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メラディオ王都を探索だだだ!

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「おぉー異国情緒だねぇ~。」
「やっぱり南国っぽい感あるね。」
 千春と頼子は箒から降りると街を見ながら話す。

「チハル、南国と何度も言ってるが・・・北だぞ?」
「あー、北国・・・寒いイメージしか沸かない。」
「日本のイメージだとそうなるよね~。」
 ロイロとレフト、ライトも人型になると周りを見渡す、周りには人が遠巻きで見ている。

「見られてるねぇ。」
「見るに決まってるだろ、ドラゴンだぞ?」
「城襲ったドラゴンだもんねぇ~。」
「もう既に噂も広がってるだろう、戻った兵以外の軍は全滅した事もな。」
「うっ・・・まぁそうだよねぇ。」
「儂らは戻った方が良いかのぅ。」
「そうされますか?」
 ロイロにレフトが問いかけると千春が声を掛ける。

「いや、これから変えて行かないとダメだもん!」
「そうそう!前向きに考えて行かないとね。」
 千春と頼子が言うと麗奈や美桜も頷き話す。

「そもそも喧嘩売って来たのは王様でしょ?」
「そうだよ、それにお城吹っ飛ばしたのってアイトネ様でしょ?」
『よんだー?』
「ぎゃぁぁあ!!!呼んでないですぅぅ!!!」
 美桜は叫ぶ。

「あと何回だっけ?(ボソッ)」
「あと二回じゃん?(ボソッ)」
「次確定だなぁ。(ボソッ)」
 青空、大愛、日葵はコソコソと話す。

「ヒマリ、街の人が跪いてるよ?」
 街の店を遠巻きにチェックしていた日葵の姉、陽菜が声を掛ける。

「あー、流石に神様居たら何も言わないよね。」
「皆アイトネ様知ってんだ。」
「そりゃ知ってるんじゃない?城吹っ飛ばした本人だもん、目撃されてるっしょ。」
 ドラゴンが城を襲い、人の目が集まる所でアイトネが城を消し飛ばした、その姿は皆の目に焼き付いていた。

「ありがと、アイトネ。」
『いいのよ~♪後で美味しいご飯作るんでしょ?』
「あ~、晩御飯こっちで作るかぁ、ロイロとママドラのお礼も終わってないからね。」
 千春はそう言うとアイトネは手を振り姿を消した。

「・・・しゃーない、今のはしゃーない・・・でもノーカンにしてほしかった。」
 美桜はがっくり項垂れるが、エーデルはニッコリ微笑み美桜の手を取る。

「ミオさん、聖女になっても何も変わりませんよ。」
「そうかなぁ。」
「えぇ。」
 微笑むエーデルはエンハルトを見ると、エンハルトも頷く。

「聖女代表が概ね面倒事を引き寄せるだけだからな、それに今の所ヨリやソラが聖女になって問題は起きてないだろう?」
「あ~・・・そう言えば・・・そうかな?」
 思い出す様に呟く美桜、しかし1人不機嫌になる者が居た。

「はるとぉ・・・聖女代表ってなにー、それに面倒事が勝手にやって来るんだよぉ?」
「あぁ分かってるよ、だから言ったろ?『引き寄せる』ってな。」
 ケラケラと笑いながらエンハルトは答えると皆に言う。

「ほら、街を見るんだろう?」
「あ!そうだったわ!」
「よし!気をとりなしていきますかぁ!」
 思い出す千春に元気を出す美桜は歩き始めると皆も笑いながら後をついて行った。


-----------------


「南国フルーツに香辛料!凄いねー!」
 千春は店を見て回りながら大量の食材を買っていた。

「胡椒も高いですがジブラロールよりも全然安いですね。」
 千春の侍女で庶民出身のサリナは胡椒を見ながら呟く、声は平然としているがかなり驚いているようだ。

「うん、コレ、カレー作れるわ。」
 千春は並ぶ香辛料を調べながら呟く。

「おじさん、カレーってわかります?」
「いや・・・知りませんな。」
「やっぱり通じないって事は無いのかー。」
 フムフムと頷きながら千春はいくつかの香辛料を手に取る。

「チハル、こっちコーヒー売ってるよー。」
「おー?こっちもコーヒー売ってるんだ、やっぱりクアータスと似てるね。」
 青空はお茶屋さんで品を物色すると紅茶やウーロン茶を見つける。

「おー!お茶ー!」
「コレ・・・クアータス行かなくてよくね?」
「いやいや!レスクさんの戴冠式と結婚式あるからね!?」
 千春がポツリと呟くと日葵が突っ込む。

「冗談だよぉ、でもお茶の味比べも楽しそう、どっちが美味しいんだろう。」
「そこはサフィーちゃんに試してもらおうよ。」
「そうだね。」
 サフィーナは熱心にお茶の葉を見ては店員と話し購入していた。

「千春!ほれ!」
 頼子は自分の頭ほどある実を掲げながらドヤ顔で見せる。

「ココナーッツ!」
「ココナッツって何が出来るんだっけ!?」
「・・・くっきー?」
「クッキーかー。」
 何故か残念そうにする頼子。

「あ!さっき私が買った香辛料でココナツカレー作れるよ。」
「カレー良いね!」
 頼子が言うと美桜が物凄い反応をする。

「カレー!!!」
「ミオカレー好きだよねー。」
「カレーは良い物だ!」
「前も言ってたねソレ。」
「カレー好きなくせに辛口は嫌いって言うね。」
 クスクスと笑いながら言う麗奈、麗奈は勿論辛口派だ。

「よし、カレー作るか。」
「コーヒー入れる?」
「入れないよ!?」
「えー隠し味・・・。」
「前も言ったけど、カレーに入れて美味しいならカレーメーカーさんが最初から入れてるって。」
 呆れた様に千春は言葉を返すと、他のお店も物色する。

「聖女チハル様、こちらからは衣料品が多くなります。」
「おぉー!見て良い!?」
「はい、どうぞ。」
「あ、あと聖女って言わなくて良いから!」
「しかし!」
「お願いヤメテクダサイ・・・。」
「はっ。」
 頭を下げるマトラ。

「さ!みんな行こうか!・・・ハルトどうしたの?」
 苦笑いしているエンハルトを見て千春が問いかける。

「いや、日が暮れる前に戻るからな?」
「えーそんなに遅くまで見ないよぉ~。」
「そうだよハルトさん、そこまで時間かかんないよー。」
「ほら!行こうチハル!」
「待ってミオ!」
「ヨリ!いくよー!」
「うぇぇぃ!まてぇい!」
 元気に走り回るJK軍団、残されたエンハルト、エーデル、ホーキンは苦笑いのまま見送る。

「さて、俺達はちょっとお茶でも飲みながらゆっくり待つか。」
「そうですな。」
「良いのですか?」
「ホーキン、一緒に行っても良いぞ?」
「私は遠慮しておきましょう、護衛は付いておりますので。」
 普通じゃない侍女達や妖精達、そしてアルデアも一緒にチハル達と行動しているのを見ながら男達はのんびりと時間を過ごした・・・それはそれは長い時間を。






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