハルのごはん食べたら尚更よね。」
エイダンとマルグリットは仲良く並んで座る。
「はい!ご飯とナンどっちでもお好きな方をどうぞ~♪」
「おぉ、カレーか、いつものカレーと色が違うのぅ。」
「はい!メラディオで買ったココナッツを使ったカレーです、デザートもメラディオの食材使ってまーす!」
「それは楽しみじゃ、飛空艇で貿易すればジブラロールでも食べれるのぅ。」
「あ、貿易の話もしたんです?」
「さわりだけじゃがな、ほぼ確定じゃろ。」
千春に軽く説明するエイダン、そしてカレーが侍女により並べられる。
「・・・美味しそうです、凄い良い香り!」
フルールは器に入った数種類のカレーを見て呟く。
「それじゃいただきましょー!」
「「「「「「いただきまーす!」」」」」」
「いただきます・・・。」
皆の真似をし挨拶をするとスプーンでカレーを口に入れる。
「!?」
「うむ、これは甘口じゃが香辛料の辛味がなんとも、美味いのぅ!」
「美味しいわねぇ、ナンにつけて食べても美味しい♪」
「チハルおねぇちゃんこのかれーあまい♪」
「それミオとユラ用の甘口だよー♪」
皆は満足そうにココナッツカレーを口にする。
「・・・。」
「どう?フルールちゃん。」
「ジブラロールに住みます。」
「は?」
「これは女王をやるよりも大事な事だと思うんです!」
「いやいや、ダメだよ?」
「・・・ダメですか。」
「あっちで作れば良いじゃん、レシピはルノアーさんが書いてたから。」
千春はそう言うと、別テーブルでご相伴にあずかっているルノアーを見る。
「大丈夫だ、この料理のレシピもフリーなんだろ?」
「もち!」
「後で清書しておこう。」
「ありがとうございます!!!!!!」
「ほら、フルールちゃん冷める前に食べてね。」
「はいっ!!!!!!」
満足そうにココナッツカレーを食べるフルール、そして護衛のはずのマトラも満足そうにカレーを味わった。
モリアンが元気よく部屋に入って来る。
「さんきゅー!流石にご飯炊くコンロたんないから助かった・・・あれ?」
千春は厨房から顔を出しお礼を言うと、モリアンの後ろからご飯を運ぶ料理人とルノアーが居た。
「どうしたの?ルノアーさん。」
「新しいカレーを作ってるって聞いたから、どんなカレーを作ってるんです?」
「ココナッツカレーだよ。」
「へぇ・・・ココナッツて?」
「南・・・こっちだと北か、メラディオ国とかクアータスで採れる木の実だね。」
「こっちで作っているカレーとは違うんだな。」
「うん、こっちで作ってるカレーは日本の大衆食って感じ、今作ってるのは・・・何処のカレーだろ。」
千春は首を傾げながら頼子を見る。
「へ?知らないけど。」
「ミオは?」
「ふぇ?知らないよ?」
「私も知らなーい。」
「エスニックじゃない?」
「いや、ソラそれ国じゃない。」
「南国じゃん?」
「ソレも違うよヒマリ。」
JK達は良く分からずレシピを見ながら作っていたが、国名は見てなかった。
「ネパールとかインドじゃないの?」
鍋を混ぜながら答える陽菜。
「ねーちゃんそう言えば海外行ってたね。」
「ネパールは行ったね。」
「インドもサラサラのカレーだねー。」
「ヒマねーちゃん海外行ってるんだ、すげー。」
「凄く無いよ、見分広げる為に旅行してるだけだから。」
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「異世界は?」
「めっっっちゃ楽しい!」
陽菜はニッコニコで答える。
「それで、そのココナッツカレーを作ってるのか、ジブラロールでも作れるのかい?」
「うん、ココナッツ無くても作れるし、でも個人的には今ジブラロールで作ってるカレーの方が好き。」
「好みの問題だよねー。」
いくつかの鍋に入ったカレーを見ながら頼子が呟く。
「チハル、ナンも焼けたよ。」
「サフィーに収納してもらってー。」
「リョ!」
美桜は焼いたナンをアイテムボックスに入れてもらう。
「ユラ様のクッキーも焼きあがりました。」
サリナがオーブンからクッキーを取り出す。
「それは粗熱取って保管してー。」
「はい、了解しました。」
サリナはそう言うとクッキーをオーブンから取り出す。
「あとチハルさんコレも出来たが、味見してもらっても良いかい?」
ルノアーが小ぶりな入れ物を見せる、千春は蓋を開ける。
「おぉー!福神漬け出来たんだ!」
「多分レシピ通り作ったから大丈夫だとは思うんだが。」
千春は菜箸で福神漬けをひとかけらつまむと口に入れる。
「ん!」
グッジョブ!と言わんばかりにサムズアップする千春。
「千春材料あったの?」
「んにゃー無かったからクズ野菜を適当に入れてもらったの。」
「へぇ~、美味しそう。」
「美味しいよ、カレーに合いそう。」
「チハル!ラッキョウは?!」
「ミオ、ごめん、ラッキョウは無いよ。」
「・・・ラッキョウが食べたい。」
「買って来れば?」
「・・・うん、ラッキョウの口になったから買って来る。」
千春は美桜を日本に送る。
「ラッキョウってのは出入りする商人にも聞いたが、知ってる者は居なかったんだよな。」
「似たような物でも良いんだけど、まぁ福神漬け有ればいいじゃん?」
ルノアーと千春は話ながら、ココナッツカレーの作り方を説明し、ルノアーはしっかりメモを書き込んだ。
----------------
「良い匂いじゃなぁ。」
「お父様いらっしゃいませ!」
「おぉ、元気じゃな、どうじゃった?」
「はい、メラディオもクアータスも滞りなく!」
「チハルのその言葉は怖く感じるのぅ。」
エイダンはそう呟き苦笑いする、そしてソファーから立ち上がるフルールを見る。
「めらでぃお国からきまひた!フルールでございまふ!」
緊張しているのかカミカミで挨拶をするフルール。
「エイダン・アル・ジブラロールじゃ、この国の王をしておる、よろしくな。」
ニッコリ微笑むエイダンにマルグリットが声を掛ける。
「エイダン、フルールちゃんが委縮してるじゃない。」
「・・・儂何もして無いじゃろ。」
「見た目が怖いのよ。」
「それは仕方ないじゃろ!?」
「おとうさまかっこいいです!」
「ユラはかわいいのぅ。」
ニッコリ微笑みユラを撫でるエイダン。
「それで?メラディオ国の進捗はどうなんじゃ?」
「フルールちゃんが女王陛下になるらしいわ。」
「ほう、それはそれで何かしら面倒が有るじゃろうなぁ。」
「そうね、未婚の女王ですもの。」
「クアータスの方は?」
エイダンは続けて問いかけるとマルグリットがフルールを見る。
「はい、騎士団長のレスク・エントス様が聖女チハル様より英雄王になるようにと指示を。」
「ふむ、問題はないのじゃな?」
「はい、女神アイトネ様が見定めております。」
「問題無いようじゃな。」
そう言うとエイダンはエンハルトを見る。
「はい、問題ありません、後日レスク卿の戴冠、そしてムーサ・アシカ嬢との婚姻の儀に出席致します。」
「分かった、フルール女王よ友好条約に関しては問題無い、それから飛空艇を一隻そちらへ飛ばす様にしよう、貿易も必要じゃろ?」
「はい!是非とも!・・・飛空艇?」
「うむ、ジブラロール王国から空を飛ぶ船、飛空艇を貿易船として動かしておる、本来は他国用じゃったが・・・飛行島があるのでな、今は領内でしか使用しておらぬのだ。」
「・・・はい?」
「その件は後日見てもらえば分かるじゃろ。」
「そうですね、フルールちゃん先程話をした美容品の事もありますから後でお話しましょうか♪」
マルグリットは楽し気に話しかけると、フルールもウンウンと頷く。
「はーい!難しいお話おわりましたー?」
千春はそう言うとお皿を並べて行く。
「聖女様!私もお手伝い致します!」
「フルールちゃんはお客様だから座っててー♪」
「しかし!」
横では当たり前の様に動くJK達と侍女達。
「フルール、ここではあまり身分は気にしない方が良いぞ。」
エンハルトはクスクスと笑いながらフルールに言う。
「そうそう気にしたら負けー。」
ケラケラと笑いながら千春は厨房へ消えて行った。
「大丈夫じゃ、そのうち慣れるじゃろ。」
「そうね、フルールちゃんメラディオが落ち着いたら数日泊りに来たらどうかしら?」
「え?お泊りですか?」
「楽しいわよ?」
「楽しいで済むかのぅ、帰らなくなったら困るぞ?」
「その可能性も有るわね、チハルのごはん食べたら尚更よね。」
エイダンとマルグリットは仲良く並んで座る。
「はい!ご飯とナンどっちでもお好きな方をどうぞ~♪」
「おぉ、カレーか、いつものカレーと色が違うのぅ。」
「はい!メラディオで買ったココナッツを使ったカレーです、デザートもメラディオの食材使ってまーす!」
「それは楽しみじゃ、飛空艇で貿易すればジブラロールでも食べれるのぅ。」
「あ、貿易の話もしたんです?」
「さわりだけじゃがな、ほぼ確定じゃろ。」
千春に軽く説明するエイダン、そしてカレーが侍女により並べられる。
「・・・美味しそうです、凄い良い香り!」
フルールは器に入った数種類のカレーを見て呟く。
「それじゃいただきましょー!」
「「「「「「いただきまーす!」」」」」」
「いただきます・・・。」
皆の真似をし挨拶をするとスプーンでカレーを口に入れる。
「!?」
「うむ、これは甘口じゃが香辛料の辛味がなんとも、美味いのぅ!」
「美味しいわねぇ、ナンにつけて食べても美味しい♪」
「チハルおねぇちゃんこのかれーあまい♪」
「それミオとユラ用の甘口だよー♪」
皆は満足そうにココナッツカレーを口にする。
「・・・。」
「どう?フルールちゃん。」
「ジブラロールに住みます。」
「は?」
「これは女王をやるよりも大事な事だと思うんです!」
「いやいや、ダメだよ?」
「・・・ダメですか。」
「あっちで作れば良いじゃん、レシピはルノアーさんが書いてたから。」
千春はそう言うと、別テーブルでご相伴にあずかっているルノアーを見る。
「大丈夫だ、この料理のレシピもフリーなんだろ?」
「もち!」
「後で清書しておこう。」
「ありがとうございます!!!!!!」
「ほら、フルールちゃん冷める前に食べてね。」
「はいっ!!!!!!」
満足そうにココナッツカレーを食べるフルール、そして護衛のはずのマトラも満足そうにカレーを味わった。
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