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皆の居ない休日!
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「それじゃぁチハル行ってくるねー。」
「行ってらっしゃーい。」
ブルーワグの王族と一緒にフェアリーリングに入る日葵親子、千春は手を振り送り出す。
「ヨリさん、準備出来ました。」
アリンハンドが部屋に訪れ声を掛けてくる。
「はーい、千春行ってくんね。」
「あーい、いってらー。」
頼子もアリンハンドの家、ローレル邸へ智美と一緒に向かった。
「・・・レナ?」
「ヤバい、どうしよう。」
麗奈は先程、皆の前と言う状況で、桜の木の下でプロポーズと言う辱めを受けたばかりだ、しかも母親、麗子の前でだ。
「婚約者の家にご挨拶行くだけじゃん。」
「うぁぁぁ・・・。」
「レナちゃんほら準備出来た?」
麗子が麗奈に声をかける、麗奈は貴族令嬢の服に着替えていた。
「ママ、本当に行くの?」
「行くわよ?当たり前でしょう、観念しなさい。」
麗子が話していると、ホーキンが迎えに来る。
「馬車の準備が出来ました・・・どうされました?」
「どうもしてないわ、ホーキンさんよろしくお願いします。」
「はっ!お任せ下さい!」
麗奈は麗子に引き摺られるように部屋を出て行く、部屋には千春とサフィーナ、モリアン、ルプ、そしてロイロだけが残った。
「皆んな一泊してくるんだよね?」
「そう聞いてます。」
「週末のこの時間このメンバーって最初の頃思い出すね。」
「そうですね、いつも賑やかですから、静かですね。」
千春の侍女達は、頼子達の護衛兼侍女として付き添い、残っているのは2人だけだ。
コンコン。
「はい。」
「ハルトですね。」
千春が返事をすると、サフィーナは呟きながら扉を開ける。
「皆行ったか?」
「うん、行ったよ。」
「・・・・・・。」
「なに?」
「静かだな。」
「あははは、やっぱりそう思うよね。」
エンハルトは千春の頭にポンと手を置いた後、ソファーに座り寛ぐ。
「そろそろ昼食の時間ですね、チハルどうする?」
「んー、1人だと適当になっちゃうんだよねー、ハルト何か食べたい物有る?」
袖を捲りながらエンハルトに聞く千春。
「そうだな、最初に食べたアレがまた食べたいな。」
「最初?何作ったっけ?」
「アレだよ、卵だけのプレーンオムレツだったか。」
「あー、作ったねぇ・・・あー。」
初めて王族と食べた食事を思い出す、そして泣いた事も。
「んーーーー、うん、いいよ、サフィーとモリーも食べるっしょ?」
「いえ!私は用事を思い出しましたので食堂で食べて来ます!」
モリアンは何故か敬礼をすると部屋を出て行った。
「ロイロは?」
「儂は肉の気分だな、街で食べてくる。」
ロイロはプルプルと手を振り庭に出ると飛んで行った。
「ルプは?」
「まだ腹減ってねぇからなぁ、ちょっと腹減らしてくるか。」
ルプはそう言うと立ち上がり庭に出て行った。
「んー?まぁいっか、それじゃ待っててね。」
千春はアイテムボックスからエプロンを取り出すと、厨房に入る。
「チハル、お皿はこれで良い?」
サフィーナは皿を並べる。
「うん、さてと、玉子と塩胡椒っと。あとはバター。」
材料を並べ、慣れた手つきで混ぜ合わせフライパンを火にかける。
「・・・なに?ハルト。」
扉の所から覗くエンハルトに千春は声をかける。
「いや、料理している所は滅多に見ないからな、見てても良いか?」
「別に良いけど?」
フライパンにバターを落とし馴染ませる、そして卵液を流し込みかしゃかしゃと混ぜ合わせ半熟にすると、周りをササッと菜箸で包み形を作る。
「ヨッ!」
軽くひっくり返し、フライパンをトントンと叩きながら形を綺麗に慣らしもう一度返す。
「ほい、いっちょ上がり。」
「上手いもんだなぁ。」
「ありがと。」
エンハルトに笑みを返し、皿に乗せると次を作る。
「チハル、ケチャップ無いわよ?」
「あ、日本の使おう。」
アイテムボックスからケチャップを出す、そして3つ目のプレーンオムレツを皿に乗せる。
「はい、ハルトのはコレね。」
「ありがとう、このケチャップは何の形だ?」
「んー?ひみつー。」
エンハルトのオムレツにはケチャップでハートが描かれていた、そして3人はテーブルを囲み手を合わせる。
「いただきます。」
「うん、美味い。」
「・・・ありがとっ。」
「前食べた時より美味しく感じるな。」
「材料も日本の物だし同じだよ。」
「そうか?」
「んー・・・うん、いつもの味だよ。」
もぐもぐと、一口食べて答える千春。
「ハルトのプレーンオムレツにはチハルの愛情がたっぷり入ってるからよ。」
クスクス笑いながらサフィーナもプレーンオムレツを食べる。
「やめてよサフィー。」
「でも愛情込めてるでしょ?このハートとか。」
「うっ・・・サフィーは知ってたか。」
「知ってるわよ、どれだけ皆と話をしてると思ってるの?愛情込め過ぎだもの、美味しいに決まってるわ、それに食べる側も愛情受け過ぎなのよね、より美味しく感じるはずよ。」
サフィーナは2人を揶揄うように言い微笑む。
「サフィーも言うようになったなぁ。」
「この3人の時は遠慮しなくて良いですもの。」
「第二夫人だもんねー。」
「別に良いけどな。」
エンハルトも笑いながら答え、3人は一時の団欒を味わった。
-----------------
「ルプ、覗き見か?」
「ロイロこそ何してんだよ、肉食べに行ったんじゃ無いのか?」
「モリーが空気読んで出たんじゃ、儂も邪魔出来んじゃろ、ルプはおっても良かったんじゃないのか?」
「千春と繋がっているから感情が分かるだろ、皆が出掛けて寂しそうにしている所にハルトが来た時の喜び感じたら邪魔するのもなぁ。」
「チハルはああ見えて寂しがり屋じゃからなぁ。」
ルプとロイロは窓から見える3人を高い所から覗きながら話す。
「楽しそうじゃな。」
「ああ、流れてくる感情が溢れ出しそうだ、喜び過ぎだろ。」
「この感情は久しく感じておらんかったなぁ。」
「俺もだ、悪く無いな。」
「あぁ、心地良いのぅ。」
ルプとロイロはそう言うと覗き見を止め、街へ食事に行く事にした、心地よい愛情を感じながら。
「行ってらっしゃーい。」
ブルーワグの王族と一緒にフェアリーリングに入る日葵親子、千春は手を振り送り出す。
「ヨリさん、準備出来ました。」
アリンハンドが部屋に訪れ声を掛けてくる。
「はーい、千春行ってくんね。」
「あーい、いってらー。」
頼子もアリンハンドの家、ローレル邸へ智美と一緒に向かった。
「・・・レナ?」
「ヤバい、どうしよう。」
麗奈は先程、皆の前と言う状況で、桜の木の下でプロポーズと言う辱めを受けたばかりだ、しかも母親、麗子の前でだ。
「婚約者の家にご挨拶行くだけじゃん。」
「うぁぁぁ・・・。」
「レナちゃんほら準備出来た?」
麗子が麗奈に声をかける、麗奈は貴族令嬢の服に着替えていた。
「ママ、本当に行くの?」
「行くわよ?当たり前でしょう、観念しなさい。」
麗子が話していると、ホーキンが迎えに来る。
「馬車の準備が出来ました・・・どうされました?」
「どうもしてないわ、ホーキンさんよろしくお願いします。」
「はっ!お任せ下さい!」
麗奈は麗子に引き摺られるように部屋を出て行く、部屋には千春とサフィーナ、モリアン、ルプ、そしてロイロだけが残った。
「皆んな一泊してくるんだよね?」
「そう聞いてます。」
「週末のこの時間このメンバーって最初の頃思い出すね。」
「そうですね、いつも賑やかですから、静かですね。」
千春の侍女達は、頼子達の護衛兼侍女として付き添い、残っているのは2人だけだ。
コンコン。
「はい。」
「ハルトですね。」
千春が返事をすると、サフィーナは呟きながら扉を開ける。
「皆行ったか?」
「うん、行ったよ。」
「・・・・・・。」
「なに?」
「静かだな。」
「あははは、やっぱりそう思うよね。」
エンハルトは千春の頭にポンと手を置いた後、ソファーに座り寛ぐ。
「そろそろ昼食の時間ですね、チハルどうする?」
「んー、1人だと適当になっちゃうんだよねー、ハルト何か食べたい物有る?」
袖を捲りながらエンハルトに聞く千春。
「そうだな、最初に食べたアレがまた食べたいな。」
「最初?何作ったっけ?」
「アレだよ、卵だけのプレーンオムレツだったか。」
「あー、作ったねぇ・・・あー。」
初めて王族と食べた食事を思い出す、そして泣いた事も。
「んーーーー、うん、いいよ、サフィーとモリーも食べるっしょ?」
「いえ!私は用事を思い出しましたので食堂で食べて来ます!」
モリアンは何故か敬礼をすると部屋を出て行った。
「ロイロは?」
「儂は肉の気分だな、街で食べてくる。」
ロイロはプルプルと手を振り庭に出ると飛んで行った。
「ルプは?」
「まだ腹減ってねぇからなぁ、ちょっと腹減らしてくるか。」
ルプはそう言うと立ち上がり庭に出て行った。
「んー?まぁいっか、それじゃ待っててね。」
千春はアイテムボックスからエプロンを取り出すと、厨房に入る。
「チハル、お皿はこれで良い?」
サフィーナは皿を並べる。
「うん、さてと、玉子と塩胡椒っと。あとはバター。」
材料を並べ、慣れた手つきで混ぜ合わせフライパンを火にかける。
「・・・なに?ハルト。」
扉の所から覗くエンハルトに千春は声をかける。
「いや、料理している所は滅多に見ないからな、見てても良いか?」
「別に良いけど?」
フライパンにバターを落とし馴染ませる、そして卵液を流し込みかしゃかしゃと混ぜ合わせ半熟にすると、周りをササッと菜箸で包み形を作る。
「ヨッ!」
軽くひっくり返し、フライパンをトントンと叩きながら形を綺麗に慣らしもう一度返す。
「ほい、いっちょ上がり。」
「上手いもんだなぁ。」
「ありがと。」
エンハルトに笑みを返し、皿に乗せると次を作る。
「チハル、ケチャップ無いわよ?」
「あ、日本の使おう。」
アイテムボックスからケチャップを出す、そして3つ目のプレーンオムレツを皿に乗せる。
「はい、ハルトのはコレね。」
「ありがとう、このケチャップは何の形だ?」
「んー?ひみつー。」
エンハルトのオムレツにはケチャップでハートが描かれていた、そして3人はテーブルを囲み手を合わせる。
「いただきます。」
「うん、美味い。」
「・・・ありがとっ。」
「前食べた時より美味しく感じるな。」
「材料も日本の物だし同じだよ。」
「そうか?」
「んー・・・うん、いつもの味だよ。」
もぐもぐと、一口食べて答える千春。
「ハルトのプレーンオムレツにはチハルの愛情がたっぷり入ってるからよ。」
クスクス笑いながらサフィーナもプレーンオムレツを食べる。
「やめてよサフィー。」
「でも愛情込めてるでしょ?このハートとか。」
「うっ・・・サフィーは知ってたか。」
「知ってるわよ、どれだけ皆と話をしてると思ってるの?愛情込め過ぎだもの、美味しいに決まってるわ、それに食べる側も愛情受け過ぎなのよね、より美味しく感じるはずよ。」
サフィーナは2人を揶揄うように言い微笑む。
「サフィーも言うようになったなぁ。」
「この3人の時は遠慮しなくて良いですもの。」
「第二夫人だもんねー。」
「別に良いけどな。」
エンハルトも笑いながら答え、3人は一時の団欒を味わった。
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「ルプ、覗き見か?」
「ロイロこそ何してんだよ、肉食べに行ったんじゃ無いのか?」
「モリーが空気読んで出たんじゃ、儂も邪魔出来んじゃろ、ルプはおっても良かったんじゃないのか?」
「千春と繋がっているから感情が分かるだろ、皆が出掛けて寂しそうにしている所にハルトが来た時の喜び感じたら邪魔するのもなぁ。」
「チハルはああ見えて寂しがり屋じゃからなぁ。」
ルプとロイロは窓から見える3人を高い所から覗きながら話す。
「楽しそうじゃな。」
「ああ、流れてくる感情が溢れ出しそうだ、喜び過ぎだろ。」
「この感情は久しく感じておらんかったなぁ。」
「俺もだ、悪く無いな。」
「あぁ、心地良いのぅ。」
ルプとロイロはそう言うと覗き見を止め、街へ食事に行く事にした、心地よい愛情を感じながら。
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