異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

文字の大きさ
271 / 1,171
連載

モート国でお買い物!

しおりを挟む
「うん!素材の味だね!」
「まぁジブラロールから遠いからねぇ。」
「でもパンは柔らかいよ。」
「パンは商業ギルドが広めてるからじゃん?」
「その分チハルが儲かってると、今幾らくらいなんだろうね。」
 千春達は元帝都の街を見学しながら食べ歩きをしていた。

「ここの酒は何じゃろうなぁ。」
「酒屋が有れば見たいな。」
「わっちも気になるっちゃけど。」
 ロイロ、ルプ、ビェリーもキョロキョロとあたりを見回しながら楽しんでいる。

「・・・サフィーナ様。」
「何かして来る感じでは無いようですが、警戒し続けるのも疲れますね。」
 サリナが王宮から出てから、尾行してくる者に目だけを向けサフィーナは溜息を吐きながら言うと、モリアンとラルカが手を上げる。

「サフィーさん、私行ってきましょうか?」
「私も行きまーす♪」
「いえ、大丈夫みたい、2人はそのままユラとイーレン様を護衛してなさい。」
 サフィーナは2人にそう言うと、千春の横をまた歩き出す。

「サフィー何かあった?」
「いえ、何も問題は無いです、思ったよりものんびりお買い物が出来そうですね。」
 サフィーナは千春に微笑み返す、尾行していた者達は、マルグリットが千春の警護に分けた部隊が対応し連れ去って行った。

「チハル、こっち海産物あるよー?」
「モート国って海近いの?」
「この国の隣接している他の国が海沿いに有るんです、連邦国の一つなので交易が盛んなんでしょうね。」
 麗奈が見つけた海産物を見ながら千春が言うと、サフィーナが答える。

「へぇ、乾燥してる物も多いね、昆布とかあるかな。」
「チハルこれ何?」
「なんだろ、鑑定・・・乾燥した海藻だね、翻訳されてないからこの世界の物っぽい。」
「食べ方わかんないねぇ。」
「ぱっと見はヒジキっぽいから和食の味付けでイケるかも。」
「千春、これ鑑定してみてよ。」
「ほいほい、鑑定・・・おぉぉぉぉぉぉぉ!」
「何!?」
「天草キター!」
「天草って何作れるの?」
「ところてん!」
「そんな喜ぶ物か?」
「いやいや、これ寒天にも出来るから!ゼリー作れるんだよ!?」
「マジか、それは買わないとね。」
 乾燥した海藻が沢山置いてある店で、他にも大量の海藻を買いまくる。

「うん!モート国来て良かったわ。」
「ハース領には無かったの?」
「無かったんだよねぇ、これ持って行って探してもらおうか。」
「そうだね、人魚さん達なら水中で収獲しまくれるし?」
「うんうん、ちょっとお給金弾んでもイイね見つけれるなら。」
 ウキウキの千春と頼子、美桜は気付けばエーデルと、麗奈もホーキンと一緒に店を見て回っていた。

「チハル、ミオとレナの世界が甘いんだけど。」
「そう?私達は見慣れてるからなぁ。」
「レナもなんかかんか言いながらホーキンさんと仲良いよね。」
「チハルはハルトさん連れてこなかったの?」
「ハルトって何気に忙しいんだよねぇ、まぁ第一王子でお父様の仕事手伝ってるから。」
「アリンさんは?」
 日葵は頼子にも問いかける。

「アリンさんも魔導士団長で色々仕事してるんだよー、騎士団と違って分団してないっぽくてさー、仕事多いって泣いてたもん。」
「ありゃー、そりゃ残念だぁね。」
 違う世界を作り上げる2人を横目に見つつ、商店を見て回っていると、ゴロゴロとした芋ばかり売っている店が有った。

「おー芋じゃん。」
「お、お嬢ちゃん・・・お嬢様何か探してるの・・・お探しで?」
 店主の男は千春の身なりを見てたどたどしい敬語で話しかける。

「あ、普通に話してもらって大丈夫ですよ、これって全部芋ですか?」
「あぁすまねぇ、慣れてないもんでな、この周りの国で採れる芋だ。」
「おすすめは?」
「そうだなぁ、この芋は焼くと甘くて美味い、こっちはかなり粘り気があるが、精がつきやすぜ。」
「へぇ・・・鑑定(ボソッ)・・・おぉ!サツマイモっぽい!」
「赤くないよ?」
「でも、サツマイモの親戚っぽい事書いてるし甘いならそうなんじゃない?」
「こっちは山芋っぽいよね。」
 色も形も山芋のような芋は、鑑定すると山芋だった。

「山芋も料理色々出来るなぁ、おじさんコレとコレ沢山ください!」
「おおぅ、クマラ芋とヤム芋だな、クマラ芋は大量にあるが、どれくらい必要だい?」
 木箱に入ったサツマイモを指さす店主に、千春はその箱全部!と言い、お金を払う。

「ありがとよ、お嬢さん、これはサービスだ持って行ってくれ。」
 店主はそう言うと、瓶を1つ手渡す。

「なんです?これ。」
「このクマラ芋で作った酒だ、芋を作ってる農家で作ってるんだが仕入れる時に毎回貰うんだよ。」
「へぇ、ありがとうございます、酒飲みがいっぱいいるんで有難いです。」
 千春はお酒を受け取ると店を出る、そして店の外にいるルプに見せる。

「お酒もらったよー。」
「楽しみだな、芋の酒か。」
「チハルちょっと嗅いでもいいかいな?」
 ビェリーが嬉しそうにルプの頭の上で話しかけて来る。

「いいよー、はい。」
 千春は蓋をポンッと開けるとビェリーに嗅がせる。

「くはぁ!こりゃ原酒やん!」
「お?焼酎の原酒か?」
「へぇ、蒸留技術もあったんやねぇ、これ他んところでも売ってないかいな?」
 香りを嗅ぐと、ルプとビェリーは興奮気味に言う。

「焼酎の原酒って何?」
「さぁ?お酒良く知らないもん。」
 千春と頼子は頭を傾げながら問いかける。

「まぁ味付け香り付けのブレンドする前の物だ、とにかくアルコール度数が高い。」
「へぇぇ、それじゃお酒屋さん探す?」
「「探す!」」
 ルプとビェリーは食い気味に答えると、匂いをクンクンと嗅ぎながら周りを見て回る。

「ちょっと聞いてきますね!」
 話を聞いていたモリアンは、テテテーと小走りに走り、近くのお店に入り、直ぐに出て来る。

「チハルさん、あっちにお酒が色々売ってるらしいですよ!」
「ナイス!モリー!それじゃお酒買いに行こう!」
「「「おう!」」」
 そう言って皆は通りを進み、酒屋へ向かった。



-------------------


「王妃殿下、チハル様に付けた者より5人の尾行者を拘束、ペドラ子爵の名前が出てきました。」
 部隊の者から報告があり、マルグリットは頷く。

「まぁその下っ端じゃぁ居所は知らないでしょうねぇ、チハルの正体も把握してないでしょうから、取りあえず尾行しただけかしら。」
「そうねぇ、もし知って尾行してたのなら、王宮に間諜が居るって事よね。」
「その可能性も有るわねぇ。」
「でもそれっぽい人物は今の所居ないわ、怪しい動きをしている者も、王宮には今の所見当たらないわねぇ。」
 蝙蝠を色々な所に待機させ、情報を見ているアルデアは呟く、そしてアルデアとマルグリットはのんびりとお茶を飲んでいた。








しおりを挟む
感想 3,904

あなたにおすすめの小説

【完結】胃袋を掴んだら溺愛されました

成実
恋愛
前世の記憶を思い出し、お菓子が食べたいと自分のために作っていた伯爵令嬢。  天候の関係で国に、収める税を領地民のために肩代わりした伯爵家、そうしたら、弟の学費がなくなりました。  学費を稼ぐためにお菓子の販売始めた私に、私が作ったお菓子が大好き過ぎてお菓子に恋した公爵令息が、作ったのが私とバレては溺愛されました。

公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。

木山楽斗
恋愛
実は、公爵家の隠し子だったルネリア・ラーデインは困惑していた。 なぜなら、ラーデイン公爵家の人々から溺愛されているからである。 普通に考えて、妾の子は疎まれる存在であるはずだ。それなのに、公爵家の人々は、ルネリアを受け入れて愛してくれている。 それに、彼女は疑問符を浮かべるしかなかった。一体、どうして彼らは自分を溺愛しているのか。もしかして、何か裏があるのではないだろうか。 そう思ったルネリアは、ラーデイン公爵家の人々のことを調べることにした。そこで、彼女は衝撃の真実を知ることになる。

王宮メイドは今日も夫を「観察」する

kujinoji
恋愛
「はぁぁ〜!今日も働くヴィクター様が尊すぎる……!」 王宮メイドのミネリは、今日も愛しの夫ヴィクターを「観察」していた。 ヴィクターが好きすぎるあまり、あますところなく彼を見つめていたいミネリ。内緒で王宮メイドになり、文官である夫のもとに通うことに。 だけどある日、ヴィクターとある女性の、とんでもない場面を目撃してしまって……? ※同じものを他サイトにて、別名義で公開しています。

7歳の侯爵夫人

凛江
恋愛
ある日7歳の公爵令嬢コンスタンスが目覚めると、世界は全く変わっていたー。 自分は現在19歳の侯爵夫人で、23歳の夫がいるというのだ。 どうやら彼女は事故に遭って12年分の記憶を失っているらしい。 目覚める前日、たしかに自分は王太子と婚約したはずだった。 王太子妃になるはずだった自分が何故侯爵夫人になっているのかー? 見知らぬ夫に戸惑う妻(中身は幼女)と、突然幼女になってしまった妻に戸惑う夫。 23歳の夫と7歳の妻の奇妙な関係が始まるー。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。

パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、 クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。 「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。 完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、 “何も持たずに”去ったその先にあったものとは。 これは誰かのために生きることをやめ、 「私自身の幸せ」を選びなおした、 ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。

初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―

望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」 【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。 そして、それに返したオリービアの一言は、 「あらあら、まぁ」 の六文字だった。  屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。 ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて…… ※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。

婚約破棄すると言われたので、これ幸いとダッシュで逃げました。殿下、すみませんが追いかけてこないでください。

桜乃
恋愛
ハイネシック王国王太子、セルビオ・エドイン・ハイネシックが舞踏会で高らかに言い放つ。 「ミュリア・メリッジ、お前とは婚約を破棄する!」 「はい、喜んで!」  ……えっ? 喜んじゃうの? ※約8000文字程度の短編です。6/17に完結いたします。 ※1ページの文字数は少な目です。 ☆番外編「出会って10秒でひっぱたかれた王太子のお話」  セルビオとミュリアの出会いの物語。 ※10/1から連載し、10/7に完結します。 ※1日おきの更新です。 ※1ページの文字数は少な目です。 ❇❇❇❇❇❇❇❇❇ 2024年12月追記 お読みいただき、ありがとうございます。 こちらの作品は完結しておりますが、番外編を追加投稿する際に、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。 ※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。