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ドラゴンの所に再出発だあ!

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「はぁぁ、やっぱお風呂は良いねぇ。」
「こっちの世界にお風呂文化あって良かったわ。」
「それな!やっぱり浸かりたいよねー。」
「4人で入るの当たり前になってきたね。」
 千春達がお風呂から上がりまったりしていると、エーデルとホーキンが帰ってくる。

「戻りました、チハル様。」
「おかえりなさい、エーデルさん、ホーキンさん、どうだった?」
「話の通じる貴族で良かったです、少しは良くなるでしょう。」
「そっか、お疲れ様でした、良かったらあそこに混ざって呑んでね。」
 酒盛りをしているロイロ達を見ながら言うと、エーデルは微笑みながら答える。

「王国までチハル様を無事にお帰りさせるまでが自分の職務ですから。」
「大丈夫だよー、外に護衛さんも居るし、ルプ達は呑んでも警戒してくれるから。」
 既に侍女達には、業務終了宣言した為呑んでいた。

「はぁ・・・しかし・・・。」
「はい!エーデルさんホーキンさん、今日のお仕事終わり!お風呂入ってきて!汚れてるでしょ!」
 千春は浴室を指差し命令口調で言うと、エーデルは困りつつも微笑み、ホーキンを連れ浴室に消えた。

「エーデルさんをあんまり困らせないでよーチハルー。」
「だってあれくらい言わないと真面目過ぎるじゃん?」
 美桜は千春に言うが、顔は綻んでいる。

「まぁ、そうだね、ありがと。」
「うん、あ!ロイロ、明日朝すぐ出る?」
「そうじゃなぁ、あと2時間もかからん、チハルに任せるぞ。」
「あ、もう少しなんだ。」
「空から行くからの、普通に行けば2ヶ月は掛かるじゃろ。」
「えぇぇマジでー?」
「そりゃそうじゃろ、未開拓な上に山を幾つか越えるんじゃ、馬車も通らん。」
 ゲラゲラ笑いながらロイロは言うと酒を飲む。

「それじゃ朝ごはん食べたら出るって事で、OK?」
「おっけー!」
 頼子達も答えると、お菓子を食べながら酒盛りに参加し、就寝した。



----------------------------------



「おはようルプー。」
「おはよう、よく寝れた様だな。」
「ルプ枕があるからねー。」
 ルプのお腹に包まれ、返事をする千春。

「チハル起きましたか。」
「おはようサフィー。」
 モゾモゾとベッドから這い出ると、千春は着替え、応接間に行く。

「おはよー・・・モリー、ルカ、大丈夫?」
「なんとか、だいじょうぶれふ。」
「・・・だい・・じょうぶ・・ですぅ。」
「だいじょばないな、こりゃ、2人とも手出してー。」
 千春は2人の手を取ると魔法を唱える。

「・・・アンチドート。」
「ふぁぁ、ありがとう御座います、チハルさん。」
「・・・え?」
 モリアンは慣れた様に千春へお礼を言うが、ラルカは体の変化に戸惑う。

「ルカ?」
「あ、これは?」
「二日酔い回復魔法だよ。」
「チハル、解毒魔法ですよ。」
「二日酔いにしか使ってないじゃん。」
「・・・そうですね。」
「凄いです!スッキリしました!」
 元気になったラルカはお礼を言う。

「侍女が二日酔いってサフィーちゃん的に大丈夫なの?」
「ダメですよ?」
「怒らないね。」
「チハルが許可を出してますので、それに魔法を知ってますので。」
 頼子が聞くと、微笑みながらサフィーナが答える。

「それじゃ朝ごはん食べて出発しよう!」
「朝食はもう頼んでますので、もうすぐ来ますよ。」
 サフィーナが言うタイミングで、ドアがノックされ、朝食が運ばれる。

「うわぁ!美味しそう!」
「これも王国で食べてる食事じゃん?」
「ようするにチハルが広めた料理?」
「って事だよね。」
 食事はいつしか作ったホットドッグにポタージュスープ、オムレツやサラダと豪華な品揃えだ、皆はワイワイと食事を終わらせ、出発の準備を終わらせる。

「それじゃ街を出ましょうかねぇー。」
「チハル様、領主にはロイロ殿の事は伝えておりますので、宿の広場から出発しても大丈夫です。」
「そうなの?それは助かるかもー。」
 皆は宿のチェックアウトをすると、厩舎横の広場に行く、そこへ千春がゴンドラを出すと驚きの声が聞こえる。

「ロイローよろしく!」
「任せい!」
 ロイロはドラゴンに変化すると巨大化する、そしてゴンドラの上に乗った。

「よーし!みんな乗り込めー!」
「ひゃっほー!」
「ロイロちゃんよろー!」
「いくぞー!」
 テンション高く乗り込む4人、他はいつも通り落ち着いて乗り込む。

「ロイロ良いよー!」
『行くぞー!』
 大きく羽を広げ浮き上がるロイロ、宿の者、街の者、そして離れた領主邸からもロイロの姿が見えた、そしてロイロは普段上げない鳴き声を放つ。

『ギャオォォォォォォウ!!!!!!』
「ロイロ!?どうしたの?!」
『いや、領主に聞こえるようにな。』
「あー・・・威嚇?」
『そんな所じゃな、行くぞー!』
 ロイロは笑いながら羽ばたき、山の方へ飛び立つ。

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「アレがジブラロール王国第一王女のドラゴンか。」
 領主邸からザルグル男爵が呟く。

「その様でございます。」
「ふむ、ジブラロールの騎士団長が言った事も本当と言う事か。」
「はい。」
「・・・ボルダリに教師と兵士長を付け徹底して指導しろ、泣き言は聞かなくて良い。」
「はっ。」
「あの時・・・我を通しておったら命は無かったと言う事か、謝罪して良かった・・・本当に良かった。」
 手すりに縋り、膝がガクガクと震え膝を落とすザルグル男爵、そして男爵はボルダリの更生に全力を注いだ。
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