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千春と頼子のお買い物!

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「・・・でけぇ。」
「うん、明太ではない。」
 店主に卵の塩漬けを聞き、出してもらった物を見ながら呟く。

「嬢ちゃん味見してみるかい?」
「はい!」
 千春と頼子は小皿に乗せた塩漬けを口に入れる。

「・・・うまっ!」
「え?マジ美味しいんだけど?」
「おう!うめぇだろ!」
「これ何の卵なんですか?」
「こいつぁサメの卵だ、こっちはバラク、これはゴードだな。」
「サメってキャビア?!」
 頼子は驚きながら千春に問いかける。

「さぁ?私キャビア食べた事無いもん。」
「私も無いけどね。」
 千春はこっそりと鑑定しながら品物を見ていく。

「ヨリ、このバラクってタラだよ。」
「んじゃこれタラコなの?」
「そう・・・なのかな?」
「こっちも食べてみるかい?」
「はい!」
 2人はタラコと言うには大きすぎる塩漬けを少しもらい口に入れる。

「タラコじゃん。」
「いきなり目的達成じゃん?」
「おじさんこれ生の卵有ります?」
「ココにはねえな、漁師が加工して持ってくるからなぁ。」
「そっかー、おじさんこの卵とサメのやつあるだけ下さい!」
「は?売るのは構わねえが、良い値段になるぞ?」
「いくら?」
「この樽一つで小金貨一枚、サメの方は小金貨3枚だ、裏に20樽は有るぞ?」
「はい!金貨で払うね。」
 千春はアイテムボックスがら巾着を出すと金貨を見せる。

「おお・・・すげえな嬢ちゃん、そう言う事なら問題ねえ、どこぞの貴族様だったか?」
「お忍びだからね。」
 千春は冗談っぽい言い方で口に人差し指を当ててシーとする。

「はっはっは、それじゃ配達するからよ、どこに持っていけば良いんだ?」
「大丈夫、持って帰れるので。」
「そう・・・なのか?」
 店主は女子供ばかりで、後ろにいる狼に乗せるにも無理があるだろうと思いながら樽を見せる。

「ほれ、コイツだ。」
「ありがとー。」
 千春はアイテムボックスに落としていく。

「こりゃぁたまげた、魔法なのか?」
「そうですよー、秘密にしてて下さいね♪」
「おう、商売は信用第一だ、その代わりまた贔屓にしてくれよ。」
「もちろん!また買いにきますね!」
 店主のおっちゃんとなぜかガッチリと握手を交わす千春。

「さて、目的の物は買えたし、次はお酒買いに行くかな・・・サフィー?」
 サフィーナは千春の方を向いてはいるが、目は周りを警戒していた。

「サフィー?」
「次ですね、どちらへ行きます?」
「お酒買おうかなって、サフィー警戒し過ぎじゃない?」
「ジブラロールは比較的安全ですが、ここは港町です、粗暴な者も多く居ますし犯罪を当たり前に行う者も居ますからね。」
「へぇ。」
 千春がサフィーナに言われ、話を聞いていると店から男が2人喧嘩をしながら出て来る。」

「おぉ~喧嘩してんねぇ、酔っ払いかね。」
 頼子も他人事の様に男を見ていると、つかみ合い文句を言いながら近づいてくる。

「てめぇ!ふざけんなよ!」
 男は怒鳴りながらもう一人の男を突き飛ばす、その男は酔っぱらっているのかふらつきながら千春たちの方へ近づく。

「えいっ!」

バキャッ!!!!

 ふらつきながら近くまで来た男をラルカは回し蹴りで吹っ飛ばす、男は横の木箱に頭から突っ込み木箱を粉砕する。

「え?大丈夫なの?・・・・え!??!??」
「げっ!??!」
 千春と頼子は吹っ飛んだ男を見てサフィーナに声を掛けると、サフィーナはナイフを持った男の腕を捻り押さえつけ、護衛のフィークスとドラゴニュートのダフニーも男を2人倒していた。

「サフィー、まだ居るぞ。」
「その様ですね。」
「わっちに任せんしゃい。」
「ふむ、軽く運動するかのぅ。」
 ルプが気配を見ながら声を掛けると、ビェリーとロイロはニヤリと笑い千春達から離れた。

「え?どうしたの?」
「喧嘩をしていた男達も仲間でしょうね。」
 サフィーナは一人の男を見ると、その男はすぐにサフィーナの所まで来る、そしてナイフを持つ男を縛り拘束する。

「何かの組織かしら?」
 サフィーナは男に問いかける

「・・・・フンッ。」
「あら、もう一度聞きます、答えないのでしたら一生喋れない様にしてあげますわよ?」
 男が持っていたナイフを首に当てサフィーナは微笑みながら言う。

「しらねぇ、ガキを捕まえてこいって言われただけだ、本当だ。」
 男は震える声でサフィーナに答える。

「チハル、次のお店に行きましょうか。」
「え?良いの?ロイロとビェリーは?」
「なんじゃー心配してくれとるのか?」
「おわったばーい、暫く目を覚まさないくらいにしといたけん。」
 ケラケラと笑いながら2人は戻って来る。

「船乗りの様じゃな。」
「そうですね、下っ端どころか小銭で雇われた者の様です、サリナとオクナにも連絡しておきましょう。」
 サフィーナは魔道具に魔力を注ぎ連絡をする。

「買い物続けても大丈夫な感じ?」
「そうですねぇ、今のを見てまだ手を出してくるようでしたら一度帰りましょうか。」
「帰る事は無いじゃろ、邪魔する奴は儂が追い払ってやるわ。」
「そうだなぁせっかく千春が楽しそうにしてるのを邪魔するなら・・・暴れても良いよな。」
「ヨリも久しぶりの買い物やけんね、邪魔するなら許さんばい。」
 ルプ、ロイロ、ビェリーはそう言うと千春と頼子の横に来る。

「さぁチハル!酒を買いに行くぞ!」
「あ・・・そう言う事ね。」
「ビェリーもそう言う事なのかな?」
「そげなことないばい?ほんとばい?」
「ルプ?」
「ん、ほら、次だ次、買いに行くんだろ?」
「はいはい、美味しいお酒を買いに行きましょうね~♪」
 千春と頼子、サフィーナも笑いながら歩き出した。




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