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海鮮フライにカニクリームコロッケ!

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「よし、それじゃヨリ、この蟹茹でて身をほぐして。」
「あいよ!」
「ミオ、このエビの殻剥いてー。」
「ういっす。」
「レナはこのホタテっぽいの開いて身取れる?」
「んーやってみる。」
 千春は頼子たちに指示すると、野菜を取り出す。

「私は何します?」
「んーと、サフィーは油を温めて、サリナはレナのお手伝いで、モリーとラルカは玉ねぎ切って。」
 鍋に水を張り火にかけ卵を入れる千春。

「えーっとパン粉と小麦粉、あとはコンソメとー、牛乳、塩と胡椒、マヨネーズっと。」
 手際良く調味料を取り出し並べる千春。

「タマネギどれくらい切ります?」
「そこに有るの千切りとみじん切りで分けといてー。」
「了解です!」
 ラルカは玉ねぎの皮を剥きながら千春に問いかける。

「チハルさん何作るんですかぁ?」
「えびふりゃー。」
「えびふりゃー?」
「あとホタテと牡蠣っぽいのもふりゃる。」
「ふりゃる?」
「ラルカちゃん、そんな言葉無いよ。」
 千春がふざけて言っていると、頼子が突っ込む。

「ふざけて無いよぅ!藤井家では通じるもん!」
「本当はなんですかぁ?」
「エビフライだよー、あとカニクリームコロッケも作るよ。」
「コロッケですかー?ジャガイモ無いですよ?」
「クリームコロッケだからジャガイモは入れないよー。」
 フライパンを持ち、千切りされた玉ねぎを取ると、千春はバターで炒め始める。

「チハルーエビ剥けたー。」
「背ワタ取っといて。」
「・・・・え?」
「せ・わ・た。」
「わかんない。」
「えーっとねぇ。」
 美桜から呼ばれ、千春はフライパンをモリアンに渡しエビの背ワタを取る。

「このしっぽの上あたりをナイフでちょっと切って、角で抉るように・・・こう。」
「おー!これ取ったらどうなるの?」
「まぁ食べたときの見た目と臭みかな。」
「おっけ!取り方分かった!任せて!」
 美桜はナイフを受け取り、真似をしながら背ワタを取っていく。

「モリアン、小麦粉入れるよー。」
「はーい。」
「そのままちょっと固くなるまで炒めてね。」
 千春は動き回り、指示をしていく。

「ゆで卵はこれくらいで良いかな。」
「玉ねぎの微塵切り出来ました!」
「ナイスタイミング、ゆで卵を剥こう。」
「はーい。」
 ラルカと一緒に卵の殻を剥く、そして卵を小さく切り、玉ねぎと混ぜる。

「これ混ぜててねー。」
 乾燥パセリとマヨネーズ、ピクルス、レモンを絞り塩コショウで味付けをする。

「ほい、コレは出来上がり、レナ、貝はどう?」
「全部とれたよー。」
「ミオ、エビはどう?」
「これで終わりー。」
「それじゃエビの腹をこう横に切って背中を指で押す・・と。」
 千春が押すとプチップチッと切れる音がする。

「これをしておくと丸くならないの。」
「おー。」
「レナ、これ全部小麦粉付けて、卵液に付けて、パン粉まぶしてー。」
「了解であります!」
「ミオもプチプチしたら同じ様にお願い。」
「りょーかい!」
 海鮮のフライを指示しモリアンの所に戻る。

「ミルク入れるねー。」
「はい!」
 千春は少しだけミルクを入れる。

「それだけですか?」
「うん、まだ入れるよ、混ぜてね。」
 ミルクが混ざり固まりだすとまた千春は少しだけミルクを入れる。

「一度に入れないんですか?」
「全部いれたらダマになるんだよ、半分くらい入れたら残りいれるから混ぜてね。」
「はーい。」
 何度かミルクを入れ緩くなってきた所でコンソメと塩で味付けをする。

「ヨリ、カニできた?」
「準備オッケーよ!」
 数匹分のカニをほぐしたようで、ボウルいっぱいのカニの身を持ってくる。

「多いな!」
「良いじゃん、贅沢な感じで。」
「そだね、これでいってみよう!」
 カニをホワイトクリームと混ぜるとボウルに居れる。

「サフィー。」
「はい、油は準備出来てますよ。」
「ありがとー、このホワイトソースを冷やしてもらっていい?」
「はい・・・冷やすんですか?」
「うん、凍らすくらい冷やしても大丈夫、形作るだけだから。」
「分かりました。」
 サフィーナはゆっくりと氷魔法でホワイトソースを冷やし、千春はラップに包み俵状に丸める。

「おっけー、それじゃこれもパン粉付けて揚げるよー。」
 次々と量産される海鮮のフライを油に入れ揚げていく千春。

「ほい!つぎー。」
「ほいよー、次は貝柱ねー。」
 そしてすべてを揚げ終わると、サフィーナとサリナが皿に飾り付けをしながら並べていた。

「それじゃ出来たのはママドラさんに持って行って。」
「それではこちらのは持って行きますね。」
 海鮮とクリームコロッケを乗せた皿を持って、サリナが厨房を出る。

「チハルさん、揚げ方覚えたので私がやります!」
「モリーだとクリームコロッケ爆発させそうだから遠慮しとく。」
「えー!・・・爆発するんです?」
「ぶちゅって出てくるよ。」
 そう言って揚げ物を続ける千春、そして全部を揚げ終わり、厨房から離れ宴会場と化した部屋へ戻る。

「チハルさん!」
「はいぃぃ?!」
「美味しいわ!すっごく美味しいわ!!!」
「それは良かったです。」
「このタルタルソースと言うのも凄い美味しいですわ!」
「揚げ物には合いますからねぇ。」
「この料理は何処で食べれるんですか?」
「えーっと、似たような物はジブラロール王国に行けばどこでも食べれますね、今は。」
「・・・ジブラロール。」
「ロイロ、ドラゴンの里って料理はどんな感じなの?」
「焼く。」
「・・・うん、調味料無かったね。」
「焼くならまだいい方じゃ、外の奴らは生で食うぞ?」
「料理じゃないじゃん!」
 ドラゴンの食事事情を聞き、千春はぞっとする。

「ロイロって名前を貰ったのね。」
「あぁ母には言ってなかったが、チハルと契約をしておる。」
「そう、あなたの魂は特殊だったわね、あなたが・・・ロイロが良いなら問題無いわ、それより!ロイロ、あなたもジブラロール王国に住んでるの?」
「そうじゃが?」
「そう・・・。」
「フェアリーリングも設置しましたから、たまに料理作りに来ますよ。」
「本当?」
「はい、石も貰いましたし、お礼も兼ねて遊びに来ます、もちろんお酒も。」
 それを聞き、嬉しそうにするママドラ、そして沢山のコロッケと海鮮フライは酒と一緒に皆のお腹に流し込まれていった。




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