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デートが終わってSOS!

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「楽しかった~。」
「たまには良いなこういう散歩も。」
「ね~。」
 千春とエンハルトは貸し切り馬車に乗り王城へ戻っていた、護衛達はエンハルトの合図で馬車の護衛を残し王宮へ戻る。

「今日の夜はアレの料理作るのか?」
「うん、そのつもりー。」
「・・・ま、チハルが良いなら別に良いか。」
「ん~?ダイエットの事とかまた言うの~?」
「大丈夫なら構わないが、なんならダイエットの指導が出来る先生を付けてやろうか?」
「え!?何それ!?そんな人居るの?!」
「居るぞ、貴族令嬢には同じ事を考える令嬢が多い、その令嬢の指導をする者が居る。」
「すごっ、そんな人居るんだ。」
「どうする?声を掛けておくか?」
「うん!お願い・・・いや・・・う~ん。」
「どうした?」
「ほら、エーデルさんみたいな軍隊式ダイエットだと怖いなって。」
「言ったろ?貴族令嬢の指導をするプロフェッショナルだ、チハルの体調も管理して指導するはずだ。」
「・・・うん!お願い!」
 千春は優しく言うエンハルトを信用し頷く。

ピロン♪

「ん?」
 千春はスマホを取り出すとLIMEを見る。

「・・・げぇ!」
「どうした?」
「ヒマリからSOS!」
「何があった。」
「ブルーワグの森で魔物が溢れたって。」
「それは緊急事態だな。」
「ハルト、ドラゴン出動させてもいい!?」
「ドラゴンに関しては王国よりもチハルの指示優先にしてある、竜騎士団を出す場合は父上に書状を書いてもらう必要が有るが。」
「ドラゴンだけで大丈夫・・・多分。」
 千春はスマホを見つめながら答える。

「しかし森となるとドラゴンでは逆に動き辛いぞ。」
「え?なんで?」
「森が燃える。」
「あ゛~~~~~~!!!そうだったぁ!!!どうしよう!」
 ドラゴンが森を焼き尽くす想像をしてしまった千春は叫ぶ。

「まずは戻ってから情報収集だ。」
 エンハルトはそう言うと馬車を止める、まだ中央通りまでも距離がある、エンハルトは馬車から降りると手を上げる。

「如何なされましたか王子殿下。」
 護衛の者が直ぐ横に立つ。

「王宮へ急いで戻る。」
「はっ。」
 護衛が言うと空から竜騎士団が降りて来る。

「エンハルト殿下、チハル王女殿下こちらへ。」
 竜騎士団フィークスとドラゴンのダフニーがエンハルトに声を掛ける、すると屋根の上からルプとロイロが飛び降りて来た。

「千春、どうした。」
「かなり焦っておったな、何があったんじゃ。」
「ルプ!ロイロ!ヒマリの所がヤバい!」
「何がヤバいのか分からねぇが戻るんだな?」
「うん!」
 ルプはフェンリルの姿になると千春を背中に乗せる。

「ハルト、先に戻るぞ。」
「ルプ、頼んだ、俺も直ぐに行く。」
 ルプはエンハルトに言うと、エンハルトもドラゴンに乗り空へ飛び立つ、そして皆は急いで千春の部屋に向かい飛んで行った。


---------------


「日葵ちゃん大丈夫よ。」
『今の所ブルーワグに魔物が来るまでまだまだ時間が掛かりそうね。』
「はい・・・。」
 ソファーに座りスマホを握る日葵と、日葵を落ち着かせているアイトネと春恵。

「ヒマリ!マ!?」
 頼子がアリンハンドを連れ部屋に戻って来る。

「うん、今ブルーワグの兵士と冒険者ギルドが準備してるらしいんだけど。」
「おぉー結構大掛かりな感じっぽいね。」
「魔物の反乱はお国事になります、ジブラロールからの援軍には国王陛下の采配が必要になりますから。」
「うん、ファーグス様からも同じ事言われたの。」
 ブルーワグ王国国王ファーグス・ジル・ブルーワグに言われた事を思い出す日葵。

「ヒマリー!」
 美桜と麗奈も部屋に戻ってくる。

「ごめんね、デート中に。」
「かまへんかまへん!」
「大丈夫!それよりあっち大丈夫そう?」
「多分、ただ・・・結構被害が出るかもって。」
 心配そうに言う日葵、ブルーワグ国に嫁ぐ日葵は声を押さえながら呟く。

「ヒマリ!」
「チハル!ごめん!」
「大丈夫だよ!で、進捗状況は?」
「今撃退準備中。」
「そっか、アイトネ状況見えるの?」
『えぇ、なんとか押し返せそうな戦力を揃えてるわ。』
「なんとか・・・って事はぁ。」
『全員無傷で、なんて事は無理でしょうね。』
「だよねぇ・・・ハルトっ!」
「あぁ俺は今から父上の所に行って来る、チハルは行くつもりだろう?」
「勿論!」
 即答する千春にエンハルトは笑みを浮かべる。

「行くのは誰だ?」
「「「「「「はーい!」」」」」」
 JK軍団が一斉に手を上げる。

「・・・父上に報告必要なさそうな気もするが。」
 千春はドラゴンを、麗奈は精霊を、頼子や美桜にはビェリーとコンが、青空、大愛も自衛どころか戦力にすらなるスキルを持っている、しかし報告は必要だろうとエンハルトは部屋を出て行った。

「ダイア、アレどれくらいある?」
 青空が言うと大愛は頼子に預けている魔石を出してもらう。

「ほい、こんだけ作っといた。」
 大きな箱にはびっしりと小さな魔石が詰め込まれていた。

「これって全部弾?」
「うん、そんで、こっちが半自動の銃。」
「これってサバゲの銃?」
「そのコピー品だね、金属魔法で作った銃、ココに風魔法で圧縮空気入れて魔石飛ばすの。」
 弾を入れる箱にバラバラと魔石を入れる大愛。

「で、これに圧縮空気を魔法で入れる。」
 ペットボトルの様な物に日葵が風魔法で圧縮空気を入れる。

「そんでココにセット。」
 カチャっと音が鳴りロックされる。

「あとはこのスイッチで切り替え、こっちが単発、こっちが連射。」
 大愛はスイッチの連射機能に切り替えると庭に出る、そして日葵が土魔法で的を作ると大愛は銃を撃つ。

パパパパパパッ!

「うわぁ凍ってるよ。」
「えげつない物作ってんね。」
「これ表に出したらヤバい物リストナンバーワンじゃね?」
 千春と美桜、麗奈が呟く、的は氷魔法で凍り付き砕け散る。

「はい、全員分あるよー、あと皆この防御魔石付けてね。」
「これは?」
「氷魔法に耐性が付く防御用魔石、フレンドリーファイアー怖いからね。」
「あ、全員コレ持つ感じなんだ。」
「え?ウチらも行くの?」
「え?行かないの?ミオ。」
「レナ良く気満々じゃん。」
「そりゃ私は精霊さんにお願いする予定だし。」
 行く気満々、そして戦う気満々のJK軍団は準備を着々と進める。

「サフィー、大丈夫っぽい?」
 まだOKが出ていないのに準備をしている皆を見ながら千春が問いかける。

「ダメって言って分かりましたって言うなら、ダメって言いますけど?」
 言っても無駄だろうなと達観しているサフィーナは笑いながら言う。

「それにルプ、ロイロさん、ビェリーにコンちゃん、ドラゴンも連れて行くのでしょ?」
「勿論行くぞ。」
「暴れちゃるばい!」
「僕もです!」
「まぁ行くじゃろ。」
 ルプ達が言うと横から三珠と彩葉も声を上げる。

「私も行くわよ!」
「吾輩は・・・はい、行くにゃ。」
 彩葉は首だけグリンと回し三珠を見ると、三珠は行くと宣言する。

「どれだけの魔物が居るか分かりませんが、ブルーワグ国の兵士、冒険者でどうにかなる程度なら問題無いでしょう。」
「程度って・・・。」
「程度でしょ?」
「ま、そだね。」
 遠足気分の頼子達を傍目に見ながら千春はエンハルトが帰って来るのを待った、アイトネ、春恵と一緒にお茶をのんびり飲みながら。



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