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黒毛牛!

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「コン!そっち行ったぞ!」
「了解でーす!」
 ルプとコンは、38階層のブラックホーンブルの群れを追い回し、一か所に集めていた。

『よし来たようじゃな。』
 ロイロは他のドラゴン達と空から様子を見ながら呟く。

『こっちは準備オッケーよ!』
『では行きます!』
 ママドラが言うと、レフトとライトも空からブラックホーンブルの群れに突っ込んでいく。

「来た来た!サフィー行くよー!」
「はい!」
 ドラゴン達がブラックホーンブルの群れに飛び込み、一撃で仕留め千春とサフィーナの前に投げる

「はーい!収納~♪」
「そろそろ限界が来ますよ。」
「私もそろそろ満杯だなぁ、ヨリ!ビェリー!後お願いしていい!?」
「おっけ~♪ビェリーいくよ~ん。」
「まかしてー!なんぼでもいれちゃるよ!」
 千春とサフィーナはドラゴン達が倒したブラックホーンブルを、アイテムボックスに入れ頼子とビェリーに入れ替わる。

「ほーい影収納~♪」
 さらに投げられるレッドホーンブルは、自分達の影にそのまま沈み込み、頼子とビェリーが回収していく。

「千春、このエリアの牛はこれで終わりみたいだ。」
「了解!ありがとう、ルプ、コン。」
「しかし、これだけ牛が居たら食い放題だな。」
「だよねー、レッドよりも美味しいらしいよ?黒毛だからかな。」
「黒毛牛ってやつか、楽しみだな。」
「でもこれだけの牛を解体するのも大変ですね。」
「そうだね、私とサフィー合わせて50頭以上あるよね。」
「そうですね、60までは行ってないと思いますけど。」
 千春達一行は38階まで一気に殲滅し降りて来た、張り切るペット達のお陰であっという間に38階に来たが、牛の魔物を見つけ、とても肉が美味しいと聞いた千春達は狩りに勤しんだ。

「想定外の収獲だねぇ、どうやって食べてやろうか。」
「千春!すき焼き!すき焼きがいい!!!」
「ウチはステーキ!サーロイン!」
「私は牛肉100%のハンバーグが良いな!」
「私は肉串がいいです!チハルさん!」
 頼子達に便乗しモリアンもリクエストをする。

「ま、解体出来ないし、帰ってからだね。」
「チハル様、私出来ますよ?」
 ラルカが手を上げながら言う。

「でも晩御飯食べたからなぁ、そういえばもうそろそろ良い時間だけど・・・どうする?」
「ダンジョン攻略となる場合は、数日ダンジョンで寝泊まりは常識ですから。」
「えーマジか・・・ってそりゃそうだよね、どうしようか。」
「布団やベッドはアイテムボックスに入れてますよ。」
「さすがサフィー!」
「チハルーお風呂無いよー?」
「それなー、まぁ流石にお風呂はねぇ、しょうがないよねぇ、サフィーナが洗浄の魔法持ってるけど。」
「はい、ダンジョンですと洗浄魔法持ちは重宝されますからね。」
 千春とサフィーナが話しをすると、美桜がお風呂に入りたそうに言う。

「ルプー、トイレみたいに家を魔法で作れる?」
「俺一人だと無理だが、ビェリーと一緒なら出来るんじゃねぇか?」
「寝泊まり出来る囲い位ならできるばい、風呂もつくるんか?」
「え?お風呂作れるの?」
「土魔法で穴掘って水魔法で溜めりゃーいいやん、コンが狐火ぶちこんだらお湯くらい沸くんやない?」
「はい!お風呂くらいのお湯でしたらすぐに沸かせます!」
「・・・マジ?」
 有能なペット達の提案で、簡易的な家、そして風呂が作られる、そして魔法で水を溜め、お風呂が出来上がる。

「千春、寝室も作っておいたぞ。」
「うぉ、凄いね。」
「それではここに寝具を置いて行きますね。」
 サフィーナは侍女4人で寝室に区切られた部屋に寝具を置いて行く。

「エーデルさん達はどうするの?」
「自分は見張りをしますので大丈夫です。」
「私も団長と交代で見張りをしますので大丈夫です。」
 エーデルとホーキンは騎士らしく言うと微笑む。

「見張りは要らんぞ、儂と母が結界を張る、儂らの結界を壊せる魔物はここらにはおらんわ。」
「ドラゴンは寝たら起きねえが、俺たちは気付くからな、心配せずにゆっくり休んでいいぞ。」
 ロイロとルプがエーデルに言うと、エーデルとホーキンは顔を見合わせ苦笑いする。

「それでは休ませてもらいますが、自分達は何処でも寝れますので。」
「あら、エーデルさん、ホーキンさんの寝床も準備致しましたよ。」
 サフィーナは別に区切ってある部屋から出てくると声を掛ける。

「・・・有難うございます。」
 これで良いのだろうかと言わんばかりの顔でお礼を言う2人、そして千春達はビェリーとコンの作った風呂を満喫すると、ビェリー達にお礼を言う。

「ビェリー、コン、良いお湯だったよ!ありがとう!」
「お礼げな要らんっちゃ、ほら、アレが有ればね?ね?」
「僕もアレがいいです!」
「・・・そうじゃなぁ、アレが有ったら疲れも吹っ飛ぶのう。」
「俺もアレが有れば嬉しいなぁ、な、千春。」
「・・・ココダンジョンなんだけど。」
「ダンジョンで家作って、風呂に入って布団で寝る冒険者がおるくらいじゃ、もう、アレで疲れを取ってもおかしく無いじゃろ。」
「はいはいはいはい!皆さんお疲れ様でした!」
 千春はペット達に言い包められると、アイテムボックスからジブラロール産のお酒に、日本酒、焼酎、ウイスキーを取り出す。

「はい!今日の分!今日はこれだけだよ!」
「十分じゃ!それに全部飲みつくしたら明日の分が無いからの!」
「そう言う事だ、よし!ビェリー、コン!お疲れ会って奴するぞ。」
「おっしゃー!頑張った甲斐があったばい!」
「僕もです!」
 ペット達はいつの間にか酒盛り用のテーブルとイスを外に土魔法で作り、酒を並べて座る。

「母達も呑むじゃろ。」
「勿論頂くわ♪」
 ロイロはママドラ達を誘い、椅子に座ると酒盛りを始めた、もちろん結界は多重に掛けられている。

「はい、エーデルさん、ホーキンさん。」
「これは?」
「こっちで言うエールだよ。」
「酒ですか・・・良いのですか?」
「いいよー、狭い階層でいっぱい戦ってくれたからね、これ呑んでゆっくり寝てくださいね。」
「有難うございます。」
「チハル様有難うございます。」
 エーデルとホーキンも別室に移動する。

「さーて、こっちはー!」
「ほい!千春!」
 頼子が影からお菓子を取り出す。

「ういっ!あとはジュース!コーラもあるよー!サフィーナ達には銀色のアレ!」
 千春達は自分達に作られた寝室に行くと、サフィーナの出したテーブルにお菓子を並べる。

「今日は一日お疲れ様でした!カンパーイ!」
「「「「「「「かんぱーい!」」」」」」」
 そしてダンジョンの夜は更けて行った。





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