631 / 744
閑話休題:シュー!
しおりを挟む
「・・・どう?」
「はい、綺麗に膨らんでますね。」
「はぁぁぁ!やっと出来たぁ!」
オーブンをのぞき込むシャリーと料理人は嬉しそうに話す。
「それじゃヨール、クリームの準備、グラはホイップクリームをお願い、私はこっちの・・・。」
シャリーはそう言うと冷凍庫からアイスクリームを取り出す。
「やっと手に入れたバニラビーンズのあいすくりーむ!」
「美味しいですよねソレ。」
「うん、チハルちゃんが『氷魔法はズルい!』って言ってたの笑っちゃったけど。」
シャリーはそう言うとアイスクリームを取り出し緩く混ぜ合わせる。
「焼き色もつきましたね、取り出します?」
「うん、取り出して。」
ヨールはオーブンの蓋を開けシューを取り出す。
「それじゃこっちの天板はかすたーど、そっちはホイップクリームね。」
「はーい、冷やしますねー。」
グラは氷魔法を使いシューの周りを冷やし粗熱を取っていく。
「こっちは何ですか?」
ヨールは瓶を見ながら問いかける。
「あ、それ妖精ちゃんが持ってきてくれたココアだよ。」
「これ混ぜます?」
「うん、うまくいったら別のアレンジも作るから、ホイップクリームは多めでも良いかも。」
天板に乗ったシューを1つ手に取り横に切り込みを入れるシャリー。
「おぉ~綺麗に中空洞!」
「やっと出来ましたねー。」
「何回失敗したことやら、チハルちゃんが『頑張れ!』って気合入れてたの良く分かるわ。」
半分に割ったシューを見ながら呟くシャリーとヨール。
「さ!それじゃ中身入れよう!」
シャリーはそう言うと緩くなったアイスクリームを丁寧に入れて行く、ヨールとグラもそれぞれクリームを入れる。
「良い感じですね。」
「これ入れすぎました!蓋が閉まらない!」
「ん~、逆にそっちの方が可愛いんじゃないかしら?」
はみ出たクリームの上にちょこんと蓋が乗せられたシュークリームを見ながらシャリーは言う。
「そう言われれば・・・そうですね。」
「ホイップクリームも多めに入れてみますねー。」
グラはそう言うとモリモリにホイップクリームを入れ上に蓋を軽く置く。
「かわいい!」
「うん!かわいい!」
「いいですね!」
「うんうん、初めて出来たシュークリーム!良い感じ!」
3人はキャッキャと喜びながらシュークリームを作り上げる。
「グラ、こっちのアイスクリームシューも凍らせてくれる?」
「はーい。」
「それじゃ試食しますか?」
「うーん・・・。」
「食べないんですか?」
「いやぁ、それぞれ味見してるから中身は美味しいの分かってるし、シューも美味しいの分かってるから。」
「そうですね。」
「最初に味見してもらいたい人が居るんだよね。」
「チハル王女殿下ですか?」
「いや・・・アイトネ様。」
『呼んだー!?』
「うわぁ!!!!」
「女神様!」
「女神様ぁ!?」
急に現れるアイトネに3人は驚く。
『わぁ!美味しそう!』
「いらっしゃいませアイトネ様、初めて出来たシュークリームなんですけれど、味見されませんか?」
『するわ♪・・・あら、シャリーちゃん。』
「はい?」
『おめでとう♪』
「へ?」
『それじゃみんなで試食しましょ!私だけ食べるより皆で食べた方が美味しいわよ♪』
「そうですね、それじゃヨール、グラ、そっちのテーブルに運んでくれる?私お茶入れるわ。」
ヨールとグラは可愛いお皿にシュークリームを並べテーブルに運ぶ、アイトネはニッコニコで椅子に座る。
「はいアイトネ様、紅茶で宜しかったです?」
『ありがとう♪』
「女神様にお礼言われてる・・・シャリーさん凄い。」
ヨールは小皿を並べながら呟く。
「それじゃ・・・いただきましょう!」
『いただきまーす♪』
「「いただきまーす!」」
4人は同時にシュークリームを口に入れる。
「美味しい♪」
『本当!美味しいわ♪』
「んー!最高です!」
「良い出来!チハルちゃんにも食べてもらわないと♪」
皆は笑顔でシュークリームを頬張る、そしてシャリーがふと思い出す。
「アイトネ様、おめでとうって何ですか?」
アイトネの言葉を思い出し問いかけるシャリー。
『・・・ん、えっとぉ~・・・シューが上手に出来ておめでとう?』
「・・・なんで疑問なんですか?」
『えっとぉ、まぁ気にする事じゃ無いから?』
「気になりますよぉ。」
『ほら、次こっち食べましょ♪』
アイトネはホイップクリームシューを手に取る。
「ま、いっかぁ。」
シャリーはそう言うとホイップのシューを頬張る。
「「「『おいしー!』」」」
そしてまた聖女が1人増えたがそれが知られるのはまだまだ先の話だった。
「はい、綺麗に膨らんでますね。」
「はぁぁぁ!やっと出来たぁ!」
オーブンをのぞき込むシャリーと料理人は嬉しそうに話す。
「それじゃヨール、クリームの準備、グラはホイップクリームをお願い、私はこっちの・・・。」
シャリーはそう言うと冷凍庫からアイスクリームを取り出す。
「やっと手に入れたバニラビーンズのあいすくりーむ!」
「美味しいですよねソレ。」
「うん、チハルちゃんが『氷魔法はズルい!』って言ってたの笑っちゃったけど。」
シャリーはそう言うとアイスクリームを取り出し緩く混ぜ合わせる。
「焼き色もつきましたね、取り出します?」
「うん、取り出して。」
ヨールはオーブンの蓋を開けシューを取り出す。
「それじゃこっちの天板はかすたーど、そっちはホイップクリームね。」
「はーい、冷やしますねー。」
グラは氷魔法を使いシューの周りを冷やし粗熱を取っていく。
「こっちは何ですか?」
ヨールは瓶を見ながら問いかける。
「あ、それ妖精ちゃんが持ってきてくれたココアだよ。」
「これ混ぜます?」
「うん、うまくいったら別のアレンジも作るから、ホイップクリームは多めでも良いかも。」
天板に乗ったシューを1つ手に取り横に切り込みを入れるシャリー。
「おぉ~綺麗に中空洞!」
「やっと出来ましたねー。」
「何回失敗したことやら、チハルちゃんが『頑張れ!』って気合入れてたの良く分かるわ。」
半分に割ったシューを見ながら呟くシャリーとヨール。
「さ!それじゃ中身入れよう!」
シャリーはそう言うと緩くなったアイスクリームを丁寧に入れて行く、ヨールとグラもそれぞれクリームを入れる。
「良い感じですね。」
「これ入れすぎました!蓋が閉まらない!」
「ん~、逆にそっちの方が可愛いんじゃないかしら?」
はみ出たクリームの上にちょこんと蓋が乗せられたシュークリームを見ながらシャリーは言う。
「そう言われれば・・・そうですね。」
「ホイップクリームも多めに入れてみますねー。」
グラはそう言うとモリモリにホイップクリームを入れ上に蓋を軽く置く。
「かわいい!」
「うん!かわいい!」
「いいですね!」
「うんうん、初めて出来たシュークリーム!良い感じ!」
3人はキャッキャと喜びながらシュークリームを作り上げる。
「グラ、こっちのアイスクリームシューも凍らせてくれる?」
「はーい。」
「それじゃ試食しますか?」
「うーん・・・。」
「食べないんですか?」
「いやぁ、それぞれ味見してるから中身は美味しいの分かってるし、シューも美味しいの分かってるから。」
「そうですね。」
「最初に味見してもらいたい人が居るんだよね。」
「チハル王女殿下ですか?」
「いや・・・アイトネ様。」
『呼んだー!?』
「うわぁ!!!!」
「女神様!」
「女神様ぁ!?」
急に現れるアイトネに3人は驚く。
『わぁ!美味しそう!』
「いらっしゃいませアイトネ様、初めて出来たシュークリームなんですけれど、味見されませんか?」
『するわ♪・・・あら、シャリーちゃん。』
「はい?」
『おめでとう♪』
「へ?」
『それじゃみんなで試食しましょ!私だけ食べるより皆で食べた方が美味しいわよ♪』
「そうですね、それじゃヨール、グラ、そっちのテーブルに運んでくれる?私お茶入れるわ。」
ヨールとグラは可愛いお皿にシュークリームを並べテーブルに運ぶ、アイトネはニッコニコで椅子に座る。
「はいアイトネ様、紅茶で宜しかったです?」
『ありがとう♪』
「女神様にお礼言われてる・・・シャリーさん凄い。」
ヨールは小皿を並べながら呟く。
「それじゃ・・・いただきましょう!」
『いただきまーす♪』
「「いただきまーす!」」
4人は同時にシュークリームを口に入れる。
「美味しい♪」
『本当!美味しいわ♪』
「んー!最高です!」
「良い出来!チハルちゃんにも食べてもらわないと♪」
皆は笑顔でシュークリームを頬張る、そしてシャリーがふと思い出す。
「アイトネ様、おめでとうって何ですか?」
アイトネの言葉を思い出し問いかけるシャリー。
『・・・ん、えっとぉ~・・・シューが上手に出来ておめでとう?』
「・・・なんで疑問なんですか?」
『えっとぉ、まぁ気にする事じゃ無いから?』
「気になりますよぉ。」
『ほら、次こっち食べましょ♪』
アイトネはホイップクリームシューを手に取る。
「ま、いっかぁ。」
シャリーはそう言うとホイップのシューを頬張る。
「「「『おいしー!』」」」
そしてまた聖女が1人増えたがそれが知られるのはまだまだ先の話だった。
695
お気に入りに追加
2,592
あなたにおすすめの小説
幸子ばあさんの異世界ご飯
雨夜りょう
ファンタジー
「幸子さん、異世界に行ってはくれませんか」
伏見幸子、享年88歳。家族に見守られ天寿を全うしたはずだったのに、目の前の男は突然異世界に行けというではないか。
食文化を発展させてほしいと懇願され、幸子は異世界に行くことを決意する。
転生王女は現代知識で無双する
紫苑
ファンタジー
普通に働き、生活していた28歳。
突然異世界に転生してしまった。
定番になった異世界転生のお話。
仲良し家族に愛されながら転生を隠しもせず前世で培ったアニメチート魔法や知識で色んな事に首を突っ込んでいく王女レイチェル。
見た目は子供、頭脳は大人。
現代日本ってあらゆる事が自由で、教育水準は高いし平和だったんだと実感しながら頑張って生きていくそんなお話です。
魔法、亜人、奴隷、農業、畜産業など色んな話が出てきます。
伏線回収は後の方になるので最初はわからない事が多いと思いますが、ぜひ最後まで読んでくださると嬉しいです。
読んでくれる皆さまに心から感謝です。
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
転生少女の異世界のんびり生活 ~飯屋の娘は、おいしいごはんを食べてほしい~
明里 和樹
ファンタジー
日本人として生きた記憶を持つ、とあるご飯屋さんの娘デリシャ。この中世ヨーロッパ風ファンタジーな異世界で、なんとかおいしいごはんを作ろうとがんばる、そんな彼女のほのぼのとした日常のお話。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?
水姫
ファンタジー
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが…
私が平民だとどこで知ったのですか?
大聖女の姉と大聖者の兄の元に生まれた良くも悪くも普通の姫君、二人の絞りカスだと影で嘲笑されていたが実は一番神に祝福された存在だと発覚する。
下菊みこと
ファンタジー
絞りカスと言われて傷付き続けた姫君、それでも姉と兄が好きらしい。
ティモールとマルタは父王に詰め寄られる。結界と祝福が弱まっていると。しかしそれは当然だった。本当に神から愛されているのは、大聖女のマルタでも大聖者のティモールでもなく、平凡な妹リリィなのだから。
小説家になろう様でも投稿しています。
聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったため、異世界でふわふわパンを焼こうと思います!
伊桜らな
ファンタジー
家業パン屋さんで働くメルは、パンが大好き。
いきなり聖女召喚の儀やらで異世界に呼ばれちゃったのに「いらない」と言われて追い出されてしまう。どうすればいいか分からなかったとき、公爵家当主に拾われ公爵家にお世話になる。
衣食住は確保できたって思ったのに、パンが美味しくないしめちゃくちゃ硬い!!
パン好きなメルは、厨房を使いふわふわパン作りを始める。
*表紙画は月兎なつめ様に描いて頂きました。*
ー(*)のマークはRシーンがあります。ー
少しだけ展開を変えました。申し訳ありません。
ホットランキング 1位(2021.10.17)
ファンタジーランキング1位(2021.10.17)
小説ランキング 1位(2021.10.17)
ありがとうございます。読んでくださる皆様に感謝です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる