上 下
493 / 744

ペッパーライスで大騒ぎ!

しおりを挟む
「千春!おかわりだ!」
「ルプ達早くない!?」
 綺麗に食べ終わったホットプレートを見て千春が叫ぶ。

「大食いそろってっからねぇ。」
「チハル私が作りますね。」
 サフィーナはそう言うと材料を入れ、ルプ達の料理を作り出す。

「おなかいっぱーい!」
 青空達も満足そうに言うとノックが鳴る。

コンコン

「はーい!」
 千春が返事をするとサリナが扉を開ける。

「おかえりなさいチハル、おいしそうな匂いね。」
「チハルおねえちゃん!いいにおい!」
「ただいま!お母様、ユラ。」
「新しい料理なの?」
「はい、次作りますから食べますか?」
「頂くわ♪」
「たべるー!」
 お腹いっぱいになった青空達や美桜達は席を外し、青空達のホットプレートのペッパーランチを千春達のホットプレートに移すと、綺麗に拭き上げ次のペッパーライスを作り始める。

「チハル様、私が作りますので。」
 サリナはそう言うとサフィーナと同じ様に作り始める。

ジュゥゥゥ!

「良い匂い!」
 タレがたっぷり付いた肉を焼き、ご飯を入れると香ばしい匂いが立ち込める。

「チハルこの香り王宮に流れて来てたわよ。」
「あー・・・外に逃がしたんですけどね。」
「外も中も香ばしい匂いがしてたもの。」
 ユラはサリナが作るペッパーランチを見ながら楽しそうだ。

「チハル、お客様よ。」
 サフィーナが作りながら千春に言う。

「え?だれ?」
 ナッテリーが扉の前に行くとノックが鳴る、ナッテリーは扉を開け確認するとシャリーが入って来た。

「うわぁ!良い匂いですね!」
「あら?シャリーちゃんいらっしゃーい。」
「こんばんはチハルさ・・・様!」
 シャリーは横にいるマルグリットに気付き様を付ける。

「シャリーいつも通りで良いわよ。」
 フフッと笑いマルグリットが言うと、シャリーはアハハハと笑い千春に声を掛ける。

「チハルさん、食堂がヤバいです!」
「え?なんで?」
「この香りが食堂からじゃないって兵士や侍女さん達が言ってます!」
「えぇ~、そんな事言われてもなぁ。」
「レシピを教えて頂ければ向こうで作りますので!」
「あー、まぁホットプレートじゃなくても作れるし、いっか。」
「千春、こっちで作るからメモしてもらったら?」
「そだね、すぐ作れるし。」
「はーい!私がつくりまぁす!」
 モリアンが手を上げる。

「えー!モリーちゃんが作るのぉー?」
 シャリーは不満そうに言う。

「シャリーちゃん!失礼です!私でも作れるくらい簡単な料理なんですよ!」
「そうなんです?」
 シャリーは心配そうに千春へ確認する。

「まぁ簡単っちゃー簡単だね。」
 ルプ達の所は既に作り終わり、早くも食べ始めていた。

「それじゃモリー材料渡すから作ってね、シャリーちゃんはメモしてくれる?」
「わかりましたー!」
「頑張って作りますよぉ!」
 千春はホットプレートを綺麗に拭き、ボウルに入った肉をモリアンに渡す、宣言通りモリアンは問題無くペッパーライスを作る。

「本当に簡単ですね、この味付けは?」
「醤油と酒、砂糖、ごま油で肉と混ぜるんだよ。」
 タレのレシピを言うとメモを取るシャリー。

「出来ましたぁ!」
「美味しそうです!」
 サリナが作ったペッパーライスはユラがハフハフと口を動かしながら食べている、マルグリットも美味しそうに食べている。

「シャリーちゃんも食べて行く?」
「うっ・・・。」
「どしたの?」
「・・・ルノアーさんに食べずに帰って来てくれって言われたんですよ。」
「良いんじゃん?少し食べて行きなよ。」
「・・・そうですね!」
 シャリーは頼子に皿を渡され、モリアンが盛り付ける。

「いただきまぁす!」
 シャリーはスプーンでひと救いすると口に入れる。

「ん~♪」
「美味しい?」
「おいひいれふ!」
 モグモグしながら食べるシャリー、するとまたお客が来る。

「チハル。」
「いらっしゃいハルト、あ、ライリー、フィンレー、いらっしゃい。」
「チハルお姉様こんばんは。」
「いいにおいですね!あ!ユラも食べてる!」
 ライリーが挨拶をするとフィンレーはユラを見る。

「フィンレーにいさまおいしいです!」
「フィンレー、こっちにいらっしゃい。」
 ユラとマルグリットはフィンレーを呼ぶと、フィンレーは横に座る、

「チハル、食堂が大騒ぎだったぞ。」
「マ?ヤバいな、シャリーちゃん、味見終わったら食堂頼んだよー。」
「はい!行って来ます!ごちそうさまでした!」
 シャリーはヤバい!ヤバい!と扉を開け走って行った。

「ハルトも食べる?コレ出来たてだし、ライリーも座りなー。」
「頂こうかな。」
「はい!いただきます!」
 2人はそう言うと千春の横に座る、食べ終わったサリナとサフィーナが器に盛り付け3人に渡すと、3人はおいしそうに食べ始めた。

「満足そうで何より♪」
「これはリピ確定だね。」
「うん、美味しかったー。」
「肉が良いもんなぁ、マジで美味い!」
「シャリーちゃんが食堂にレシピ持って行ったから食堂でも食べれるんじゃね?」
「たーしーかーにー!」
「・・・。」
 JK達が話していると千春が考え込む。

「どうしたん?千春。」
 頼子が千春に声を掛ける。

「んー?いや、なんか忘れてるきがするなーって・・・。」
「何忘れたの?」
「それが分かんないんだけどね。」
「レシピに入れる物書き忘れ?」
「いや、それは問題無いよ、作ってるの見ながら書いてたし、入れ忘れは無いね。」
「んじゃなんじゃらほい?」
「思い出せないくらいの事なら良いんじゃね?」
「そだね、大事な事なら思い出すっしょ。」
 千春はそう言うとウンウンと頷く。

「チハルーデザートはー?」
「はいはい、ギョースーで買ったプリンと杏仁豆腐あるよー。」
「私杏仁!」
「えーウチはプリンが良いー。」
「それじゃ分けるから器取ってきてー。」
「ほいよー。」
「はーい。」
 皆はそう言うとデザートタイムが始まった。


-----------------


「・・・。」
「陛下、如何なされましたか?」
「ん、腹が減ったなと思ってな。」
「そう言えばそんな時間ですか。」
「うむ、飯にするか。」
 エイダンはそう言うと、執事長のセバスを呼ぶ。

「セバス、飯にするぞ。」
「はっ、ご準備致します。」
「メグはどうした?」
「・・・チハル王女殿下のお部屋で食事中で御座います。」
「ユラもか?」
「はい。」
「まぁたまには男だけでも良いがな。」
「・・・エンハルト殿下、ライリー殿下、フィンレー殿下も御一緒で御座います。」
「皆もか・・・儂は?」
「皆様は香りに誘われチハル王女殿下の部屋へ行かれたようで御座います。」
 申し訳なさそうに言うセバス。

「何を食べておるんじゃろうな、セバス知っておるのか?」
「はい、ぺっぱーらいす・・・と言われる料理で御座います。」
「新しい料理か、儂の分はあるのか?」
「ルノアーが作り始めておりますのでご準備出来ます。」
「ふむ・・・儂1人かぁ。」
「陛下、お付き合い致しましょうか?」
 可愛そうに思った宰相のルーカスが声を掛ける。

「・・・うむ、一緒に食おう。」
 寂しそうに呟くエイダン、ルーカスは苦笑いしながら2人で職務室から離れた。


-----------------


「シャリー!教えてもらえたか!?」
「はい!これがレシピです!」
「結構時間掛かったな、面倒なのか?」
「いえ・・・簡単でした。」
「それにしても遅かったな。」
「え~っと・・・作り方教えてもらってたので!」
「そうか、それじゃ真似して作るから早速だが頼む!」
「はーい!」
 シャリーは材料を指示し、料理人達がタレを作り、肉を切り、トウモロコシや材料を揃えて行く。

「ホットプレートって道具を使ってましたけど、フライパンでもすぐ作れるので!」
 そう言うとシャリーはタレをつけた肉を焼き始める、そして材料を次々入れペッパーライスを作り上げる。

「美味そうだな、それに香りが凄い。」
「はい!美味しかったですよ!」
「・・・食って来たのか?」
「あ・・・え~・・・王女殿下から食べてと言われたら食べますよね?」
「・・・そうだな。」
 ルノアーは苦笑いし、直ぐに料理人達へ指示をする、そして次から次へと来る注文に大忙しだった。





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

幸子ばあさんの異世界ご飯

雨夜りょう
ファンタジー
「幸子さん、異世界に行ってはくれませんか」 伏見幸子、享年88歳。家族に見守られ天寿を全うしたはずだったのに、目の前の男は突然異世界に行けというではないか。 食文化を発展させてほしいと懇願され、幸子は異世界に行くことを決意する。

転生王女は現代知識で無双する

紫苑
ファンタジー
普通に働き、生活していた28歳。 突然異世界に転生してしまった。 定番になった異世界転生のお話。 仲良し家族に愛されながら転生を隠しもせず前世で培ったアニメチート魔法や知識で色んな事に首を突っ込んでいく王女レイチェル。 見た目は子供、頭脳は大人。 現代日本ってあらゆる事が自由で、教育水準は高いし平和だったんだと実感しながら頑張って生きていくそんなお話です。 魔法、亜人、奴隷、農業、畜産業など色んな話が出てきます。 伏線回収は後の方になるので最初はわからない事が多いと思いますが、ぜひ最後まで読んでくださると嬉しいです。 読んでくれる皆さまに心から感謝です。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です

葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。 王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。 孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。 王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。 働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。 何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。 隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。 そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。 ※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。 ※小説家になろう様でも掲載予定です。

婚約破棄されたら魔法が解けました

かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」 それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。 「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」 あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。 「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」 死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー! ※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です

あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?

水姫
ファンタジー
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが… 私が平民だとどこで知ったのですか?

聖女としてきたはずが要らないと言われてしまったため、異世界でふわふわパンを焼こうと思います!

伊桜らな
ファンタジー
家業パン屋さんで働くメルは、パンが大好き。 いきなり聖女召喚の儀やらで異世界に呼ばれちゃったのに「いらない」と言われて追い出されてしまう。どうすればいいか分からなかったとき、公爵家当主に拾われ公爵家にお世話になる。 衣食住は確保できたって思ったのに、パンが美味しくないしめちゃくちゃ硬い!! パン好きなメルは、厨房を使いふわふわパン作りを始める。  *表紙画は月兎なつめ様に描いて頂きました。*  ー(*)のマークはRシーンがあります。ー  少しだけ展開を変えました。申し訳ありません。  ホットランキング 1位(2021.10.17)  ファンタジーランキング1位(2021.10.17)  小説ランキング 1位(2021.10.17)  ありがとうございます。読んでくださる皆様に感謝です。

冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判

七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。 「では開廷いたします」 家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。

何かと「ひどいわ」とうるさい伯爵令嬢は

だましだまし
ファンタジー
何でもかんでも「ひどいわ」とうるさい伯爵令嬢にその取り巻きの侯爵令息。 私、男爵令嬢ライラの従妹で親友の子爵令嬢ルフィナはそんな二人にしょうちゅう絡まれ楽しい学園生活は段々とつまらなくなっていった。 そのまま卒業と思いきや…? 「ひどいわ」ばっかり言ってるからよ(笑) 全10話+エピローグとなります。

処理中です...