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ユラの誕生日?!

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「チハルおねえちゃん・・・。」
「いらっしゃいユラ、どうしたの?」
 こっそりと扉を開き千春の部屋をのぞき込むユラは声を掛けて来る。

「こっちおいで、1人で来たの?」
「うん。」
 ユラは扉を開けテコテコと歩いて千春の横に来る。

「なにしてるの?」
「麻雀大会の見学だよ。」
 ロイロに教えるはずの麻雀大会は何故か白熱し、ルールを覚えたアルデア、常に勝ち続ける彩葉、固い役で上がり相手に振らないロイロ、そしてルプ、ビェリー、コンは入れ替わりで負け続けていた。

「まーじゃん?」
「そ、ちょっと難しいゲームだよ、で、どうしたの?」
「あのね?あのね?」
「うん。」
「おねがいがあるのー。」
「・・・何でも言いなさい!なんでも聞くよ!」
 千春はユラのお願いと聞き満面の笑みで答える。

「えっとね、もうすぐレンちゃんのたんじょうびなの、それでね?それで・・・。」
「うん、誕生日なんだ。」
「うん、ユラケーキ作りたいの。」
「おっけ!作ろう!誕生日いつ?」
「ふつかごなの。」
「いいよー、今から作ってもアイテムボックスに入れておいてあげるから大丈夫だよ。」
「やったぁ!ユラもね!作りたいの!」
「うん、一緒に作ろう、何のケーキ作ろうかな、トレントの里のフルーツもいっぱい有るし、あ!世界樹の実ケーキも美味しかったし、なんなら日本のフルーツ買って来ても良いな。」
 千春はノリノリで考える。

「そういえばユラの誕生日っていつなんでしょうね。」
 サフィーナは千春とユラの話を聞きながら呟く。

「そう言えば知らないね、ユラ、誕生日いつなの?」
「わかんない、さむい時においわいしてたよ?」
「ユラの所って基本寒いんだよね?」
「うん。」
「それじゃ分かんないかぁ。」
 千春は、ウーンと考え込むとモリアンがポツリと呟く。

「アイトネ様なら分かるんじゃないですかぁ?」
「それだ!アイトネ!」
『なにー?』
「ユラの誕生日分かる?」
『え~っと・・・え?今日?』
「は?」
『ユラの生まれた日は今日よ。』
「マ!?ちょっと!こんな事してる場合じゃない!」
 千春は立ち上がるとオロオロと動き回る。

「千春ー落ち着きなー、今からケーキ作れば良いじゃん。」
「そうだ!ケーキ!あとプレゼント!あ!お母様にも言わないと!」
「千春ー落ち着けー。」
 頼子はクスクスと笑いながら千春を宥める。

「チハルさん!私王妃殿下に伝えてきます!」
「うん!モリー頼んだ!私はケーキ作るよ!」
『私はユラに祝福でもあげましょうか♪』
「ちょっと、アイトネ何あげるつもりなの!?」
『女神の祝福よ~♪ユラに害する物が居たら地獄に落としてあげるわね♪』
「それはヤバいヤツ!やめてあげてー!」
『えぇ~?』
 キョトンとしているユラは千春とアイトネを交互に見ている。

「チハルおねえちゃん?」
「ん?あ、ユラの誕生日今日なんだって、お祝いしようね。」
「きょうなの?」
「うん、今日で7歳になるのかな?」
「そうなの?」
『そうよーおめでとうユラ、お祝い何が良い?』
「えっとー・・・えっとー・・・アイトネさまといっしょにケーキ食べる!」
『・・・可愛いわ、チハル、ユラに祝福あげたいわ。』
「ほら、一緒にケーキ食べたがってるからそっちにしてあげて、美味しいケーキ作るから。」
 千春はサフィーナを見るとサフィーナも既に腕まくりをし料理の準備を始めていた。

「一緒にイーレンちゃんのケーキも作るか。」
「そうですね、それよりメグ様に連絡を入れたのでもしかすると・・・。」
「あー、パーティー開くかもね。」
「ですねぇ。」
 千春とサフィーナが話しているとルプとロイロが加わる。

「さて、儂は何をプレゼントするかのぅ。」
「ユラ、何か欲しい物は有るか?何でも採って来てやるぞ。」
 ルプとロイロはユラに問いかける。

「プレゼント・・・んー・・・いっしょにケーキ食べる!」
「欲しい物は無いのか?」
「ユラは欲が無いからなぁ。」
 ルプとロイロはユラを見ながら呟く。

「それじゃ私はケーキ作るからユラおいでー。」
「はーい!」
「私も手伝うよーん。」
 頼子も影からエプロンを取り出す、厨房に行くと千春達は早速スポンジを焼き生クリームをホイップする、ユラは頼子に教えてもらいながら果物を切り一緒にケーキを作り始める。


----------------


「チハルさん!王妃殿下に伝えてきましたー♪」
「なんて?」
「はい!滅茶苦茶驚いてました!」
「そりゃそうだ、私もビックリしたもん、で?お母様なんて?」
「えっと、オロオロしてました、すぐに準備してこちらに来られるそうです。」
「あははは・・・何の準備してくるのかな。」
 話をしていると扉がノックされる、ラルカが扉を開けるとマルグリットが入って来た。

「ユラ!お誕生日おめでとう!今日が誕生日だったのね♪」
「ありがとうございます、おかあさま!」
「んー、せめて前日に知りたかったわ、ユラ何か欲しい物とか無い?」
 皆と同じ質問をし、ユラは同じように答える。

「ケーキはいつでも一緒に食べてるものねぇ、困ったわぁ。」
「お母様、一緒にケーキ作りませんか?」
「良いわね、私も手伝うわ、ユラ一緒に作りましょうね。」
「はーい!」
 ユラは満面の笑みで返事をするとフルーツを切り始める。

「そう言えばユラのお友達のイーレンももうすぐよね?」
「はい、2日後らしくて、ユラがレンちゃんの誕生日にケーキを作りたいって言って来たんですよ、それでユラはいつかなって聞いたら知らなくてアイトネに確認してもらったんです。」
「そう言う事ねぇ、そうだ!今日は準備出来ないから私達だけでお祝いして、ゴールマン伯爵家の誕生会で一緒にもう一度お祝いしましょうか。」
「良いですねー、2日しか変わらないなら一緒でも良いかもしれませんね。」
「アルベル、ゴールマン家に連絡してもらえる?」
「了解致しました。」
「あ、ちょっと待ってください、ルル、レンちゃんとルペタちゃん呼べる?」
「呼べるわー!伝えて連れて来るわね!」
 いつもユラと行動をしている妖精のルルは嬉しそうに宙がえりをするとフェアリーリングに突っ込んで行った。

「よーし!美味しいケーキ作るぞー!」
「がんばるー!」
「任せろー!」
「フフッ、私も頑張るわね。」
 千春はニッコニコで手を上げると、ユラ、頼子、マルグリットも楽しそうに返しケーキ作りを再開した。


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「ルプ、何か案は無いのか?」
「そうだなぁ、ユラは花が好きだから花でも取って来るか。」
「寒いからのぅ、花が咲いている場所を探すのは無理ではないか?」
 ルプが言うとロイロは考える、するとビェリーとコンも話す。

「咲いてる所あったらわっちが影に入れて沢山もってくるばい?」
「その咲いている所が問題ですねぇ。」
「ふむぅ・・・そうじゃ!アイトネ!花が咲き乱れておる所知らぬか?」
『ちょっと待ってね・・・ちょっと離れてるけど有るわよ、行くのは誰?』
「俺が行く。」
「儂も行くぞ。」
「運ぶの手伝うけんわっちも行くばい。」
「僕も手伝います!」
「私もいくわー。」
「吾輩も行くにゃ!」
『おっけーそれじゃ行くわよー♪』
 ペット組と彩葉、そしてアイトネは千春達が厨房に居る間に姿を消した。




 
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