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モート連邦国で神様オコ!

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「久しぶりに暴れられるかと思ったのに拍子抜けだったわねぇ」
 ママドラがボソリと呟く、3人はキロダス男爵とペドラ子爵を引渡し、寛いでいた。

「ブルーワグ国でも落としに行く?」
 つまらなそうにアルデアが言うと、良いわねぇとママドラも同意する。

「ブルーワグに潜んでいる貴族は捕まえておきたいけれど、見つけるのが面倒よね。」
「そこはブルーワグ国王脅せば吐くんじゃ無いかしら?」
「国の事だし、アイさんに頼むわけにもいかないのよね。」
「モート様なら動いてくれるんじゃ無い?自分のお名前の国だし、ルイーズ様の事は気にかけてらっしゃるわよ?」
「そうねぇ、聞くだけ聞いてみましょうか、エリーナ、サフィーに連絡してチハルにモートさん呼んでもらえるか聞いてくれる?」
「はい。」
 マルグリットの付き人エリーナは魔道具を使い、千春にお願いをする。

「来てくれるかしら?」
 アルデアは楽しそうに呟くと、モートが現れた。

「やぁ、俺に用事かい?」
「お忙しい所申し訳ありません、お聞きしたい事がありまして。」
「んー、うん、大丈夫だ、その2人を連れてきたら良いのかい?そのまま冥界送りでも良さそうだが。」
 説明をする前にモートは答える。

「出来れば国の法で裁いた方が良いと思われますので。」
「了解だ。」
「お礼は何をすればよろしいでしょうか?」
「それはもう約束を付けているからね、必要無いよ。」
「え?」
「ハハハ、チハルがね、今日の夜新しいデザートをご馳走してくれるから、お母様のお願いを聞いて欲しいって言われたんだよ。」
 嬉しそうにモートはそう言うと姿を消した。

「チハルちゃん神様の使い方上手すぎじゃない?」
「私も人のこと言えないわぁ、チハルのご飯が食べたくてジブラロールにお邪魔してるもの。」
「そう言えば私もだったわ。」
 アルデアが言うと、ママドラも答えながら笑う。


-----------------


「さて、2人の事に詳しそうなのはどいつだ?」
 モートは姿を消したまま王宮を歩く、そしてすれ違う人の思考を読みながら目星をつける。

「ここか。」
 ブルーワグの者が居る扉の前に立ち、扉をすり抜け中に入ると男が3人座っている、皆眉間に皺を寄せ黙って俯いている。

(・・・この者達も傀儡か、ターゲットの場所は貴族の館だな)
 モートは踵を返すと、その足でのんびりとルイーズの部屋まで移動する。

「邪魔するよ。」
「モート様!」
「チハルとマルグリットに頼まれた、例の2人を連れてくる、面白い見せ物になりそうだから各国の責任者を集めておけ、あと、マルグリットが捕まえて来た2人もな。」
「はい、分かりました、すぐに集めます。」
 それを聞いたモートは笑みを浮かべると、ブルーワグ国の王城に飛んだ。


-------------------


「お前がこの国の王だな。」
「何者だ。」
 ブルーワグ王は訝し気に言う。

「モート。」
「・・・何用で御座いますか、神よ。」
 モートと言われ、直ぐにモート国に現れた神を思い出す、そして今モート国に反意を持つ者の事も考える。

「お前は関わって無いようだな・・・今思い浮かんだ者に匿われているヤツを迎えに来た。」
「・・・やはり何かしら企んでおりましたか。」
「あぁ、元帝国、俺の名前が付いた国の女王、そしてジブラロールの聖女暗殺、そしてお前の暗殺だ。」
「やはりそうでしたか、して、神モート様の審判は如何に。」
「一度女王に引き渡し、各国代表の前で冥界に連れて行く。」
「私めは何をすれば宜しいので?。」
「別に無いが・・・ルイーズの手助けでもしてやれ。」
「承りました、その者達の処分お任せ致します。」
「あぁ・・・ふむ・・・言いたい事は分かるが、気乗りしないな。」
「考えを読まれましたか、是非とも神モート様を祀り奉る事をお許し下さい。」
「・・・好きにしろ。」
「有難うございます。」
 話は終わったと言わんばかりに背を向けるモート。

「あ。」
「如何されましたか?」
「もし供物を捧げるなら、聖女チハルのレシピで作った物にしてくれ。」
「はっ、確かにご承諾致しました。」
 ブルーワグ王は深々とお辞儀をすると、モートは満足そうに笑みを浮かべ姿を消した。


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「・・・・。」
 モートは貴族の館に姿を現すと指を鳴らす。

パチン

 男が2人座ったまま動かなくなる、まるで気を抜かれた様に呆けたままだ。

「ふむ、この領主とガータ侯爵か、もう一人は・・・隣だな。」
 モートは壁をすり抜ける、姿を消しているのか、目の前に居る男は気付かない。

パチン

 指を鳴らすとその男も動きを止める。

「法で裁くにはコイツらはやり過ぎているな・・・ふむ、向こうの準備も終わってるか。」
 虚空を覗きながらモートが呟く、そしてもう一度指を鳴らすと3人とモートが会議室に現れた。

「モート様、お帰りなさいませ。」
 ざわつく会議室、ルイーズがモートに声を掛けるとモートは指を鳴らす。

「・・・な!?ここは何処だ!?」
「何だ!?お前たちは誰だ!?」
「・・・え?」
 連れてこられた男3人はキョロキョロと見まわし現状を把握しようと必死だ。

「さてと、お前たちがルイーズ、聖女、ブルーワグ王を暗殺しようと企んでいたのは明白なのだが。」
「な!?なぜ!?そんな事をするわけがない!」
「そうだ!何故そう言う事を!」
「・・・・。」
「ほう、とっさに良く言えるもんだな。」
『モート、今の話し本当?』
 男達の会話に割り込み、アイトネが現れ声を掛ける、かなりお怒りの様だ。

「あぁ、他の者の思考も読んだからな、既にジブラロールにも刺客が居るそうだ。」
『へぇぇぇ・・・私のチハルを・・・あなたね?』
 アイトネはガータ侯爵を見つめる、ガータ侯爵は目を逸らせずガタガタと震えだす。

『あなたは夢でも見てなさい。』
 そう言うとアイトネはガータ侯爵の顔の前で手を軽く振る、するとほんの数秒の出来事でガータは白目をむき、白髪になる。

「アイさん何をしたの?」
 ルイーズを守るように立っていたマルグリットが声を掛ける。

『夢を見させてあげたのよ、精神感時間を100万倍にして。』
「どんな夢を見たら・・・こんな・・・。」
 ルイーズは口に手を当て驚く様に問いかける。

『四肢を引きちぎられて、生きたまま体を虫に食べられる夢、痛覚付きで見させてあげたわ。』
「それを100万倍の時間?」
『そうね、1秒で12日くらいよ、3日くらいで精神が壊れたけれど。』
「アイトネ、魂も壊れかけたぞ。」
『魂の修復は得意でしょ?さっさと連れて行きなさいよ。』
「こいつらにはやらないのか?」
『えぇ、チハルを狙ったのはこの子だけだし、溜飲は下がったわ、それじゃ私はジブラロールに居るバカに夢を見させてあげてくるわね。』
 アイトネは手を振り消える。

「それじゃ俺もこいつらを連れて行く、ルイーズ、ブルーワグ王には話を付けて来た、協力してくれるはずだ、それと。」
 モートはブルーワグの文官達を見る。

「あいつらは傀儡だ、そこの子爵と男爵もな、ブルーワグ王の名を出せば言い成りになる。」
 そう言うと指を鳴らし3人の男とモートが消えた。

「・・・メグ。」
「はぁ・・・さてと。」
 全てを見聞きし、混乱している各国の者を見回すマルグリット。

パンパンパン

「はい!貴方達、今の方々はモート国に顕現して頂いた二柱の神、モート様とアイトネ様よ。」
 マルグリットは手を叩き注目させる。

「話を聞いていた通り、ルイーズ、ブルーワグ王、そして私の娘チハルの暗殺を企んだ罪で冥界へ送られたわ、あなた達も気を付けなさいね。」
 皆は全力で頭を縦に振る、千春達がこの場に居ればヘドバンだと笑う程に、そして事は終わったとマルグリットは解散!と宣言し部屋に帰った。





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