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貴族令嬢にゼリー喰わす!

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ピンポーン

「へい!らっしゃい!」
「テンションたけーなーチハル。」
「寿司屋かよ。」
 青空と大愛を家に招き入れると、そのまま異世界へ連れていく千春。

「へい!らっしゃい!何握りやしょう!」
「ヨリもかよ!」
「え?なにそれ、マジで寿司握ってんの?」
 頼子は魚の切り身を酢飯に乗せながら言う。

「握ったシャリに刺身乗せてるだけだがな!」
「なんでドヤ顔なん。」
「何あんのー?」
「色々あるよー。」
 皿に並べたネタを見せながら答える頼子。

「大将サーモン!」
「へいよ!」
 美桜が言うと頼子はサーモンを乗せる。

「へいお待ち!」
「やっぱ寿司はサーモンだね。」
 満足そうに言う美桜、麗奈も美味しそうに食べている。

「なんで寿司なん?」
「別に?ミオが食べたい、レナも食べたい、作るか!って流れ。」
「・・・まぁ良いけどね。」
「あれ?ヒマリは?」
「さっき遊びに行ったよ。」
「すきピの所?」
「うん、ブルーワグ、ソラ達も着替えてきなよ、寒くね?」
「寒い!」
 青空はそう言うと、モリアン達に連れられ寝室に移動した。

「そういや花火大会あんじゃん。」
「どこで?」
「あのでっけー池がある公園。」
「あー、あそこね、いつあんの?」
「今週じゃん?」
 頼子はスマホをポチポチと触る。

「明日じゃん。」
「ふぅーん、ウチから見えないんだよなー。」
「出店もあるし行くかね?」
「いいね、こっちに入り浸りもアレだし。」
「ウチもいくー。」
「私もー。」
 美桜と麗奈も手を挙げ答える。

「ねぇ、こっちの人って花火見たことないよね。」
「無いだろうねぇ。」
 頼子はポツリと呟く、千春もウンウンと頷く。

「連れてく?」
「マジで?」
「ほら、着替えて行けば幻術はエーデルさんだけで良いじゃん。」
「服どうすんのさ。」
「そりゃ買いに行く!」
 頼子はノリノリで言う。

「なにー?どっかいくーん?」
「ソラ、明日花火大会じゃん、いかね?」
「いいよん、大池の公園でしょ?、」
「うん、そんで彼氏連れてデート。」
「行く!」
「いいね!」
 皆が賛成し、準備の話しを始めた。


-----------------


「チハル、お客様が来られました。」
「だれー?」
「オーレン公爵令嬢です。」
「どうぞー。」
 扉が開くと、フランシス・オーレン公爵令嬢と小さなお客が入って来る。

「チハル様お久しぶりです。」
「らっしゃい!フランちゃん、その子は?」
 可愛いドレス姿の女の子を見ながら千春は問いかけると、自己紹介を始める。

「シャテル・オーレンともうします。」
 シャテルは可愛くカテーシーで挨拶をする。

「よろしくね、シャテルちゃん、フランちゃんの妹?」
「はい、父がもし宜しければユラ様にご挨拶出来ればと言うことで。」
「シャテルちゃん幾つなの?」
「8つになります。」
「ユラよりお姉さんだね。」
 笑みを浮かべシャテルに声を掛ける。

「千春、ソラ達にアレ出すよ?」
「うん、あ、そうだ、フランちゃん新しいデザート作ったんだよ、食べる?」
「よろしいのですか?」
「うん、フランちゃんスライム大丈夫?」
「・・・・・・はぃ?」
「スライム食べた事ある?」
「いえ・・・有りません。」
「食べてみない?美味しいから。」
 何を言っているのかわからないと言わんばかりの顔で固まるフランシスとシャテル。

「モリー、ユラ達呼んできて。」
「イーレン様もです?」
「うん。」
「了解でっす!」
 モリアンを見送り、千春はフランシスとシャテルをソファーに座らせ、スライムゼリーを並べる。

「何コレ、スライムなの?」
 青空がジト目で頼子に尋ねる。

「そ、美味しいよ、昨日アイトネ様達も食べたし。」
「マ?」
「マジマジ。」
 青空達の前に座りゼリーを口に入れる美桜と麗奈。

「ね、普通に食えるって。」
「マジで食っとる・・・。」
「・・・うまっ。」
 青空が見ていると、大愛はパクリと口に入れた、その姿を見てフランシスとシャテルもゼリーを食べる。

「美味しいです。」
「でっしょー。」
「チハル様これはどんなスライムなのですか?」
 シャテルは興味津々に問いかける、千春はアイテムボックスに入ったスライムを取り出し見せる。

「このスライムだよ。」
 ボウルに入ってムニョムニョ動く小さなスライムを見せる。

「ひっ!?」
「うわぁうごいてるー!」
「触手に触ると魔力吸われるからさわっちゃダメだよー。」
 細い触手をみょんみょんと動かすスライムに、千春はスプーンでペチペチとしながらアイテムボックスに戻す。

「チハルおねえちゃん!」
「チハル様!」
「いらっしゃい、ユラ、レンちゃん。」
 2人にシャテルを紹介する、イーレンは挨拶をした事があるらしく、すぐに仲良く遊び出した。

「ユラ、明日の夕方用事ある?」
「・・・んー、ない!」
「レンちゃんは?」
「ありません。」
「明日お出かけしようか。」
「チハルおねえちゃんどこいくの?」
「あっちで花火見るの。」
「あっち!?いくー!」
 ユラは嬉しそうに答える。

「フランちゃん明日暇?」
「いえ、明日は父主催の夜会が有ります、その挨拶に出ますので。」
「そっかー、シャテルちゃんも?」
「いえ、シャテルは幼いので出ません。」
「シャテルちゃん借りて良い?」
「王女殿下のお誘いであればお断りする事は有りません、大丈夫です。」
「私のお誘いでフランちゃん誘ったら?」
「・・・間違い無くお付き合いする様言われますね。」
「お父さんどこいます?」
「一緒に王宮に来ましたので、会議室かと。」
 フランシスの言葉を聞き、千春はモリアンを見る。

「行ってきまっす!」
 モリアンはそう言うと、颯爽と消えていった。

「よし、後は男連中だね。」
「ヒマリの彼ピッピはどうすんの?」
「ルペタちゃんも連れて行きたいし、強制参加でいんじゃない?ヒマリが誘えば来るっしょ。」
「まぁ来るだろうね。」
「ルカ、ハルトに暇な時顔出してって伝言よろー。」
「了解しましたっ!」
 ラルカも同じく扉を開けると走り去る。

「千春の侍女くらいじゃん?王宮走りまわんの。」
「らしいね。」
「なに他人事みたいに言ってんのよ。」
「誰も走っていけとか言って無いのに走るんだもん、私のせいじゃありまっせ~~~ん。」
 サフィーナはクスクスと笑いながらお茶を入れる。

「えっと着替えはどうする?」
「私浴衣着る。」
「ヨリは浴衣かぁ、私持ってないんだよなぁ。」
 千春は、う~んと考えながら呟く。

「男性陣は甚平とかでいんじゃね?安いし。」
「サイズわかんないじゃん。」
「前お父さんの買った時結構アバウトだったよ?LとかLLとか。」
「ほむ、それで言うとエーデルさんだけ規格外だなぁ。」
「2mくらいあるもんね。」
「まぁいいか!それじゃ男性陣集まったら計ってみよう。」
「ユラちゃん達はどうする?」
「おこちゃま用の浴衣買おう、って言うか買い物連れて行こう。」
「おっけ~。」
 千春と頼子が話をしていると、青空達は母親にLIMEで確認していた。

「うち有るけどサイズ変わってるだろうから買って良いって。」
「私はあるー。」
「ウチもあるー、でも買って良いって。」
「私無いって、買って良いよって返事来た。」
 麗奈以外は買うと言うと、麗奈はまたLIMEを送り出す。

「・・・よっしゃ!私も買って良いって!」
「んじゃヨリ以外買うと言う事で。」
「まって!千春待って!!!」
 頼子もLIMEを高速で打ち、何度かやり取りの後満面の笑みで答える。

「買って良い頂きました!!!」
「「「「「おぉー。」」」」」
 皆は何故かパチパチと拍手をする。

「それじゃ男性陣集めてサイズ確認だな。」
「アリンさんのも買って良いって言われた。」
「うちもー。」
「わたしもー。」
「ウチもいいって。」
「同じく。」
 そしてエンハルトが来ると、直ぐに事情を話す、すると王宮からドラゴン便で手紙が送られ、男性陣が強制招集される事となった。




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