272 / 744
パスタ作るよ!
しおりを挟む
ダン!ダン!ダン!
「・・・。」
サフィーナは千春が丸い塊を叩きつけ、丸める作業を見ていた。
「うりゃぁ!」
ダン!ダン!
「まだやるの?」
「んー、こんなもんかなぁ。」
丸めた団子状態の物をペチペチ叩きながら千春が答える。
「ただいまー。」
「おかえりミオ、レナ、デート楽しかった?」
美桜と麗奈が部屋に戻ってくると、頼子はニヤニヤしながら問いかける。
「うん、楽しかったよー、マジ2人とも紳士!」
「ねー、騎士って皆んなあんな感じなのかな。」
「どうだろねぇ、食堂に来る兵士さんはそんな感じしないからなーあの二人が特別何じゃない?」
ダン!!!
「ん?何してんの?」
「千春がパスタ作ってる。」
「へぇ・・・え?麺から?」
「らしいよ、モリーちゃんが作り方メモしてたから教えてるんじゃないかな。」
麗奈は厨房をのぞき込む。
「チハルー?」
「あ、レナおかえりー、楽しかった?」
「うん、パスタつくってんの?」
「そだよー。」
「手伝おうか?」
「いや、ちょうど今終わって生地寝かすから。」
「そっか。」
「あ!そうだ!餡子も作ったんだよ。」
「そうなん?上手く出来た?」
「うん、食べるかえ?」
「食べるどす。」
千春はパスタの生地にラップを掛けると応接間に戻る。
「ミオおかえりー。」
「ただいま~♪」
「昼に餡子作ったんだけど食べる?」
「食べる!」
千春は取っておいたどら焼きと羊羹、冷製白玉ぜんざいを取り出しテーブルに並べる。
「うっはマジ美味そう!」
「いっただきまーす!」
「へぇ、コレ作ったんだね。」
「そ、色々豆見つけてさ、白あんも作れるから明日作ろうかなって思ってる。」
「他にも豆あったの?」
「枝豆とか大豆あったよ。」
「マジかよ、枝豆いいな。」
「まだあるから夜茹でてあげるよ。」
「大豆もあるならきな粉も作れるじゃん。」
「・・・あ!そうだよ!きな粉って大豆じゃん!」
ハッとした顔で千春が驚く。
「きな粉餅とか良いよねー。」
「でも細かく砕かないとダメじゃん?」
「え、砕けるじゃん、サラッサラに。」
「どうやって?」
「カレー作ったときに使った道具、ポーション部屋に有るじゃん。」
「そうだった!借りても良いのかな。」
「言えば借りれるんじゃね?」
「んじゃヨリに聞いてもらおっと。」
「なーんーでーよー。」
「いーいーじゃーんー。」
「良いけどさ、白玉いただき~♪」
頼子達が食べていると、青空、大愛、日葵が帰って来た。
「ただいまぁぁぁあああああ!!!なにそれー!」
「え?なになに?うっわ!美味しそう!」
「えーうちらの有るの?」
3人は入って来ると騒ぎ出す。
「あるある、ちゃんと取ってるから。」
「サスチハ!」
「わ~い♪」
「いただきぃ!」
「練習どうだった?」
千春はどら焼きに齧り付く青空に問いかける。
「めっちゃ面白かった、魔法すげえなー。」
「ソラって風だよね。」
「うん、あと生活魔法らしいんだけど、鑑定とか洗浄とか便利な魔法教えてもらったよ。」
「え?洗浄使えるの?」
「うん、使えるよ。」
青空は左手を軽く上げ魔法を使う、するとサフィーナが使う洗浄と同じ様にふわりと光る。
「さっきから使ってるから手汚れてなかったわww」
「いいねぇ、ダンジョンとかで凄い便利らしいよ。」
「いや、ダンジョン行って無いから知らないし。」
「ダイアは?」
「うちは氷も使える様になったよ。」
「はぁ?!早くない!?」
「え?そうなの?」
「うん、私も使えるようになったけど4か月かかったよ!」
「へー、でもチハルは色々属性あるじゃーん、うちは水と氷だけだし。」
大愛はそう言うとぜんざいの中に氷をポトリと落とす。
「ヒマリは?」
「私?可もなく不可もなく?」
「何言ってんのよ、3種類の魔法使いまくって砂嵐やら暴風雨出してたじゃん。」
「えへっ♪」
大愛に突っ込まれ、日葵はペロっと舌を出す。
「MP大丈夫だった?」
「うん、もらった世界樹の水全部飲み干しちゃったけど。」
「それは大丈夫だよ、また取りに行けば良いし。」
「はぁ、お腹落ち着いた、晩御飯はどうすんの?」
青空が千春に聞く。
「夜はパスタでーす、今仕込んでるから。」
「ほほお!パスタなら手伝えるかも!」
「ソラ、千春のパスタって麺から作ってるからね。」
「え?マ?乾麺茹でるんじゃないの?」
「違うよーん。」
「仕込んでるって麺か。」
「アレ使うの?ぐるぐる回したら麺がムニュムニューって出る機械。」
「うんにゃ、平麺だよ、こっちの世界って麺文化無いっぽいからさ、吸って食べるより食べやすいかなって思ってさ。」
「そう言えば麺見ないね、チハル教えなかったの?」
「うん、めんどくたい。」
「でた!めんどくたい!」
皆は今日の出来事や王都で何をしたと話が盛り上がる。
「んーそろそろ良いかな。」
「では食堂に行きますか。」
サフィーナは厨房に行くと生地をアイテムボックスに入れる。
「え?食堂で作るの?」
「そだよーん、ルノアーさんに料理教えるからね。」
「りょ~。」
千春達は全員で食堂に向かう。
「ルノアーさん来たよーん!」
「いらっしゃい!パスタってのは出来たのかい?」
「生地は準備出来たよ、生地の作り方はモリーがメモしてくれてるから。」
そう言うとモリアンはメモをルノアーに渡す。
「フムフム、うん、パン作りに似ているな。」
「そうだね、こねる工程と寝かせる工程は似てる、ただちょっと固いのと酵母は入れて無いけど。」
サフィーナは生地を取り出しテーブルに置く。
「はい、コレが麺の元です。」
「ふむ、結構デカいな。」
「これを幾つかに分けるんだよ。」
そう言うとナイフで切り分け10等分に分け小さな団子を作っていく。
「で、これに打ち粉をしまーす。」
小麦粉を振りまきつぶしていく。
「で、この棒!これで平らにします。」
縦に長く伸ばしながら薄く平らにしていく。
「で、また打ち粉しながら伸ばしてー、で、これを折りたたみます。」
打ち粉をして4回ほど折っていく。
「で、こうやて折ってから切っていきまーす。」
包丁で手際よく5mmほどの細さで切っていく。
「はい!あとはこれを茹でるだけだよ。」
「ふむ、わかった、この残った団子は俺たちがやっていいか?」
「うん、いいよ、私はパスタのソース作るね。」
千春はユラから貰ったファンガス達を出していくと、青空達が驚く。
「なんじゃこれ!」
「動くキノコ!?」
「きもっ!!!!」
「ファンガスっていう魔物だよ、まだ魔石取ってないから動くけど。」
千春はファンガスを半分にぱかっと割ると魔石を取り出す、ファンガスは動きを止める。
「はい!この赤いファンガスちゃんと黄色ファンガスちゃんを使ってキノコパスタ作りまーす!」
「ちゃん付けんなし・・・食べにくいだろー。」
「よく見たら可愛い気がしてきた。」
麗奈は文句を言い、美桜は鷲掴みしたファンガスを見ながら笑う、そして頼子と千春はファンガスをザクザクと切り、料理を始めた。
「・・・。」
サフィーナは千春が丸い塊を叩きつけ、丸める作業を見ていた。
「うりゃぁ!」
ダン!ダン!
「まだやるの?」
「んー、こんなもんかなぁ。」
丸めた団子状態の物をペチペチ叩きながら千春が答える。
「ただいまー。」
「おかえりミオ、レナ、デート楽しかった?」
美桜と麗奈が部屋に戻ってくると、頼子はニヤニヤしながら問いかける。
「うん、楽しかったよー、マジ2人とも紳士!」
「ねー、騎士って皆んなあんな感じなのかな。」
「どうだろねぇ、食堂に来る兵士さんはそんな感じしないからなーあの二人が特別何じゃない?」
ダン!!!
「ん?何してんの?」
「千春がパスタ作ってる。」
「へぇ・・・え?麺から?」
「らしいよ、モリーちゃんが作り方メモしてたから教えてるんじゃないかな。」
麗奈は厨房をのぞき込む。
「チハルー?」
「あ、レナおかえりー、楽しかった?」
「うん、パスタつくってんの?」
「そだよー。」
「手伝おうか?」
「いや、ちょうど今終わって生地寝かすから。」
「そっか。」
「あ!そうだ!餡子も作ったんだよ。」
「そうなん?上手く出来た?」
「うん、食べるかえ?」
「食べるどす。」
千春はパスタの生地にラップを掛けると応接間に戻る。
「ミオおかえりー。」
「ただいま~♪」
「昼に餡子作ったんだけど食べる?」
「食べる!」
千春は取っておいたどら焼きと羊羹、冷製白玉ぜんざいを取り出しテーブルに並べる。
「うっはマジ美味そう!」
「いっただきまーす!」
「へぇ、コレ作ったんだね。」
「そ、色々豆見つけてさ、白あんも作れるから明日作ろうかなって思ってる。」
「他にも豆あったの?」
「枝豆とか大豆あったよ。」
「マジかよ、枝豆いいな。」
「まだあるから夜茹でてあげるよ。」
「大豆もあるならきな粉も作れるじゃん。」
「・・・あ!そうだよ!きな粉って大豆じゃん!」
ハッとした顔で千春が驚く。
「きな粉餅とか良いよねー。」
「でも細かく砕かないとダメじゃん?」
「え、砕けるじゃん、サラッサラに。」
「どうやって?」
「カレー作ったときに使った道具、ポーション部屋に有るじゃん。」
「そうだった!借りても良いのかな。」
「言えば借りれるんじゃね?」
「んじゃヨリに聞いてもらおっと。」
「なーんーでーよー。」
「いーいーじゃーんー。」
「良いけどさ、白玉いただき~♪」
頼子達が食べていると、青空、大愛、日葵が帰って来た。
「ただいまぁぁぁあああああ!!!なにそれー!」
「え?なになに?うっわ!美味しそう!」
「えーうちらの有るの?」
3人は入って来ると騒ぎ出す。
「あるある、ちゃんと取ってるから。」
「サスチハ!」
「わ~い♪」
「いただきぃ!」
「練習どうだった?」
千春はどら焼きに齧り付く青空に問いかける。
「めっちゃ面白かった、魔法すげえなー。」
「ソラって風だよね。」
「うん、あと生活魔法らしいんだけど、鑑定とか洗浄とか便利な魔法教えてもらったよ。」
「え?洗浄使えるの?」
「うん、使えるよ。」
青空は左手を軽く上げ魔法を使う、するとサフィーナが使う洗浄と同じ様にふわりと光る。
「さっきから使ってるから手汚れてなかったわww」
「いいねぇ、ダンジョンとかで凄い便利らしいよ。」
「いや、ダンジョン行って無いから知らないし。」
「ダイアは?」
「うちは氷も使える様になったよ。」
「はぁ?!早くない!?」
「え?そうなの?」
「うん、私も使えるようになったけど4か月かかったよ!」
「へー、でもチハルは色々属性あるじゃーん、うちは水と氷だけだし。」
大愛はそう言うとぜんざいの中に氷をポトリと落とす。
「ヒマリは?」
「私?可もなく不可もなく?」
「何言ってんのよ、3種類の魔法使いまくって砂嵐やら暴風雨出してたじゃん。」
「えへっ♪」
大愛に突っ込まれ、日葵はペロっと舌を出す。
「MP大丈夫だった?」
「うん、もらった世界樹の水全部飲み干しちゃったけど。」
「それは大丈夫だよ、また取りに行けば良いし。」
「はぁ、お腹落ち着いた、晩御飯はどうすんの?」
青空が千春に聞く。
「夜はパスタでーす、今仕込んでるから。」
「ほほお!パスタなら手伝えるかも!」
「ソラ、千春のパスタって麺から作ってるからね。」
「え?マ?乾麺茹でるんじゃないの?」
「違うよーん。」
「仕込んでるって麺か。」
「アレ使うの?ぐるぐる回したら麺がムニュムニューって出る機械。」
「うんにゃ、平麺だよ、こっちの世界って麺文化無いっぽいからさ、吸って食べるより食べやすいかなって思ってさ。」
「そう言えば麺見ないね、チハル教えなかったの?」
「うん、めんどくたい。」
「でた!めんどくたい!」
皆は今日の出来事や王都で何をしたと話が盛り上がる。
「んーそろそろ良いかな。」
「では食堂に行きますか。」
サフィーナは厨房に行くと生地をアイテムボックスに入れる。
「え?食堂で作るの?」
「そだよーん、ルノアーさんに料理教えるからね。」
「りょ~。」
千春達は全員で食堂に向かう。
「ルノアーさん来たよーん!」
「いらっしゃい!パスタってのは出来たのかい?」
「生地は準備出来たよ、生地の作り方はモリーがメモしてくれてるから。」
そう言うとモリアンはメモをルノアーに渡す。
「フムフム、うん、パン作りに似ているな。」
「そうだね、こねる工程と寝かせる工程は似てる、ただちょっと固いのと酵母は入れて無いけど。」
サフィーナは生地を取り出しテーブルに置く。
「はい、コレが麺の元です。」
「ふむ、結構デカいな。」
「これを幾つかに分けるんだよ。」
そう言うとナイフで切り分け10等分に分け小さな団子を作っていく。
「で、これに打ち粉をしまーす。」
小麦粉を振りまきつぶしていく。
「で、この棒!これで平らにします。」
縦に長く伸ばしながら薄く平らにしていく。
「で、また打ち粉しながら伸ばしてー、で、これを折りたたみます。」
打ち粉をして4回ほど折っていく。
「で、こうやて折ってから切っていきまーす。」
包丁で手際よく5mmほどの細さで切っていく。
「はい!あとはこれを茹でるだけだよ。」
「ふむ、わかった、この残った団子は俺たちがやっていいか?」
「うん、いいよ、私はパスタのソース作るね。」
千春はユラから貰ったファンガス達を出していくと、青空達が驚く。
「なんじゃこれ!」
「動くキノコ!?」
「きもっ!!!!」
「ファンガスっていう魔物だよ、まだ魔石取ってないから動くけど。」
千春はファンガスを半分にぱかっと割ると魔石を取り出す、ファンガスは動きを止める。
「はい!この赤いファンガスちゃんと黄色ファンガスちゃんを使ってキノコパスタ作りまーす!」
「ちゃん付けんなし・・・食べにくいだろー。」
「よく見たら可愛い気がしてきた。」
麗奈は文句を言い、美桜は鷲掴みしたファンガスを見ながら笑う、そして頼子と千春はファンガスをザクザクと切り、料理を始めた。
312
お気に入りに追加
2,592
あなたにおすすめの小説
幸子ばあさんの異世界ご飯
雨夜りょう
ファンタジー
「幸子さん、異世界に行ってはくれませんか」
伏見幸子、享年88歳。家族に見守られ天寿を全うしたはずだったのに、目の前の男は突然異世界に行けというではないか。
食文化を発展させてほしいと懇願され、幸子は異世界に行くことを決意する。
転生王女は現代知識で無双する
紫苑
ファンタジー
普通に働き、生活していた28歳。
突然異世界に転生してしまった。
定番になった異世界転生のお話。
仲良し家族に愛されながら転生を隠しもせず前世で培ったアニメチート魔法や知識で色んな事に首を突っ込んでいく王女レイチェル。
見た目は子供、頭脳は大人。
現代日本ってあらゆる事が自由で、教育水準は高いし平和だったんだと実感しながら頑張って生きていくそんなお話です。
魔法、亜人、奴隷、農業、畜産業など色んな話が出てきます。
伏線回収は後の方になるので最初はわからない事が多いと思いますが、ぜひ最後まで読んでくださると嬉しいです。
読んでくれる皆さまに心から感謝です。
転生少女の異世界のんびり生活 ~飯屋の娘は、おいしいごはんを食べてほしい~
明里 和樹
ファンタジー
日本人として生きた記憶を持つ、とあるご飯屋さんの娘デリシャ。この中世ヨーロッパ風ファンタジーな異世界で、なんとかおいしいごはんを作ろうとがんばる、そんな彼女のほのぼのとした日常のお話。
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?
水姫
ファンタジー
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが…
私が平民だとどこで知ったのですか?
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
ドアマットヒロインはごめん被るので、元凶を蹴落とすことにした
月白ヤトヒコ
ファンタジー
お母様が亡くなった。
それから程なくして――――
お父様が屋敷に見知らぬ母子を連れて来た。
「はじめまして! あなたが、あたしのおねえちゃんになるの?」
にっこりとわたくしを見やるその瞳と髪は、お父様とそっくりな色をしている。
「わ~、おねえちゃんキレイなブローチしてるのね! いいなぁ」
そう、新しい妹? が、言った瞬間・・・
頭の中を、凄まじい情報が巡った。
これ、なんでも奪って行く異母妹と家族に虐げられるドアマット主人公の話じゃね?
ドアマットヒロイン……物語の主人公としての、奪われる人生の、最初の一手。
だから、わたしは・・・よし、とりあえず馬鹿なことを言い出したこのアホをぶん殴っておこう。
ドアマットヒロインはごめん被るので、これからビシバシ躾けてやるか。
ついでに、「政略に使うための駒として娘を必要とし、そのついでに母親を、娘の世話係としてただで扱き使える女として連れて来たものかと」
そう言って、ヒロインのクズ親父と異母妹の母親との間に亀裂を入れることにする。
フハハハハハハハ! これで、異母妹の母親とこの男が仲良くわたしを虐げることはないだろう。ドアマットフラグを一つ折ってやったわっ!
うん? ドアマットヒロインを拾って溺愛するヒーローはどうなったかって?
そんなの知らん。
設定はふわっと。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる