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かき揚げ丼!

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「ルノアーさん天ぷら作るの上手になったねー。」
「天ぷらは夜の者達が酒のツマミでも食べるからなぁ。」
 パチパチと良い音を立てながら揚げた天ぷらを並べて行く千春。

「千春、天丼のツユ出来たよ、ちょっと味濃い?」
 千春は頼子の作ったツユを少し舐める。

「いんじゃん?良い味出てるよ。」
「おっけ~。」
 揚げた天ぷらをご飯に盛り付けると、頼子がツユを掛ける。

「持って行きますね。」
 サフィーナはトレーに天丼を乗せると、マリーナとティスケリーに持って行く。

「お待たせしました。」
「ん~~~~~~~!良い匂い!」
「美味しそうね、ありがとう。」
 2人の前に並べると、待ちきれないと言わんばかりにティスケリーはフォークで天ぷらに齧り付く、そしてすぐにご飯を口に入れ満面の笑みになる。

「美味しい!」
「えぇ、やっぱり料理人も連れてきたら良かったわねぇ。」
 マリーナは食べながら呟く、ティスケリーはその後一言も話さず黙々と食べていた。

「メグ様もお食事されますか?」
「見てたら食べたくなっちゃったわね、お願いしていい?」
「はい。」
 サフィーナは微笑み千春の所へ戻る。

「チハル、メグ様も食べられるそうよ。」
「そりゃ目の前で食べられたらねー、大丈夫だよ今作ってるから。」
「あと。」
「なに?」
「ティスケリー様とマリーナ様、おかわりしますよ。」
「え、マジ?」
 サフィーナと千春が話をしていると、声が聞こえる。

「おかわりおねがい!」
 ティスケリーは空になったドンブリを掲げながら言う。

「ね?」
「早いな!一回じゃ済まないなコレ。」
「チハルさん、あとは任せてくれ、ツユも追加で作るから。」
 頼子が作ったツユを隣の鍋で大量に作り出す料理人達。

「うん、それじゃぁ私は別の作ろっと。」
「何つくるん?」
 千春がボウルに刻んだ野菜やエビを液に付け混ぜ込む。

「あ!かき揚げ!」
「そ、ルプ達の酒のツマミと、私のかき揚げ丼。」
「私もかき揚げ丼食べたい。」
「おっけ~。」
 千春は混ぜ合わせた具を鍋に一度潜らせた大きなオタマに形を整え油に入れる。

「やっべぇ、涎でた。」
「きちゃなーいw」
 頼子は口元を拭きながらのぞき込む、千春はそれを見ながら楽しそうにかき揚げをひっくり返す。

「うん、良い感じ。」
「チハルさんそれも天ぷらか?」
「うん、刻んだ野菜と海鮮を混ぜて作るかき揚げって言う天ぷらだよ。」
 何度かひっくり返し良い色に揚がったかき揚げを油を切り並べる。

「モリー、これをルプ達にお願い。」
「・・・はい。」
「なに?」
「・・・おいしそう。」
「はいはい、モリーもかき揚げ丼でいい?」
「はい!!!!」
 モリアンはパァっと笑顔になり、かき揚げを運ぶ、ティスケリーは既に3杯目の天丼を食べている。

「チハル、俺もそれでお願いしていいか?」
「ハルトも?エビとかの方が良いんじゃない?」
「それが良い、美味そうだ。」
「あいぉ~アリンも?」
「お願いします。」
 カウンターからのぞき込みながら言うエンハルトとアリンハンド、匂いにつられて見学していたようだ。

「ふむふむ、材料はこれとこれ、あとは魚介類、エビがメインか。」
 ルノアーは千春が切った野菜を見ながら呟く。

「イカとかなんでもイケるんじゃないかな、野菜なんてクズ野菜でもいいし。」
「うん、これなら材料も沢山あるな、兵士の昼はこれをメインにするか。」
 ルノアーは試しに自分達でもかき揚げを作り出す、そして千春は自分達のかき揚げを作り終わると、丼にしてテーブルへ運ぶ。

「サフィー達も休憩して食べてね。」
「有難うございます。」
「やったぁ!」
「おいしそうですぅ!」
「モリアン、ラルカ、王妃殿下の前ですよ。」
 喜ぶ2人に、サリナがたしなめる。

「それじゃいただきまーす!」
「頂きまーす!」
「いただきます。」
 千春と頼子が言うと、エンハルトもいただきますと言う、それを見てティスケリーが声を掛ける。

「イタダキマスってなに?」
「食べ物と作った人に感謝する言葉ですよ。」
「へぇ、ジブラロールの作法かしら?」
「あ、いえ、まぁ・・・今皆言ってるし、そんな感じ?」
 誤魔化す千春、そしてティスケリーの視線はかき揚げ丼をロックオンしていた。

「おいしそう。」
「ティスケリーさん今何杯目ですか?」
 ティスケリーの前にドンブリは積み重なってないが、少なくとも4杯目くらいまでは千春も見ていた。

「今6杯目食べ終わった所、次はそれが良いわ!」
 ティスケリーはそう言うと厨房に注文を入れる。

「千春、超うめぇ。」
「おっと、私も食べよっと。」
 ザクザクとかき揚げを箸で崩しながらタレにからめ、熱々のご飯と一緒に口に入れる。

「ん~~~~♪」
「最の高なんだが。」
「マジそれだね。」
 千春と頼子はウマウマ言いながら食べる。

「どう?ハルト。」
「・・・美味い!」
「そりゃよかった。」
 千春は笑みを浮かべ皆を見る、皆笑顔で天丼やかき揚げ丼を食べている。

「どしたん?千春。」
「ん、なんでもないよー。」
 頼子に声を掛けられたが、微笑み返し、またドンブリに手を付ける。

(・・・・・・。)
「・・・・・・アイトネも食べるの?」
『食べるに決まってるわぁ!』
「注文は自分でやってねー。」
 勝手知ってると言わんばかりに、アイトネはトコトコ厨房のルノアーに注文する、気付けばモートも注文していた。

「うん、美味しい物は正義だね。」
「それは千春に同意するわ。」
 笑顔で食事をする皆を見ながら、千春と頼子は目を合わせ笑い合った。






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