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ブルーワグ王城へ帰るじょ!

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「とぉ!」
「てゃ!」
「うりゃ!」
「ほいっ!」
「・・・え?何か言って降りるの?」
 千春達は馬車から掛け声をかけ飛び降り、日葵はジト目で見ながら降りる。

「別に、皆んなが真似しただけだよ。」
「何となくね。」
「ヨリもやるから、つい。」
 ケラケラと笑いながら城に戻った千春達は廊下を歩いていると、兵士が庭に繋がる道を警護していた。

「兵士さんだ、行く時居なかったよね。」
 千春が呟くと、道案内で付いていたリィエンが答える。

「此方は王族専用の庭園になります、見られますか?」
「え?入って良いの?」
「はい、聖女様の御希望で有れば問題ありません。」
 リィエンはそう言うと、兵士の前に行く、すると兵士は足を鳴らし直立不動になる。

「通ります。」
「はっ!」
 兵士は左右に分かれて道を開ける。

「聖女様どうぞ此方へ。」
 通路に促すリィエン、それに千春達は付いて行く。

「すっご!」
 ヨリが思わず声を出す、美桜、麗奈、日葵は口が開きっぱなしだ、サルビア、マリーゴールド、ダリアと、日本でも見れる花が咲き乱れていた。

「凄いですね、サフィー、ジブラロールにも庭園無いの?」
「ありますよ?」
「え!?あんの!?」
「はい。」
「見た事無い!」
「・・・花を見たいと言った事無いですよね?」
「・・・ないね!」
「戻ったら見に行きましょう。」
 サフィーナはクスクスと笑いながら一緒に歩く。

「あ、ルプがいる。」
「ユラちゃん達も居るじゃん。」
「・・・あれ?リリがいっぱいいる。」
 麗奈は妖精を見つけるが、テーブルやユラの頭の上、ルペタの肩にも見えていた。

「ユラールプー。」
「チハルおねえちゃん!おかえりなさい!」
「はーいただいまー。」
 可愛いドレスを着ているのにもの凄い速度で駆け寄るユラを上手く抱き寄せる。

「楽しかった?」
「うん!」
「ユラちゃん妖精増えてない?」
 麗奈達はガゼボに近寄りながら問いかける。

「うん、シュシュって言う子がいたの!それでまほうでおしろにもどったら、ルルとポポがいてね!いっしょにきたの!」
「うんうん、よかったねぇ。」
 ニッコリ微笑み頭を撫でる千春、そしてモリアンを捕まえ問いかける。

「詳しく。」
「・・・かくかくしかじかです・・・いたぁい!」
 モリアンの返事にイラっとした千春はデコピンして、しっかりと詳しく確認した。

「へぇ、この子が例の妖精ちゃんかぁ。」
 アイテムボックスから真っ赤な桃を取り出しながら呟く。

「ペスコの実じゃない、チハルこれどうしたの?」
 桃を見たリリが問いかける。

「お店の人がくれたんだよ、これを置いてると妖精が食べに来て幸運をくれるんだって。」
 シュシュを見ながら言うと、シュシュは嬉しそうに桃に抱きつく。

「チハル様私も食べて良い?!」
「俺も食べたい!」
 ルル、ポポもシュシュと桃を見ながら言う。

「どうぞー、リリも良いよー。」
「良いの?これ凄く貴重なのよ?」
「いいよ、多分これあっちでネクタリンって言う品種で手に入るから。」
「千春、ネクタリンって黄桃みたいだよ?」
「え、黄色くないじゃん。」
「光遮ったら赤くならないで黄色になるらしい、厳密に言うと親戚みたいだけど。」
「へー。」
 スマホで調べながら言う頼子、妖精達は美味しそうに桃を食べていた。

「それで、いつでもジブラロールまでルペタちゃんが来れる様にしたわけだー。」
「そうなんですよ~、それで・・・国王陛下まで付いて来ちゃったんです。」
「・・・はぃ?お父様いるの!?」
「はい、執事さんに付いて行きました、多分ですけれど、ブルーワグ国王陛下とお話してると思います。」
「えぇぇぇ、大丈夫なの?」
「大丈夫だと思いますよ?」
「いやいや、ジブラロールの方だよ!王様と王妃が居ないんだけど!?」
「ハルト殿下が居ますし、宰相様も居ますから大丈夫ですよー。」
 軽く答えるモリアン、千春は心配になりサフィーナを見ると呆れたように笑っている。

「大丈夫ですよ、他の部門の大臣や貴族も居ますから、挨拶をされるだけでしょうから。」
「まぁすぐ帰るんなら問題無いかぁ。」
「いえ!一泊する様な事言ってました!お酒いっぱい持ってましたし!」
「えー!お泊りするの!?うーーーん、お詫びに何か持って行くべきかなぁ。」
 腕を組み目を瞑ったまま唸る千春、頼子達は苦笑いしている。

「ルル、ポポは何故居るの?」
 頼子が問いかける。

「チョコレートの粉を配達なの!」
「配達したらシュシュが居たから一緒に遊びに来た!」
「チョコかー、千春チョコあるってよ。」
「ん~~~、ん?あ、いつもありがとうねルルポポ、でも寄り道して良いの?」
「問題無いわ~♪」
「ドライアド様に里を出ても大丈夫って許可貰ったぜ!」
「へぇ、今からお菓子作るけど食べる?」
「食べる!」
「もちろんだ!」
「チハルおねえちゃんユラもたべる!」
「チハル様わたしもたべたいです!」
「あ、あ、あの、ルペタもたべたい・・・です。」
 皆が手を上げて言うと、恥ずかしそうにルペタも手を上げて言う。

「よーし、それじゃ部屋に戻ろう、色々作ろうね。」
 ユラ達は千春達とそれぞれ手を繋ぎ部屋に戻る、ルペタはリィエンに手をひかれ付いて来る。

「リィエンおねえちゃん、きょうはジジョなの?」
 ルペタが首を傾げながらリィエンに言うと、リィエンはすまし顔で「いつも侍女ですよ。」と返す。

「リィエンさんってやっぱり騎士っぽいですよねぇ。」
「千春、護衛兼道案内侍女で特命受けてたら答えれられないっしょ、聞いちゃダメなやつだよ。」
「そうそう、物腰がエーデルさんと同じだけど、気にしちゃダメだよ。」
「サフィーちゃんとも空気似てるよねー。」
「モリーちゃんも見習わないと。」
 千春達はペラペラと話すと、リィエンは苦笑いしながらルペタの手を引く。

「で、リィエンさん所属何処なんですか?」
 興味津々に千春が問いかける。

「王国特務部隊で御座います。」
「リィエンおねえちゃんはいちばんえらいの!」
 諦め気味に言うリィエンにルペタは追加情報をくれる。

「隊長って事?」
「いえ、部隊長を指示する方になります、今日は聖女様の護衛がメインになりますので私が直接就かせて頂きました。」
「やっぱり偉い人だったんだねー、まぁもっと偉い人が侍女してる事もあるし~?」
 千春はサフィーナを見ながら言う。

「あ、あの、失礼ですがサフィーナ様は・・・侍女ではありませんよね?」
「サフィーは私の部隊の最高司令官で、ジブラロール第一王子の第二夫人だよ、あと侯爵令嬢だねー。」
「・・・そうでしたっけ?私はいつでもチハルの侍女ですよ?」
 すまし顔で言うサフィーナ、それをみてクスクス笑う千春達、リィエンは驚きを隠せず目を見開く。

「謙遜しちゃって~♪」
「聖女様で第一王女でエンハルト殿下の第一夫人なチハルに言われても・・・ねぇ?」
 侍女としての話し方ではなく、千春と2人の時に話す軽い感じで答えるサフィーナ。

「ま、そう言う事だから誰が侍女やってても驚きませ~ん、気にしないでね。」
 ケラケラと笑いながら言う千春、キョトンとしているルペタ、そして秘密裏に護衛をしていた事にも笑い飛ばす千春へ感謝をするリィエン、今の話しを聞いても何も言わないどころか笑っている頼子達や侍女達は、客間に戻り厨房へ直行した。





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