異世界日帰りごはん【料理で王国の胃袋を掴みます！】

男性陣のコーディネート！

「何？なんで4人とも黙ってんの？」
　玄関を出て、バス停に向かうエンハルト達4人に言う千春。

「あ、あぁ、いや、凄いなと思ってな。」
「そう言えばサフィーを連れて来た時もそんな感じだったね。」
　千春は翻訳の魔道具をエンハルトに渡し、お留守番をしているサフィーナを思い出し、クスクス笑う、

「この地面黒いな、硬いしまっ平だし、これなら馬車も走りやすそうだ。」
「チハルさん、これ何で出来てるんですか？」
「・・・アスファルト？・・・知らないなぁ。」
「ミオさん、この上を通っているロープは何ですか？」
　エーデルは上を見上げながら美桜に問いかける。

「あれー？電線だよ、電気通ってんの。」
「電気ですか？」
「レナ様魔物が！」
「車だよー、そっちの大きな道しか走らないから大丈夫。」
　バス停に行くまで千春達は、あれは？これは？と質問攻めに合う。

「バス来た！」
「そりゃ来るでしょ。」
「ナイスタイミングって意味だよぅ。」
「アハハ！」
「デカいな、これが乗り物なのか。」
「そだよーん。」
　バス停に到着したバスの扉が開き、千春達は飛び乗り、エンハルト達は恐る恐るついて行く。

「うぉ！動きました！」
「アリンさん驚きすぎー。」
「この唸り声は何でしょうか、魔物が動かしているのですか？」
「エンジン音だよ、タイヤ・・・車輪？を動かす音だね。」
　エーデルが聞くと、頼子が説明する。

「次降りるよー。」
　15分程バスに揺られ目的地に到着する、いつものIONでではなく、街にある大きな通りだ。

「凄い人だな、祭りか？」
「いんやぁ、休日だからちょっと多いけどいつもこんな感じだよ。」
「千春、とりあえずメンズショップ行こー。」
「そうだね、コン、もうちょっと幻術お願いね。」
「はい！大丈夫ですよ！」
　千春達はメンズショップに行くと、それぞれ男性陣を捕まえ試着を始める。

「・・・ハルト足長いね。」
「そうか？」
「モデルみたい、このシャツとレトロ風のジャケットイイじゃん？」
「アリンさん次これ着て。」
「コレですか？」
「下はダメージジーンズイイね、はいこれ。」
「え？破れてますよ？これ。」
「そう言う服なのー。」
「コン、エーデルさんの幻術私にも見えるように出来る？」
「はーい。」
　コンはエーデルに掛けた幻術を強めに掛ける。

「めっちゃイケメンにしてんじゃん・・・。」
「あっちの世界の男性をイメージして平均的な顔立ちにしましたよ？」
「あー、何かで見たなぁ、平均的な顔立ちにすると整って美形になるって。」
　コンと美桜はそう言いつつ服を物色し、エンハルト達同様に試着させる。

「ホーキンさんシックな感じ似合いますねー。」
「そうですか？しかし、こちらの服は着心地が良いですね、お高いのでは？」
「まぁぼちぼち？でもママにLIMEしたら、買って良いって電子マネー送って来たから大丈夫だよ。」
　麗奈や美桜、頼子も母親から多めに電子マネーが届き、値段を気にせず服を選ぶ。

「よーし、ハルトはこれで決まり！
　エンハルトは黒のスキニーパンツに薄い灰色のシャツ、クラシックな茶色のジャケットを羽織る。

「元が良いと何でも似合うな、アリンさんはコレダァ！」
　ダメージジーンズに黒地のTシャツ、頭にはキャップを被っている。

「エーデルさんも着替えたよー。」
「ど・・・どうでしょうか。」
　エーデルは大きな体を前かがみにしながら言う、スリムジーンズにダブルジャケットと言う着こなしだ。

「うわぁダンディに仕上げたね、ホーキンさんはこれだぁ！」
「・・・どうですか？」
　チノパンにポロシャツのホーキンは恥ずかしそうに言う。

「よし！お着換えはおっけー！清算しよう！」
　千春達はそのまま店員に言うと支払いを済ませる、着替えた服はビェリーが収納済だ。

「で！・・・・目的のお買い物は何処で買うかねぇ。」
「スーパーで良くない？」
「せっかくハルト達のコーディネートしたんだし、ぶらつく？」
「カラオケは分かんないだろうしボーリングでも行く？」
「ゲーセンに連れてったらビックリするだろうねー。」
「行ってみる？」
「いいねー、動画取ろうかな。」
　千春達は悪ノリしだすと、エンハルト達を連れゲームセンターへ向かうことにした。

「チハル、ゲームセンターってなんだ？ゲームは分かるが。」
「色々遊ぶものがある所だよ、ヌイグルミとか取るゲームとか、プリとかあるよ。」
「プリ良いね、記念に取ろうか。」
　美桜もノリノリでスキップしながら話しをする。

「へーい！ミオ！」
　もうすぐゲームセンターと言う所で美桜は声を掛けられる。

「げ！ソラ！？」
「げって何さー、ん？お？なに！？デート！？」
　ソラこと、伊吹青空は美桜と並んで歩く大柄な男、エーデルを見ながらニヤつく。

「ちょ！あー！うーあ！」
パシャ！
「ちょ！こら！撮んな！」
「ふっふっふー、ダイア！ヒマリ！」
　青空は大愛と日葵を呼ぶ。

「どうしたーんソラ、あ！ミオじゃん！あれ？レナとヨリもいんじゃん。」
「チハルもみーっけ！」
　ダイアこと本庄大愛は麗奈と頼子を見つけ、ヒマリこと弓削日葵は千春に後ろから抱き着く。

「へぇーなに？この前行ってた彼ピ？」
「・・・うわぁ・・・めっちゃイケメンじゃん、外人さん？」
「見て見てー！デート画像ゲットだぜー！」
　青空はスマホの画像を大愛と日葵に見せる。

「「・・・え？」」
「あ・・・。」
　画像を見て大愛と日葵は動きが止まる、頼子達にも画像が見えた、見えてしまった、幻術の掛かってないエーデルの虎顔姿と、美桜の頭の上に居る子狐コンがバッチリ写っていた画像を。

「ソラ！ダイア！ヒマリ！何も言わず付いて来て！！！」
「え！？」
「お願い！」
「私からもお願い！」
　頼子が言うと、千春、美桜、麗奈は青空、大愛、日葵の腕をホールドする。

「ヨリ！BOX行こう！」
「そだね、レナ！ミオ！」
「ダイア、ヒマリ、大人しくついて来て。」
「え？え？何？」
「いいから！カラオケBOX行くよ！」
　千春達は青空達の腕を取り、そのままカラオケボックスへ向かう事にした。