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ブラックホーンブルのメンチカツ!
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「ガッツリ食べたいな!」
千春は王宮の厨房に向かいながら言う。
「具体的に~?」
「にくにくしい物は食べたじゃん?でもこう、ご飯ガッツリ行ける系?」
「全然具体的じゃなーい。」
頼子と麗奈は笑いながら千春に突っ込む。
「肉入りコロッケとか?」
「肉肉したのならメンチカツとか良いじゃん、ソース掛けたらご飯ガッツリ行けるじゃん。」
青空と日葵がアイデアを千春に言う。
「ブラックホーンブル100%メンチカツ作ろうか。」
「いいねー!」
「あの肉でメンチカツかー、贅沢だなー。」
「まだすっごい有るからねー。」
話しをしながら食堂の厨房へ到着する千春達。
「ルノアーさーんきったよーん。」
「いらっしゃい!夕食かい?」
「うん、ちょっと作ろうかと思ってね。」
「ほう?見てても良いか?」
「勿論だよ、まぁハンバーグみたいな物だけどね。」
「それじゃぁミンチ肉がいるんだな。」
「肉はこれを使いまーす!」
千春はアイテムボックスから解体済みのブラックホーンブルを置く。
「こいつはデカいな。」
「うん、普通の牛の倍くらい大きいよね。」
「しかしこれはかなり高価な肉だろう?」
「うん、ブラックホーンブルって言う魔物、魔獣?だよ。」
「あー、今回の解体で有ったな、相当な金額で売れるって喜んでいたが。」
「へぇ、これ、私とサフィーで60匹くらい持ってるからドンドン使わないとね。」
「そうか、それじゃぁ肉は俺たちがミンチにしよう、どれくらい必要だ?」
「・・・これ全部ミンチで。」
「・・・嘘だろ?」
「本当。」
「・・・お前ら!仕事だ!」
ルノアーは男連中を呼ぶ、そして100㎏はあろうかと言う肉塊を大振りのナイフで切り分け渡していく。
「千春、そろそろ一匹無くなる?」
「まさか、まだ半分も使ってないよ。」
「マ?」
「マ。」
頼子が切り分けられる肉を見ながら千春に言うと、千春は笑いながら答える。
「よーしこっちは玉ねぎ切るよー!」
「チハルさん、玉ねぎも手伝うぞ?」
「いや!私達も作りたい!どうせ食堂でも出すでしょ?そっちはそれに使って。」
「肉も使って良いのか?」
「もちろん、今出したの全部使って良いよー。」
「・・・有難うございます!」
「え!?どうしたの!?」
「いや、これだけで金貨数枚・・・いや十数枚行くだろう?」
「マ?」
「ま、だ。」
「今日は豪華なメニューになるね。」
「そうだなぁ、最近は侍女や兵士達の口が肥えてきてなぁ、今日の料理は何か分からないが喜ぶだろうな。」
ルノアーは玉ねぎを持ってくるように指示し、千春のレシピをチェックしていく。
「はーい、玉ねぎ切る人ー。」
「ほーい!」
麗奈と日葵が手を上げる。
「微塵切りでヨロー。」
「りょー。」
「私は皮剥くわ。」
大愛が一緒に参戦し、皮を剥いて行く。
「よし!頑張るぞ!。」
包丁を持ち気合を入れる日葵。
「あ、ヒマリ、風魔法使えたよね。」
「え?うん、使えるよ。」
「自分の顔の前に風巻き込んで外に飛ばすと涙出ないよ。」
「マ!?」
「マ。」
麗奈はふわりと風を吹かせると、玉ねぎをサクサク切っていく。
「レナ上手くね?」
「チハルとねー、こっち来てると料理する事増えてさ、楽しくて家でも料理するようになったんよ。」
「ほほー。」
「それでやってると慣れて来た。」
「すげぇ、私もがんばろ。」
日葵は包丁で玉ねぎを切りながら、大愛も皮を剥き麗奈に渡しながら話しをする。
「私は玉ねぎ炒めるねー。」
「ウチもー。」
頼子と美桜はフライパンを持ち、微塵切りされた玉ねぎを炒めて行く。
「ソラ、一緒にコネコネしよう。」
「おっけ~♪」
千春と青空は大きなボールを前にパン粉と玉子、牛乳、塩コショウと入れ混ぜ合わせる。
「チハルさんミンチはこれくらいで良いか?」
「多い多い!!!早いなぁ!」
少し離れたテーブルでは、ムキムキの男たちがナイフを両手に持ち、肉をダダダダダとテンポ良くミンチにしている。
「それじゃこれを混ぜ合わせる!」
千春と青空はミンチと調味料をコネコネコネコネと混ぜ合わせる。
「サフィー、コロッケ作る材料で準備してー。」
「はーい。」
サフィーナも千春の料理は一通り覚えている、直ぐにモリアン、ラルカに指示をし、準備を始める。
「チハル、玉ねぎの粗熱どうする?」
「サフィー、ごめん、冷やしてー。」
「はーい。」
返事をすると、サフィーナはフライパンごと魔法を掛け玉ねぎを冷やす。
「ありがと、それじゃこの中に入れてー。」
「ほいほい。」
麗奈は千春に、日葵は青空のボールに玉ねぎを入れると、千春達はまたコネコネする。
「ほい!種出来た!」
「どんな形にするー?」
少しひき肉を持ち、ぺったんぺったんとキャッチボールしながら青空が問いかける。
「平べったくでいんじゃないかな。」
「そだね、火も通りやすいしそうしよう。」
「私もやるー。」
「ウチもー。」
「手伝うよーん。」
千春たちは全員でペッタンペッタン形を作る、そしてモリアンとラルカに渡すと小麦粉、卵、パン粉と流れ作業でメンチカツを形成していく。
「ふむふむ、ココから先はコロッケと同じか。」
「そ、あとは油で揚げて、浮いて泡が大きくなったら出来上がり。」
「よし、これはこっちで揚げるぞ?」
「ほいーお願いしやす!」
並べられたメンチカツを、ルノアーはバットごと持って行くと、揚げ物担当の者に渡す、するとすぐに揚げ出す。
「・・・・チハル、これどれだけ作るの?」
「・・・・んー、やっぱり肉多すぎだよねぇ。」
「そりゃそうでしょ、今揚げてるやつで全員腹いっぱいになるって。」
すでに大振りなサイズで20枚は揚げているが、手元にはまだそれ以上の肉がある。
「チハルさん、残りはこっちでやるよ、この分は王族の方に出していいか?」
「うん、そうだね、お父様達に作ってあげてください。」
「了解だ。」
ルノアーはそう言うとボールごと運んで行くと別の部屋に入って行った。
「チハルあそこは?」
「王家用の厨房、お父様達のご飯はあっちで作るんだよ。」
「へー。」
説明をしていると、シャリーが声を掛けてくる。
「チハルさーん、ソースでーす。」
「ありがとーシャリーちゃん、レモンとかもある?」
「ありまーす!あと、パンです?お米です?」
「「「「「「「米!」」」」」」」
千春たちは一斉に答える。
「りょ・・・りょうかいです!すぐにお持ちしますから、座ってお待ちください!」
「ありがとー。」
厨房から出ると、千春の定位置、気付けば誰も座らなくなった千春用のテーブルに腰を下ろす、すると揚げたてのメンチカツが野菜と共に盛られ、スープとご飯が並べられる。
「うひゃー、美味しそう!」
食堂を初めて使う青空達3人は、揚げたてでパチパチと音を立てながら美味しそうな香りを飛ばすメンチカツを見つめる。
「私はレモン~♪」
「最初は私もレモンで行こっと。」
「レモンは邪道!ソースでしょ!」
「私は両方掛ける~♪」
千春、頼子、美桜、麗奈はそれぞれ好きな物を掛ける。
「それではー。」
「「「「「「「いただきまーす!!!」」」」」」」
「んーーーー!!」
「ザクザクじゅわじゅわ!」
「おいひいー!」
「・・・・んっま!」
一口齧り付き、皆は目を見開き、そしてまた齧り付く。
「白飯うめー!」
「このソース・・・醤油?」
「そうそう、なんちゃってウスターソース、こっちで作ったんだよ。」
「すっごい合うね!」
「でっしょ~、さっき居た女の子、シャリーちゃんが作ってるんだよ。」
「へー!すっごい!」
そしてバクバクと2枚目にも齧り付き、ご飯のお代わりをしながら食事を楽しんだ。
千春は王宮の厨房に向かいながら言う。
「具体的に~?」
「にくにくしい物は食べたじゃん?でもこう、ご飯ガッツリ行ける系?」
「全然具体的じゃなーい。」
頼子と麗奈は笑いながら千春に突っ込む。
「肉入りコロッケとか?」
「肉肉したのならメンチカツとか良いじゃん、ソース掛けたらご飯ガッツリ行けるじゃん。」
青空と日葵がアイデアを千春に言う。
「ブラックホーンブル100%メンチカツ作ろうか。」
「いいねー!」
「あの肉でメンチカツかー、贅沢だなー。」
「まだすっごい有るからねー。」
話しをしながら食堂の厨房へ到着する千春達。
「ルノアーさーんきったよーん。」
「いらっしゃい!夕食かい?」
「うん、ちょっと作ろうかと思ってね。」
「ほう?見てても良いか?」
「勿論だよ、まぁハンバーグみたいな物だけどね。」
「それじゃぁミンチ肉がいるんだな。」
「肉はこれを使いまーす!」
千春はアイテムボックスから解体済みのブラックホーンブルを置く。
「こいつはデカいな。」
「うん、普通の牛の倍くらい大きいよね。」
「しかしこれはかなり高価な肉だろう?」
「うん、ブラックホーンブルって言う魔物、魔獣?だよ。」
「あー、今回の解体で有ったな、相当な金額で売れるって喜んでいたが。」
「へぇ、これ、私とサフィーで60匹くらい持ってるからドンドン使わないとね。」
「そうか、それじゃぁ肉は俺たちがミンチにしよう、どれくらい必要だ?」
「・・・これ全部ミンチで。」
「・・・嘘だろ?」
「本当。」
「・・・お前ら!仕事だ!」
ルノアーは男連中を呼ぶ、そして100㎏はあろうかと言う肉塊を大振りのナイフで切り分け渡していく。
「千春、そろそろ一匹無くなる?」
「まさか、まだ半分も使ってないよ。」
「マ?」
「マ。」
頼子が切り分けられる肉を見ながら千春に言うと、千春は笑いながら答える。
「よーしこっちは玉ねぎ切るよー!」
「チハルさん、玉ねぎも手伝うぞ?」
「いや!私達も作りたい!どうせ食堂でも出すでしょ?そっちはそれに使って。」
「肉も使って良いのか?」
「もちろん、今出したの全部使って良いよー。」
「・・・有難うございます!」
「え!?どうしたの!?」
「いや、これだけで金貨数枚・・・いや十数枚行くだろう?」
「マ?」
「ま、だ。」
「今日は豪華なメニューになるね。」
「そうだなぁ、最近は侍女や兵士達の口が肥えてきてなぁ、今日の料理は何か分からないが喜ぶだろうな。」
ルノアーは玉ねぎを持ってくるように指示し、千春のレシピをチェックしていく。
「はーい、玉ねぎ切る人ー。」
「ほーい!」
麗奈と日葵が手を上げる。
「微塵切りでヨロー。」
「りょー。」
「私は皮剥くわ。」
大愛が一緒に参戦し、皮を剥いて行く。
「よし!頑張るぞ!。」
包丁を持ち気合を入れる日葵。
「あ、ヒマリ、風魔法使えたよね。」
「え?うん、使えるよ。」
「自分の顔の前に風巻き込んで外に飛ばすと涙出ないよ。」
「マ!?」
「マ。」
麗奈はふわりと風を吹かせると、玉ねぎをサクサク切っていく。
「レナ上手くね?」
「チハルとねー、こっち来てると料理する事増えてさ、楽しくて家でも料理するようになったんよ。」
「ほほー。」
「それでやってると慣れて来た。」
「すげぇ、私もがんばろ。」
日葵は包丁で玉ねぎを切りながら、大愛も皮を剥き麗奈に渡しながら話しをする。
「私は玉ねぎ炒めるねー。」
「ウチもー。」
頼子と美桜はフライパンを持ち、微塵切りされた玉ねぎを炒めて行く。
「ソラ、一緒にコネコネしよう。」
「おっけ~♪」
千春と青空は大きなボールを前にパン粉と玉子、牛乳、塩コショウと入れ混ぜ合わせる。
「チハルさんミンチはこれくらいで良いか?」
「多い多い!!!早いなぁ!」
少し離れたテーブルでは、ムキムキの男たちがナイフを両手に持ち、肉をダダダダダとテンポ良くミンチにしている。
「それじゃこれを混ぜ合わせる!」
千春と青空はミンチと調味料をコネコネコネコネと混ぜ合わせる。
「サフィー、コロッケ作る材料で準備してー。」
「はーい。」
サフィーナも千春の料理は一通り覚えている、直ぐにモリアン、ラルカに指示をし、準備を始める。
「チハル、玉ねぎの粗熱どうする?」
「サフィー、ごめん、冷やしてー。」
「はーい。」
返事をすると、サフィーナはフライパンごと魔法を掛け玉ねぎを冷やす。
「ありがと、それじゃこの中に入れてー。」
「ほいほい。」
麗奈は千春に、日葵は青空のボールに玉ねぎを入れると、千春達はまたコネコネする。
「ほい!種出来た!」
「どんな形にするー?」
少しひき肉を持ち、ぺったんぺったんとキャッチボールしながら青空が問いかける。
「平べったくでいんじゃないかな。」
「そだね、火も通りやすいしそうしよう。」
「私もやるー。」
「ウチもー。」
「手伝うよーん。」
千春たちは全員でペッタンペッタン形を作る、そしてモリアンとラルカに渡すと小麦粉、卵、パン粉と流れ作業でメンチカツを形成していく。
「ふむふむ、ココから先はコロッケと同じか。」
「そ、あとは油で揚げて、浮いて泡が大きくなったら出来上がり。」
「よし、これはこっちで揚げるぞ?」
「ほいーお願いしやす!」
並べられたメンチカツを、ルノアーはバットごと持って行くと、揚げ物担当の者に渡す、するとすぐに揚げ出す。
「・・・・チハル、これどれだけ作るの?」
「・・・・んー、やっぱり肉多すぎだよねぇ。」
「そりゃそうでしょ、今揚げてるやつで全員腹いっぱいになるって。」
すでに大振りなサイズで20枚は揚げているが、手元にはまだそれ以上の肉がある。
「チハルさん、残りはこっちでやるよ、この分は王族の方に出していいか?」
「うん、そうだね、お父様達に作ってあげてください。」
「了解だ。」
ルノアーはそう言うとボールごと運んで行くと別の部屋に入って行った。
「チハルあそこは?」
「王家用の厨房、お父様達のご飯はあっちで作るんだよ。」
「へー。」
説明をしていると、シャリーが声を掛けてくる。
「チハルさーん、ソースでーす。」
「ありがとーシャリーちゃん、レモンとかもある?」
「ありまーす!あと、パンです?お米です?」
「「「「「「「米!」」」」」」」
千春たちは一斉に答える。
「りょ・・・りょうかいです!すぐにお持ちしますから、座ってお待ちください!」
「ありがとー。」
厨房から出ると、千春の定位置、気付けば誰も座らなくなった千春用のテーブルに腰を下ろす、すると揚げたてのメンチカツが野菜と共に盛られ、スープとご飯が並べられる。
「うひゃー、美味しそう!」
食堂を初めて使う青空達3人は、揚げたてでパチパチと音を立てながら美味しそうな香りを飛ばすメンチカツを見つめる。
「私はレモン~♪」
「最初は私もレモンで行こっと。」
「レモンは邪道!ソースでしょ!」
「私は両方掛ける~♪」
千春、頼子、美桜、麗奈はそれぞれ好きな物を掛ける。
「それではー。」
「「「「「「「いただきまーす!!!」」」」」」」
「んーーーー!!」
「ザクザクじゅわじゅわ!」
「おいひいー!」
「・・・・んっま!」
一口齧り付き、皆は目を見開き、そしてまた齧り付く。
「白飯うめー!」
「このソース・・・醤油?」
「そうそう、なんちゃってウスターソース、こっちで作ったんだよ。」
「すっごい合うね!」
「でっしょ~、さっき居た女の子、シャリーちゃんが作ってるんだよ。」
「へー!すっごい!」
そしてバクバクと2枚目にも齧り付き、ご飯のお代わりをしながら食事を楽しんだ。
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