上 下
598 / 744

宮沢家&新パパさんズ異世界へ!

しおりを挟む
「カノン落ち着いた?」
「・・・考えないようにしてたのにぃ!」
 美桜に言われ叫ぶ花音。

「まぁまぁ、すぐ慣れるって。」
 千春は包丁で肉をトントコ叩き挽肉を作りながら言う。

「・・・ねぇこの包丁滅茶苦茶切れて怖いんだけど。」
 花音はしゃぶしゃぶ用の肉をスライスしながら呟く。

「あ、それミスリル包丁だから。」
「・・・ふぁんたじぃー!!!!」
「あはははwww」
 叫ぶ花音を見ながら笑い転げる美桜。

「ほら!ミオ!笑ってないで野菜切ってよ。」
「へーい。」
 JK達は楽し気に料理の準備を進めた。


-------------------


「こんばんわ~♪」
「おかえりなさいトモミ。」
「1人連れて来たんだって?」
「カノンって子よ。」
 智美、美咲、麗子の3人がフェアリーリングから現れマルグリットに話しかける。

「どんな子?」
「まだ私も今来たばかりで会って無いのよ。」
「そうなんだ、アイさんは会ったの?」
『えぇ、いい子よ。』
「そっか、アイさんが言うなら間違いないね、で?」
 智美はそう言うと問いかける。

「これからこちらに来る事になる・・・のかしら?」
 首を傾げながらマルグリットが言うとアイトネが答える。

『そのつもりみたいよ?』
 アイトネはニコッと微笑み智美とマルグリットに答える。

「それじゃ母親呼んでもらいましょうか。」
「もう?」
「どのみち呼ぶことになるでしょ、ついでにアオイの旦那さんも呼ぶ?」
「今から来てもらいましょうか、アオイ達も平日来たがってたし。」
「面倒だから全員いっぺんに呼んじゃう?」
「そうね、旦那呼ぶならうちのも呼んでた方が話早そうよね。」
「それじゃ私旦那達呼んで来るわ、クゥクゥもう一度良い?」
「良いわよー♪」
 美桜の母美咲はそう言うとクゥクゥにお願いしフェアリーリングでムカイ領へ戻る。

「あー!お母さん達来てる!」
「あ、ほんとだ、お母様も来てた。」
 頼子と千春は魔導コンロを持って部屋に戻ると挨拶をする。

「ヨリちゃんカノンちゃん呼べる?」
「ん、ちょっとまってねー・・・カノンちょっといい?」
「んー。」
 頼子は花音を連れ応接室に戻るとママさんズと話を始めた。


-------------------


「それじゃ電話では失礼だから私の車で迎えに行きましょうか。」
「・・・はい。」
「お母さん私も行く?」
「そうね、ヨリちゃんも行きましょうか。」
「私もアオイ達呼んでおくわね。」
「コトハとウメノも呼ぶわねー。」
 千春達に軽く説明するとママさんズは行動開始する、そして食事の準備をのんびりしながら待っていると続々と人が集まり始めた。


--------------------


「連れて来たわよー♪」
 楽し気に言うのは青空の母親碧だ。

「これは・・・。」
「ん、異世界、私達が週末仕事してる所よ。」
「仕事・・・。」
 青空の父、伊吹翔平はキョロキョロと見まわしながら部屋に入る。

「そちらに座ってください。」
 春恵は微笑みながらソファーに促す、そしてまた日本へ戻り客を待つ。

「あ、お父さんだ。」
「ソラ!」
「いらっしゃーい。」
「・・・なにしてるんだ?」
「料理だけど?」
「・・・いやそうではない、ここで何してるんだと聞いているんだ。」
「え?勉強とか料理とか、たまに遊びに行ってるかな。」
 平然と答えるとまた厨房に消える青空、そして大愛の父と日葵の父雄太も異世界へ来る。

「・・・。」
「・・・。」
「・・・。」
 無言の父3人、するとワイワイと騒ぎながらパパさんズが入って来る。

「おぉ~おぉ~来てますなぁ!」
「いらっしゃい!わけわからんでしょう!」
「俺達も最初混乱したからなぁ。」
「まぁすぐ慣れますけどね。」
 パパさんズが入って来るとママさんズはソファーを空ける、パパさんズが代わりに座り挨拶を始める。

「藤井千春の父、藤井大樹です。」
「頼子の父、勇です。」
 パパさんズがそれぞれ自己紹介を始めると、新パパさんズ達も話始める。

「ソラの父、伊吹翔平(しょうへい)です。」
「ダイアの父本庄誠(まこと)と申します。」
「ヒマリの父、雄太(ゆうた)です。」
 パパさんズと新パパさんズは自己紹介が終わるとパパさんズの説明が始まった、そして。

「来たわよ、宮沢さん。」
 春恵が部屋に入って来ると後ろから宮沢家の3人が入って来た。

「・・・わぁ凄い!」
「なんだこれ。」
「そうなるよねお父さんお母さんも。」
 花音は苦笑いしながら話す。

「それでは皆揃いましたね、ここでは少し狭いので場所を変えましょうか、千春そっちの部屋は使える?」
「使えるよー。」
「それではこちらに。」
 新しく作られた千春の職務室と言う名の勉強部屋へ皆を連れて行く大樹、パパさんズ、ママさんズ、そしてマルグリットと春恵も一緒に移動する。

「さて、パパさん達とカノンの両親はお父さん達に任せて、うちらはご飯にするかぁ。」
「・・・良いのかなぁ。」
 おいて行かれた花音は心配そうに扉を見ながら呟く。

「多分大丈夫!」
「その根拠は?」
「ん?だってヨリ達の両親見たでしょ?」
「・・・うん。」
「みんな最初あんな感じだったけど・・・慣れる!」
 千春はケラケラ笑いながら断言する。

「チハル、すき焼き鍋は?」
「ん!すき焼きメンバーはこっちー!しゃぶしゃぶはこっちー!」
「俺はステーキだな。」
「わっちはハンバーグ!」
「僕もハンバーグが良いです!」
「儂は久しぶりにすき焼きにするかのぅ。」
 ペット組も席につくとJK軍団と侍女達が料理を運ぶ。

「はーい!それではカノンの初異世界いらっしゃい食事会始めまーす!」
「「「「「「いただきまーす!」」」」」」
「・・・えっと、いただきます。」
 皆が手を合わせ言うと、花音も手を合わせ食事を始めた。


-------------------


「・・・日本の神の会社で仕事を。」
「信じられませんな。」
「・・・しかし。」
 新パパさんズはチラリと春恵を見ると春恵はニッコリ微笑む。

「すべて本当の事ですよ。」
「私達はこの国ジブラロール王国でマルグリット王妃殿下の商会で開発、営業、販売をしています。」
 智美が説明すると勇も話す。

「試験的にと領都を預かっておりまして、そこで色々な研究開発や領の発展を手伝っています。」
 向井家の夫婦が説明し、細かい話を進めるそして。

「魔法ですか。」
「はい、こちらは魔法の使える世界なんです。」
「アオイやってみて。」
「火で良い?」
「軽いのにしてね?」
「分かってるわよ。」
 智美に言われ碧は手のひらの上に火の玉を作り出す。

「「「「「おぉぉ!」」」」」
 驚く新パパさんズと花音の両親。

「私も使えるのかしら・・・。」
 花音の母、宮沢麻衣(まい)が呟くと、父親の拓哉(たくや)も興味深々頷く。

「あとでアイさんに鑑定してもらいましょ。」
「使える方が稀らしいのだけど、私達は皆属性こそ違うけれど使えるわ。」
「俺は使えないけどな。」
 勇は不満げに呟く。

「イサムは身体強化が使えるじゃないか。」
「お前達は水と火が使えるだろ。」
「それを言うなら上位魔法の金属魔使法えるタイキなんてどうするんだよ。」
「あははは、まぁまぁ、それは後で調べましょう。」
 大樹はそう言うとマルグリットを見る。

「それでは改めて、ジブラロール王国、マルグリット・アル・ジブラロールと申します、この国の王妃をさせて頂いてます。」
 自己紹介をされ皆は頭を下げる。

「これからの事ですが・・・。」
 マルグリットは大樹や勇達の様に爵位の話や領都の話を始めた、そして千春達が食事を終わらせるまで話が続いた。








しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

幸子ばあさんの異世界ご飯

雨夜りょう
ファンタジー
「幸子さん、異世界に行ってはくれませんか」 伏見幸子、享年88歳。家族に見守られ天寿を全うしたはずだったのに、目の前の男は突然異世界に行けというではないか。 食文化を発展させてほしいと懇願され、幸子は異世界に行くことを決意する。

転生王女は現代知識で無双する

紫苑
ファンタジー
普通に働き、生活していた28歳。 突然異世界に転生してしまった。 定番になった異世界転生のお話。 仲良し家族に愛されながら転生を隠しもせず前世で培ったアニメチート魔法や知識で色んな事に首を突っ込んでいく王女レイチェル。 見た目は子供、頭脳は大人。 現代日本ってあらゆる事が自由で、教育水準は高いし平和だったんだと実感しながら頑張って生きていくそんなお話です。 魔法、亜人、奴隷、農業、畜産業など色んな話が出てきます。 伏線回収は後の方になるので最初はわからない事が多いと思いますが、ぜひ最後まで読んでくださると嬉しいです。 読んでくれる皆さまに心から感謝です。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です

葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。 王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。 孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。 王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。 働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。 何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。 隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。 そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。 ※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。 ※小説家になろう様でも掲載予定です。

転生少女の異世界のんびり生活 ~飯屋の娘は、おいしいごはんを食べてほしい~

明里 和樹
ファンタジー
日本人として生きた記憶を持つ、とあるご飯屋さんの娘デリシャ。この中世ヨーロッパ風ファンタジーな異世界で、なんとかおいしいごはんを作ろうとがんばる、そんな彼女のほのぼのとした日常のお話。

婚約破棄されたら魔法が解けました

かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」 それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。 「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」 あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。 「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」 死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー! ※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です

あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?

水姫
ファンタジー
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが… 私が平民だとどこで知ったのですか?

大聖女の姉と大聖者の兄の元に生まれた良くも悪くも普通の姫君、二人の絞りカスだと影で嘲笑されていたが実は一番神に祝福された存在だと発覚する。

下菊みこと
ファンタジー
絞りカスと言われて傷付き続けた姫君、それでも姉と兄が好きらしい。 ティモールとマルタは父王に詰め寄られる。結界と祝福が弱まっていると。しかしそれは当然だった。本当に神から愛されているのは、大聖女のマルタでも大聖者のティモールでもなく、平凡な妹リリィなのだから。 小説家になろう様でも投稿しています。

聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったため、異世界でふわふわパンを焼こうと思います!

伊桜らな
ファンタジー
家業パン屋さんで働くメルは、パンが大好き。 いきなり聖女召喚の儀やらで異世界に呼ばれちゃったのに「いらない」と言われて追い出されてしまう。どうすればいいか分からなかったとき、公爵家当主に拾われ公爵家にお世話になる。 衣食住は確保できたって思ったのに、パンが美味しくないしめちゃくちゃ硬い!! パン好きなメルは、厨房を使いふわふわパン作りを始める。  *表紙画は月兎なつめ様に描いて頂きました。*  ー(*)のマークはRシーンがあります。ー  少しだけ展開を変えました。申し訳ありません。  ホットランキング 1位(2021.10.17)  ファンタジーランキング1位(2021.10.17)  小説ランキング 1位(2021.10.17)  ありがとうございます。読んでくださる皆様に感謝です。

処理中です...