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教国の思惑!
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「チハルおねえちゃんこれなぁに?」
ユラは露店の品を指差しながら問いかけて来る。
「なんだろうねぇ、鑑定・・・へぇ瓜かぁ、カボチャの親戚っぽいね。」
「おいしい?」
「どうだろう、試しに買ってみよう。」
千春は並べられた瓜を数個買うと、次の露店を見て回る。
「レナ!果物ですわぁ~♪」
「うわぁカラフルだね。」
色とりどりの果物が並べられた露店にしゃがみ込み麗奈は呟く。
「お嬢さん食べられますか?」
店番をしているのか、年配の女性が野球ボールのような果物を1つ取ると麗奈に声を掛ける。
「味見出来るんですか?」
「はい、少々お待ちくださいね。」
ナイフを取り出し、慣れた手つきで果物を割ると、オレンジ色の果実が出て来る。
「はいどうぞ。」
「ありがとうございます。」
果物を受け取ると、麗奈は一緒に受け取ったスプーンですくい一口食べる。
「ん~~~~~~美味しい!リリも食べる?」
「たべますわぁ♪」
リリは姿を現し、麗奈のすくったスプーンに口を付ける。
「ん~♪甘いですわ~♪」
「お姉さんこれ下さい!」
女性は急に現れた妖精を見て、驚いたまま固まっていた。
「は?あ、はい、どれくらい買われますか?」
「この籠に入っているの全部ください!」
「はい!ありがとうございます!」
籠には2~30個ほど山盛りになっていた、それを指差す麗奈、受け取るとポイポイっとカバンに入れて行く、アイテムボックスになっているカバンに消える果物を女性はポカンとした顔で見ていた。
「チハル、酒が売っとるぞ。」
「お酒?どこ?」
ロイロに言われた方を見ると、立ち飲み居酒屋の様な店がある。
「立ち飲み?」
「どうじゃろうか・・・一杯いいか?」
「え゛ー!」
「儂が一杯くらいで酔わない事くらい知っとるじゃろ。」
「知ってるけどさー。」
「ルプ、行くじゃろ?」
「そりゃ行くだろ。」
「わっちもいくばい!」
「僕も!」
ペット達はロイロの後ろをゾロゾロと付いて行き飲み屋に入って行った。
「まったく。」
「チハルはロイロ達に優しいから。」
クスクスと笑いながら言うサフィーナ。
「色々やってくれるからね、我儘言うのもお酒の時だけだし、護衛さんも居るんでしょ?」
「えぇ、ただ紹介されてませんから、どの視線が護衛か分かりません、そもそもこのメンバーが目立ちすぎるんですよ。」
サフィーナは苦笑いしながら見まわす、そして歩いていると、建物の間に薄汚れた服を着た少年を見つける。
「スリなども多そうですね。」
「治安悪い?」
「いえ、良い方ですよ、フリエンツ王国の方が凄かったでしょう?」
「あー、あそこは海賊居たもんねー。」
千春もサフィーナの視線を追い、建物の隙間を見る。
「孤児なのかな。」
「孤児と言うよりもスラムの者でしょう、独特のコミュニティを持っていますから変に手は出さないでくださいね。」
「はーい、サフィーママー。」
千春は後ろ髪が引かれる気持ちを何とか切り離し、歩き出す。
「んー、一度目に入ると・・・やっぱり目に付くなぁ。」
所々に居る身なりが怪しい者を見ながら言う。
「チハルの世界ではこういった者は見ませんでしたね。」
「そうだね、ある程度救済措置もあるから、でもゼロではないし他の国には沢山居るよ。」
「気にしてもしょうがないですよ。」
「うん、分かってるけどね。」
「ユラちゃん、このフルーツ美味しいよ、ほらレンちゃんもおいでー。」
美桜は別の露店で試食しているフルーツを見せながら呼ぶ。
「こっちって試食とか有るの?」
「普通はしませんね、チハル達が良い所の者と分かっているからサービスしているんですよ。」
「あー、やっぱりそうなんだ、申し訳ないね。」
「その分買うでしょ?」
「もちろん!沢山買うよぉ!」
千春はそう言うと、皆が集まる場所に行く、そしてそのまま露店巡りを続けた。
----------------------
「どうだ?聖女と接触出来そうか?」
「教会からの護衛も見張っています、無理です。」
「そうか、やはり抜け駆けは無理か。」
何かしら企む男達は、報告した者から聞き、また考え出す。
「聖女を呼ぶか?」
「聖女をか?そうなるとあいつらも気付くだろ。」
「しかし、聖女と接触出来る機会を作るにはそれしかないだろう。」
「それに俺達は教会関係者だ、お伺いを立てるだけなら問題は無いだろう。」
「よし、手紙を送るぞ?」
「そうだな、聖女が来ればチャンスも有るはずだ。」
そう言うと男達はニヤリと笑い、手紙を書き綴った。
---------------------
「聖女様は?」
「はい、先程商業ギルドを出た後は露店巡りをしながら食材等を買われております。」
「何を買ったかは確認しているか?」
「書き留めております。」
「ふむ、今後、教国に教皇を戻す為にも女神様への供物の確立は絶対にしなければならない!」
カーディー枢機卿は拳を握りしめながら力説する。
「料理の得意な信者と助祭を連れてきました!」
部下の1人がそう言うと、女性を2人連れて来る。
「よし!あとはレシピを教えて頂き、女神様への料理を作るだけだ、頼むぞ2人とも!」
2人は頭を下げる。
「これで・・・これであわよくば私が次の教皇に!」
「そうなれば次の枢機卿は私に推薦して・・・・。」
「わかっている、もちろんだ、女神様の恩恵を受けたとは言え、成り上がりのデクスターが教皇というのが納得いかん、裏であ奴らも動いておるのは分かっている、しかし何も出来ないだろうからな!」
カーディーは勝ち誇ったように笑顔になる、そして部下達に言う。
「もうすぐ聖女様がお帰りになる!しっかりやるんだぞ!」
「「「「はいっ!」」」」
返事をすると、それぞれ持ち場に移動していく、それぞれの思惑を胸に抱きながら。
ユラは露店の品を指差しながら問いかけて来る。
「なんだろうねぇ、鑑定・・・へぇ瓜かぁ、カボチャの親戚っぽいね。」
「おいしい?」
「どうだろう、試しに買ってみよう。」
千春は並べられた瓜を数個買うと、次の露店を見て回る。
「レナ!果物ですわぁ~♪」
「うわぁカラフルだね。」
色とりどりの果物が並べられた露店にしゃがみ込み麗奈は呟く。
「お嬢さん食べられますか?」
店番をしているのか、年配の女性が野球ボールのような果物を1つ取ると麗奈に声を掛ける。
「味見出来るんですか?」
「はい、少々お待ちくださいね。」
ナイフを取り出し、慣れた手つきで果物を割ると、オレンジ色の果実が出て来る。
「はいどうぞ。」
「ありがとうございます。」
果物を受け取ると、麗奈は一緒に受け取ったスプーンですくい一口食べる。
「ん~~~~~~美味しい!リリも食べる?」
「たべますわぁ♪」
リリは姿を現し、麗奈のすくったスプーンに口を付ける。
「ん~♪甘いですわ~♪」
「お姉さんこれ下さい!」
女性は急に現れた妖精を見て、驚いたまま固まっていた。
「は?あ、はい、どれくらい買われますか?」
「この籠に入っているの全部ください!」
「はい!ありがとうございます!」
籠には2~30個ほど山盛りになっていた、それを指差す麗奈、受け取るとポイポイっとカバンに入れて行く、アイテムボックスになっているカバンに消える果物を女性はポカンとした顔で見ていた。
「チハル、酒が売っとるぞ。」
「お酒?どこ?」
ロイロに言われた方を見ると、立ち飲み居酒屋の様な店がある。
「立ち飲み?」
「どうじゃろうか・・・一杯いいか?」
「え゛ー!」
「儂が一杯くらいで酔わない事くらい知っとるじゃろ。」
「知ってるけどさー。」
「ルプ、行くじゃろ?」
「そりゃ行くだろ。」
「わっちもいくばい!」
「僕も!」
ペット達はロイロの後ろをゾロゾロと付いて行き飲み屋に入って行った。
「まったく。」
「チハルはロイロ達に優しいから。」
クスクスと笑いながら言うサフィーナ。
「色々やってくれるからね、我儘言うのもお酒の時だけだし、護衛さんも居るんでしょ?」
「えぇ、ただ紹介されてませんから、どの視線が護衛か分かりません、そもそもこのメンバーが目立ちすぎるんですよ。」
サフィーナは苦笑いしながら見まわす、そして歩いていると、建物の間に薄汚れた服を着た少年を見つける。
「スリなども多そうですね。」
「治安悪い?」
「いえ、良い方ですよ、フリエンツ王国の方が凄かったでしょう?」
「あー、あそこは海賊居たもんねー。」
千春もサフィーナの視線を追い、建物の隙間を見る。
「孤児なのかな。」
「孤児と言うよりもスラムの者でしょう、独特のコミュニティを持っていますから変に手は出さないでくださいね。」
「はーい、サフィーママー。」
千春は後ろ髪が引かれる気持ちを何とか切り離し、歩き出す。
「んー、一度目に入ると・・・やっぱり目に付くなぁ。」
所々に居る身なりが怪しい者を見ながら言う。
「チハルの世界ではこういった者は見ませんでしたね。」
「そうだね、ある程度救済措置もあるから、でもゼロではないし他の国には沢山居るよ。」
「気にしてもしょうがないですよ。」
「うん、分かってるけどね。」
「ユラちゃん、このフルーツ美味しいよ、ほらレンちゃんもおいでー。」
美桜は別の露店で試食しているフルーツを見せながら呼ぶ。
「こっちって試食とか有るの?」
「普通はしませんね、チハル達が良い所の者と分かっているからサービスしているんですよ。」
「あー、やっぱりそうなんだ、申し訳ないね。」
「その分買うでしょ?」
「もちろん!沢山買うよぉ!」
千春はそう言うと、皆が集まる場所に行く、そしてそのまま露店巡りを続けた。
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「どうだ?聖女と接触出来そうか?」
「教会からの護衛も見張っています、無理です。」
「そうか、やはり抜け駆けは無理か。」
何かしら企む男達は、報告した者から聞き、また考え出す。
「聖女を呼ぶか?」
「聖女をか?そうなるとあいつらも気付くだろ。」
「しかし、聖女と接触出来る機会を作るにはそれしかないだろう。」
「それに俺達は教会関係者だ、お伺いを立てるだけなら問題は無いだろう。」
「よし、手紙を送るぞ?」
「そうだな、聖女が来ればチャンスも有るはずだ。」
そう言うと男達はニヤリと笑い、手紙を書き綴った。
---------------------
「聖女様は?」
「はい、先程商業ギルドを出た後は露店巡りをしながら食材等を買われております。」
「何を買ったかは確認しているか?」
「書き留めております。」
「ふむ、今後、教国に教皇を戻す為にも女神様への供物の確立は絶対にしなければならない!」
カーディー枢機卿は拳を握りしめながら力説する。
「料理の得意な信者と助祭を連れてきました!」
部下の1人がそう言うと、女性を2人連れて来る。
「よし!あとはレシピを教えて頂き、女神様への料理を作るだけだ、頼むぞ2人とも!」
2人は頭を下げる。
「これで・・・これであわよくば私が次の教皇に!」
「そうなれば次の枢機卿は私に推薦して・・・・。」
「わかっている、もちろんだ、女神様の恩恵を受けたとは言え、成り上がりのデクスターが教皇というのが納得いかん、裏であ奴らも動いておるのは分かっている、しかし何も出来ないだろうからな!」
カーディーは勝ち誇ったように笑顔になる、そして部下達に言う。
「もうすぐ聖女様がお帰りになる!しっかりやるんだぞ!」
「「「「はいっ!」」」」
返事をすると、それぞれ持ち場に移動していく、それぞれの思惑を胸に抱きながら。
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