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オークション!
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「コレは凄いわ。」
「温泉いいねぇ。」
美桜と麗奈は温泉に浸かりながら呟く、2人とも顔がとろけながら笑みを浮かべる。
「チハル、ヨリ、私達も呼べよー。」
「ごめんて。」
「みんな用事あったじゃんー。」
青空が言うと千春と頼子が答える。
「そう言えばレナの魔石売るの今日じゃ無かった?」
「うん、宰相さんに丸投げしてるけどね。」
「何売るの?」
「飛行魔道具、箒付き。」
「箒は要らなくね?」
「いやいや、箒があってこそでしょアレは。」
「どこで売るの?」
「オークションって言ってたよ。」
他人事のように言う麗奈、実際よく分かっていなかった。
「オークションかー、前聞いたなぁ。」
千春はエンハルトが言っていた言葉を思い出す。
「他に何が売ってんのかな。」
「奴隷とか、呪われた品とか?」
「そう言うのは無いらしいよ、美術品とか珍しい魔道具とか、あと出土した遺跡の品とかね。」
「もっとヤバいの売ってるかと思った。」
美桜は興味をなくし湯に沈む。
「何じゃ、怪しい品のオークションを見たいのか?」
温泉に入って来たロイロが千春達に話しかける。
「興味あるなーって話してたんだけどね、売ってないらしいよ。」
「売っとるぞ?闇オークションならのぅ。」
お湯を頭から被り体を流すと湯船に浸かるロイロ。
「は?闇オークションって何?」
「王国の正式な物じゃ無いオークションじゃな、とあるギルドが主催しとるんじゃよ、国のオークションと同じ日にやっとるんじゃ、時間をずらしてのぅ。」
気持ち良さそうに湯船に浸かり、目を閉じながら答えるロイロは目を開け千春を見てニヤリと笑う。
「行ってみるか?」
「行く!」
「私達も行ける?」
「構わんぞ、特別席を用意しておく、人との接触は無いVIP席じゃ。」
「・・・なんでロイロそんな事できんのさ。」
「こう言うのは、蛇の道は蛇と言うんじゃろ?」
「いや、ドラゴンじゃん。」
「千春、例えだよ。」
「知っとるわー!」
ウガー!と腕を跳ね上げ湯を掛ける千春、そして王国オークションと闇オークションの両方を見学する事になった。
-----------------
「何でハルト達がいんの?」
温泉旅館の一室で着替え終わった千春がエンハルトに問いかける。
「・・・監視だ。」
「何の?」
「チハルの。」
「・・・監視されるような事しないけどなぁ。」
エンハルトはどの口が言ってるんだと呟きつつ苦笑いしながら千春をエスコートする、アリンハンド、エーデル、そしてホーキンも護衛兼監視としてついて来ている。
「こんなドレス着て行く物なの?」
ヒラヒラなドレスを纏い、動きにくそうに千春は呟く、頼子達もドレスにお着替えだ。
「国のオークションだ、貴族や大店商人が集まるからな、舐められないようにだ。」
「舐められてもいいんじゃ無い?」
「何も買わないならな、行けば分かる。」
苦笑いも笑みに代わり、千春に答えるエンハルト、しばらくして皆着替え終わると外に待たせてある馬車へ乗り込む。
「どこまで行くのかな。」
「馬車に乗るくらいだから遠いんじゃ無い?」
「この馬車あんまり揺れないね。」
「本当だ、もっとガタガタしてたよね。」
千春と頼子がオークション会場の話をしていると、美桜と麗奈が馬車の話をする。
「前聞いたサスペンションというヤツをタイキ殿が設計してくれたんだよ。」
飄々と答えるエンハルト。
「またお父さんかぁぁ!」
「異世界で一番やらかしてるのってチハルパパじゃね?」
千春が叫び、青空が大笑いしながら言う。
「着いたぞ。」
「え?もう?」
数分で到着する会場に驚くJK軍団。
「歩いて来れるじゃん。」
「いや、ドレス着て歩くの嫌じゃん?」
「あー、そりゃそうか。」
「こう言う場所には馬車で来るものなんだよ。」
エンハルトが答え、青空、大愛、日葵は納得しながら馬車を降りると、係の者が案内し、部屋へ通す。
「いらっしゃいませ、エンハルト王子殿下。」
「急にすまんな。」
「いえ、ご挨拶が遅れました、オークションの方を担当させて頂いておりますフィニスと申します。」
「本日はいかがなさいますか?」
身なりの良いロマンスグレーの紳士は、エンハルトに問いかける。
「チハル王女とその友達が見学したいと言うからな、購入は参加するかもしれないな。」
「了解しました、本来ならば予算の方を確認させて頂くのですが、チハル王女殿下の方は商業ギルドマスターより了解を頂いておりますので省略させて頂きます。」
「良いの?」
「はい、余程な物でなければ全て買い占めれると。」
笑みを浮かべながらフィニスは答える。
「すげぇ千春金持ちぃ。」
「いや、ヨリ、レナの方が金持ちなんだってば。」
頼子に答えていると、フィニスは話し出す。
「レナ様の商品はルーカス様よりお預かりしております、チハル王女殿下も何か出されますか?」
「オークションにですか?」
「はい。」
「なんかあっかなぁ。」
千春はアイテムボックスの中を思い出しながら、ポイポイっと物を取り出す。
「えっと、世界樹の実と枝、付けると寝ちゃう指輪、あとはー、何だっけコレ。」
色々と取り出すと、頼子が千春に突っ込みを入れる。
「千春。」
「なに?」
「世界樹物はアウトだと思うよ。」
頼子に言われエンハルトを見ると、手で目を押さえ仰いでいた、そして紳士の方は目が点になっている。
「あ・・・うん、これは無しっと、あとはドラゴン達の鱗と、ルプの抜け毛。」
「なんでそんなの取ってんのさ。」
「いやドラゴンの鱗って貴重らしくてドラゴン達がくれるんだよ、ルプの毛はモフモフで気持ち良いからクッション作ろうかと思ってさ。」
テーブルに並べられた大量のドラゴンの鱗を見ながらフィニスは千春に話しかける。
「こちらの品を鑑定させて頂いても?」
「はいどうぞ。」
フィニスの後ろに立つ女性に声を掛けると、鑑定を掛ける。
「はい、こちらの品はすべてドラゴンの鱗で御座います、そしてこちらの品はロイロ様、ママドラ様の鱗で御座います。」
「あ、ママドラで通ってんだ。」
変なと所に食いつく千春、そして品を鑑定したフィニスは千春に説明する。
「こちらの品はオークションにかけても大丈夫で御座いますか?」
「はい、全部売っちゃっても良いです、幾らくらいになるんですか?コレ。」
「そうですね、過去にドラゴンの鱗が出品されましたが、この中サイズ程で金貨20枚で落札されておりました、こちらのママドラ様の鱗ですと・・・10倍はいや、もっと行くかと。」
「20枚・・・え~っと200万!?」
「状態が以前の物よりも良いですが、数が有りますので価格は下がるかと、どうされますか?数枚だけにしておけば値は上がると思いますが。」
「ん~~~~~~~~~・・・・どする?」
千春は唸りながら頼子達に聞くが。
「しらんがな。」
「チハルのじゃん?」
「いらないなら売ればー?」
「何に使うか知らないもんなぁ。」
「ダメだ!役に立たん!」
「「「「ひどい!」」」」
「アリンさんドラゴンの鱗って何に使うの?」
横で見ているアリンハンドに聞く千春。
「魔法道具やインクに使います、少量でも効果が出ますので一枚あれば魔導士が一生分使える物ですね。」
「アリンさん使う?」
「いえ、ドラゴンの厩舎に行けば結構貰えるんですよ。」
「え、この貰った鱗は?」
「それは厩舎に落ちている物よりも綺麗で状態が良い物ですね、素材として使う場合は状態は気にしませんから。」
「へぇ、何でくれるんだろ。」
「で、どうするんだ?チハル。」
「うん、それじゃ数枚だけ、あとはママドラのも1枚だけ売ってみる。」
そう言うとフィニスは頷き、布の敷かれたトレイに大事に置いて行く。
「フェニスさん、あの、仮にですけど。」
「はい、何でしょうか。」
「世界樹の実売ったらどうなります?」
「ありえない程の値段で売れます。」
「高いって事ですか?」
「はい、ただ商品価値を考えると、物凄く安く売る事になりますね。」
「どういう事?」
意味が分からず千春はコテンと首を傾げる。
「チハル、世界樹の実はどんな病も治すって知ってるよな?」
「うん。」
「それ一つで街が一つ買えるくらい貴重な品だ。」
「あー、言ってた気がする。」
「オークションは値を吊り上げて行く、そして出せる限界の者が手に入れる、その者が街を買える程の金を出せると思うか?」
「・・・あー!そう言う事かぁ!」
やっとフェニスの言っている意味が分かった千春は、ポンと手を叩く。
「今日のオークションで最高額になるのは間違いありません、しかし価値としてはありえない程の安さで落札されるでしょう。」
「・・・そんなヤバいのか。」
「・・・はい。」
「はい、把握しましたぁ。」
千春は世界樹の実をアイテムボックスにナイナイ!と言いながらポイポイ投げ入れる。
「でも一個くらい出しても楽しかったかも。」
「そだねぇ、今アイテムボックスに何個くらい入ってんの?」
「ん~・・・50個くらい。」
「いっぱいあんね。」
「うん、この前補充したばっかりだもん。」
話を聞いているフェニスは既に苦笑いから呆れ顔になってしまっていた。
「よし、他に出す物は無いか?」
「ソラ達は?」
「ん~私は無いなぁ。」
「うちも無いねぇ。」
「100円ライターとかなら有るけど。」
アイテムボックスの魔道具になったポシェットを見る3人は残念そうに呟く。
「あ、私これ出すわ。」
頼子はそう言うと大振りのルビーを取り出す、ルビーの中には紋章のような模様が描いてある。
「おー、これ作ったやつ?」
「そ、この中の紋章はアリンさんに教えてもらったんだー。」
「なんの模様なの?」
「家内安全だっけ?」
「えぇ、安全というか厄除けの紋章になります。」
頼子はフェニスにそれを見せると、フェニスは恐る恐る手に取る。
「こちらは何処で手に入れた物で御座いますか?」
「あ、作ったんですよ、私が。」
ドヤ顔で言う頼子。
「・・・宝石を作れると?」
「えっと・・・はい、あれ?アリンさんこれダメな奴?」
「はい、ダメな奴です。」
あはははと笑いながら答えるアリンハンド、千春はちらりとエンハルトを見ると横を向き溜息を吐いている。
「はい!ヨリアウトー!!!!!」
「えー!千春よりマシっしょ!」
「いや、目くそ鼻くそだよあんたら。」
「ミオ、せめて50歩100歩にしな?」
「で、それは出せるわけ?」
青空がそう言うとフェニスを見る。
「はい、こちらはかなり高額ですが適性価格で売れると思われます、上限は出してみなければ分かりませんが・・・。」
「それじゃお願いします!」
「宜しいのですか?」
即答で答える頼子に、再度確認を取るフェニス。
「はい!また作れるんで♪」
「はい!ヨリアウトー!!!!」
「チハルもだよ!!!」
「私の飛行魔石なんて可愛いもんだなぁ。」
美桜は突っ込み、麗奈は遠い目を見ながら呟く、そして皆は話を終えオークション会場へ向かった。
「温泉いいねぇ。」
美桜と麗奈は温泉に浸かりながら呟く、2人とも顔がとろけながら笑みを浮かべる。
「チハル、ヨリ、私達も呼べよー。」
「ごめんて。」
「みんな用事あったじゃんー。」
青空が言うと千春と頼子が答える。
「そう言えばレナの魔石売るの今日じゃ無かった?」
「うん、宰相さんに丸投げしてるけどね。」
「何売るの?」
「飛行魔道具、箒付き。」
「箒は要らなくね?」
「いやいや、箒があってこそでしょアレは。」
「どこで売るの?」
「オークションって言ってたよ。」
他人事のように言う麗奈、実際よく分かっていなかった。
「オークションかー、前聞いたなぁ。」
千春はエンハルトが言っていた言葉を思い出す。
「他に何が売ってんのかな。」
「奴隷とか、呪われた品とか?」
「そう言うのは無いらしいよ、美術品とか珍しい魔道具とか、あと出土した遺跡の品とかね。」
「もっとヤバいの売ってるかと思った。」
美桜は興味をなくし湯に沈む。
「何じゃ、怪しい品のオークションを見たいのか?」
温泉に入って来たロイロが千春達に話しかける。
「興味あるなーって話してたんだけどね、売ってないらしいよ。」
「売っとるぞ?闇オークションならのぅ。」
お湯を頭から被り体を流すと湯船に浸かるロイロ。
「は?闇オークションって何?」
「王国の正式な物じゃ無いオークションじゃな、とあるギルドが主催しとるんじゃよ、国のオークションと同じ日にやっとるんじゃ、時間をずらしてのぅ。」
気持ち良さそうに湯船に浸かり、目を閉じながら答えるロイロは目を開け千春を見てニヤリと笑う。
「行ってみるか?」
「行く!」
「私達も行ける?」
「構わんぞ、特別席を用意しておく、人との接触は無いVIP席じゃ。」
「・・・なんでロイロそんな事できんのさ。」
「こう言うのは、蛇の道は蛇と言うんじゃろ?」
「いや、ドラゴンじゃん。」
「千春、例えだよ。」
「知っとるわー!」
ウガー!と腕を跳ね上げ湯を掛ける千春、そして王国オークションと闇オークションの両方を見学する事になった。
-----------------
「何でハルト達がいんの?」
温泉旅館の一室で着替え終わった千春がエンハルトに問いかける。
「・・・監視だ。」
「何の?」
「チハルの。」
「・・・監視されるような事しないけどなぁ。」
エンハルトはどの口が言ってるんだと呟きつつ苦笑いしながら千春をエスコートする、アリンハンド、エーデル、そしてホーキンも護衛兼監視としてついて来ている。
「こんなドレス着て行く物なの?」
ヒラヒラなドレスを纏い、動きにくそうに千春は呟く、頼子達もドレスにお着替えだ。
「国のオークションだ、貴族や大店商人が集まるからな、舐められないようにだ。」
「舐められてもいいんじゃ無い?」
「何も買わないならな、行けば分かる。」
苦笑いも笑みに代わり、千春に答えるエンハルト、しばらくして皆着替え終わると外に待たせてある馬車へ乗り込む。
「どこまで行くのかな。」
「馬車に乗るくらいだから遠いんじゃ無い?」
「この馬車あんまり揺れないね。」
「本当だ、もっとガタガタしてたよね。」
千春と頼子がオークション会場の話をしていると、美桜と麗奈が馬車の話をする。
「前聞いたサスペンションというヤツをタイキ殿が設計してくれたんだよ。」
飄々と答えるエンハルト。
「またお父さんかぁぁ!」
「異世界で一番やらかしてるのってチハルパパじゃね?」
千春が叫び、青空が大笑いしながら言う。
「着いたぞ。」
「え?もう?」
数分で到着する会場に驚くJK軍団。
「歩いて来れるじゃん。」
「いや、ドレス着て歩くの嫌じゃん?」
「あー、そりゃそうか。」
「こう言う場所には馬車で来るものなんだよ。」
エンハルトが答え、青空、大愛、日葵は納得しながら馬車を降りると、係の者が案内し、部屋へ通す。
「いらっしゃいませ、エンハルト王子殿下。」
「急にすまんな。」
「いえ、ご挨拶が遅れました、オークションの方を担当させて頂いておりますフィニスと申します。」
「本日はいかがなさいますか?」
身なりの良いロマンスグレーの紳士は、エンハルトに問いかける。
「チハル王女とその友達が見学したいと言うからな、購入は参加するかもしれないな。」
「了解しました、本来ならば予算の方を確認させて頂くのですが、チハル王女殿下の方は商業ギルドマスターより了解を頂いておりますので省略させて頂きます。」
「良いの?」
「はい、余程な物でなければ全て買い占めれると。」
笑みを浮かべながらフィニスは答える。
「すげぇ千春金持ちぃ。」
「いや、ヨリ、レナの方が金持ちなんだってば。」
頼子に答えていると、フィニスは話し出す。
「レナ様の商品はルーカス様よりお預かりしております、チハル王女殿下も何か出されますか?」
「オークションにですか?」
「はい。」
「なんかあっかなぁ。」
千春はアイテムボックスの中を思い出しながら、ポイポイっと物を取り出す。
「えっと、世界樹の実と枝、付けると寝ちゃう指輪、あとはー、何だっけコレ。」
色々と取り出すと、頼子が千春に突っ込みを入れる。
「千春。」
「なに?」
「世界樹物はアウトだと思うよ。」
頼子に言われエンハルトを見ると、手で目を押さえ仰いでいた、そして紳士の方は目が点になっている。
「あ・・・うん、これは無しっと、あとはドラゴン達の鱗と、ルプの抜け毛。」
「なんでそんなの取ってんのさ。」
「いやドラゴンの鱗って貴重らしくてドラゴン達がくれるんだよ、ルプの毛はモフモフで気持ち良いからクッション作ろうかと思ってさ。」
テーブルに並べられた大量のドラゴンの鱗を見ながらフィニスは千春に話しかける。
「こちらの品を鑑定させて頂いても?」
「はいどうぞ。」
フィニスの後ろに立つ女性に声を掛けると、鑑定を掛ける。
「はい、こちらの品はすべてドラゴンの鱗で御座います、そしてこちらの品はロイロ様、ママドラ様の鱗で御座います。」
「あ、ママドラで通ってんだ。」
変なと所に食いつく千春、そして品を鑑定したフィニスは千春に説明する。
「こちらの品はオークションにかけても大丈夫で御座いますか?」
「はい、全部売っちゃっても良いです、幾らくらいになるんですか?コレ。」
「そうですね、過去にドラゴンの鱗が出品されましたが、この中サイズ程で金貨20枚で落札されておりました、こちらのママドラ様の鱗ですと・・・10倍はいや、もっと行くかと。」
「20枚・・・え~っと200万!?」
「状態が以前の物よりも良いですが、数が有りますので価格は下がるかと、どうされますか?数枚だけにしておけば値は上がると思いますが。」
「ん~~~~~~~~~・・・・どする?」
千春は唸りながら頼子達に聞くが。
「しらんがな。」
「チハルのじゃん?」
「いらないなら売ればー?」
「何に使うか知らないもんなぁ。」
「ダメだ!役に立たん!」
「「「「ひどい!」」」」
「アリンさんドラゴンの鱗って何に使うの?」
横で見ているアリンハンドに聞く千春。
「魔法道具やインクに使います、少量でも効果が出ますので一枚あれば魔導士が一生分使える物ですね。」
「アリンさん使う?」
「いえ、ドラゴンの厩舎に行けば結構貰えるんですよ。」
「え、この貰った鱗は?」
「それは厩舎に落ちている物よりも綺麗で状態が良い物ですね、素材として使う場合は状態は気にしませんから。」
「へぇ、何でくれるんだろ。」
「で、どうするんだ?チハル。」
「うん、それじゃ数枚だけ、あとはママドラのも1枚だけ売ってみる。」
そう言うとフィニスは頷き、布の敷かれたトレイに大事に置いて行く。
「フェニスさん、あの、仮にですけど。」
「はい、何でしょうか。」
「世界樹の実売ったらどうなります?」
「ありえない程の値段で売れます。」
「高いって事ですか?」
「はい、ただ商品価値を考えると、物凄く安く売る事になりますね。」
「どういう事?」
意味が分からず千春はコテンと首を傾げる。
「チハル、世界樹の実はどんな病も治すって知ってるよな?」
「うん。」
「それ一つで街が一つ買えるくらい貴重な品だ。」
「あー、言ってた気がする。」
「オークションは値を吊り上げて行く、そして出せる限界の者が手に入れる、その者が街を買える程の金を出せると思うか?」
「・・・あー!そう言う事かぁ!」
やっとフェニスの言っている意味が分かった千春は、ポンと手を叩く。
「今日のオークションで最高額になるのは間違いありません、しかし価値としてはありえない程の安さで落札されるでしょう。」
「・・・そんなヤバいのか。」
「・・・はい。」
「はい、把握しましたぁ。」
千春は世界樹の実をアイテムボックスにナイナイ!と言いながらポイポイ投げ入れる。
「でも一個くらい出しても楽しかったかも。」
「そだねぇ、今アイテムボックスに何個くらい入ってんの?」
「ん~・・・50個くらい。」
「いっぱいあんね。」
「うん、この前補充したばっかりだもん。」
話を聞いているフェニスは既に苦笑いから呆れ顔になってしまっていた。
「よし、他に出す物は無いか?」
「ソラ達は?」
「ん~私は無いなぁ。」
「うちも無いねぇ。」
「100円ライターとかなら有るけど。」
アイテムボックスの魔道具になったポシェットを見る3人は残念そうに呟く。
「あ、私これ出すわ。」
頼子はそう言うと大振りのルビーを取り出す、ルビーの中には紋章のような模様が描いてある。
「おー、これ作ったやつ?」
「そ、この中の紋章はアリンさんに教えてもらったんだー。」
「なんの模様なの?」
「家内安全だっけ?」
「えぇ、安全というか厄除けの紋章になります。」
頼子はフェニスにそれを見せると、フェニスは恐る恐る手に取る。
「こちらは何処で手に入れた物で御座いますか?」
「あ、作ったんですよ、私が。」
ドヤ顔で言う頼子。
「・・・宝石を作れると?」
「えっと・・・はい、あれ?アリンさんこれダメな奴?」
「はい、ダメな奴です。」
あはははと笑いながら答えるアリンハンド、千春はちらりとエンハルトを見ると横を向き溜息を吐いている。
「はい!ヨリアウトー!!!!!」
「えー!千春よりマシっしょ!」
「いや、目くそ鼻くそだよあんたら。」
「ミオ、せめて50歩100歩にしな?」
「で、それは出せるわけ?」
青空がそう言うとフェニスを見る。
「はい、こちらはかなり高額ですが適性価格で売れると思われます、上限は出してみなければ分かりませんが・・・。」
「それじゃお願いします!」
「宜しいのですか?」
即答で答える頼子に、再度確認を取るフェニス。
「はい!また作れるんで♪」
「はい!ヨリアウトー!!!!」
「チハルもだよ!!!」
「私の飛行魔石なんて可愛いもんだなぁ。」
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