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目指すはフリエンツ!

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「ごめんよぉ!ウチが明太パスタ食べたいと言ったばかりに・・・うめえなファンガスちゃん。」
 美桜はファンガスペペロンチーノを食べながら謝りつつも口は動かしている。

「で?どうやって行くん?」
「リリにハース領まで送ってもらって、そっからロイロ便かな?」
「誰が行くの?」
「皆行くよね?」
「そりゃ行くよ。」
「もちろん!」
「行かないわけがない。」
「ママ達どうする?そろそろ来るんじゃん?」
 麗奈がママさんズの事を言う。

「それは大丈夫じゃね?アイトネ様に言っておけば来れるし、着いたらLIMEするっしょ?」
(・・・アイトネー。)
 千春はアイトネに声をかける。

『なにー?』
「普通に出て来るね、ヨリママ達来たらお願いしていい?」
『いいわよん♪』
「ありがと!はいこれ。」
 千春はコンビニのちょっとお高いエクレアを渡す。

『美味しそう!ってチハル達は何食べてるの?』
「パスタだよ、こっち麺って無いよね。」
『有るわよ?この国では見ないけど。』
「あ、あるんだ、見ないから作ってみたんだよ。」
『へぇ、美味しそうね。』
「食べる?」
『食べるわ♪』
 千春はアイテムボックスから出来たてのパスタを取り出しアイトネに渡す。

「よし、これでママ達はOK、部屋に戻ってロイロにお願いしないとね。」
「千春あのゴンドラ使う?」
「えっと、私達7人にサフィー達4人、あとはルプソファー以外は場所取らないし。」
「千春、1人に侍女1人は付けてくださいね。」
「え、そんなに居ないじゃん、コラリーとドロテは連れていけないっしょ?」
「オクナ。」
「ハッ。」
「フアナとあと一人準備させなさい。」
 サフィーナは部隊長を呼び、命令をする。

「了解しました。」
 オクナは姿を消す。

「あー、オクナちゃんが行くのね。」
「はい、チハルが移動するなら部隊長も連れて行った方が早いですからね。」
「そうですよねー、箒で飛んでもロイロさんには追いつきませんもん。」
 サフィーナが言うとモリアンも同意する。

「14人とルプか、ちょっと狭いかなぁ。」
「ロイロちゃんに聞いてみたら?」
 千春が呟くと頼子が言う。

「そだね、それじゃパスタ食べてしまおう。」
『美味しいわねぇ、これも教会に教えてもらいたいわぁ♪』
「うぃー、ミートソースマジウマ。」
「ファンガスちゃん美味いなー、まだあるの?」
「あるよー、っていうかめっちゃ居たから幾らでも捕りに行けそう。」
「繁殖出来ないかな。」
「一応魔物だからねぇ、勝手に繁殖させたらお父様の胃が壊れる!」
「あははは!」
 エイダンの気も知らずゲラる7人、ふとサフィーナが呟く。

「チハル、白あんは?」
「・・・アイテムボックスに入れとこう、帰ってきたら作るよ。」
 今は餡子よりも明太子と言わんばかりにサフィーナへ答える。

『白あんって?』
「ん、餡子の別バージョン、出来たら一番に食べさせてあげるから心配しないでね。」
『ありがとうチハル♪ご馳走様、また何かあったら声かけてね♪』
「それじゃ部屋戻ろう。」
「私は王妃殿下に言伝していきます!」
「それでは私はエンハルト殿下へ。」
「アイトネ、ごめんだけどお願いするね。」
『任せて~♪』
 千春はアイトネにお願いをすると、モリアンとサリナが立ち上がり厨房を出る、千春達は部屋に戻る事にした。


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「ただいまー、ロイロ、今からフリエンツに行きたいんだけど。」
「フリエンツ?・・・あーガゥアンのおる場所か。」
「覚えてた?ちょっと美味しい物が有るっぽいのと、日本と同じような物無いか探したいんだよね。」
「ふむ、まぁ構わんが、確かハースの北じゃったな。」
「そ、だからハースまでリリに送ってもらって、そこからロイロ便で良い?」
「何人行くんじゃ?」
「14人とルプ、他は場所取らないから。」
「・・・護衛はどうするんじゃ?」
「いるかな。」
「まぁすぐわかるわ。」
 ロイロは扉の方を見ながら微笑む。

「チハル!」
「う!?」
 サリナが扉を開けるとすぐにエンハルトが入って来る。

「まったく、こんな時間からいきなり出かけるとか、父上も良く許可したな。」
「だってー、サフィー達もいるし?ロイロもルプも、ビェリーとコンだっているもん。」
「・・・はぁ、移動手段は?」
「ロイロ便で今相談中。」
「行くなとは言わないが、もう少し計画してから行動出来ないか?」
 呆れるようにエンハルトは言う。

「ハルト、今更でしょう?」
 サフィーナは微笑みながらエンハルトに言う。

「ロイロ、ゴンドラに乗れそうなのか?」
「ギリギリじゃな、まぁハースから北に数時間じゃろ、問題なかろう。」
「ふむ、リリ、ハースまで何人送れる?」
「ん~20人くらいなら問題ないわよ~?」
「わかった、数人準備させるから連れていけ、今から呼んでくる。」
 エンハルトは踵を返し部屋を出て行く。

「ほれ、こうなったじゃろ。」
「くそー、サクッと移動しておけばよかった。」
「それをやったら帰って来た時怒られますよ。」
「どのみち怒られるんかー!」
「心配なんですよ。」
「このメンツで?」
 千春はロイロ達を見渡し言う。

「そういう物ですよ。」
「そういう物ですかぁ~。」
「サフィーナ様準備が出来ました。」
 部隊長のオクナが侍女の服を着て声を掛ける。

「サビアが行くのね。」
「はっ。」
 サフィーナが言うと、サビアは頭を下げる、モリアンも戻ってくると庭が騒がしくなる、そしてエンハルトが入って来た。

「待たせたな、竜騎士団を連れて来た、まだ訓練中だが移動の邪魔にはならないだろう、ロイロ頼んだ。」
「ふむ、了解した。」
 庭に出ると、ドラゴンが3頭、騎乗した兵士が3人降りて来る。

「お待たせしました、チハル王女殿下。」
 竜騎士と言われた男は千春にお辞儀をする。

「・・・あ!怪我してた人だ!」
「はい、あの時はありがとうございました。」
「千春知ってる人?」
「うん、魔物にやられて片腕食べられてお腹から血流してた人、回復魔法で治したんだよ。」
「うへぇ!?」
「魔力めっちゃ使ってアイトネに・・・いや、なんでもない、それで竜騎士になったんです?」
「はい、第三騎士団団長からの移動になりまして、竜騎士団団長になりました。」
「おー!・・・出世した?」
「はい!」
「そちらの方達も?」
「ご挨拶が遅れました、竜騎士団副団長、リベスと申します。」
「同じく、竜騎士団のアイリスと申します。」
 線は細く見えるが体つきはしっかりしたリベスと、女騎士のアイリスが挨拶をする。

「で、ごめんだけど、竜騎士団長さん名前なんだっけ。」
「申し訳ありません、自己紹介をした事が有りませんでした!フィークスと申します!」
「いえいえ、あの時は大変だったもんね、ドラゴンはどの子かな?あ、スカーフ巻いてるじゃん、えっとダフニーとサイマスとアベリアかな?」
「その様じゃな。」
 ロイロが言うと、ドラゴン達はドラゴニュートになり頭を下げる。

「よし!準備OKかな?」
「ウチらは問題なーし。」
「っていうか準備要らなくね?」
「まぁねー要る物ってチハル達が収納してるし。」
「リリ、大丈夫?」
「大丈夫ですわよ~、さぁ皆フェアリーリングに入ってね~♪」
 リリに促され皆はフェアリーリングに入る。

「チハル、無茶をするなよ。」
「はーい!行ってきまーす!」
 エンハルトは軽く手を上げる、千春は答えると風景が変わる。

「ロイロゴンドラ出すよー。」
 千春は砂浜にゴンドラを出すとロイロは上に乗る。

「さぁ乗り込めー!」
「はーい!」
『場所が分かる者はおるのか?』
「ロイロ様、自分が分かりますので先頭を行かせて頂きます。」
 団長のフィークスがダフニーに騎乗し答える。

『任せたぞ、チハル行くぞー!』
「おっけー!しゅっぱーつ!!」
 ロイロは翼を広げ大きく羽ばたくと、ダフニー、サイマス、アベリアも大きく翼をはためかせ飛び立った。





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