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ブルーワグで異世界料理無双だ!
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「チハルちゃん、王族に料理を作るんだけど、チハルちゃん達もどう?」
「はい!お手伝いします!」
「チハルちゃんはお手伝いじゃないでしょ、何品か作ってね。」
「えーママさん達が作った方が良いですよー。」
「そんな事は無いわ、チハルちゃんの料理は本当に美味しいもの。」
智美は千春にそう言いながらママさん達と座って話をする。
「そうね、イショナ様が聖女様の料理も食べてみたいって言ってたもの、スイーツと夕食は違うじゃない?私達も色々作るけれど、チハルちゃんも作ってね。」
「えー何作ろうかな。」
「ジブラロールで食べられている料理を食べてみたいって言ってたわよ。」
「何作ったかなぁ。」
千春は腕を組んで目を瞑ると、う~んと唸る。
「千春色々作ってるからねぇ。」
「まぁ・・・作るの楽しいから・・・あ!王族に魔物肉は大丈夫なのかな!?」
千春は貴族の魔物肉事情を思い出し、ルペタの付き人シャルディを見て確認する。
「あまり出す事は有りませんが、一部の魔物は料理に出されます。」
「一部かぁ、オークとかミノタウロスとか、あとはコカトリスは?」
「お出しする事は有りません、確認致してきましょうか?」
「お願い出来ますか?手持ちのお肉がほとんど魔物肉なんです。」
「了解しました、暫くお待ちください。」
シャルディはそう言うと部屋を出て行った。
「多分大丈夫だと思うわよ。」
「そうなんです?」
「だって、今一緒に居るのがエイダンさんとメグさんでしょ、絶対に美味しいって言うもの、食べるって言うに決まってるわ。」
「そうねー、あの2人は魔物に忌避感ないから普通にたべるからねー。」
「逆に私達が食べれないような物も食べてたらしいもの。」
智美、美咲、麗子の3人は思い出しながら笑みを浮かべる。
「千春、ダメだったらブラックホーンブル出せば?」
「そうそう、貴族も高く買うって商業ギルドのギルドマスターが言ってたじゃん。」
頼子と麗奈が思い出したように言う。
「そういや言ってたなぁ、ブラックホーンブルはまだいっぱい有るし、ヨリなにか食べたいのある?」
「ん~すき焼きみたいな鍋って王族の人食べるのかな。」
「ブラブルはステーキでも良くない?めっちゃ美味いじゃん。」
「私ハンバーグたべたーい!」
「チハル!ローストビーフ!」
「おっけー、ハンバーグとローストビーフ、他には?」
頼子や美桜、麗奈、日葵は食べたい物を言っていると、ルプ達も参戦する。
「千春、俺はステーキで良いぞ。」
「わっちは牛丼が食べたい!」
「僕はブラックホーンブルのメンチカツが美味しかったです!」
「儂は酒のツマミになるなら何でもいいのぅ。」
ペット達も食べたい物を言い合う。
「それじゃチハルちゃんはブラックホーンブルの料理をお願いね。」
「お母さんなにつくんの?」
「そうねぇ、さくっと作るなら中華が早いけど、時間があるから和食作ろうかな?」
「チハルちゃん魚介類まだある?」
「ありますよー。」
ママさんズは材料を確認し、料理を決めると王宮の厨房へ向かった、厨房はジブラロール同様に王宮で働く者、王族の料理の厨房と別れていた。
「さて、人数多いから広い方を借りましょうか。」
料理長に声をかけ、智美は場所を確保する、千春は食材を取り出し並べていると、シャルディが戻ってくる。
「聖女様、食材は魔物肉でも問題有りません。」
「シャルディさんありがとうございます。」
「それじゃオーク肉貰うわね。」
「私はこの貝とエビ貰うわね。」
「魚とイカと、あとは・・・タコって魔物より嫌がられないかしら?」
「調理したら分からないわよ、美味しければ食べてくれるでしょ。」
ママさんズはそれぞれ作業を始める、千春がブラックホーンブルにナイフを入れていると、料理人から声が掛かる。
「聖女様、わたくし共もお手伝いさせていただきますか?」
「それじゃ、ママさん達のレシピ記入係と、お肉をミンチする人をお願いします。」
「ミンチ大変だもんねー。」
千春と頼子で肉を解体しながら料理人達に渡す。
「それじゃ私はローストビーフ作るね。」
「私も手伝うよ。」
「ウチはミンチが出来たらハンバーグ作るよ。」
「私はメンチカツね。」
「それじゃ私もメンチカツ手伝うわ。」
麗奈と日葵もメンチカツの準備を始める、皆作った事のある物で手際良く材料を捌いて行く。
「お母さんなにつくってんの?」
「角煮よ。」
「おー!お母さんの角煮美味しいもんね!」
頼子は智美が作る鍋をのぞき込みながら言う、美桜も美咲が作る料理をのぞき込む。
「エビ?」
「そ、エビのすり身揚げ。」
「聞いただけで美味しそうなんですけどー?」
「美味しいわよ~、すっごい身が大きいから。」
ロブスターか、伊勢海老かと言うくらいのエビを剥き細かくしていく美咲。
「後は揚げてあんかけにしたら出来上がり。」
「絶対美味しいヤツ!」
美桜はゴクリと唾をのみ込む、麗奈と麗子も話をしながら作る。
「ママは何作るの?」
「イカとタコの甘辛煮と、青魚の竜田揚げね。」
「あれ作るんだ、楽しみだー。」
「レナちゃんのメンチカツも楽しみにしてるわよ?」
「えー、マジー?頑張るわ。」
料理人からミンチが出来たと言われ、美桜達は一斉にミンチをこねくり回す、そしてハンバーグ、メンチカツを次々と成形していき、ハンバーグは両面焼き後オーブンに、メンチカツは料理人に渡し、揚げ方を教えながら揚げていく。
「チハル!ご飯ある!?」
「あ!!!」
「マ!?このオカズでご飯無しは拷問だよ!」
「急いで炊こう!」
「チハルちゃん、圧力鍋で炊いたら5分くらいで炊けるから大丈夫よ。」
「え!?本当ですか!?」
「えぇ、炊飯ジャーのスイッチ押すの忘れたとき良くやるもの。」
クスクス笑いながら答える智美。
「それじゃこっちは出来たから私ご飯炊くわね、どれくらい炊く?」
「え~っと・・・。」
千春は指を折りながら人数を数えるが、10本では足りない事に気付く。
「沢山お願いします!」
「アハハハ、了解、チハルちゃんとサフィーちゃんに渡しておけばいつでも食べれるものね。」
そう言うと智美は手際よく米を研ぎ、次々と鍋に米を入れ炊いていく、そして料理が出来る頃にはご飯も炊き終わり、皆は笑顔になる。
「お疲れ様ー。」
「お疲れ様でしたー!」
「チハルちゃんは王族と食べるんでしょ?」
「え?そうなんです?」
キョトンとしながら返事をする千春はサフィーナを見る、サフィーナは当然と言わんばかりに頷いている。
「さ、チハル着替えますよ。」
「えー!!!!やだぁー!!!!」
「ダメです、聖女のローブですからまだ良いでしょう?」
「うぅ・・・着替えないとダメ?」
「可愛く言ってもダメです。」
「それじゃサフィーも着替えてよ!?第二夫人でしょ!?」
「うっ・・・私は着替えを持ってきてませんからっ。」
「ずるい!」
「ズルくありません、行きますよ、ユラも着替えないといけませんから。」
千春はサフィーナに背中を押され部屋に戻る、皆は笑いながら付いて行く。
「お、お帰り千春、出来たのか?」
「・・・出来たよ。」
「どうした?機嫌悪いな、失敗したのか?」
「ちがーう!私とユラは王族と食べるから着替えるって言うんだもん!」
「それは仕方ないだろう。」
千春がルプに言っているとマルグリットが入って来る。
「あら、チハル料理は出来たの?」
「はい・・・私もここで食べて良いですか?」
「・・・ダメ。」
「うわぁぁん!」
「どうしたの?王族と食べるの嫌なの?」
「アレに着替えるのが・・・。」
「聖女のローブよね?ドレスにする?サフィードレスも有るわよね?」
「勿論あります。」
「ドレスにする?」
「・・・ローブで良いです。」
千春は諦め、聖女のローブに着替える、ユラは可愛い子供用のドレスだ、着替えている間に皆の料理はサフィーナが次々と並べられ、侍女達がセッティングしていく。
「さ、行きましょうか。」
「はーい。」
「チハルいってら~。」
「頑張れ千春!」
「ふぁいと~♪」
「ガンバ!」
頼子達は手をプルプルと振り見送る。
「王族の料理は何処に?」
「私がアイテムボックスに入れてます。」
「それじゃ食卓がある横の部屋で出していきましょう。」
王族の食卓の隣には料理が準備される場所が有り、そこに千春は並べて行く。
「凄いわね。」
「ママさん達も凄く頑張って作りましたから。」
「チハルもでしょ?」
「まぁ、はい、頑張りました。」
料理を並べ終わり、食卓の部屋に入るとファーグス陛下、イショナ王妃が並んで座り、横にはルペタと青年が1人座っていた、エイダンはファーグスの前に座っている。
「お待たせしました。」
「いえ、此方こそ無理を言って申し訳ない。」
マルグリットが言うと皆は立ち上がりファーグスがお礼を言う。
「あー、ハチェット。」
「はい。」
青年はにこやかに微笑むと自己紹介を始める。
「ハチェット・ジル・ブルーワグと申します、以後お見知りおきを、マルグリット王妃、聖女チハル様。」
「チハル・アル・ジブラロールです。」
「ユラ・ある・じぶらろーるです。」
千春が言うと、ユラも同じ様に自己紹介をする。
「それでは。」
ファーグスが手を叩くと、執事が指示をし、料理が次々と運ばれてくる。
「これは・・・凄いですなぁ。」
「うむ、気合が入っておるのぅ。」
「それはそうよ、トモミ達とチハル達が揃って作ったのよ?」
マルグリットはドヤ!と言わんばかりに答える。
「では、聖女様頂いて宜しいでしょうか。」
「はい!どうぞ!」
王族に言われ思わず声が裏返り返事をするチハル。
「んーーー!!!美味いですな!」
「本当、凄い、こんな食事初めてですわ。」
ファーグス、イショナは驚きながら料理を口にする、ハチェット王子とルペタはニコニコと笑みを浮かべ、ながら食べている。
「チハル、食べましょうか。」
マルグリットは嬉しそうに食べる王族を見て笑顔になる千春に声を掛けると、嬉しそうに返事をし2人も食べだす。
「美味しいわ、有難うチハル。」
マルグリットに言われ笑顔で返す、そして千春はハッとする。
「あ・・・。」
「どうしたの?」
「えっと・・・大食いの2人呼ぶの忘れてたなぁって。」
「え?それはまずいわね。」
「アイトネー!モートさーん!」
『忘れてたでしょー!』
「呼ばれたから良いじゃないか。」
「ごめん!二人の料理はあっちの部屋にあるから!」
『あら、そうなのねそれじゃ行って来るわ♪』
「有難うチハル、それでは失礼するよ。」
アイトネは王族たちに見向きもせず消え、モートは皆を軽く一瞥し笑顔で声を掛けると消えた。
「・・・神・・・様?」
ハチェットは初めて二柱の神を見て呆ける。
「あ、お気になさらず、料理冷めちゃいます!食べましょう!」
アハハハと笑いながら食事を勧め、チハルも食べだす、ユラは平然としたまま美味しそうに料理を食べ、ルペタと目が合うと、2人は満面の笑みを浮かべた。
「はい!お手伝いします!」
「チハルちゃんはお手伝いじゃないでしょ、何品か作ってね。」
「えーママさん達が作った方が良いですよー。」
「そんな事は無いわ、チハルちゃんの料理は本当に美味しいもの。」
智美は千春にそう言いながらママさん達と座って話をする。
「そうね、イショナ様が聖女様の料理も食べてみたいって言ってたもの、スイーツと夕食は違うじゃない?私達も色々作るけれど、チハルちゃんも作ってね。」
「えー何作ろうかな。」
「ジブラロールで食べられている料理を食べてみたいって言ってたわよ。」
「何作ったかなぁ。」
千春は腕を組んで目を瞑ると、う~んと唸る。
「千春色々作ってるからねぇ。」
「まぁ・・・作るの楽しいから・・・あ!王族に魔物肉は大丈夫なのかな!?」
千春は貴族の魔物肉事情を思い出し、ルペタの付き人シャルディを見て確認する。
「あまり出す事は有りませんが、一部の魔物は料理に出されます。」
「一部かぁ、オークとかミノタウロスとか、あとはコカトリスは?」
「お出しする事は有りません、確認致してきましょうか?」
「お願い出来ますか?手持ちのお肉がほとんど魔物肉なんです。」
「了解しました、暫くお待ちください。」
シャルディはそう言うと部屋を出て行った。
「多分大丈夫だと思うわよ。」
「そうなんです?」
「だって、今一緒に居るのがエイダンさんとメグさんでしょ、絶対に美味しいって言うもの、食べるって言うに決まってるわ。」
「そうねー、あの2人は魔物に忌避感ないから普通にたべるからねー。」
「逆に私達が食べれないような物も食べてたらしいもの。」
智美、美咲、麗子の3人は思い出しながら笑みを浮かべる。
「千春、ダメだったらブラックホーンブル出せば?」
「そうそう、貴族も高く買うって商業ギルドのギルドマスターが言ってたじゃん。」
頼子と麗奈が思い出したように言う。
「そういや言ってたなぁ、ブラックホーンブルはまだいっぱい有るし、ヨリなにか食べたいのある?」
「ん~すき焼きみたいな鍋って王族の人食べるのかな。」
「ブラブルはステーキでも良くない?めっちゃ美味いじゃん。」
「私ハンバーグたべたーい!」
「チハル!ローストビーフ!」
「おっけー、ハンバーグとローストビーフ、他には?」
頼子や美桜、麗奈、日葵は食べたい物を言っていると、ルプ達も参戦する。
「千春、俺はステーキで良いぞ。」
「わっちは牛丼が食べたい!」
「僕はブラックホーンブルのメンチカツが美味しかったです!」
「儂は酒のツマミになるなら何でもいいのぅ。」
ペット達も食べたい物を言い合う。
「それじゃチハルちゃんはブラックホーンブルの料理をお願いね。」
「お母さんなにつくんの?」
「そうねぇ、さくっと作るなら中華が早いけど、時間があるから和食作ろうかな?」
「チハルちゃん魚介類まだある?」
「ありますよー。」
ママさんズは材料を確認し、料理を決めると王宮の厨房へ向かった、厨房はジブラロール同様に王宮で働く者、王族の料理の厨房と別れていた。
「さて、人数多いから広い方を借りましょうか。」
料理長に声をかけ、智美は場所を確保する、千春は食材を取り出し並べていると、シャルディが戻ってくる。
「聖女様、食材は魔物肉でも問題有りません。」
「シャルディさんありがとうございます。」
「それじゃオーク肉貰うわね。」
「私はこの貝とエビ貰うわね。」
「魚とイカと、あとは・・・タコって魔物より嫌がられないかしら?」
「調理したら分からないわよ、美味しければ食べてくれるでしょ。」
ママさんズはそれぞれ作業を始める、千春がブラックホーンブルにナイフを入れていると、料理人から声が掛かる。
「聖女様、わたくし共もお手伝いさせていただきますか?」
「それじゃ、ママさん達のレシピ記入係と、お肉をミンチする人をお願いします。」
「ミンチ大変だもんねー。」
千春と頼子で肉を解体しながら料理人達に渡す。
「それじゃ私はローストビーフ作るね。」
「私も手伝うよ。」
「ウチはミンチが出来たらハンバーグ作るよ。」
「私はメンチカツね。」
「それじゃ私もメンチカツ手伝うわ。」
麗奈と日葵もメンチカツの準備を始める、皆作った事のある物で手際良く材料を捌いて行く。
「お母さんなにつくってんの?」
「角煮よ。」
「おー!お母さんの角煮美味しいもんね!」
頼子は智美が作る鍋をのぞき込みながら言う、美桜も美咲が作る料理をのぞき込む。
「エビ?」
「そ、エビのすり身揚げ。」
「聞いただけで美味しそうなんですけどー?」
「美味しいわよ~、すっごい身が大きいから。」
ロブスターか、伊勢海老かと言うくらいのエビを剥き細かくしていく美咲。
「後は揚げてあんかけにしたら出来上がり。」
「絶対美味しいヤツ!」
美桜はゴクリと唾をのみ込む、麗奈と麗子も話をしながら作る。
「ママは何作るの?」
「イカとタコの甘辛煮と、青魚の竜田揚げね。」
「あれ作るんだ、楽しみだー。」
「レナちゃんのメンチカツも楽しみにしてるわよ?」
「えー、マジー?頑張るわ。」
料理人からミンチが出来たと言われ、美桜達は一斉にミンチをこねくり回す、そしてハンバーグ、メンチカツを次々と成形していき、ハンバーグは両面焼き後オーブンに、メンチカツは料理人に渡し、揚げ方を教えながら揚げていく。
「チハル!ご飯ある!?」
「あ!!!」
「マ!?このオカズでご飯無しは拷問だよ!」
「急いで炊こう!」
「チハルちゃん、圧力鍋で炊いたら5分くらいで炊けるから大丈夫よ。」
「え!?本当ですか!?」
「えぇ、炊飯ジャーのスイッチ押すの忘れたとき良くやるもの。」
クスクス笑いながら答える智美。
「それじゃこっちは出来たから私ご飯炊くわね、どれくらい炊く?」
「え~っと・・・。」
千春は指を折りながら人数を数えるが、10本では足りない事に気付く。
「沢山お願いします!」
「アハハハ、了解、チハルちゃんとサフィーちゃんに渡しておけばいつでも食べれるものね。」
そう言うと智美は手際よく米を研ぎ、次々と鍋に米を入れ炊いていく、そして料理が出来る頃にはご飯も炊き終わり、皆は笑顔になる。
「お疲れ様ー。」
「お疲れ様でしたー!」
「チハルちゃんは王族と食べるんでしょ?」
「え?そうなんです?」
キョトンとしながら返事をする千春はサフィーナを見る、サフィーナは当然と言わんばかりに頷いている。
「さ、チハル着替えますよ。」
「えー!!!!やだぁー!!!!」
「ダメです、聖女のローブですからまだ良いでしょう?」
「うぅ・・・着替えないとダメ?」
「可愛く言ってもダメです。」
「それじゃサフィーも着替えてよ!?第二夫人でしょ!?」
「うっ・・・私は着替えを持ってきてませんからっ。」
「ずるい!」
「ズルくありません、行きますよ、ユラも着替えないといけませんから。」
千春はサフィーナに背中を押され部屋に戻る、皆は笑いながら付いて行く。
「お、お帰り千春、出来たのか?」
「・・・出来たよ。」
「どうした?機嫌悪いな、失敗したのか?」
「ちがーう!私とユラは王族と食べるから着替えるって言うんだもん!」
「それは仕方ないだろう。」
千春がルプに言っているとマルグリットが入って来る。
「あら、チハル料理は出来たの?」
「はい・・・私もここで食べて良いですか?」
「・・・ダメ。」
「うわぁぁん!」
「どうしたの?王族と食べるの嫌なの?」
「アレに着替えるのが・・・。」
「聖女のローブよね?ドレスにする?サフィードレスも有るわよね?」
「勿論あります。」
「ドレスにする?」
「・・・ローブで良いです。」
千春は諦め、聖女のローブに着替える、ユラは可愛い子供用のドレスだ、着替えている間に皆の料理はサフィーナが次々と並べられ、侍女達がセッティングしていく。
「さ、行きましょうか。」
「はーい。」
「チハルいってら~。」
「頑張れ千春!」
「ふぁいと~♪」
「ガンバ!」
頼子達は手をプルプルと振り見送る。
「王族の料理は何処に?」
「私がアイテムボックスに入れてます。」
「それじゃ食卓がある横の部屋で出していきましょう。」
王族の食卓の隣には料理が準備される場所が有り、そこに千春は並べて行く。
「凄いわね。」
「ママさん達も凄く頑張って作りましたから。」
「チハルもでしょ?」
「まぁ、はい、頑張りました。」
料理を並べ終わり、食卓の部屋に入るとファーグス陛下、イショナ王妃が並んで座り、横にはルペタと青年が1人座っていた、エイダンはファーグスの前に座っている。
「お待たせしました。」
「いえ、此方こそ無理を言って申し訳ない。」
マルグリットが言うと皆は立ち上がりファーグスがお礼を言う。
「あー、ハチェット。」
「はい。」
青年はにこやかに微笑むと自己紹介を始める。
「ハチェット・ジル・ブルーワグと申します、以後お見知りおきを、マルグリット王妃、聖女チハル様。」
「チハル・アル・ジブラロールです。」
「ユラ・ある・じぶらろーるです。」
千春が言うと、ユラも同じ様に自己紹介をする。
「それでは。」
ファーグスが手を叩くと、執事が指示をし、料理が次々と運ばれてくる。
「これは・・・凄いですなぁ。」
「うむ、気合が入っておるのぅ。」
「それはそうよ、トモミ達とチハル達が揃って作ったのよ?」
マルグリットはドヤ!と言わんばかりに答える。
「では、聖女様頂いて宜しいでしょうか。」
「はい!どうぞ!」
王族に言われ思わず声が裏返り返事をするチハル。
「んーーー!!!美味いですな!」
「本当、凄い、こんな食事初めてですわ。」
ファーグス、イショナは驚きながら料理を口にする、ハチェット王子とルペタはニコニコと笑みを浮かべ、ながら食べている。
「チハル、食べましょうか。」
マルグリットは嬉しそうに食べる王族を見て笑顔になる千春に声を掛けると、嬉しそうに返事をし2人も食べだす。
「美味しいわ、有難うチハル。」
マルグリットに言われ笑顔で返す、そして千春はハッとする。
「あ・・・。」
「どうしたの?」
「えっと・・・大食いの2人呼ぶの忘れてたなぁって。」
「え?それはまずいわね。」
「アイトネー!モートさーん!」
『忘れてたでしょー!』
「呼ばれたから良いじゃないか。」
「ごめん!二人の料理はあっちの部屋にあるから!」
『あら、そうなのねそれじゃ行って来るわ♪』
「有難うチハル、それでは失礼するよ。」
アイトネは王族たちに見向きもせず消え、モートは皆を軽く一瞥し笑顔で声を掛けると消えた。
「・・・神・・・様?」
ハチェットは初めて二柱の神を見て呆ける。
「あ、お気になさらず、料理冷めちゃいます!食べましょう!」
アハハハと笑いながら食事を勧め、チハルも食べだす、ユラは平然としたまま美味しそうに料理を食べ、ルペタと目が合うと、2人は満面の笑みを浮かべた。
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