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クルメール国!

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「千春ー今日の予定は?」
「未定。」
「4連休だしお出かけしたいね、最近出掛けてないし。」
「また海いくー?」
「もう海冷たいんじゃない?」
「そう言えばだいぶ涼しくなったねこっち。」
「日本はあったかくなったけどね。」
「サフィー、どこか良いところ無い?」
 千春はサフィーナに聞くが、サフィーナも頭を傾げる。

「あ。」
 千春のスマホの音が鳴る。

「どうしたの?」
「荷物届いたっぽい、取ってくるよ。」
 門を抜け、玄関を開けると宅配便が届いていた。

「やべ、重い。」
 千春は門をまた抜けると、ルプを呼ぶ。

「ルプー荷物重いから持ってくれる?」
「おー任せろー。」
 ルプは人狼になり千春と門を抜け、玄関の中まで入れた荷物をヒョイっと持ち上げる。

「向こうに持って行くか?」
「うん、あっちならアイテムボックスに入るし、えっと、割れ物?お父さんからだ。」
 ルプは門を抜け、応接間のソファーの前に置く。

「何じゃ?」
「んっと・・・割れ物しか書いてない。」
 そう言うと、段ボールを開ける、中には海外のお酒やお菓子が入っていた。」

「何?チハルパパのお土産?」
「お土産って言うか、まぁそうだね、あ、手紙入ってる。」
 手紙を読んでいく千春は、苦笑いをする。

「珍しいお酒らしくて、お父様に渡してくれってさ。」
「おー、お菓子は?」
「お菓子は食べて良いって、でもコレって。」
「うん、カラフルだね。」
「ヨリ食べていいよ。」
「ミオ食べて良いよ。」
「レナ食べていいよ。」
「・・・モリー、食べていいよ。」
「え?良いんです!?」
「「「「どうぞどうぞ。」」」」
 千春はお菓子を幾つかモリアンに渡す。

「サフィー、お父様の所行っても大丈夫かな。」
「はい、タイキ様のお酒と言えば間違いなく問題無いと思いますよ。」
「ダヨネー、ちょっと渡しに行ってくるかな。」
 お酒を取り出しテーブルに並べると、千春はアイテムボックスに入れる。

「それじゃちょっと行ってくるよ。」
「いてらー。」
「ほーい。」
「いってらっさい!」
 千春とサフィーナ、サリナが付いて行き、エイダンの部屋へ行くと不在だった、執務室と兵士に言われ、執務室へ移動する。

「おはようございます、お父様はいらっしゃいますか?」
「はい、少々お待ち下さい。」
 兵士が千春にそういうとすぐに返事が返ってくる。

「どうぞ。」
「有難う、お父様おはようございます。」
「チハル、おはよう、どうした?」
「お父さんからお土産です、海外のお酒だそうです。」
「ほう、それは嬉しいな、タイキは元気にしておるのか?」
「はい、手紙でも元気そうですし、LIME・・・元気です。」
「そうか。」
 宰相と机を挟み、書類を広げたまま千春と話しをするエイダン。

「どうかされたんですか?」
 宰相は眉間に皺を寄せ書類を見ていた。

「あー、いえ、他国の事で少し面倒事が有りまして、陛下とお話ししていた所だったのです。」
「あ、お仕事中ごめんなさい。」
「良いんじゃよ、少し休憩しよう、考えた所で今すぐには対応出来んじゃろ。」
「そうですな。」
 サフィーナはアイテムボックスからお茶セットを出すと、サリナとお茶を入れだす。

「これが送って来たお酒です。」
「ほう、これはまた変わった入れ物じゃのぅ。」
 蓋が馬の形をしたウイスキーや、瓶自体が陶器で飾れる様な物もある。

「多分ウイスキーとかだと思いますけど。」
「ほう、今日の夜は楽しみじゃな。」
 お酒の話しをしていると、ドアがノックされ、マルグリットが入って来た。

「あら、チハル、来てたのね。」
「はい、お父さんからお土産が送られてきて、お父様にって手紙が入ってたので。」
「へぇ、綺麗な入れ物ね・・・って、エイダン、クルメール国の件はどうなったのかしら?」
「あぁ、第三騎士団の派遣が妥当じゃろうな・・・と言う話しを今しとった所じゃ。」
「そう、ママドラちゃんが行こうか?って言ってくれたのよ。」
「なに?いや、しかし、どうなんじゃ?ルーカス。」
 エイダンは宰相を見る。

「是非にでもお願いしたい所ですが、ドラゴンだけで行くと問題になるかと。」
「そうじゃろうなぁ、マルグリット、お前が行くとか言わぬだろうな。」
「流石に行けないわ。」
 3人は他国の話しをしながら考え込む。

「お父様、何が有ったんですか?」
「あぁすまんすまん、クルメールと言う国があっての、同盟国なんじゃが、数か月前からダンジョンの魔物が頻繁に出てくるそうなんじゃ、今の所なんとか軍と冒険者で押さえておるそうなんじゃが、緊急連絡でな、討伐よりも被害が上回りだして応援要請が来とるんじゃよ。」
「大変じゃないですか。」
「うむ、同盟を結んでおるからの、要請が有ればほっとく訳にもいかぬのじゃ、ママドラ殿が行ってくれると言うなら話しは早いんじゃが、誰を一緒に送るかじゃな、騎士団の団長あたりが妥当か。」
 エイダンは宰相に聞く、すると千春がエイダンに問いかける。

「それって私でも大丈夫ですか?」
「ん?チハルがか!?」
「はい、今日から4日休みでずっとこっちに居れるので、ついでに言うと暇なんです。」
「ふむ・・・んーむ、メグ、どう思う?」
「チハルなら大丈夫でしょう、チハルが行くと言う事はロイロやルプ達も行くのでしょう?」
「はい。」
「それにママドラちゃんと、レフちゃんライちゃんも行くわけだし、イー、アル、サン達も行くなら・・・ダンジョン崩壊するわね。」
 マルグリットが笑みを浮かべながら答える。

「ちょっとまて!それはまずいぞ!?各国にあるダンジョンは貴重な資源じゃ!」
「冗談・・・でもないけど、崩壊するほど暴れないわよ、多分。」
「チハル、お願いしても良いか?」
「はい!喜んで!」
「念押ししておくが、ダンジョンを崩壊させない様にしっかり見ててくれ!頼むぞ!?」
「はーい♪それじゃお酒は置いて行きますね、えっとその国の誰に言えば大丈夫ですか?」
「あぁ、すぐに書状を準備する、王族の剣は持っておるよな?」
「はい、アイテムボックスに入れてます。」
「何か有ればそれを見せたらいい、準備もあるじゃろ、書状はチハルの部屋に持って行く、サフィーナ、クルメールまでの道案内は任せて大丈夫か?」
「はい、何度か行ったことが有りますので問題有りません。」
 サフィーナの返事を聞くと、エイダンはすぐに書状を準備する。

「それじゃチハル、ママドラちゃん達に言ってくるから部屋で待っててね。」
「はーい♪」
「楽しそうね。」
「はい!何しようかってちょうど話ししてた所なので!」
 ニコニコしながら千春は答える。

「一応国の危機で応援行くから、あまりはしゃぎ過ぎないようにね、ダンジョンの件が済めば思う存分はしゃいで良いから。」
「はーいお母様♪」
 千春はマルグリットと別れ、部屋に戻る。

「はーい!みなさーん!お出かけしまーす!」
「おー!どこ行くーん?」
「えっと・・・・クル・・・ク・・クル・・・。」
「クルメール国ですよ。」
「それ!」
「へー、どこに有るの?」
「知らない!」
「「「はぁぁ???」」」
 3人は呆れた声を出し千春を見るが、千春はニッコニコで答えるのであった。






 
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