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千春の誕生日!⑧
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「はい、お疲れ様。」
マルグリットが千春に声を掛ける、貴族が集まる王宮の広場で挨拶が終わった千春はニッコリ微笑む。
「挨拶だけで良かったんですか?」
「えぇ、この場に来て顔を見せる事が目的ですもの。」
「そう言う物なんですね。」
マルグリットもフフッと笑い一緒にマルグリットの部屋に戻る。
「また着替えるんですか?」
「えぇ、この姿じゃ動き辛いでしょう?」
パレードの時よりも軽い感じのドレスだが、フリルが沢山ついたどこぞのプリンセスかと思わせるドレスだ。
「思ったよりも早く終わったから少しゆっくりしましょうか。」
「はい!」
ホッとした千春は侍女に着替えを任せドレスを着替える。
「何処でお茶会をするんですか?」
「王宮のホールよ、準備も終わって今貴族達が移動しているはずね。」
マルグリットが説明をしているとアルデアが当たり前の様に部屋に入って来る。
「チハル、お誕生日おめでとう。」
「ありがとうアルデア、どうしたの?」
「今からお茶会でしょう?」
「うん。」
「チハルの作法を笑いものにしようと考えている貴族が居るわ。」
アルデアは言葉とは裏腹に笑みを浮かべている。
「どの貴族か分かるのかしら?」
「勿論、でもこんな席でしょう、大きな事は言えないわ。」
「そうね、でも気に入らないわね、どこの誰?」
「コーブル伯爵の取り巻きね。」
「・・・次は無いって警告したのにバカね。」
「一応コーブル家とは関わりの無い貴族にちょっかい掛けさせるつもりのようだけど。」
「アルデアがすべて聞いてるのを知らないもの、どこの家?」
「リアント男爵よ。」
「そう、取り潰しましょうか。」
フッと笑みを浮かべマルグリットが呟く。
「お母様、それって男爵本人がちょっかい掛けて来る感じなんです?」
「多分息子か娘ね、チハルと同じくらいの子が居たはずよ。」
「うーん・・・。」
「どうしたの?」
「いやぁ、親に言われてイヤイヤやってるかも知れないじゃないですかぁ。」
「まぁそうね、今チハルに嫌われて得する物は一切無いもの。」
「でも私お茶会の作法知らないですもんね。」
うーんと考え込むチハル。
「私が教えましょうか?」
アルデアは楽しそうに問いかける。
「え?今から?」
「まさか、チハルの行動を見てるからその時に教えるわ。」
「どうやって?」
「この子を髪の中に仕込んでなさい。」
アルデアは小さな蝙蝠を出す。
「耳元で作法を指示するわよ、あと面倒な事を言われたら私が指示するからその通りに言いなさい。」
「おぉー・・・アルデアって作法分かるの?」
「当たり前でしょう?」
「魔国とジブラロールって違くない?」
「違うわよ、こっちに来て覚えたもの。」
「おー!凄いね!」
「・・・暇だったのよ。」
「あ、うん、そだね。」
アルデアはいつもの蝙蝠よりも小さな蝙蝠を千春の頭に乗せると、もそもそと髪の中に潜り込む。
「こちょばい!」
「ジッとしてるから慣れるわよ。」
「どう?見えない?」
「えぇ、気付かれないわ。」
「そうだ、ヨリ達にもこの子付けれる?」
「そうね、皆に付けておきましょうか。」
2人が話しているとマルグリットが話しかける。
「そんな事しなくても私が横に居れば大丈夫でしょうに。」
「お母様もお茶会に出るんですか?!」
「いえ?でも出た方が良さそうよね。」
「それじゃ私も出ようかしら。」
アルデアは楽しそうに言う。
「構わないわよ、それじゃ私とアルデアはチハルが見える所に居るから、何か有れば蝙蝠に言いなさい、直ぐに行くわ。」
「はーい、大丈夫だと思うけどなぁ。」
「チハルは知らないのよね。」
「何をです?」
「貴族令嬢の陰湿な所よ。」
「・・・知らないです、あまり付き合い無いので。」
「知らない方が良いわね。」
千春に優しく言うと立ち上がる。
「さ、そろそろ行きましょうか。」
「はーい!」
「私も楽しませてもらいますわ♪」
アルデアは軽く手を振ると、ゴスロリ衣装からドレスに早着替えする。
「何それ。」
「魔法よ?」
「便利だね。」
「えぇ、チハルも覚えたら出来るわよ。」
「・・・マジか。」
3人は軽く話しをしながらホールに向かう。
「さぁココよ。」
大きな扉の前に兵士と執事が立っている、マルグリットを見るとお辞儀をし扉を開ける、マルグリットはそのままホールに入ると千春、アルデアと続いて入る、ホールには沢山の貴族令嬢や男性が居たが、マルグリットが入って来ると皆注目する。
「さ、チハル。」
「え?」
「先ほどと同じ文言で良いわよ。」
「はい・・・ここでも言うんですね。」
千春は少し高くなった壇に上がると、集まった貴族達に挨拶をする、そして誕生日のお礼を伝える、令嬢達は笑顔で、そして男子達も拍手で答える。
「それでは皆様、ごゆっくりお過ごしください。」
最後に千春は微笑み皆に言うと、皆はテーブルに並んだケーキやお菓子、果物を食べながら談話が始まる。
「えっとー・・・アルデアどうしたらいいの?」
『左斜め前にヨリ達が居るわ、合流しておきなさい』
少し離れた所でマルグリットと座るアルデアの声が耳元から聞こえる。
「りょ~。」
千春はテコテコと歩いて行くと、ヨリ達が手を振る。
「おっつー千春、そのドレスも可愛いねー。」
「ヨリ達も着替えたんだ。」
「うん、お茶会用のドレスは別にあるって言われてさ、アレで良かったのに。」
「でもこっちの方が動き易いし良いじゃん。」
「コルセットも緩めてもらったからね!」
美桜はそう言うとテーブルのフルーツをパクっと食べる。
「チハル、もう少ししたら令嬢達が挨拶に来るわよ。」
サフィーナがドレス姿で千春に言う。
「あ、サフィーもドレスだ!」
「えぇ、まず無いと思うけれど・・・チハルにバカな事をする貴族が居るのでしょう?」
「なんか企んでる貴族居るらしいね。」
「らしいねー、さっき蝙蝠が飛んで来て皆の髪の中に入って来て教えてもらった。」
「ビックリしたねアレ。」
「蝙蝠だったからアルデアちゃんの使いって分ったけど、驚くわ。」
暫くすると貴族令嬢が3人千春に近付く。
「チハル様、お誕生日おめでとうございます。」
「「おめでとうございます、チハル王女殿下。」」
「フランちゃん♪ありがとー!、あと、テールキちゃんとヤーテちゃんだっけ。」
「はい!覚えて頂いてたのですね!」
「はい!ヤーテで御座います。」
2人は嬉しそうに答える。
「フランちゃん公爵だったよね?」
「はい、オーレン公爵家です。」
「うん、フランちゃん達一緒に居て。」
「え?まだ令嬢が来られますよ?」
「だからだよ、ちょっと面倒な人来たら睨んであげて。」
「・・・任せてください。」
フランシスは何かを察し頷く、テールキとヤーテもニコッと微笑み頷いた。
-----------------
「大丈夫そうね。」
「えぇ、オーレン公爵令嬢が横に居たら滅多な事は言えないわね。」
千春達を遠目にみながらマルグリットとアルデアは話す。
「それでもバカな子は居るわ、何か有れば教えてね。」
「えぇ、なんならその場で消してあげるわよ。」
「それをするとチハルが悲しむわ、後日私が処理してあげるわよ。」
「怖いわねぇ。」
「アルデアに言われたくないわよ。」
2人はクスクス笑いながら千春達を見守った。
---------ご連絡---------
3月20日~22日の3日間更新が止まる可能性が有ります。
結婚記念日で旅行行きまーす!
旅行先でも更新する予定ですが・・・もしかしたら休みます!
出来るだけ更新するけど休んだらゴメンなさい!
マルグリットが千春に声を掛ける、貴族が集まる王宮の広場で挨拶が終わった千春はニッコリ微笑む。
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「はい!」
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「今からお茶会でしょう?」
「うん。」
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アルデアは言葉とは裏腹に笑みを浮かべている。
「どの貴族か分かるのかしら?」
「勿論、でもこんな席でしょう、大きな事は言えないわ。」
「そうね、でも気に入らないわね、どこの誰?」
「コーブル伯爵の取り巻きね。」
「・・・次は無いって警告したのにバカね。」
「一応コーブル家とは関わりの無い貴族にちょっかい掛けさせるつもりのようだけど。」
「アルデアがすべて聞いてるのを知らないもの、どこの家?」
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フッと笑みを浮かべマルグリットが呟く。
「お母様、それって男爵本人がちょっかい掛けて来る感じなんです?」
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「うーん・・・。」
「どうしたの?」
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「でも私お茶会の作法知らないですもんね。」
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「私が教えましょうか?」
アルデアは楽しそうに問いかける。
「え?今から?」
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「どうやって?」
「この子を髪の中に仕込んでなさい。」
アルデアは小さな蝙蝠を出す。
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「おー!凄いね!」
「・・・暇だったのよ。」
「あ、うん、そだね。」
アルデアはいつもの蝙蝠よりも小さな蝙蝠を千春の頭に乗せると、もそもそと髪の中に潜り込む。
「こちょばい!」
「ジッとしてるから慣れるわよ。」
「どう?見えない?」
「えぇ、気付かれないわ。」
「そうだ、ヨリ達にもこの子付けれる?」
「そうね、皆に付けておきましょうか。」
2人が話しているとマルグリットが話しかける。
「そんな事しなくても私が横に居れば大丈夫でしょうに。」
「お母様もお茶会に出るんですか?!」
「いえ?でも出た方が良さそうよね。」
「それじゃ私も出ようかしら。」
アルデアは楽しそうに言う。
「構わないわよ、それじゃ私とアルデアはチハルが見える所に居るから、何か有れば蝙蝠に言いなさい、直ぐに行くわ。」
「はーい、大丈夫だと思うけどなぁ。」
「チハルは知らないのよね。」
「何をです?」
「貴族令嬢の陰湿な所よ。」
「・・・知らないです、あまり付き合い無いので。」
「知らない方が良いわね。」
千春に優しく言うと立ち上がる。
「さ、そろそろ行きましょうか。」
「はーい!」
「私も楽しませてもらいますわ♪」
アルデアは軽く手を振ると、ゴスロリ衣装からドレスに早着替えする。
「何それ。」
「魔法よ?」
「便利だね。」
「えぇ、チハルも覚えたら出来るわよ。」
「・・・マジか。」
3人は軽く話しをしながらホールに向かう。
「さぁココよ。」
大きな扉の前に兵士と執事が立っている、マルグリットを見るとお辞儀をし扉を開ける、マルグリットはそのままホールに入ると千春、アルデアと続いて入る、ホールには沢山の貴族令嬢や男性が居たが、マルグリットが入って来ると皆注目する。
「さ、チハル。」
「え?」
「先ほどと同じ文言で良いわよ。」
「はい・・・ここでも言うんですね。」
千春は少し高くなった壇に上がると、集まった貴族達に挨拶をする、そして誕生日のお礼を伝える、令嬢達は笑顔で、そして男子達も拍手で答える。
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「らしいねー、さっき蝙蝠が飛んで来て皆の髪の中に入って来て教えてもらった。」
「ビックリしたねアレ。」
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暫くすると貴族令嬢が3人千春に近付く。
「チハル様、お誕生日おめでとうございます。」
「「おめでとうございます、チハル王女殿下。」」
「フランちゃん♪ありがとー!、あと、テールキちゃんとヤーテちゃんだっけ。」
「はい!覚えて頂いてたのですね!」
「はい!ヤーテで御座います。」
2人は嬉しそうに答える。
「フランちゃん公爵だったよね?」
「はい、オーレン公爵家です。」
「うん、フランちゃん達一緒に居て。」
「え?まだ令嬢が来られますよ?」
「だからだよ、ちょっと面倒な人来たら睨んであげて。」
「・・・任せてください。」
フランシスは何かを察し頷く、テールキとヤーテもニコッと微笑み頷いた。
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「大丈夫そうね。」
「えぇ、オーレン公爵令嬢が横に居たら滅多な事は言えないわね。」
千春達を遠目にみながらマルグリットとアルデアは話す。
「それでもバカな子は居るわ、何か有れば教えてね。」
「えぇ、なんならその場で消してあげるわよ。」
「それをするとチハルが悲しむわ、後日私が処理してあげるわよ。」
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