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冒険とは!

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「魔物いたにゃ!」
「俺がやる。」
 先頭を走るミタマとルプが魔物を見つけ、ルプが魔法を撃つ、羽の生えた魔物は真っ二つになり落ちた。

「グロっ。」
「ビェリー回収お願い。」
「あいー。」
 頼子が言うとビェリーが収納する、そして更に進む。

「ルプ、私達も戦闘するよ。」
「別に無理に戦わなくても良いだろ、雑魚だぞ?」
「ほら、冒険してる感あるじゃん。」
「別に良いけどな、もう少し先に結構いるからヤルか?」
「やるー。」
 そう言うと皆は箒から降りる。

「千春、ろぼっとだして。」
「イロハもやるの?」
「うん。」
 彩葉はゴーレムに乗り込むと、ミタマと並んで歩いて行く。

「さぁて、冒険の始まりだ!」
「さっきまではなんだったのさ。」
 千春の発言に突っ込む頼子。

「こまけぇこたぁいいのよ。」
「出たよ。」
「ま、チハルだしね。」
「何がいるのかなー。」
 てくてくと歩いて行くと、曲がり角に当たる、コンは狐火を先導させ先を照らす。

「来るぞ。」
「よっしゃ!みんな行くよーん!」
「おー!」
「任せろー!」
 魔力を貯め、魔法の発動準備をする面々、そして光に誘われ魔物が現れる。

「ぎゃぁぁ!!またコレ!?」
「聞いてない!コレは聞いてない!」
「まって!ヤバ!」
「ギャァァァ!」
「ゴキじゃん!」
「無理!帰る!」
「え?デカすぎんか?コレ。」
 日葵は平然と、千春達は阿鼻叫喚の中、ロイロとルプはクスクスと笑っている。

「ルプも意地悪じゃのう、何が出るか知っておったろ。」
「ロイロもだろ?それに余裕だろこの虫くらいなら。」
「僕がやりますか?」
「いや、ココでコンの火を使うのはオススメせんのう。」
「イロハ行っきまーす!」
 ロイロ達が話をしていると彩葉とミタマが走り出す。

「行くにゃー。」
 ミタマは大きくなり黒光りする大型犬ほどの魔物を弾いて飛ばす、彩葉はそれを拳で殴りトドメを指す。

「千春奥に10匹いるわ。」
「ヤッて良いにゃ?」
「やっちゃって!!!」
 千春は叫びながら言うと、彩葉とミタマが角を曲がり、ビェリーは回収の為に後ろからのんびりついて行く、そしてグチャリ、ベチョリと音だけが聞こえ、戦闘音が止まった。

「終わったにゃー。」
「ちょっと汚れちゃった。」
「回収終わったばーい。」
「サフィー!洗浄魔法お願い!」
 サフィーナはすぐに彩葉に洗浄魔法をかける、ミタマには青空が洗浄魔法をかけて綺麗にしていた。

「ルプぅ、虫じゃん!」
「虫だなぁ。」
「だなぁじゃないよぉ、もう居ない?」
「この先はコイツらを食べている魔物だな、大きいのも居るぞ。」
「虫じゃ無いなら良いよ、気を取り直そう!」
 恐る恐る歩くとカン高い鳴き声が聞こえる。

「何かな、ロイロ分かる?」
「ゴブリンキングとゴブリンあたりじゃな、人型じゃが大丈夫か?」
「うーん、まぁ、多分。」
 コンは先程と同じ様に狐火を飛ばすと、魔物は狐火に攻撃を始めた。

「おー?狐火消えちゃったね。」
「来るぞ。」
「狐火は沢山出しておきますねー。」
 コンはそう言うと沢山の狐火を天井に這わせながら展開していく。

「げ、走ってきた!」
 頼子は走ってくるゴブリンキングと目が合う。

「初弾行きまーす。」
 大愛は魔力を解放し、氷の槍を真正面に複数飛ばす、氷の槍はゴブリンを蹴散らして行く。

「ウォーターカッターいきまーす。」
「チハル私もー。」
 日葵も千春の横に立つと、水球を作り出す、そして2人は水を飛ばしジグザグに飛ばす。

「やっぱ砂入れないと殺傷能力あんま無いね。」
 千春が言うと日葵も頷く。

「さーて、それじゃ残りやってくんねー。」
「イロハも行っきまーす!」
 右手をぐるぐる回しながら青空が前に出る、両手には厳つい手袋、ガントレットを着用している、青空と彩葉のサポートでミタマもついて行く。

「うりゃあ!」
 棍棒を持ち走ってきたゴブリンキングをすれ違いざまに殴りつけ吹っ飛ばす青空、彩葉は棍棒を避ける事なくそのままゴブリンをゴブリンキングに投げて押し返す。

「結構いるね。」
「青空が前にいるから魔法使えないねぇ。」
「そんな事ないよ、ほら。」
 美桜は手持ち無沙汰に呟くと頼子は影魔法で不意打ちを狙うゴブリンを収納する。

「影魔法いいなー、こう言う所じゃ無双できっじゃん、爆炎魔法使いてぇ。」
 不満げに美桜は言う、そしてゴブリンを倒しながら先へ進むと光が見えた。

「出口?」
「出口だな、何処に続いてたんだろうな。」
 青空と彩葉がゴブリンを殲滅すると外に出る。

「ザ!森!」
「寒っ!」
「まぁ冬だしねこっち。」
「洞窟になってたんだね。」
 森の中に出た千春達、出てきた所は崖に開いた洞穴だ。

「入り口しょぼい!」
「なんでこんな所あんのかな。」
「途中から掘られた感じだったからな、ゴブリン共が掘って繋がったんじゃねえか?」
「魔法生物は?」
「通りすがりに倒したろ、俺が。」
「・・・え?!あれがそうなの?!」
 一撃で真っ二つにされた羽のある魔物を思い出す千春、

「どうする?戻るか?」
「分かれ道あったじゃん?あっちに魔物居ないの?」
「いるぞ?ワサワサいっぱいな。」
「・・・よし、帰ろう。」
 ワサワサと言われ鳥肌が立った千春は腕を擦りながら呟く。

「うん、あの黒光りのヤツは見たくないね。」
「まだ調べれそうじゃん?」
「そうそう、神殿っぽい所まだ調べて無いよね。」
「あっちなら虫居なかったし良いかも。」
「んじゃ戻るかぁ。」
「トンネル通るのはやだなぁ。」
 頼子達が言うのを聞きながら千春は箒を出す。

「ロイロ空から戻ろう、場所わかる?」
「問題ない、空からならすぐじゃぞ。」
「おっけー、んじゃぁ入口?出口?入った所に戻ろ。」
 皆は箒を取り出すと跨る。

「ルプ様!お願いします!」
「ルクレツィア、ロイロにも乗れるぞ?」
「・・・ルプ様が良いです!」
 抱き付くルクレツィア、ミタマと彩葉はロイロが抱える。

「それじゃ行くよーん。」
 千春が声を掛けると皆は地面を蹴り空に向かう、そしてアリンハンド達の所へ向かった。





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