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妖精のお茶会!

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「うわぁ!おいしそう!」
「ユラちゃん、王女さまなんだから大きなこえ出しちゃダメだよ?」
「だいじょうぶだよ?」
 イーレンがユラに教えるとルペタはニコニコしながら言う。

「でもこんなに食べれないよ?」
 テーブルに並べられたお菓子を見て言うユラ、カートにはまだ並べられていないお菓子も有る。

「全部食べる必要は無いだろ、なんなら持って帰れば千春達も食べるんじゃねぇか?」
 ルプはガゼボの隅に横になったまま答える。

「ユラ、他の子連れてきて良いかしら?」
「ルル、ほかの子って?」
「里の妖精よ。」
「つれてきてもいいの?」
「ドライアド様に聞いてくるわね!」
 ルルはフェアリーリングに飛び込み消えた、そして程なくドライアドとルルが戻ってくる。

「ユラさんお久しぶりね。」
「ドライアドさま!おひさしぶりです!」
「この子が迷子の妖精ね。」
 ドライアドはシュシュを見ながら言うと、シュシュはドライアドの前に飛んで来る。

「初めまして、シュシュですドライアド様。」
「綺麗な所ね、ルル、この庭園とお城の外に出ないなら連れてきても良いわよ。」
「はーい!」
 ルルはまたフェアリーリングに飛び込み消えた。

「シュシュは里に戻らないの?私なら探せるわよ?」
「私はココにいます。」
「そう、何かあれば言いなさいね。」
 ドライアドはシュシュを手に乗せると頬にキスをする。

「連れてきましたわー!」
 フェアリーリングから次々と飛び出す妖精達は一斉にテーブルに集まる。

「お行儀良く!順番よ!」
 ルルが妖精達を仕切りお菓子を食べる。

「ようせいさんがいっぱい!」
「たくさん連れてきたねー。」
 ルペタは大喜び、イーレンは呆れた様に呟く、カートに乗せたお菓子も沢山の妖精達に食べ尽くされる事になった。


-----------------


「婚約・・・ですか?!まだお会いしたばかりですけれども!?」
 ファーグス王、イショナ王妃、そしてハチェットはファーグスの応接間で話をしていた、そして急な話に日葵は驚き声を上げる、すると王妃であるイショナは微笑みながら答える。

「本来でしたら素性やこれ迄の行い、家系等調べる必要が有りますわ、でもヒマリさんは聖女のご友人、そしてジブラロールの貴族、さらに神二柱のお客様ですもの。」
「えぇ~、私1人で決めれないよぉ・・・。」
 イショナに言われたものの、日葵は頭を抱える。

「こちらとしてもジブラロール国との繋がりをと思い、ハチェットをルペタと一緒にジブラロールに行かせたのだけれど。」
「おい、それは・・・。」
「ハチェットにはそれを伝えていないわ、ハチェットは自分からヒマリさんを選んで帰って来たの。」
「そうなんですか?」
「えぇ、その話は聞いていませんでした。」
 ハチェットは日葵を見ながら伝える。

「でも・・・どうしよう、お父さんとお母さんになんて言おう・・・。」
「ヒマリの御両親はジブラロールにいらっしゃるのかしら?確かエルドール子爵令嬢でしたわよね?」
「あ、いえ、そうなんですが、養女でして・・・えぇ・・・言って良いのかな!?」
「ふむ、何か言い辛い理由があるようだな、この話を出来るのはエイダン殿か?」
「えっと、エイダン王様とマルグリット王妃様・・・あとはチハルなら・・・。」
「そうか、イショナ今から大丈夫か?」
「勿論です、でも、あちらの都合はどうでしょうか、急にお伺いするのも問題でしょう?」
 ファーグスとイショナは色々と考え相談する。

「ちょっと待ってくださいね、えっと・・・今日王宮に居るの誰だろう。」
 日葵はスマホのグループLIMEに打ち込む。

「・・・あ、ヨリが居る!」
 そしてヨリに確認すると、モリアンがエイダンに確認するから待ってと返信が来る。

「今連絡付きそうなのでもう少し待ってもらえますか?」
「それは?」
「え~っと、連絡が取れる魔法道具みたいなものです。」
「ほう、そうだ、ジブラロールに魔道具を置いてもらえば連絡が取りあえるな。」
「でもあの魔道具は他国に置く物では無いわ、距離がありすぎるもの。」
「ふむ、しかしヒマリの魔道具は凄いな、その魔道具を置く事は出来ぬのか?」
「あー、それもこの件に関わるので、王様とお話してもらえれば・・・。」
 4人が話をしていると電話が鳴る。

「もしもし!」
『ヒマリー、エイダン陛下OKだってよー。』
「うぃっ!ファーグス様エイダン王様大丈夫だそうです!」
「よし、今シュシュはルペタと庭だったな。」
「そうね、お願いしてジブラロール国まで送ってもらいましょう。」
「ヨリ、今からファーグス様とイショナ様がジブラロールに行くから伝えてもらえる?」
『おっけ~♪』
 そう言うと頼子は電話を切った。

「それでは向かいましょう・・・か・・・えっ?」
 イショナは立ち上がろうとして不意に窓を見ると、妖精が6人へばりついていた。

「・・・妖精が沢山。」
「な?!どういう事だ?!」
「あら?里の子達?」
 日葵は窓の所まで行くと話しかける。

「どうしたの?君たち。」
「ルルに連れてきてもらった!」
「お菓子たべたの!」
「探検してるの!」
「お花畑綺麗!」
「おうさまだ!おうさまがいる!」
「・・・おいしかった。」
 妖精は好きなように言うと窓から離れ庭に飛んで行った。

「えーっと、ルルが妖精の里から沢山連れてきてお菓子を食べた・・・と言う事みたいです。」
「そ、そう、それでは私は準備をしてきます、ファーグスは?」
「俺はこのままで良い、先に庭に行く。」
「分かりました、直ぐに行きますね。」
 イショナはそう言うと侍女と一緒に部屋を出る、そしてファーグス、ハチェット、日葵は庭に向かう、庭には沢山の妖精が飛び回り、ユラ、イーレン、ルペタは追いかけっこをしながらはしゃいでいた。

「ルプさん、この子達・・・あ!ドライアドさん!」
「こんにちはヒマリ、お邪魔してるわ。」
「この子達大丈夫なんですか?」
「えぇ、王城と庭から出てはダメって教えたから。」
「そうですか。」
「そちらの方はもしかして王様かしら?」
「はい、この国の王様です。」
 呆けるファーグスにドライアドが声を掛けると、ファーグスはハッと我に返る。

「し、失礼した、ファーグス・ジル・ブルーワグと申します、あー貴方はもしかするとドライアド様ですか。」
「えぇ、お邪魔してます、お菓子も頂いて、美味しかったですわ。」
「それは良かった、しかしこの妖精の数は・・・凄いですな。」
「チハルのお菓子を食べた事が有る子がこぞって付いて来ちゃったの、ごめんなさいね。」
「いや、妖精は幸運の証、いつでも来ていただいて結構です、シュシュやルペタも喜ぶでしょう。」
 嬉しそうに走り回るルペタ達を見ながら微笑むファーグス、ハチェットも嬉しそうに見ている。

「お待たせしました、凄いわ、妖精だらけ。」
「あら、王妃様も来たのね、何かご用事が有ったのかしら?」
「ファーグスの妻イショナと申します、いまからジブラロールまで妖精に送ってもらおうと思いまして。」
「あら、私はドライアド、よろしくね、ジブラロールなら私が送ってあげるわ。」
 にっこり微笑むドライアド、そして4人はフェアリーリングに入る。

「ラルカ、フアナ、こちらは私とルプ様で大丈夫です、ヒマリ様に。」
 オクナはそう言うと2人は返事をし、一緒にフェアリーリングに入る。

「それじゃ行くわね。」
 ドライアドが声を掛けると景色が変わる、そして桜の木の前にはエイダンとマルグリットが立っていた。

「お帰りなさいヒマリ、後は任せてね。」
 マルグリットは微笑むと、皆を千春の応接間に案内する、そして異世界の話を始めた。




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