上 下
585 / 744

海水浴に向かいます!

しおりを挟む
「おかぁさんただいまー。」
「お帰りなさい千春、ソラちゃん達は?」
 学校が終わり門の前で寛ぐ春恵は問いかける。

「学校にさー、ソラ達水着持ってきてたんだけど・・・ちょ~~~っとキツイらしくてね。」
「成長したのね。」
「そ!おっぱいがね!」
 千春は苦笑いで答える。

「それで?」
「水着買ってから来るって。」
「へぇ、冬でも売ってるの?」
「うん、近所のシアムラなら売ってるって教えたら突撃してったよ。」
 千春は寝室に移動し着替えると応接室に行く。

「おかえりなさいチハル。」
「おかえりなさいませー!」
「ただいまサフィー、モリー。」
「あれ?みなさんは来てないんですかぁ?」
「うん、かくかくしかじかでね。」
「・・・それわかんないです。」
「察して。」
「むーりーでーすー!」
 千春とモリアンが遊んでいるとサリナが子供達を連れて来る。

「チハルおねぇちゃん!おかえりなさい!」
「ただいまユラ~♪」
 抱き着くユラを受け止めると、後ろから女の子と男の子2人が入って来る。

「チハルお姉さまおかえりなさい!」
「チハル様こんにちは。」
「チハル様よろしくおねがいします。」
「レンちゃん、ケン君、シュウ君いらっしゃ~い、水着持ってきた?」
「・・・いえ、持っておりませんので。」
「僕も無いです。」
「俺も持ってないです。」
「え?そうなの!?」
 千春はサフィーナを見ると頷いている。

「こちらでは海に入ると言う事は殆どありませんから。」
「あー・・・言ってたねぇ。」
「えぇ、現地の子でしたら泳ぐ事もあるでしょうが。」
 サフィーナがそう言うと千春はすぐにスマホを弄る。

「・・・・・・よし、売ってるらしいから買って来てもらう。」
「水着ですか?」
「うん、シアムラって店は冬でも水着うってんのよ。」
 千春は説明しながらスマホを閉じる。

「あとはー、海鮮料理の準備は~。」
「終わってますよ。」
「さすサフィー、それじゃ皆が帰って来るまでのんびりしますか~♪」
 ソファーに座る千春は子供達を呼び、ソファーでのんびりと時間を過ごした。


--------------------


「ただいまー!」
「我が家じゃないけどね。」
「我が家みたいなもんでしょ。」
「買い出しと学校以外日本に戻る事減ったね。」
「たーしーかーにー。」
「ソラ達のパパっていつ来るの?」
「っていうかまだ教えてないんでしょ?」
 ワイワイと騒ぎながら異世界に入って来るJK軍団。

「おかえりー、良いの有ったー?」
「結構あったよ。」
「レンちゃん達のは?」
「コレ。」
 頼子が袋から取り出したのはスクール水着だ。

「ユラちゃんのって千春のおさがりでしょ?」
「うん。」
「ユラちゃんのも買って来たよ。」
「チハルネットで買えば?」
「あー、今頼めば明日届くか。」
「そうそう、夏は今からだ!」
「日本は冬だけどな。」
 美桜の言葉に美桜が突っ込む。

「さて、それじゃ野郎共呼びますかー。」
 千春が言うと侍女達が部屋を出て行く、そして暫くするとワラワラと集まり始める。

「おかえりチハル、準備出来たのか?」
「ただいまハルト、できてるよ~ん。」
「ヨリさんお帰りなさい。」
「ただいま!アリンさんも泳ぐ?」
「いえ!泳いだこと無いので!」
「えー。」
 エンハルトとアリンハンドと話をしているとエーデル、ホーキンも入って来る、そして。

「こんにちは。」
 トラディ、そしてステルも入って来ると青空、大愛が迎え入れる。

「あとはヒマリの連れですにゃ。」
 日葵は戻るとすぐに妖精クゥクゥとブルーワグに飛んでいた。

「おまたせー!」
 日葵はルペタの手を取りながら部屋に入って来る。

「ルペタちゃん!こんにちわ!」
「こんにちわユラちゃん!」
「ルペタちゃんこんにちは、ひさしぶりー!」
 ユラとイーレン、そしてルペタが手を繋ぎクルクル回る。

「揃ったかな。」
 千春はシャンデリアを見ると声を掛ける。

「イーナちゃーん。」
 千春の声を聞き蝙蝠がキィッ!とひと鳴きするとアルデアとイーナが現れる。

「来たのー!」
「イーナちゃんいらっしゃいー!」
 幼女4人は楽しそうにはしゃぐ。

「ちょっと人多いかな、転移大丈夫?」
「大丈夫ですのー!」
「まかせてー!」
「何人でも大丈夫よー♪」
「もんだいないぜー!」
「私も居ますわー。」
 リリ、クゥクゥ、ルル、ポポ、そしてシュシュの妖精5人が並んで答える。

「ヨロ!それじゃ移動するよー!」
「うぃーっす!」
「ヨリ、荷物ヨロ。」
「ほいほい。」
 フェアリーリングに次々と入る面々、ルプ達も子供達を背に乗せ移動する。

「忘れ物はないですかー。」
「ありませーん!」
「帰って来るまでが遠足でーす。」
「え?これ遠足なん?」
「のってヨ。」
「バナナはおやつに入りませーん。」
「お菓子は300円まで~♪」
「え?さっき3000円分くらい買ったよね?」
「10人以上いるからセーフ!」
 騒がしいJK達を男達は苦笑いで見守る、そして皆は海王国家フリエンツ王国へ向かった。


--------------------


「いらっしゃいませ。」
「うわっ!びっくりした。」
 フェアリーリングで移動すると目の前にはセイレーンの騎士と侍女が並んでいた。

「よろしくお願いします。」
「はい、それではお部屋の方へ。」
 ニッコリと微笑むセイレーン騎士ナラーシャが皆を案内する。

「チハル様、申し訳ありません。」
「ん?どうしたの?」
「チハル様にお客様が・・・。」
「お客?フリエンツに?」
「はい。」
「客間の方でお待ちになっております。」
「そうなんだ、誰です?」
「・・・インパイ族の方々が。」
「・・・え、ティスケリーさんだよね?インパイ族って。」
「はい、例の件だとは思われますが。」
「あ~~~~~~~。」
「どうしたん千春。」
「ん、問題無いよ、ただ夕食は天ぷら尽くしだなって事。」
「お!天ぷら良いじゃん!」
「テンドン女王が来てんのか。」
「なにそれ初めて聞いた。」
 美桜の言葉に千春は笑う。

「米あるの?」
「あるよー、炊き立て土鍋が10個くらい。」
「それだけあれば足りるか。」
「いや、足りない方にこのポッキーを賭ける!」
 頼子は影から取り出した買ったばかりのポッキーを掲げる。

「テンドン女王って天丼10杯くらい食べてたよね。」
 ディスケリーの事をテンドン女王と言うJK達はお菓子を出し合う。

「ま、足りなきゃ炊けばいいか。」
「何処で?」
「厨房じゃん?」
 千春と頼子が話しているとナラーシャが答える。

「厨房のある客間ですので・・・お料理出来ます。」
「作らせる気満々じゃん!」
「申し訳ありません!」
「いや、ナラーシャちゃんが悪いわけじゃ無いから。」
「そうそう、どうせ料理するって厨房に行くんだから千春は。」
「私達も手伝うし~♪」
「うちらも料理上手になったも~ん。」
「私も作るよー!」
 青空達も作る気満々で答える。

「千春、またかき揚げ作ってくれ。」
「わっちもアレで日本酒飲みたいばい!」
「僕もです!」
「儂はあのふっといエビ天が良いのぅ。」
「ミタマ、いっぱい食べてね。」
「イロハ・・・無理ニャ・・・吾輩の胃はそんなに入らないニャァ。」
 ペット達が話していると新参ペットのミカとゼルは首を傾げる。

「かき揚げ?」
「飯を揚げるのか?」
「2人は天ぷら初めてか。」
「美味いば~い♪」
「食べたら分かります、さくさくでウマウマです!」
「ま、食べてみたらいい、飛ぶぞ?」
 ロイロはJK達の言葉を使いニヤリと笑う、そして皆は客が待っている客室に向かった。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生王女は現代知識で無双する

紫苑
ファンタジー
普通に働き、生活していた28歳。 突然異世界に転生してしまった。 定番になった異世界転生のお話。 仲良し家族に愛されながら転生を隠しもせず前世で培ったアニメチート魔法や知識で色んな事に首を突っ込んでいく王女レイチェル。 見た目は子供、頭脳は大人。 現代日本ってあらゆる事が自由で、教育水準は高いし平和だったんだと実感しながら頑張って生きていくそんなお話です。 魔法、亜人、奴隷、農業、畜産業など色んな話が出てきます。 伏線回収は後の方になるので最初はわからない事が多いと思いますが、ぜひ最後まで読んでくださると嬉しいです。 読んでくれる皆さまに心から感謝です。

幸子ばあさんの異世界ご飯

雨夜りょう
ファンタジー
「幸子さん、異世界に行ってはくれませんか」 伏見幸子、享年88歳。家族に見守られ天寿を全うしたはずだったのに、目の前の男は突然異世界に行けというではないか。 食文化を発展させてほしいと懇願され、幸子は異世界に行くことを決意する。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です

葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。 王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。 孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。 王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。 働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。 何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。 隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。 そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。 ※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。 ※小説家になろう様でも掲載予定です。

婚約破棄されたら魔法が解けました

かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」 それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。 「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」 あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。 「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」 死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー! ※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です

だから聖女はいなくなった

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」 レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。 彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。 だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。 キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。 ※7万字程度の中編です。

ドアマットヒロインはごめん被るので、元凶を蹴落とすことにした

月白ヤトヒコ
ファンタジー
お母様が亡くなった。 それから程なくして―――― お父様が屋敷に見知らぬ母子を連れて来た。 「はじめまして! あなたが、あたしのおねえちゃんになるの?」 にっこりとわたくしを見やるその瞳と髪は、お父様とそっくりな色をしている。 「わ~、おねえちゃんキレイなブローチしてるのね! いいなぁ」 そう、新しい妹? が、言った瞬間・・・ 頭の中を、凄まじい情報が巡った。 これ、なんでも奪って行く異母妹と家族に虐げられるドアマット主人公の話じゃね? ドアマットヒロイン……物語の主人公としての、奪われる人生の、最初の一手。 だから、わたしは・・・よし、とりあえず馬鹿なことを言い出したこのアホをぶん殴っておこう。 ドアマットヒロインはごめん被るので、これからビシバシ躾けてやるか。 ついでに、「政略に使うための駒として娘を必要とし、そのついでに母親を、娘の世話係としてただで扱き使える女として連れて来たものかと」 そう言って、ヒロインのクズ親父と異母妹の母親との間に亀裂を入れることにする。 フハハハハハハハ! これで、異母妹の母親とこの男が仲良くわたしを虐げることはないだろう。ドアマットフラグを一つ折ってやったわっ! うん? ドアマットヒロインを拾って溺愛するヒーローはどうなったかって? そんなの知らん。 設定はふわっと。

【完結】6歳の王子は無自覚に兄を断罪する

土広真丘
ファンタジー
ノーザッツ王国の末の王子アーサーにはある悩みがあった。 異母兄のゴードン王子が婚約者にひどい対応をしているのだ。 その婚約者は、アーサーにも優しいマリーお姉様だった。 心を痛めながら、アーサーは「作文」を書く。 ※全2話。R15は念のため。ふんわりした世界観です。 前半はひらがなばかりで、読みにくいかもしれません。 主人公の年齢的に恋愛ではないかなと思ってファンタジーにしました。 小説家になろうに投稿したものを加筆修正しました。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

処理中です...